INVISIBLE Dojo. ーQUIET & COLORFUL PLACE-

John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

長文書評

【書評】「それでも町は廻っている」−−21世紀に下町人情ものが可能という奇跡

話はヒラコー「ドリフターズ」から始まる。ドリフターズ 1 (ヤングキングコミックス)作者: 平野耕太出版社/メーカー: 少年画報社発売日: 2010/07/07メディア: コミック購入: 31人 クリック: 1,173回この商品を含むブログ (292件) を見るどうも織田信長や島津…

ゆうきまさみデビュー30年の年に、あらためて「内海課長」を考える。【創作系譜論】

【創作系譜論】 ホットエントリに ■内海が理想の上司になる社会の危うさ http://d.hatena.ne.jp/toronei/20101119/H が入り、ブクマがにぎわった http://b.hatena.ne.jp/entry/d.hatena.ne.jp/toronei/20101119/H ことで、「内海課長」のはてなキーワード作…

小学校を舞台に宗教誕生?…イブニング「よいこの黙示録」に大期待する理由

この前の続きとなります。 イブニングで今、連載開始から通算4回が掲載された青山景の漫画「よいこの黙示録」についてです。まだ序盤の序盤ながら、非常におもしろく、期待できると思っています。 【1−4回までのあらすじ】 新人教師・湯島朝子が担任の産…

偶然、「エスパー」について考える機会が多かった(七瀬ふたたび、SKET DANCE、藤子短編)

「七瀬ふたたび」が映画化。10月公開。 この前、渋谷に単館上映されている洋画を見に行ったら、その途中にこういうポスターが張ってあって驚いた。 映画情報をふつうに雑誌などで事前チェックしている人なら、既におなじみなのでしょうけど、私はけっこう公…

【書評】古谷三敏「ボクの手塚治虫せんせい」~手塚治虫は「必ず映画を見るんだぞ」と言ってアシに千円のお小遣いをあげたという話

この前、twitter上で、漫画家の古谷三敏さんは手塚治虫の初期のアシスタントであり、その回想記が最近本になったという話を見つけてここでも紹介しましたよね。ボクの手塚治虫せんせい作者:古谷 三敏双葉社Amazon購入して読んでみました。 データ的にいうと…

書評・新格闘技漫画「鉄風」を読む…光と影、残酷と無垢のガチンコマッチ【感想・レビュー】

てなわけで、一部でそのクオリティを高く評価されていた、太田モアレの女子格闘技漫画「鉄風」が1、2巻同時発売という形で講談社からリリースされました。 太田という漫画家は、まだ肩書き的には「アフタヌーン四季大賞」だったか? そういうものしかない…

「(元)ヤクザ?が喫茶店」という「なごみさん」が連載開始。 <ヤクザが○○をしたら・・・>ものの系譜

今、連載して3、4回目ぐらいです。週刊モーニング。 なごみさん 宮本福助 にぎわいも今は昔、あちこちでシャッターが下りる鶴亀商店街。 元ヤ●ザと噂される男が喫茶店を開いた。過去なんてどうでもいいじゃないか。これから新しい道を極めるんだから。顔が…

「プロレススターウォーズ」馬場vsアンドレの凄さを改めて考える

本日1月31日は、ジャイアント馬場さんが亡くなられた日です。そしてアンドレ・ザ・ジャイアントがなくなったのも日時の近い1月27日でした。馬場さんは1999年、アンドレは1993年の逝去ですから、今年が特に節目とかそういうことではないのですが・・・・だが…

この本を連続ドラマ化してはいかがか。立川談春「赤めだか」

あらためて思うと、世の中いろんなものがドラマ化されています。 この前、映画ファンの上司が「映画化された築地魚河岸三代目は、続編を作るらしい」と教えてくれて 「ええっ?だってあれ、大ゴケにコケたでしょ?」 「まあ『JIN』のヒットもあったしな。も…

