INVISIBLE D. ーQUIET & COLORFUL PLACE-

John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています 

韓国で議論されてるという「ナマモノBL規制論」への雑感。/「いしいひさいち規制法」になるかならぬか。

そういえば自分で進歩(?)を実感したのが「ナマモノ」と聞いて意味が分かったことだった。SNSのどこかで、それ言われて「ナニソレ?」と聞いて解説してもらったことがあったんだよな…(笑)


今回もブクマ、過去記事へのリンク、ツイートなどを集めれば言いたいことはだいたい足りそうだ。

まず注目記事
anond.hatelabo.jp

サイゾー」にも類似記事が出てた
www.cyzo.com


ブクマ
b.hatena.ne.jp
おいらのコメント

韓国で進む「ナマモノBL」の犯罪化

げんしけん」第8巻・試し読み部分を紹介 <a href="https://ebookjapan.yahoo.co.jp/books/107590/A000031159/" target="_blank" rel="noopener nofollow">https://ebookjapan.yahoo.co.jp/books/107590/A000031159/</a> /「実在人物のモデル化」自体が問題か、それが「性的モチーフ」の場合(に限って)は問題か。前者ならいしいひさいちに文字数

2021/01/18 03:24
b.hatena.ne.jp





そう、げんしけん8巻のちょうど冒頭部分がそのテーマの描かれる回なので、ちょっとドラマ仕立てで問題を理解できるのだ。

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げんしけん8巻 ※実在人物のキャラ化は原則自由だが、稀に例外がある、その一例

ebookjapan.yahoo.co.jp

このエピソードを以前紹介したことがあるが、それは「AI美空ひばり」に関する話題だった。
m-dojo.hatenadiary.com
↑ぶっちゃけ、この過去記事で、かなりの部分は言い尽くしているので、これを読んでもらうと理解が早いと思う。

他の例として
宮崎駿風立ちぬ」での、一応「実在人物」のキャラクターの言動
大川隆法の実在人物の「霊言」
も、挙げており枡。




twitterでの今回のやりとり

ほんの数分前にしたばかりだが(笑)



いったん遡って、「AI美空ひばり」の時の記事から抜粋。

(略)…やはり「夢の中のシーン」とか「霊が言った」といえば、それは大きくまとめて「(法的な意味では)おとがめなし」ということでいいんじゃないか。それは社会が、「保護する」のではなく「一段下に置く」という意味。

要はその発言、内容を受け手がどう受けるかが重要であって、夢の中とか本人の霊(含む守護例)がしゃべった、という本を見たらば…「あー、はいはい」「アレね、アレ」と、受け手一般がそう評価すればいいのだろうと。

そう、めぐりめぐって、どこかの誰かが今日も量産する「霊言」も、まぁ同じカテゴリだ(笑)
どれかだけ排除するのもよろしくない。こういうもので排除されるのは、ある種の例外中の例外となるのだ。


この「例外」の候補となりえるのは、おそらくいま法哲学的議論もされている「ディープポルノ、フェイクポルノ」であろうし、それはちょっと技術レベルを低くしつつ、「げんしけん」で荻上さんがオタク趣味を隠し自己嫌悪するようになった中学時代の一件も候補になるのだろう。

なぜ、「性的なもの」だけ例外にし得るかというと、それは表現の自由とは言い条、世界のほとんどの地域で全裸で出歩くことには何らかの法的な規制があるし、性行為や性的表現物がそのまま規制なしのところもない、というところに尽きよう。
なぜそれがそうなのかといえば…これは近親結婚の議論でも描いたが、突き詰めていくとたぶん根拠がなくなるので「伝統」を持ち出すしかないだろう。そして持ち出せば話はそれであっさり収まる。性的な表現というのは、なんらかの規制自体はどこかでかけざるを得ない、それは隠れて寝室その他で行うべし…というのが、なぜか世界中で基本はそうなっていたのだ。その規制が、たとえば性的雑誌のコンビニ販売はだめなのか、ポスターに描かれたキャラクターの体型までに及ぶのか、美術館の裸像に布を掛けるべきなのかは知らぬ(笑)

上にも書いたように「ディープポルノ」は規制がかかったしかかりつつあるし、またこの前海外で、著名な未成年の環境活動家を模した性的な人形が、商業的な物か風刺的なものか知らぬが作られて批判を浴びた云々という話があったはずだ。

で、もう一度自分のツイートから自己抜粋するけど
A:「実在人物を、自分の創作・物語の中で自由に動かす」こと自体に問題があるのか
B:「Aに、『性的な描写がなされる』ことに(だけ)」問題があるのか

ここを明確に切り分けるのか、そうではないのか。
韓国の議論もそうだし、今の「ディープポルノ」規制もそのへんはどうだろうか。

んで、最強にして最極端、「いしいひさいち」漫画は?

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あらためてすごい、いしいひさいちの風刺(公明党創価学会小沢一郎

※今の政治状況からすると、小沢一郎公明党創価学会が同じ陣営であるというシチュエーション自体が「?」なのかもしれんが、そういう時代がホントに一時期あったの!今日は勤皇、明日は佐幕、昨日の敵は今日の友なの!!

