INVISIBLE D. ーQUIET & COLORFUL PLACE-

John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

「ルパン三世異世界に行く」漫画(たぶん)大好評で第二部へ。/既存有名キャラの異世界もの、ほかで可能なものは?

ルパン三世異世界に行く 第一部完

まー、そんなわけで…1年だか2年だかやったのかな?

何を正気の沙汰でないことやってんの、と思ったのだけど、思ったよりわかりやすいというか、いかにもの王道だった。異世界でどうやって銃弾を補給するのか、なんてのももはやおなじみのシチュエーションで、だいたいドワーフとか錬金術師がなんとかしてくれんだよね、俺知ってんだ。ドリフターズでノブナガもそうやってたし。



いや、実際のところ異世界ものって、「そういうお約束とか共通設定があるの、みんな知ってんだろ」で話が進むわけで…それは時代劇や西部劇がそうであったようにね。
ならば、登場する人物が既存の作品に出ていて、個性も目的も特殊能力もみんな知っているような有名キャラクターだったら、さらに話が早いわけで……


この作品自体が優れている面もあるんだろうけど、そういうブーストを感じました。
ただ、それでも「あくまでも半分しゃれ、お遊び企画の面もあるんだろう」と思っていたので、きれいに完結して、最後にルパンも銭形も現実世界?に帰り、ふたたび追いかけっこを始めるのだと思ったのだけど…第二部が始まるというのは、どう考えても「人気めちゃくちゃあるので続けてください!」という展開のようですね。


ならば、こういう既存作品の有名キャラが、異世界に行くものは今後も出てくるのだろうか。

自分の知ってる範囲では…

情報もらい追記

ゆるゆり





………ちょっと安心した、だいたい正気の沙汰でないシリーズしか、やっぱり異世界には行けないようだ(笑)…ほかに無いよな?

まあ、禁じ手に限りなく近いだろうと思うけれども、ただ半面で「ほかの作品もどんどん異世界スピンオフさせらたどうだ」とも思っちゃうな。

もちろん筆頭は「異世界スーパースター列伝」で

「この二流どころのゴブリンじゃ、プロモーターの魔導士の意向にゃさからえん!」
「ひとりの超大物勇者が召喚されるからな!」
「マナの味を覚え…この安物の聖なる剣のように、俺の身も心もさび付いていく!」

とか。

異世界こづかい万歳」とかも面白そうだが、いや面白そうも何も想像つかん。

本日UFC、寝技師チャールズ・オリベイラが出陣(U-NEXT配信)

U-NEXTでのライブUFC配信が始まったばかりなので、どの選手を見ていいか戸惑う人も多いでしょう。
昔はPRIDEやDREAM、戦極からの移籍組とか、日本人契約選手を中心にみてればよかったが、前者はほぼ引退。日本人選手は2,3人が前座で……だし、
格通やゴン格がほぼ全選手の人となりや得意の技術などを紹介している時代なら、そこからファンがつくことも多かったでしょう。これも期待できない。


だから、みんな強いんだろうけど、誰にも思い入れを持てない…という人も多いんじゃないか。
ぶっちゃけ、自分もほぼそれになりかけてる(笑)


そんな中で、ちょっと思い入れがあるのが寝技師チャールズ・オリベイラなんよ。
ぶっちゃけいまUFCで寝技主体に戦う人がそもそも少数派。自分は基本、寝技応援団として、そういう人を中心に応援してるのさ。
そうなると、チャールズが筆頭になるの。

U-NEXT経由で、新規にUFC参入した方は、ぜひチャールズを応援してNE.