「金沢克彦著「子殺し」は格闘技・プロレス両面で面白い「新日MMA外伝」だ

【書評十番勝負】ここ最近は、格闘技の生ニュースがなんかボク的には途切れたので、やっとこういう話を紹介できる。子殺し 猪木と新日本プロレスの10年戦争作者: 金沢克彦出版社/メーカー: 宝島社発売日: 2009/07/17メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 1…

「木村紺の学園女子柔道漫画「からん」が,格闘技漫画として凄い件(アフタヌーン)

【書評十番勝負】(ひさびさだ) たぶん今日から数日、1エントリ書けるか書けないかという感じになりそうなので、とりあえず積み残したこの話題を、大急ぎで書こうということになりました。 というのは、本日が月刊アフタヌーンの最新号発売日だからです。 …

「「GIANT KILLING」はサッカーを知らない者が読んでも、こんな風に面白い。

【書評十番勝負】※書いたのは11日です。夜に完了したため、こちらに移動しました 朝(※11日)のCMとワイドショーで見たんだけど、今日サッカー・ワールドカップの予選があるんだそうです。 なんかずっと「絶対に負けられない戦い」をしていたのは知っている…

森恒二「自殺島」の系譜を適当にたどってみる。(仮説段階)

(※最初の文章は大急ぎで書いたため粗く、今は誤字訂正も含め修正しました。) 「ホーリーランド」の森恒二が放つ新連載は、ここでも一度紹介した「自殺島」。 この作品世界では、自殺を何度も繰り返した人間は「権利と義務を自ら放棄した」と見なされ、南?の…

かなり以前に書いたみなもと太郎「風雲児たち」紹介文を再録

昨日付エントリを補足していたら、いい機会のような気がしたのでここで公開しよう。 これはいわゆる「グリフォン・ファイル」と呼ばれる、インターネット普及以前に某所に書いていた文章の再録。 ここでは「パトレイバー(漫画版)」の評(http://d.hatena.n…

「BSマンガ夜話」の前に、自分なりの「よつばと!」試論

【書評十番勝負】 序 http://www.nhk.or.jp/manga/main.html シリーズ第35弾 (2008年9月16日〜18日放送分) 9月16日(火) ハチワンダイバー (7月5日公開収録分) 柴田ヨクサル 9月17日(水) 蒼天航路 原案・李學仁/漫画・王欣太 9月18日(木) よつばと! あずま…

今年10周年の「ヒカルの碁」を再読/そして大場つぐみ&小畑健コンビの「バクマン」始まる。

(はてブが理由は分かりませんが分離してしまいました http://b.hatena.ne.jp/entry/d.hatena.ne.jp/gryphon/20080822%23p3 がメイン ) 【書評十番勝負】 ひさびさに「書評十番勝負」に挑もう。 「バクマン。」≒「まんが道」+「サルまん」+???・・・・ ま…

95年、マンガ連載終了時点で書いた「機動警察パトレイバー」の感想 

http://www.fami-geki.com/recommend/index.html#03 TVシリーズ「機動警察パトレイバー」 8/3(日)放送開始 放送日時: 初回放送:(日)19:00〜19:30 再放送:(火)深夜0:30〜 (木)深夜2:30〜 声の出演: 冨永みーな、古川登志夫、池永通洋、千葉 繁 ほか 機…

オバマ死闘の末に勝利…の今こそかわぐちかいじ「イーグル」再読を

【書評十番勝負】【※間を挟みつつ、6日夜に一応完結しました】長い長い、異例の戦いの末に、米国の民主党大統領予備選は、黒人候補が大統領の座に王手をかける異例の結果となった。 もっともそうでなかったら、女性が王手をかける、いずれにしても異例の結果…

「神戸在住」の連載終了(最終単行本発売)を惜しむエントリが人気

いま、エレキマン敗戦の第一報を英語国民に伝えるためにIDを切り替えた(詳細はムニャムニャ。)。いったんはてなダイアリーにログインしたら切り替えることなく http://d.hatena.ne.jp/ にアクセスしない人も多いだろうけど、自分はそういうわけでたまには…