実在の人物を「洗脳」したしない、あそこの「尊師」と同じだ同じでない…みたいな話をふつーにやっているわけだが、これは実在の人物に性的なことをさせるのと、どっちが上か下か、実のところ本格的に議論すると、かなりヤバイかもしれんよ。
政治家や、それに準じる人は権力勾配で例外?といってもねえ。どこからどこまでや?
また、性的描写以外にも、バイオレンスな描写も問題になろう。はいここで阿弖流為二世とかいうなよ。画像貼るなよ。

だから貼るなって言ってんだろよ。
渡邉恒雄ことナベツネなんか、ライバル新聞に載ってた「ワンマンマン」をどう思ってたのかね。

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ナベツネ博士 いしいひさいち

ナベツネ博士、ってのも登場してたか。


ついでに飛び火させるが、

ほりのぶゆきの爆笑野球(阪神?)漫画選集「猛虎はん」 - http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20100905/p5

猛虎はん

猛虎はん

こういうのも、才能がある人を選んで論じたい。やくみ…とかは、まあ語る価値もないでしょ。
ほり先生、野球以外でも、えなりかずきが楽屋の裏を暴力で仕切るボス役だとか、パンチョ伊藤の本体がヅラだとか、さんざん書いているしなー。



さらに言えば、実在人物を物語の中で闘わせて、勝手に勝ったり負けたりさせてしまう、「ナマモノ格闘モノ」なんか、超隣接ジャンルやんけ。うわーーーん


物語の中で性的な行為をさせられるのと、銃で「だぼっ」と額を撃ち抜かれるのと、封印技「マンハッタン・トリニティ」をアンドレにかけられてボロボロになるのと、どれが一番人権侵害になるか、これも議論で定めがたくはありそうだ。
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…つうか、そのへんの格闘ものや、ポリティカルなやつっていうと、最後の最後に思い出したが、俺自身が創作者だよ(笑)!!!

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さあ、どうなりますかね・・・・・・・

用語メモもしておこう。「アルペス」「RPS(=Real Person Slash)」

サイゾー記事より

韓国で男性アイドルを素材とした性的な創作物「アルペス」(RPS=Real Person Slash)を規制すべきとの声が高まっている。アルペスの詳しい説明は他に譲りたいが、簡略に説明するならば、ここで言うアルペスは実存するアイドルを主人公や登場人物とした、ファンが自作する性的・同性愛コンテンツ(小説、画像、マンガ、動画)を指す

という用語がある、とメモしておこう。はてなキーワードウィキペディアに載せてもいいくらいだ。なんで「アルぺス」となるのかわからないけど、韓国語の略称か何かなのかね?

最後に

この記事へのセルフブクマ、なんかいいこと言ってたんで自分でメモしておく(笑)

本質を突き詰めると「物語」は本来ただのウソ、虚構であり現実世界には、少なくとも直接的には影響をしない…という枠組みで近代の法の大枠は作られてるけど、実際はそうでもないからぎくしゃく、ってことなのかも。
https://b.hatena.ne.jp/entry/4697225868478013890/comment/gryphon

篠原健太先生、ジャンプ本誌に帰還。まずは歓迎だが、いつまで「1:ジャンプ本誌/2:ジャンプ+」なのかな…5年後は?

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篠原健太が少年ジャンプに帰還


かたほうの「松井優征」は名前聴いてもピンとこない
松井優征 - Wikipedia

ああ「暗殺教室」の…これは、ジャンプでヒットし四番打者だったのだから、面白いのだろうけどなんとなくスルーしたままだった。読めば面白いかもですが。

そして篠原健太氏か。
これはもう実力を疑わない。「スケットダンス」「彼方のアストラ」どちらもクオリティ、商業的な面両方で高い評価を得ての凱旋だ。

第1話 前半 PLANET CAMP

第1話 前半 PLANET CAMP

  • メディア: Prime Video

ぶっちゃけ、個人の意見なんだけど、火ノ丸相撲が終わってからか……「いま、本当にジャンプで読む作品が無い…」な状態が続いてたので、これでやっと最低一作は読めるかなぁ、と。



いま、上のツイートのコマ画像を見る限りでは「そういうジャンル…だとしたら、〇〇みたいな先行作品があるね…」とか言いたくなるんだけど、さすがに一コマの告知画像でそれを言うのは早すぎるだろう。
どんなどんでん返しがあるかわかったもんじゃねえし、と思ってしまうのは前作のせいか(笑)。


ところで…
そもそも「彼方のアストラ」は、スケットダンス完結のあと、なかなかネームが次の「ジャンプ連載、これでいこう!」に至らず、「じゃあ、とりあえず今度立ち上がる『ジャンプ+』ででもやってみる?」みたいな流れで決まった、というのは作者自身の回想だ。

「最初は週刊少年ジャンプ編集部に企画を提出したんです。『ここを直そう』と言われることはあるかなと思っていたんですが、直しのチャンスもなく(企画自体が駄目という)全ボツになってしまって(笑)。僕も担当も『えっ?』てなって、一度『アストラ』の企画を諦めたんです。でもどうしてもやりたいと思って、ちょうどジャンプ+が立ち上がっていたので、『そこで描くのはどうだろう』という提案をさせてもらいました。ただ一度全ボツになった作品なので、これを長々やるのは潔くないかなとも
natalie.mu


しかし同作が始まったのが2016年。まだ5年か、もう5年か・・・・・はそれぞれの感覚だが、少なくとも言えるのは、スマホが普及しまくり、ティーンエイジャーが持つのもどんどん普通になってきているなか、スマホさえあればタダで読める、スマホアプリ経由の漫画が、いま子供をやってる世代においては、紙雑誌の漫画より「馴染み」があり、「知名度」があり、どうかすると「権威」まで付加されつつあるんじゃないか、ってことだ。ピッコマはじめ、そこに載っている外国の「ウェブトゥーン」の存在感増も含め。