6月11日 7:30 配信開始
UFC 289:ヌネス vs. アルダナ
女子バンタム級 “最恐女王”ヌネス、連続KO勝利のアルダナと防衛戦で激突!
見放題
|見逃しあり

ライブ配信を視聴
ライブ開催日時
6月11日(日)
7:30 配信開始 / 8:00 開演予定
7月11日 23:59まで再生可能
見逃し配信期間
見逃し配信準備完了次第〜7月11日 23:59
ご確認ください
ご利用の端末やネットワーク環境によっては、ライブ配信及び見逃し配信の視聴ができない場合があります。テスト動画が問題なく再生できるかを事前にご確認ください。
テスト動画再生



見どころ
メインは女子バンダム級タイトルマッチ、王者のアマンダ・ヌネスが同級5位のアイリーン・アルダナを挑戦者に迎え、初防衛戦を行う。
コーメインには元ライト級王者チャールズ・オリベイラとランキング4位のベニール・ダリウシュが登場

対戦カード、大会詳細はUFC Japanオフィシャルサイトをご確認ください。
https://jp.ufc.com/data/event/1144

※対戦カードは変更になる場合がございます。

video.unext.jp

横山武司が「自分も平本蓮も次がMMA6戦目。寝技特化と打撃特化で釣り合う」と対戦希望【正論】

――次に戦ってみたい相手は?


横山 マジ誰でもやれるんだったら平本蓮です。ボクは次で総合6戦目、彼も6戦目ですよね。超打撃に特化した人と超寝技に特化した人…(略)……マジで面白い試合になる。判定は絶対ないと思うんですよ。ただ向こう、やってくれないだろうなあ。向こうの周りの人たちもやらせてくれないだろう…(略)おいしい奴とばっかやってないで、たまにはおいしい思いを誰かにさせなきゃダメでしょって(笑)。


――平本蓮はおいしい相手とやりすぎですか(笑)。


横山 だと思いますね。
ch.nicovideo.jp


あまりに正論過ぎて、そのまま試合決定でいいぐらいだと思うのだけど、まあ主催者的にも平本的にも、そうはいかないだろな、というのもわかる。フェザー級見えないトーナメントで準決勝まで来てんだぞ俺は、という言い分もわかるわけで。ただ横山が次戦でまたいい勝ち方したらわからんぞ。

この前大きな話題になった「引き込み」にも関係してて、人間、腰が重いファイターでも「引き込み」…プルガードをすべて防げる人はいまい。ただ、基本は不利な体勢だろうし、引き込まれた瞬間からパウンドのチャンスでもあるわけで(朝倉未来のディフェンスもうまいのだが、パウンドをほぼできなかった点で牛久の引き込みも見事で、自分はあの攻防をプラマイゼロとみている、とは前からの持論)。

その話、横山も今回のインタビューで語ってる。

牛久選手の引き込みはどう見ましたか?


横山 あれは金網のたわみ具合とか、朝倉選手のディフェンスだとかで、牛久先輩は取れねえだろうなって見てましたね。…(略)「なんで牛久は引き込んだ?」みたいな。でも、あそこで取っていれば「牛久すげえ」っていう感想になったわけで。
取れなかった理由は牛久先輩がしょぼいとかじゃなくて、朝倉未来のディフェンスが意外とうまい……寝技のイメージはないけど、ディフェンスはわかってるんですね。評価するのはそこ


横山vs平本は、触る前に平本が全力で打撃を当ててKOするか、横山が仮に「引き込んだ」時に、パウンドなどで優位に立てるか(パウンドをそもそも選択しないという可能性もあるが)

「仮面ライダーSpirits」(12日まで10巻無料)初期は本当に熱いが「読み続けてますか?」と聞かれたら…どうなる?