書評「ぼくの週プロ青春記」(小島和宏著)を読む【完全版】

【書評十番勝負】 ※数日に渡ってかき続け完成したので、ここに置かせてもらいます。途中まで読んでた人も、あらためて読んでいただければ幸い。 この本も小生の個人企画「書評十番勝負」に後から割り込んできた飛び入り候補だが、その面白さは十分エントリー…

「米百俵」のモデル小林虎三郎と河井継之助−戊辰戦争140年(完全版・1エントリにまとめました)

【書評十番勝負】昨日、柔術分裂劇のことを書いている時にふと思い出したが、1868年に明治維新があり、それに伴う戊辰戦争も行われた。だから最後の五稜郭開場は一年後だが、多くの戊辰戦争は鳥羽伏見も会津も長岡も宇都宮も日光も上野も140周年なのだ。 そ…

川原泉漫画に関する雑感・感想(昨日のコメント欄から続く)

【書評十番勝負】 http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20080325 のコメント欄からの流れであります。竹内出のことを書いたから、その流れで川原泉についても書くことにしましょうか(なんでだよ、我ながら)でもいま、考えをまとめていたら「多分誰かがすでに書…

村上もとか「龍」が完結。来年の手塚治虫文化賞は決まった。

本当は、これに全力を入れて書こうと思ったのだが、また格闘関係が予想以上に増えた(笑)。 さて、ついに終わってしまった。1991年に連載を開始したから実に15年。単行本は、今出ているものでも40巻を数える大長編だ。 ひとつの交響曲を聴き終えたかのよう…

「道士郎でござる」バカの正義、小心者の正義

道士郎でござる(1) (少年サンデーコミックス)作者: 西森博之出版社/メーカー: 小学館発売日: 2014/09/29メディア: Kindle版この商品を含むブログを見る道士郎でござる コミック 全8巻完結(少年サンデーコミックス) [マーケットプレイス コミックセット]作…

菌よ、汝はかもさん、天上の美酒を−「もやしもん」(完全版・11/16付から転載)

昨日(11/15)、メモで「今年のヌーボーはよいヌーボー」と書いた。 産経新聞11/15によると「今年は『ブドウにとって理想的な天候で、豊かな果実味とバランスのよさが特徴。一昨年(註:2003年のアール・ヌーボーは百年に一度の出来と言われ、売り切れが続出…

うなぎ完結編−−その脅威の生態!!

http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20051013#p2 http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20051014#p2 から続く。 ウナギの神秘を語るには、箇条書きが一番よかろう。 うまれ故郷 例えばヨーロッパ、アメリカのウナギの出身地は・・・サルガッソー海!! もう、初っ端か…

うなぎを論ず。(「ウナギのふしぎ―驚き!世界の鰻食文化」)

http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20051013#p2から続きます。さかなの中においてキングオブキングスは、だれがなんと言おうとうなぎ以外にあるまい。 まさに「絶対王者」。 しかし、このうなぎさん、実は生態、食性など数々の面で実は正体不明!! どこで生ま…

闇の魔王、闇に消える---「野中広務 差別と権力」を読む

【書評十番勝負】 ずっと感想を書かなければいけないと思っていながら、放置というか攻めあぐねていた一冊だ。野中広務 差別と権力作者: 魚住昭出版社/メーカー: 講談社発売日: 2004/06/29メディア: 単行本購入: 4人 クリック: 444回この商品を含むブログ (5…

ごく平凡な個人的「鋼の錬金術師」感想

【書評十番勝負】 もう本日がBSマンガ夜話で、同作を放送する日だ。その前座として。鋼の錬金術師 (10) (ガンガンコミックス)作者: 荒川弘出版社/メーカー: スクウェア・エニックス発売日: 2005/03/11メディア: コミック購入: 1人 クリック: 17回この商品を…

「アホでマヌケなマイケル・ムーア」とはなにか?

アホでマヌケなマイケル・ムーア作者:ハーディ,デヴィッド・T.,クラーク,ジェイソン白夜書房Amazon インターネットやブログ内で何カ月にも渡って 大きな論議を呼んだ「華氏911」とその作者である マイケル・ムーア。 とくに「はてなダイアリー」内では、町山…