もともとジャンプ+がライバルを少年ジャンプ本誌と言い、ジャンプ+からミリオン級のヒットを出す!と言っていたわけだけど「SPY×FAMILY」やら「怪獣8号」でそうなりつつあるわけでしょ?よう知らんけど(ほんとによう知らんのだ)


note.com

alu.jp
「アプリも紙と変わらず、真っ当な土俵である」と伝わったことがあると思います。
SPY×FAMILY』が始まったとき、とある別のマンガアプリの編集をやられている方に言われて印象的だったことがあって。
「『SPY×FAMILY』が人気が出る世の中で良かった」と言われたんですけど。

ーーおお。


Web発だけど、面白いものがちゃんと人気が出て、受け入れられて良かったと。そう言われたとき、「ああ、目指してきたことは間違ってなかったんだ」と思ったんです。
やっぱり『SPY×FAMILY』や『怪獣8号』を見て思うのは、マンガアプリも紙の雑誌と変わらず、奇をてらったものではなく、単純に総合力が高いマンガが評価される土俵だということです。

ーー紙の雑誌が本場だという風潮は、最近はなくなってきたように感じますね。


紙の雑誌と比べて、デジタルだし、Webだし、アプリだしという思いが、あの2作品の人気で変わったと思うんですよ。
ここは真っ当な土俵だと、自分の持てるマンガ力の全てを使わないと戦えない場所だと伝わったと思うんで、そういう意味で言えばこれからのほうが大きなヒットが出そうだなと感じますね。


さてさて、
ジャンプ+が、ジャンプ本誌より権威、知名度、商業性などで上回る時期が、あと5年で来るような、来ないような・・・・・・どうなんだろうね、という話。
ジャンプ本誌でヒット→ 次作企画段階で本誌には届かずジャンプ+、そこでヒット→本誌帰還!!!の篠原健太先生の名前を見て、そんなことをつらつら思った次第。

「沢村忠に真空を飛ばせた男」には、大山倍達の記述もあり(当然ではあるが)

きのうの「ローキック」記事に関連してtwitterで話材に。






この本は話題の「明石家さんまヒストリー」と同様、「水道橋博士のメルマ旬報」を経由して生まれた本。
対象モチーフの知名度に違いが大いにあるんだが、そういう媒体が無ければそもそも企画が実現しなかったのではないか、という点は共通している。
両方とも見事に商業出版物として市場に出た、という点でもよろこばしい。


ところで、「昭和の格闘技プロモーター」な時点で、相当に危ない橋を渡った波乱万丈のひとだろう、と決めつけるのだけど、その通りなので決めつけもなにもない(笑)

で、極真カラテ大山倍達の記述があるのも当然と言えば当然。
なにしろ「極真鎮魂歌」でもセンセイ・オーヤマは盛大にキックボクシングをDIsっているのだ。

大山倍達黒崎健時やキック関係者をディスる

「キックに関しては野口に騙されたようなものたよ。弟子をタイに連れて行っていい結果を出したらかなりの報酬をくれる約束だったが、黒崎があんな負け方するものたからギャラはゼロだという。黒崎はコーチで行ったのたから試合に出れば負けるのはわかっていたのに、勝手に試合に出てぶざまに負けた。それを理由に報酬ゼロと言う。そんな野口を信じられるはずないじゃないのよ。もし一緒にやるならば私が主導権を取るという約束でね、私は野口と組むことにした。そこにまた黒崎が口を出してきた。スポンサーを見つけるのが黒崎の仕事だったのに私の弟子たちを私が知らないところで引き抜いてキックの練習をやらせたりね。(略) 私のお人好しが全部裏目に出たということだね」

大山倍達、「キックの鬼沢村忠ディスる

「私たって昔アメリカ遠征で未知のレスラーと戦ったし、力道山にも挑戦した。強い弱いは理屈じゃないんたよ。あんな沢村なんて、ちょっと寸止めの学生空手をかじったたけの男じゃないか。学生空手チャンピオンなんて売り文句は根も葉もない嘘だし、山口(剛玄)先生の道場で剛柔流の真似事をしたたけの男がなんで連戦連勝なの、何が真空飛び膝蹴りなの。みんな八百長よ。、私もタイでムエタイと戦ったり稽古もしたからわかるのよ。沢村など、日本人選手の相手をして負け役を演じているのはほとんどムエタイを知らないタイ人の留学生たちなのよ。それでもムエタイはタイの国技たから負け薬の戦士たちも本気でやったら澤村なって一発で吹き飛んでしまうよ。中村や藤平がムエタイに挑戦した時も彼らは勝ったけど黒崎は額を割られ血だらけになって負けたことを忘れちゃいけないよ。まあ黒崎が勝てる確率は、相手が誰だろうと最初からゼロたったんだが…要は強いのはタイの選手。そのタイの選手を倒す前に、沢村八百長選手を君たちに一蹴してもらいたいんたよ」
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こういう話に「キック側」から言いたいこともいろいろあったろうよね。
そもそも的には、
あれだけブームを巻き起こした「昭和キックボクシング」の回顧というジャンルが、プロレスや野球などと比べて非常にパイとして小さい気がして(自分も正直、昭和プロレスへの興味と比較するほどの情熱や知識はない)、そこが残念なのだが。
これは、第二次ベビーブーム、団塊ジュニア世代とこのブームが微妙にずれていることが大きいんじゃないかと思うのだけど…
ただ、だからこそこのジャンルを「開拓」する意味は大きいだろう。