なんだかんだと「シン・仮面ライダー」がスマッシュヒット(あの動員・興行収入に不満を言うのは普通におかしい。十分だと思うが…)したおかげなのであろう。




comic-days.com

この作品が「2001年1月号」からの連載だと聞いて、あまりのことにちょっとクラっと来たが(笑)、その連載開始時の衝撃というか、勢いは本当にすさまじかった。

もともと村枝賢一って、その後長編を書くことが多かったけど、本来的には数話完結のやや人情噺っぽい物語が得意というイメージがあった。

それを生かして、「(昭和)仮面ライダーが、世界各地で悪の改造人間と戦っている。」という、テレビで出演俳優がけがをしたことを契機に登場した後付け設定(笑)を膨らませて、各地で各人各様の戦いぶりを数話かけて描いたのだ。
それが、今公開されている巻に収録されているものだけど、
「もともとのキャラクターが、長年愛されて個性やビジュアルがファンに浸透している」
「それを使って、自身もファンである作家が、自分の思いも込めて『俺流』のキャラとストーリーにする」という、二次創作というか、公式スピンオフというか、その形式がこれほどに融合し、効果を上げている作品を知らない…いや、ライダーとくればウルトラマン真船一雄の「ウルトラマン story0」なら、互角に比し得るか……


1人ずつみていこう(ストロンガーまで)

仮面ライダーspirits 初期

有名な、ボロボロにやられた滝に対してライダー1号が「俺とお前でダブルライダー」という場面だ。


仮面ライダーspirits 初期

すこしひょうきんで親しみやすいという設定だったね、ライダー2号こと一文字隼人は。


仮面ライダーspirits 初期

V3は少しクールでツンデレ的なキャラに。


仮面ライダーspirits 初期 ライダーマン

ライダーマン編は、物語的には一番傑作かも?(まあ、西部劇の「流れ者」話の翻案ではある)


仮面ライダーspirits 初期 仮面ライダーX

仮面ライダーXは海、水の担当イメージ。


仮面ライダーspirits 初期 アマゾン編

アマゾン ダダダ。 野生の彼と、超絶IQの人造天才児を絡ませている。


仮面ライダーspirits 初期 ストロンガー編
仮面ライダーspirits 初期 ストロンガー


そして締めくくりが日本に戻ってのストロンガー編なのだが、これは実写作品と世界や時間軸がかなり近接していて(じゃあ西暦何年なんだよ、とかいうな)。…そしていわば「ストロンガーとタックル」編、実写ではあまり描きようもなかったその2人を掘り下げている。


・・・・・・・・ということでいかがか。「仮面ライダーSpirits」が、スピンオフ史上、二次創作史上に残る傑作だったということはわかるでしょう。

ガンダムエース」「特撮エース」だったかもともとのこの作品の掲載誌「マガジンZ」なのか、講談社なのか角川なのか。

そのへんの歴史も再検証すると面白いのかもだが、この時期に???(だったかな?)こういう感じで「既存のヒーロ-…昔の人気アニメや人気特撮からキャラ、世界観をお借りして、新作をコミックにしてみたら面白くね?」というムーブメントが起きたよね?2001年作品なら、その初期の作品といってもいいのかもしれない。
これが、ここまでにクオリティ的な成功を収めたから、この路線が定着したんじゃなかろうかね。

そして今…2023年も「新仮面ライダーSpirits」は継続しているが…

ここから、記事トーンは一変する。
いまも、「新」が、月刊少年マガジンという大メジャー雑誌にずっと連載されていますよ・それは偉業ですよ?快挙ですよ??

で、皆さん読み続けてましたか、「新」を……。無印の「仮面ライダーSpirits」、上のような初期の熱い展開に熱狂したひとは。


いや、2001年から始まった作品、普通に読んでいれば読者の立ち位置が変わる。仕事も家庭も肉体的な若さも…感性も。


ただ、そういうものが変わらないアレであっても、新・仮面ライダーSpiritsをずっと、今に至るまで読み続けてる人は・・・・・・・・・・・少なかろう。
自分も月刊マガジンはサブスクにも入ってるから、一応目は通す。だが、正直見たはしから印象に残らず、「やれやれ、やっと最後まで読めた」的な労働感すらある。


ああああ、申し訳ない村枝先生。ぼくが悪いのだ。悪いのは読者なのだ。

別にとってつけた、引き延ばしの続編なわけじゃない。たぶん初期構想からあっただろう、本命のラスボス組織と戦っている。ライダーもゼクロスやスーパー1やスカイライダーも加わり、おのおのが個性を出して戦っている。敵にも暗闇大使とか、デルザー軍団の幹部とか、懐かしいキャラを配置している。何の文句があろうか…


たださ、個人の「お気持ち」だけど、なんかラスボスが宇宙にいると、その時点でなんかちょっと、今までと違う感じが出てくるような…それまで地上で五分のタイマンしてた悪の組織が、ボスが宇宙とか天空に行くと、なんかそこで変質するような……そんな気がするんですけど、どうでしょうかねええ。



ただ、それとは別に「何をいう、「新・仮面ライダーSpirits」になっても、バダンが宇宙規模になっても、相変わらず熱いぜ!2001年に仮面ライダーSpiritsが登場してから今まで、ずっと変わらないテンションで応援してるし、単行本も欠かさず買っているぜ!」という、熱心なファン層もいるのだろう。そういう方に、いろいろ託すので末永く、最後まで見届けてください……


仮面ライダーという番組の創作秘話を同じ作者が描いた、この作品も重要。庵野版も書かないかな(笑)

韓国メディアで処理水の海洋放出問題めぐって記事が多い

翻訳がある
朝鮮日報
ハンギョレ
中央日報

のオンライン記事を読む限りですが

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【新書メモ】「シンクタンクとは何か」(船橋洋一)知で世界を動かすか、高級詐欺師かー

読んだ新書をメモ的に紹介する【新書メモ】、だいぶ間があいたがひさしぶりに。

もっとも1回、この本は面白かった部分をピックアップして紹介している。

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全体的な紹介を再利用しよう。

朝日新聞で論説主幹などを務めた船橋洋一氏が、2019年に出した新書が「シンクタンクとは何か」。

界大戦や恐慌など歴史上の危機から生まれたシンクタンク。具体的な政策につながる革新的なアイデアを提言し、社会を動かしてきた。世界はいま、ポピュリズムの台頭や中国とロシアによる「情報戦争」の挑戦に直面している。シンクタンクの「政策起業家」たちはどう応えようとしているのか。そして「シンクタンク小国」日本の課題は何か。
米国のシンクタンクの現場で働き、現在は自らシンクタンクを率いるジャーナリストが、実体験をもとに知られざる最前線を描く。

正直読む前は「めっちゃ地味な本だなあ。あんまり面白くないとは思うけど、ちょっと調べたいこともあるし資料として読むか、…」ぐらいのテンションだったが…よく考えたら船橋洋一というのはいろんな肩書きの前に「ザ ペニンシュラ クエスチョン」「カウントダウン メルトダウン」などを書いた、優れたノンフィクションの書き手だったのだ。
様々な細かいエピソードなどを交えて単純に面白い読み物ともなっている。

以下、新たに内容紹介。

2019年現在で、アメリカには1871のシンクタンクがある。
それについてインド509
中国507
英国321
アルゼンチン227
ドイツ218
ロシア215
フランス203
日本128
イタリア114…とのこと


そもそもシンクタンクとは何か。色々な定義があるが「シンク・アンド・ドゥタンク」というひねった言い方も流行っている。
つまり実際に政策を実現させるシンクではなくドゥ(Do)タンクであると。


また非営利か鋭利かという区分もある。中立型か唱導型かという軸もある:
どちらにせよ「提案なくして敬意なし」と言われるように、何かしらの有意義な提案をすることで知的な権威を高めていくゲームを日々行っている。




たとえば「フォーリン・アフェアーズ」の影響力は言わずもがなである。…

シンクタンクは新しい政策アイデアを提案できるかどうかが鍵である。
またシンクタンクは「回転ドア」と言われる性質もある。

シンクタンクは政治任命者の予備軍に他ならないし、政権が交代し政府を去った場合、シンクタンクは魅力的な働き口になる。


シンクタンクは戦後史においても「マーシャルプラン」や「封じ込め政策」「限定戦争」などの基本政策にかかわってきた


「民主主義においては 専門家で意見が割れた問題は 最終的には一般人が解決しなければならない」
との原則を、あるシンクタンクの関係者はいう。だからこそ、世論を専門家は説得しなければいけない。