吉田豪「書評の星座」好評につき続編。今回は「紙プロ編」

吉田豪がベストセラーから超マニア本まで名言・迷言揃いのプロレス&格闘技本に迫る、『書評の星座』第2弾。
今回は「紙のプロレス」「紙のプロレスRADICAL」誌にて1995年から2004年まで連載された書評294冊分をファン待望の完全収録!
マスコミやレスラー、団体関係者と抗争を繰り広げていた頃の、あのギラギラした吉田豪が蘇る!
特別書き下ろしコラムあり。


[書評で取り上げた本]
『やっぱり全女がイチバーン!』ロッシー小川
『傷つくもんか!』井上貴子
『いちばん強いのは誰だ』山本小鉄
『開戦!プロレス・シュート宣言』田中正志
猪木寛至自伝』猪木寛至
『必殺! プロレス激本』
『プロレス「監獄固め」血風録』マサ斎藤
『強くて淋しい男たち』永沢光雄
『たたかう妊婦』北斗晶
『光を掴め!』佐々木健介
『ネェネェ馬場さん』馬場元子
『「反則ですか?」』小川直也
力道山がいた』村松友視
『喧嘩空手一代』安藤昇
船木誠勝 海人』安田拡了
『クマと闘ったヒト』中島らも、ミスター・ヒト
『つぅさん、またね。』鶴田保子
『すべてが本音。』秋山準
『破壊から始めよう』橋本真也中谷彰宏
『流血の魔術 最強の演技』ミスター高橋
『倒産! FMW荒井昌一
『弾むリング』北島行徳
『身のほど知らず。』高山善廣
『鎮魂歌』冬木弘道
『悪玉』尾崎魔弓
『会いたかった』向井亜紀
……etc


【著者プロフィール】
著者:吉田 豪(よしだ・ごう)
1970年、東京都生まれ。プロ書評家、プロインタビュアー、コラムニスト。編集プロダクションを経て『紙のプロレス』編集部に参加。そこでのインタビュー記事などが評判となり、多方面で執筆を開始。格闘家、プロレスラー、アイドル、芸能人、政治家と、その取材対象は多岐にわたり、さまざまな媒体で連載を抱え、テレビ・ラジオ・ネットでも活躍の場を広げている。著書に『人間コク宝』シリーズ(コアマガジン)、『聞き出す力』『続聞き出す力』(日本文芸社)、『サブカル・スーパースター鬱伝』(徳間書店)、『吉田豪の空手★バカー代』『吉田豪の"最狂"全女伝説』『吉田豪と15人の女たち』(白夜書房)、『書評の星座 吉田豪の格闘技本メッタ斬り2005-2019』(ホーム社)など。

前回のはこれ。

【書評で取り上げた主な本】
『幸福論』須藤元気
大山倍達正伝』 小島一志・塚本桂子
『風になれ』鈴木みのる金沢克彦
『蘊蓄好きのための格闘噺』夢枕獏
『ぼくの週プロ青春記』小島和宏
芦原英幸伝 我が父、その魂』芦原秀典・小島一志
『U.W.F.戦史』塩澤幸登
『完本1976年のアントニオ猪木柳澤健
『空手超バカ一代』石井和義
『青春』魔裟斗
『男の瞑想学』前田日明・成瀬雅春
木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか増田俊也
『覚悟の言葉』高田延彦
『平謝り』谷川貞治
『野獣の怒り』ボブ・サップ
『あなたの前の彼女だって、むかしはヒョードルだのミルコだの言っていた筈だ』菊地成孔
芦原英幸正伝』小島一志・小島大志
『哀しみのぼく。』桜庭和志
『格闘者~前田日明の時代~』塩澤幸登
『真説・長州力 1951-2015』田崎健太
1984年のUWF柳澤健
『ストロング本能』青木真也……etc

特別書下ろしコラムあり!


ぶっちゃけ、両方とも価格設定がかなり強気…というか、ほとんどの専門誌が舵を切ったように「価格に関係なく購入するような強めのマニア層だけを狙って本を出す」動きの一環なのだろうな。ただ吉田豪の名前と内容が、結構世間に届いて、予想を超える売れ行きとなったようで。
そして2巻が発行されると。

最初の「星座」発行の時かいたけど、不遜ながら、氏が紹介する記事と同じ本を読んでると「あ、ここがまだ語られてない新情報だ」とか「あ、ここが話題を呼びそうな箇所だな」というのが、かなーーりの確率で一致した。※過去ブログ記事に相当の痕跡あり
ということは優れた本である、と半分自画自賛したいところ(笑)

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書評本は、自分は純粋に以前から好きでだいぶんと読んでいるけど、純粋な楽しさとはまた別に「自分が全部は読み切れない本の内容・名場面などを、ざっとでも、断片的にでも知ることができる」という効果もある。
吉田豪氏の本は、ここぞという部分は引用をメインに置くから(仕事が多いので省略化の意味もあるのだろう)、そういう点でもありがたい。


月刊でゴング格闘技が出ていた時は、当ブログとどっちが同じ本をいち早く、しかも読ませどころを抑えて紹介できるか?を勝手に競争相手として想定していた(笑)


だが、これだけたくさんの本は、素人では買うのも、保存するのも大変。
そういう点で、「読ませどころ」を相当の分量で引用しているこの本は、ダイジェストした「格闘技の本棚」にもなっていると思います。

そして、紙のプロレスと、吉田豪「書評の星座」といえば・・・・・・・高田延彦との因縁があるのです。
その件については各自調査!!!!
この本では?

そもそも、ちっちゃい「紙プロ」を知ってる人は、同誌がもともと「高田延彦批判派」の最過激派であって、それがPRIDE・ハッスルで高田とタッグを組んでいる方が異常事態だった、ということもご存じでしょう。
その辺の話でも、おまけについていれば価値がMAXで高まるのだが・・・・・・



書評の星座は復活ゴング格闘技にも載ってる。
今月も出るんだよな

GONG(ゴング)格闘技 2021年3月号

GONG(ゴング)格闘技 2021年3月号

  • 発売日: 2021/01/22
  • メディア: 雑誌



このインタビュー本もあるのか

「選挙候補者に試験を」話、完全な民間企画として参加を呼び掛ける形式なら?(討論会と同様)

ブクマ反応
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まとめ
togetter.com


これは結論として否定されるべき話だと思うけど、「なにゆえに否定されねばいけないのか」をきちんと言葉にして論じると、民主主義の根本を考える非常に面白い教材となるものだと思う。

ちなみに大前提として、権力を通俗的に「立法、行政、司法」に分けるなら、司法が基本的に「試験」という学力によって、その権力を行使できる人間が選ばれている、という部分も抑えておきたい。

でまあ、選挙の立候補に試験通過を資格として入れるなら、学歴貴族の権力独占や、その試験問題や採点のイデオロギー的傾斜の危険、そもそも有権者から信託される、票数という民意より上の「試験の点数」を置く問題・・・・・・・など、多数あるが、どれもブクマの二番煎じになりそうなので略す。

ここから第二部。
こちらは、参考にしたツイートはあるが、ほぼ”一番搾り”、あまり誰も言ってない話だと思う。

試験を「義務」にしなくても、「呼びかけ」なら? 参加も拒否も自由で、その態度を有権者が判断材料にする、そんな一手法。

上のまとめにも収録されているけど、このツイートはなるほどと思うところがあった。紹介する。



正確にいえば、「なるほど」というより、「ああ、あの話か」と思ったのだった。
それは・・・・・・・・残念ながら20年以上前の話で(そうであることに驚いた!!!)いまやネット検索でも出てこない。記憶に基づく話として。

ジョージ・ブッシュ(息子)が最初に大接戦の末大統領となった2000年アメリカ大統領選の…その年か昨年かに、ブッシュは出馬を表明。大本命と目され、テキサス州知事の経験や「思いやりある保守主義」を掲げる氏は一躍大本命中の大本命となった。
だが…、最初に彼が失速したのは、あるテレビインタビュアーの、矢継ぎ早の質問…それも政策の是非などではなく、純粋に「知識」の有無を聞く話だった。
簡単にいうと、各国の指導者名を尋ねたのである。

質問者「ブッシュ候補に聞きます。パキスタンの指導者名は?インド首相は?台湾の総統はご存知ですか?」
ブッシュ「……君だってメキシコの副大統領の名前は知らないだろ?」
質問者「はい、そうです。でも私は大統領選に出馬しません」
(当時の報道の、記憶による。)

みたいなやりとりで、大反響を呼び、結果として支持率が急落した、と記憶している。この質問者は拍手喝采だったんじゃなかったかな。
ちなみに「知識不足」をしばしば追及されたのは、2008年大統領選挙における共和党副大統領候補サラ・ペイリンもそうだった、と記憶している。


これは「選挙立候補者の学力(教養)試験」に似たものであることは、間違いなかろう。


なので、「討論会」や「アンケート」の一環、類似物としての「選挙立候補者の学力(教養)試験」というものが出たら、それはそれで面白いし、民主主義社会と共存できるかな、と思う。
NPOでもメディア企業でも、どこでもいいが、そういうところが、何かの選挙に関して、立候補予定者に「うちでつくった学力(教養)試験を受けてください!結果を公表します」と呼び掛ける。
それに賛同して試験を受けるもよし、受けないもよし。見方を変えれば、候補者アンケートの設問が純粋に知識を問うもので、資料なしになるようなものである。(その範囲にとどまる)


それを断る人も、断る理由にそれなりの論を立てればよろしい。
「ペーパー試験の成績など、政治家の資質に無関係と思っています」
「私は自分の知恵ではなく、自分の周りに知恵ある人を集める能力に自信があるのです(※カーネギー墓碑銘論法)」
なんでもいい。その断り方が有権者の理解を得ればそれでいいだろうし「無知を隠して逃げているだけ!」「自分の能力に対する説明責任の欠如」と思われて選挙にマイナスならそれも仕方ない。それを勘案して討論会に出たり出なかったりするのは普通の選挙戦略だ。