現在、トップクラスの影響力を持つシンクタンクでは、

ヘリテージ財団
カーネギー財団などがしのぎを削っている

リベラル派のランド財団、ハドソン研究所、CSISなども…
シンクタンクは表から裏から国家の政策に関与していく


ヘリテージ財団レーガン政権を後押しし、多くのメンバーがそのまま政権スタッフとなった。逆にクリントン政権が誕生するとヘリテージ財団は議会共和党に接近し、ギングリッチによって下院の多数派を奪取し、クリントン政権の前に立ちふさがった。


それに危機感を抱いたリベラル派は、2003年にジョージ・ソロスらの支援を受けて「アメリカ進歩センター」というシンクタンクを発足させている.


シンクタンクの裏には資金を確保した億万長者の姿が見え隠れすることもある.
ジョージ・ソロスが進歩派の資金源なら、コーク兄弟という保守派も多くのシンクタンクを支援し彼らの思想にあった政策などを作ろうとしている.

今、双方のシンクタンクが互いの活動を暴露したり会合参加者の一覧をリークしたりして、不倶戴天の敵のように批判しあっている面もある。



シンクタンクの思想的指導力の象徴が「ブリックス(BRICs.)」である。
これは投資銀行ゴールドマンサックスのシンクタンクグローバル経済研究所の人間が提唱した名前で,
この概念が大きなインパクトを与え、実際にBRICsの首脳は彼らにある首脳会議を2009年に発足させたし、08年にG20の第1回会議をオバマ政権がスタートさせた.


だがその後、BRICs各国の成長は当初考えられたほどではなく、そもそも国としての性質も極めてバラバラであった.
じゃあ「BRICs」という概念自体に意味があったのか,
とその後疑念がもたれいい加減な考えででっち上げた代物,BRICSは「bloody ridiculous investment concept」」だ、といった批判も生まれた.


しかし批判は逆の意味で、「アイディアに基づいて新しい概念を提唱し、それが定着すれば世界が動く」ーーというシンクタンクの力を示すものなのである。

これを「思想指導力」という名前で言う。


以下、個別のシンクタンクについて。


マッキンゼー傘下のシンクタンクMGI。

WEF…世界経済フォーラムダボス会議を主催している。このシンクタンクへのサイトアクセスは毎月600万近くで、時にそれは国連サイトへのアクセスより多い。

ダボス会議は40年かけて大きな世界的影響力を持つようになり呼ばれるだけで大きな名声となる。
経済人や国家元首巨大都市の知事有力政治家などが招かれてスピーチしたり、時には政治家同士がその場で対談を持ちそこから政治的状況が生まれることもある。
例えばネルソンマンデラと当時の南アフリカ大統領が対話したのはともにダボス会議に招かれたからである。

もっとも、パレスチナアラファトイスラエルの有力な和平派平和政治家ペレスがともに招かれた時は、アラファトが不意打ちのように過激なイスラエル批判を行いペレスの面目を潰した。
ペレスはダボス会議主催者に「あなたは私の葬式を今出してくれましたね」と言い、実際にペレスの政党はその後の選挙で 大敗したという。
ダボス会議は大きな権威を得た反面、ここに集まる人々は「ダボスマン」と揶揄され、デモ隊が標的にすると言ったことも発生しているそうだ。


ちなみにWEFの理事を長年務めてきた一人が「竹中平蔵」である。シンクタンクという知的世界において日本最大のカリスマはどう間違いなく竹中平蔵なのであった。それは今でも続いている。


ICGという非営利シンクタンクも90年代に発足し、この新書の著者・船橋洋一も2000年から参加するようになった。
彼らはロシアのシリアに対する武器輸出の実態を暴いたり北朝鮮の収入源を突き止めるなどの調査を行って、それをリポートにまとめている。