そういう形での候補者の参加・不参加、そしてそれを有権者がどう見るか、はとりもなおさず、そのシステムへの評価でもある。
「この人のインタビュー番組に、この人が司会の討論会番組に出ないなんて、この政治家は…… 逃げている!だめだよ/見識がある!かえってエライ」は、司会やその番組の評価次第ってのはわかるでしょ。


www.buzzfeed.com



ちなみに、いろんな形で「あなたが有権者の審判を受けるべき選挙立候補者なら、〇〇をすべきだ」と投げかけるという手法は、ほかにもたくさんある。
それは、それぞれ本当に「答えるべき」かどうかは、これまた有権者の判断次第である。

・候補者が企業経営者なら、前年の納税額を資料を添えて公開すべきだ
・候補者が帰化した人物なら、その日付がわかる資料を公開すべきだ

そういう形の問いはいろいろある。参加するなら参加する、拒否するなら理由を述べて拒否する、その選択・説明を含めて評価される、ということは以前からもあっただろう。
m-dojo.hatenadiary.com
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ちなみに、「知識を問う」ものでも、そりゃいろいろある。

「庶民感覚をもっているか」と、日用品の値段を聞くもあり
「皇室を敬愛しているか」と歴代天皇の名前を聞くもあり
自衛隊の指揮官となるかもしれない」で写真を見せて兵器の種類を聞くもあり・・・・・・


あるいは「沈黙の艦隊」で描かれた、討論会のように、正解の無い倫理的決断を各候補に問うような質問だってあり得る。

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もともと、作者がどこまでストーリーを考えていたかはよく分からないけど、人気が高まるにつれて次第に仕掛けが大掛かりになり、この「やまと」への対応をめぐって与党が分裂、総選挙になるシーンがある(たしか1993年の自民党の初下野と、同じ期間じゃなかったかな。)

このとき、公開討論が設定され、やまとへの対応をめぐって自主独立や平和主義、対米協調などある程度(当時の)日本の現状とリンクした討議がされたのだが、最後にこういう質問を司会者は発する。



これに対し、各党は答える。
(略、リンク先に回答画像あり)


実を言うと自分は、政治家への問いにこの主の抽象的な問いは…(後略)


※単行本16巻より


さらに想像をたくましくするなら「選挙に立候補する人は、ポリグラフ(ウソ発見器)にかかれ」という議論だってあり得るかもしれない。

……そして、これは実際に近い将来、米国できっと実現するような気がするが…米国大統領選の話だ。
候補をポリグラフにかける(笑)。
いや、なぜこれが実現するような気がするか…というと、プライバシーや人権論議がやはりこのあと、もう一段必要になるであろう警官採用への導入と違って
「あなたは、自ら望んで国民の代表になることを望んでいますね? なら、このウソ発見器に自発的にかかってもいいんじゃありませんか?さあどうします?拒否するんですか?別の候補のAさんは、もう既にこれに進んで参加しましたよ…?」
とテレビのトークショーで迫っていく、ということができそうだからだ
d.hatena.ne.jp

本日からドラマ「ここは今から倫理です」開始。好きな作品じゃないが「大人のおとぎばなし」の一種ではある


「倫理」とは人倫の道であり、道徳の規範となる原理。学ばずとも将来、困る事はない学問。しかし、この授業には人生の真実が詰まっている。クールな倫理教師・高柳が生徒たちの抱える問題と独自のスタンスで向かい合う――。新時代、教師物語!!


自分は、抜かりなくこの原作漫画を1巻だったか2巻だったか読んでいます。その結果、少なくとも自分にとっては「NOT FOR ME」であるという結論に達しました。
tonarinoyj.jp


ただし、それでも語るべきことはある。
それはおそらく、自分がいろいろ、勝手に探して採集し、分類している「大人のおとぎばなし」の一類型であるのだろう、ということ。
それも、リンク先のコレに近い。

m-dojo.hatenadiary.com


これが好まれるのは【大人のおとぎばなし】であると同時に【インテリのおとぎばなし】であるからだろう。インテリとは別にエリートのことではなく、本を読み、物語に親しむ…層全体である。
自分の語る言葉が、社会を動かす。それも「非インテリにその言葉が届き、納得され、指導原理となる」・・・・・・・なかなかに、そうはいかない。
だからこそ、好まれる物語なのだろう。だから、この類型は少し変形させれば、いくらでも使える。

以前から追っている「おとなのおとぎばなし」の変形として
「頭でっかちのインテリが、素朴で無知な非教養人と交流し、地に足の着いた世間知を知る」話や、あるいはそれを全く裏返しにした「無知無教養を全く恥じず、学問知に無関心・あるいは侮蔑、敵愾心を抱いていた非教養人が、知識人と交流し、学問知の意義を知る」話(この二つが、「お互いに」という形で交錯するのも多し。)というのは純粋に、ドラマとしても好まれるものだ、と思うのです。
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このテーマの「典型」として、作品モチーフが作られてる、というのが原作を多少読んでの感想です。
それが成功か失敗か、NOT FOR MEかはさておき、定期的にこういう作品は出てほしいもの。


類似の作品も、いろいろあったような……「哲学」は、まあ行ってみれば中国武術とか、心理学分析とか、中国古典とか、オカルト占いとか、「ワビサビの精神」みたいに(笑)、…普段はそのすごさが測定不能で、あんまり人が見向きもしてないから、一回転して、何かを癒して解決してくれる万能薬のように扱われる、というパターンもあります。一番当人にとってツライのがインディアン(アメリ先住民族)のお年寄りのお言葉じゃないか、と思う。…そこには数千年の英知が宿り、ものごとをなんでも解決してくれる、みたいな周囲の期待がスゴイ(笑)。


「このままじゃいかんのじゃよ。だから精霊は、このままじゃいけない、と言っている」ぐらいの感じの内容かもしれないのにさ(笑)



【大人のおとぎばなし】 ※準タグです。この言葉でブログ内を検索すると関連記事が読めます

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「カーフキック」が話題だけど、元々ローキック…足で足を蹴る自体が未知の技だった。「あの試合」までは……【日曜民俗学】

とにかく、2021年はカーフキック、カーフキックで幕を開けた!!(ごく一部の界隈で)
もちろん、うちでもしょっぱなから話題にしたし
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はてなのタグでもこうなるし
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カーフキック自体が前から使ってる人は使ってたのだけど、要は「概念」として一般化するかどうかとは、また別の話なわけでね。
自分も1年前の専門誌の特集でその概念を知ったのだった。


そこで、思い出してほしいことがある。カーフキックとは、ローキックの中で特に相手の脛、ふくらはぎを狙う技のことなのだけれども…それがにわかに注目されたのだけれども…もっと時代をさかのぼると、そもそも「ローキック」、つまり「足で足を蹴る」という技術、概念自体が極めて奇妙奇天烈、常識はずれ、いったいこりゃなんだ??という、未知の技だったのですよね。

そして、それももちろん、知る人ぞ知る、で一部のひと、一部の流派、一部の競技ではその有効性は十分に知られ、技術も寝られていたのだが、それが知られるようになったのは、巨大メディアに乗った「ある試合」だ。カーフキックが「堀口恭司vs朝倉海」で、はじめて知られたように…




ということで、以前紹介したこの本から、その個所を紹介しましょう。
だが、本のタイトルでネタバレになるなぁ(笑)

アリ対猪木――アメリカから見た世界格闘史の特異点

アリ対猪木――アメリカから見た世界格闘史の特異点

アメリカ人が知らなかったローキック

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アメリカ人は、猪木vsアリを見るまでローキックを知らなかった アリ対猪木

 …アスリートの努力から生まれる最大のエネルギーは、地面から足、足から脚部、脚部から臀部へ伝わるもので、力は蓄積されたのちに解放される。この伝達が効率的であるほど大きな力が生み出される。このプロセスが格闘・武術を文字どおり人間工学の精華へと高めていった。人体は一定の動きを一定の方法で行うよう設計されている。才能豊かなアスリートと同じく、だから特別な格闘家のなめらかでリズミカルな動きは、とてつもない加速と打撃を生む。
 史上最もなめらかでリズミカルに立ち回る男がアントニオ猪木と戦ったとき、しかし、その動きはなめらかにもリズミカルにも見えなかった。あの戦い――あそこで起こったことにはこの言葉を充てるのが正しい―は見苦しかったし、それゆえファンとメディアから嘲笑された。猪木がキャンバスに体を投げ出してレスリングブーツを振り回したのは最高の見物ではなかったが、例の”ペリカンあご”をアリのパンチから遠ざけるのに効果的だったのは間違いない。
 見栄えの問題は別にして、猪木はあの蹴りをくり出したとき地面との接点を欠き、それゆえ威力が役がれる結果となった。蹴りがもたらすダメージの蓄積にも同じことがいえる。しかるべき技術で首尾一貫して蹴っていたら―あの試合でそれはルール違反だったし、猪木も反則を承知で試みていたのだが――アリが15ラウンドまで生き延びられた可能性はきわめて低かった。一九七六年に主流だった格闘スポーツでは、しかるべきタイミングで正しく狙いをつけた蹴りの破壊力がほとんど理解されていなかった。
(略)
正しく行えば脚への蹴りで相手を弱らせることができると、(薄々でも)このとき気がついた者は皆無に近かった。当時のアメリカでキックボクシングはほとんど知られておらず、太股にすねを打ちこむことの意味を理解していたのは、選ばれた少数の、筋金入りの格闘家だけだった。

「その点、猪木は賢明だった」一四歳のころ、プルース・リーを育てた街ワシントン州シアトルで空手とテコンドーを習っていたモーリス・スミスが語っている。「彼はアリが慣れていないことをした。例のローキックのことだ。俺たちもローキックを防御する練習はしていなくて、蹴られるといやな気がしたものさ。だから効果があるってことは、今ほどではないが当時からある程度はわかっていた。アリのスキルセット(技術と技能の組み合わせ)や、彼の能力を殺ぐにあたって、猪木のあの攻撃には大きな意味があった」

キックボクサーから昇華したモーリス・スミス

猪木もアリの脚に蹴りを浴びせたが、このモーリス・スミスこそ総合格闘技(MMA)におけるローキックの元祖と考えられている。アリが脚に連打を浴びて入院した二〇年後、UFCヘビー級王者に君臨したたくましいグラップラーマーク・コールマンの戦力をスミスが殺ぐことに成功した理由のひとつは、相手が前に出した脚を打ちのめすことができたからだ。

その結果に格闘界の目が開かれたのは、UFCの開始から四年間は組み技系が支配的な戦闘スタイルだったためだ。力が強い大型のオリンピック級レスラーたちが押し寄せたことで、スタンドでしか戦えないファイターにはまず勝ち目がないという認識に近かった。レスラーの多くはステロイドをがんがん使って肉体的優位を高め、総合格闘技スタイルの戦いを支配していた。「スミスはキックボクシングで成功しただけでなく(生涯成績は五三勝一三敗五分)、打撃の技術をMMAに適応させる先見の明があった。一〇年間に戦った総合ルールの試合は二八回。現在、ローキックはMMAに不可欠のツールになっているが、これはおもにスミスのおかげといっていい。蹴りで攻撃し、蹴りを防ぐ方法を知らなければ、最上級レベルで勝つチャンスは得られない。