中国はシンクタンクが持つ影響力に着目し孔子学園やテレビ局CCTVなどのソフトパワー増強の一環としてシンクタンクにも力を入れている。
前述したように中国にシンクタンクは507ありこれは世界3位の数だ。今日習近平指導部の頭脳集団に2人のシンクタンク出身者がおり、彼らは江沢民胡錦濤習近平の打ち出した政策スローガンに深く関わっていると言われている。

彼らは海外で高等教育を受け帰国し、そこで得たものを党の指導層に招き入れようとしているのではないかと言われている。
一方で中国はここ数年、米国のシンクタンクをいかに取り組むかに照準を合わせた。オバマ政権初期に対日感が厳しかったのには中国や韓国のシンクタンクなどがロビング活動をアメリカで展開していたからだと言われる。

ただ習近平時代になってから中国が覇権的な振る舞いをするようになったことでアメリカの中国専門家たちも距離を置き始めた。
ロシアも今世紀初頭まで活発にシンクタンクグローバル化の波に乗って海外と交流を深めようとした。
しかしプーチン政権によって弾圧なども行われ情報戦を仕掛ける舞台になりつつある・
EUシンクタンクはロシアのこの活動を警戒し「羊の皮をかぶったクマーEUにおけるロシアの政府系組織」という報告書を作成したほどである。

中国やロシアのこういう露骨な国益に沿ったシンクタンク活動をソフトパワーならぬ「シャープ・パワー」と呼ぶ人もいる。シンクタンクに寄付の形で行われる中国マネーとその影響力も懸念されている。


シンクタンクに関わる人間はいわば政策の起業家である。
これは戦後欧米などにも存在した「大知識人」の消滅に関連しているとも言える。戦後間もなく、たとえばパートランド・ラッセルのような人物には、彼が出した声明に対してアメリカ政府もソ連政府も何かのアクションを起こさざるを得ない。
そんな大知識人グループがあった。今はそれが消滅している。
同時にベトナム戦争以来、やはりアメリカなどでも知識人やアカデミシャンが政策の政策に関わることに対して、「政府のお先棒担ぎではないか」といった批判的な目があった。。


ここから著名なシンクタンク知識人。
ジョセフ・ナイ
グレアム・アリソン
フレッグ・バーグステン
リチャード・ソロモン
ジェームス・スタインバーグ
マイケル・グリーン
ファリド・ザカリア
などと・


そして船橋洋一はこういう人たちと皆、個人的面識や親交があり、その人となりと、これまでの業績などを紹介している。


これだけの顔ぶれと友達付き合いなことは著者の類まれな能力と人脈を示すものだが、ぶっちゃけ朝日新聞の論説トップとなった人にしては極めて異端と言うか、朝日新聞の社論や雰囲気とは会わないだろうなということもわかる。
実際に「船橋朝日は保守寄りになった!」と、大変に昔ながらの朝日好きにとっては評判が悪かったという印象もある。



最後にこの本は、日本のシンクタンクを紹介しつつも、結論としては「日本のシンクタンクガラパゴス的で影響力が小さい」と批判的である。
そもそもシンクタンクがきちんと国際水準だったら…民主党政権の時にそのアイデアを新政権に分かち合い、多くの政策面でも民主党が打ち出したアイデアをキャッチボールして洗練させ、あのような無残な崩壊をせなかったのではないか?
そう、船橋は悔いているのだ。


「私は民主党政権の無残な崩壊に言葉を失った」。
民主党政権は失敗としか言いようがない。これを失敗と受け止めてそこから教訓を得ることが日本の政党デモクラシーにとって不可欠である」。


と考えた船橋は、自分の主催する「日本最近イニシアティブ」に民主党政治家を招いてヒアリングを行い「民主党政権失敗の検証」というリポートを作った。


日本だと霞が関シンクタンクとなっている。しかしそれではやはり政府的なアイデアしか出てこない。そういう懸念を竹中平蔵も持っていて「東京財団」を立ち上げたのだとか。
これによって政策コミュニティとでも言うべき連携を作らなければいけない、という。
そして、そのデータは政府でだけではなく市民社会に開かれ、アクセス可能でなければいけない。


船橋は最後に提言する。
日本の政策企業力を高めるためには?