(中略…ここでは「MMA最高のローキックの使い手はブラジル人、ジョゼ・アルドだろう」みたいな面白い議論があるのだが、泣く泣く省略)



…格闘を通じてスミスは世界各地を巡り、一九八四年、アムステルダムでローキックの利点を知った。さもなければ、強烈な打撃力を誇るオランダのキックボクサーたちの餌食になっていただろう。オランダ人はキックボクサーの育成に階級制度を用い、ランクの階段を上れるシステムを構築した。彼らがどのよう進歩していくかにスミスは細心の注意を払った。「ローキックを出す必要があった」と彼は言う。「あのころ、自分が使い手のひとりだったのは幸運だった。俺はアメリカ人で、アメリカ人はローキックを使わない。すばらしい技術だと思っだよ。オランダ人と戦うことで、ローキックがカギになることを理解した」
相手が何をしているかを理解し、それを自分の戦い方に取り入れて応用することで最も危険な格闘家になるという、もうひとつの例だ。「ローキックで使うのは足じゃない」と彼は言う。「すねなんだ。それなりの回数を蹴られると具合が悪くなってくる。試合の流れが変わる」。それはど痛くなくても相手は骨成し、その攻撃も変化してくる。ローキックを使いこなせるようになり、どうすればいいかわかると自分の戦略も変わってくる。
ローキックを受けたことのないファイターは、どう対処すればいいかがわからない…(後略)

いかがでしたか?(へんなまとめサイト風)

というか、プロレススーパースター列伝・ハルクホーガン篇の、『ビアガーデンでホーガンと一緒に飲んでるロックバンド仲間』はとんでもない武芸の達人なのか(笑)

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実は相当な達人だった(笑)ホーガンのバンド仲間モブ野郎 ※プロレススーパースター列伝 

※余談を言うと、これはただのギャグってわけじゃなくて、梶原一騎は自分の知識や蘊蓄を物語の中で過剰に語りたいがために、登場人物に対して「え、この人物が、この知識や分析力、そして表現力(つまり教養)を持ってるって設定、すごく不自然じゃない?」みたいなことになるパターンが結構あるんだよね(笑)。そこを気にしないことが、ある種の「梶原節」を生み出していることも…また一面の事実!!!
要はこの問題だ。

ジョジョとかに出てくる「教養がないはずなのに作者が教養あるせいで見事な比喩や語彙力を発揮するチンピラ」が大好きだ、という話 】- Togetter
togetter.com

まあそういうことで……ほんと不思議っちゃ不思議なんだけど、人間が腕二本、足二本であることは数十万年単位で同じだし、関節の可動域も、骨の堅さもそうそうは違わない。
ならば、徒手格闘技術というものに限りなら、5000年前に確立して、すべての技術が白日の下にあってもおかしくないのに、技や技術にははっきりはやりすたりがあり、新しい「発見」や「再評価」がある。
それは不思議であり、そして美しく楽しいことでもあろう。

このジャンルだと大いに異論が出てくると思うし歓迎したいが、世界の人々に「足で足を蹴ると、けっこう痛くてダメージ大きいよ!!」ということを知らしめたのは、1976年の「ペリカン対ほらふき」であり、それがまわりまわって2020年最後の日の堀口vs朝倉弟でのカーフキックにつながる…という壮大なロマン。

完本 1976年のアントニオ猪木 (文春文庫)

完本 1976年のアントニオ猪木 (文春文庫)

  • 作者:柳澤 健
  • 発売日: 2009/03/10
  • メディア: 文庫

そのひとりは、アラーの御許へ旅立ち、もうひとりは、今、病院で…闘いを続けている。
(これが昨日、1月15日のツイートだ)



しかし、極真カラテの「下段蹴り」についても述べなければ

これ書いておかないとね。
しかし自分は極真を知ってるようで知らない。
・極真の世界大会で、ある時期にローキック=下段蹴りが大流行りした
・それでぐんぐんと勝ち上がり、優勝だったか上位に入ったXがいる!!(Xが伏字なのは、自分が忘れたからだ)
・その人は独自の工夫でこのローキックを独自に編み出した……??

みたいな物語、極真とローキックにまつわるサーガがあったと記憶してる(四角いジャングルに載ってたっけ???)。
※当時「タイ式ボクシング」と呼ばれたムエタイとも絡んでくる。

まあ、こういうふうにテキトーにかいときゃ、だれか補足してくれるだろう。

(こんないい加減な書き方でいいのか)


ほら、さっそく情報来たよ。そして、話が無限に広がってキリがない訳なんだが…

下段回し蹴り 技術論

私の下段蹴りは、今大会で使用されているスネで相手の太モモを狙う蹴りとは異なる。
まず、狙う部分は太モモではなく、左ヒザの横の神経の通っている部分だ。
この急所に当たると腰までしびれて相手は立つことができなくなる。
ただしこの部分を狙うには…
http://karateman.net/technic4-2.html


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前回「アリ対猪木」を紹介した記事2本

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