シンクタンク自体が、課題つまり「アジェンダ」設定をする。
次に事実とデータと分析に基づく証拠本位の政策、それを貫く。
議論の場を主催する力を発揮し、利害関係者とオーディエンスを包摂し、境界を接続し横断する。
そして独立性を保つ。
最後に、健全な楽観主義を持つ。


こういうシンクタンクが生まれれば「市民が公共を作る」という民主主義の理念をサポートすることができると船橋は語る。


もっとも、船橋洋一自身がそもそも朝日新聞をやめて上に書いたような「日本再建イニシアティブ」を2017年に発足させた、いわばシンクタンクの当事者である。

だからこそこういうユニークな本が書けたとも言えるし、だからこそこの本には限界があるとも言えよう。
それを見極めるのは私たち読者である。
(了)

【追記】こんな感想をいただきました。


うわ~ん『列伝』に加え『プロレス・スターウォーズ』まで全話無料だよ~っ!(スキマ)

きのうお伝えしたようにこういうわけですが
togetter.com

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ところが、「フフフ…これだけと思うのか…何ねん この業界でメシを食っている…(※食ってないけど)」な情報が飛び込んできました。

プロレス・スターウォーズ」!!
www.sukima.me
オーーーーッ 偉大なるスキマよ……お前はどこまで行けば気が済むのだ……心のそこから、打ちふるえてくるようだ…


この作品のすごさはいろいろあるが、もっとも凝縮されているのが、リアルでは実現しなかった「ジャイアント馬場vsアンドレ・ザ・ジャイアント」の一戦を完全に脳内妄想で実現させた章。
これはプロレス漫画の範疇を超えて、全バトル漫画の…いや全漫画のストーリー・テリングのお手本、と思っている。

ワカマツの奇謀!の巻|スキマ|全巻無料漫画が32,000冊以上読み放題!|閲覧中
大巨人の涙!!の巻|スキマ|全巻無料漫画が32,000冊以上読み放題!|閲覧中
最強最後の殺人技!!の巻|スキマ|全巻無料漫画が32,000冊以上読み放題!|閲覧中

ただ、それについてはすでに書いていて、これ以上には語れないので、どうかここへ飛んで読んでいただきたい。
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ほか、ここからはその試合も含めた、名場面を紹介しよう。


プロレス・スターウォーズ
プロレス・スターウォーズ
プロレス・スターウォーズ
プロレス・スターウォーズ
プロレス・スターウォーズ
プロレス・スターウォーズ
プロレス・スターウォーズ
プロレス・スターウォーズ

なんでそうなるんだ、という説明はところどころ存在しないのだが、
これは文字通り、そんなことを気にしている暇がないのである。

関連記事ほかにも

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・「ウォリアーズは、世界のプロレスの人気や全日本来日ではなく、その前ゴングに載ったたった一枚の写真で馬場・猪木のライバルに抜擢を決めた。もし彼らがとんだ一杯くわせものだったらヤバかった!!」

・だから「世界のプロレス」を見てほっとした(笑)。
 
・だめなやつらだったら、「来日前に闇の軍団がウォリアーズを襲撃。彼らはやられてしまってかわりにその軍団が…」という展開にしようと思ってた。
・みのも氏のざんげ
「成田空港に、お酒を飲めるバーとかなかった!!」(T・J・シンの猪木襲撃の場面ですな)
「ウォリアーズ・クラッシュNo.3は、何がどうなってまっさかさまに相手が叩きつけられるのか自分でも分からない(笑)! いつかは考えなきゃと思ってたが、まだ考え付かないで今に至ってる」


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