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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

私的読書録による、豊田有恒の想い出と追悼

豊田有恒氏が、亡くなった。覚悟のようなものは、できていた。
トキワ荘」世代と、SF創世記の作家世代は、先輩の層を手塚治虫星新一小松左京らとして、それに影響された後輩世代とすると、まあ同じ時代を生きた人々だ。トキワ荘世代、そしてSF創世記作家世代は、ここ数年で次々と亡くなっていく。こればかりはあらがいようの無い話なのだ。
今ご存命の人も、脳内で名前が挙がるが、なにか挙げることでへんなことにならないかと迷信じみた心配をしてしまい、触れないでおく。


そして、豊田有恒と私、でいえば、縁がはっきりとわかるんだよな。というか自分とSFのかかわりがすごくはっきりしてるんだ。
いい機会だから、最初から思い出してみよう。

・まず学校図書館でホームズとかを読んで「推理小説」に興味を持つ(浅い)。これが小学3年だか4年の話だな。ドラえもんシャーロック・ホームズセットと、ジュニアチャンピオンコースの「あなたは名探偵」がきっかけだったと認識してる。(プラス、学研の「名たんてい荒馬宗快」だ)

・そして自治体の公共図書館ポプラ社推理小説の読み方」を知り、愛読する(この本にまつわる記事、何度か書いたはず)


・おなじポプラ社のシリーズに筒井康隆が描いた「SF教室」という名著があった。その時、SFはロボットが出てくる、という認識はあったのかな。


・そこで章を分担して、豊田有恒伊藤典夫も執筆していた。そこで豊田有恒という名を知る。ブックガイドもついていた。


・そのブックガイドにある作品を読んでみようと思う。ウエルズのタイムマシン、ドイルの失われた世界…などは子供向けリライトがあってそれを読めたが、逆に当時現役の、日本作家のSF作品は子供向けリライトなんてなかったのだ。


・その公共図書館は子供むけ本のルームと大人の一般書ルームは完全に別の部屋だったが、子供も一般書を読めるし借りられる、と知る。そして探すとあったー!のが星新一筒井康隆。正確に言えば「全集」があったのだ。だからこの2作家の作品は、その全集にあるものなら細かいエッセイまで精読してるわ、おれ。


・ほか「気まぐれ星のメモ」とかエッセイが多かったなあ。ん?いま思えば、そもそもエッセイと小説のコーナーが分かれていて自分は「小説のコーナーにいく」という発想が無かっただけかも?その可能性は高いな(そういうこともわからんぐらい小さなお子様だったのよ)……だって豊田有恒の本は結局その図書館で一冊…「あなたもSF作家になれるわけではない」しかなかったのだから!さすがにそれほど小さな図書館でもない。豊田有恒の「エッセイ」は一冊だけ収納していた、なら合点がいく。


・ただ、結果的にいえばすごーく面白く、印象に残る本だった、この「あなたもSF作家になれるわけではない」は。
これは、日本漫画史がふつうの善男善女にとってはほぼ「トキワ荘史観=まんが道」になっているようなもので、おそらく「日本SF史=あなたもSF作家になれるわけではない」な人間は相当にいるはずだ。少し上の世代なら、福島正実らのほうを読む人もいただろうけど。


・なにしろ、まんが道や「ハムサラダ君」にも登場した手塚治虫ブラックジャックが現役の人気漫画だった手塚が、主要登場人物、豊田のメンターとして登場する。そしてそもそも当時のSF作家というか作家全体が、エッセイにおいては友人の作家仲間を面白おかしく誇張し、キャラ化して笑いを取る手法が流行ってた(SF作家以外だと遠藤周作阿川弘之北杜夫などがわちゃわちゃやってたアレね)。豊田もそういうのをベースにしつつも、ちゃんと「通史」としての軸はぶらさず、その上で自分の考える「SFとは何か」や、文明論も一緒に語ったりしてたわけです。
ウルトラ怪獣に「マイナス5千度の冷凍光線(絶対零度は?)」が登場することへの苦言とか「冥王星に海があるなんてアホな脚本が来たので、必死になって『液体窒素の海』という設定を考えた」とか、そんな小ネタが印象に残ったり、白人西洋文明(東洋の植民地支配)へのかなり素朴かつ極端な反発とかも書いてたな、あれ。


・ただ、とにもかくにも「あなたもSF作家になれるわけではない」のおもしろさが抜きんでていた。藤子不二雄Aを「まんが道が最高に面白い」とする方は多いだろうけど、それと同様に本当に自分にとっては「あなたもSF作家になれるわけではない、…そしてその他もろもろ」を書いた人、なのである。…われながら思うけど、それ豊田有恒ファンと言っていいのか?な気もする。


・そんなことをしているうちに学年が上がり、高学年でかしこくなった僕はデパートなどに「古本市」が時々あり、「古本屋」なるものもあり、そこでは文庫本が150円とか200円で買えることを知る(※当時の古本って、結構その辺が相場で、ブックオフが何でも「一冊100円」で売るって、とんでもなく価格破壊だったのだよな。)


・そこで、やっと代表作やショートショート集を読むようになった。ただ、小説の評価は、ぶっちゃけそんなに高くない。あまり細部を凝らさないワン・アイデア・ストーリーだよね、という感じで…それをエッセイで自嘲自虐してたから、引きずられたのかもしれない(笑)。


・いま記憶で言うとね、
歴史がほんの少しだけ変わっていて、日本が現実の朝鮮半島のように東西分割されて多摩川?が国境線。時々亡命者が出る。それを(分割を免れて)高度成長した朝鮮半島から来た金持ちの観光客が、物珍しそうに興味本位で高級カメラを使って撮影する。それに国境監視の西日本の警備員たる主人公は内心反発を覚え、いつかの統一と、朝鮮半島に追いつき追い抜くことを誓う…みたいな話があった。
(豊田氏が、漢江の奇跡を高く評価し、独学で韓国語を学び、韓国が日本の強力な競争相手になる、ということをいち早く主張していたのは有名。逆に、民主化前の韓国体制をそういう形で評価していたことで、その後の韓国を見るまなざしが双方からねじれていく展開となる…)
その種の韓国文化論も読んだな。ソウルオリンピック前後だから、初期も初期と言える。関川夏央氏らが「新しい韓国論」を展開し始めたころでもある。




あと、人間が発音に意味を持たせて会話するように、音の高低で会話する宇宙人(つまり彼らの会話はすべて音楽のようになる)が地球を訪れて、そこの男性が、サプライズで女性にプロポーズをもくろむ。それはつまり音楽でいうと…なんて話とか

地球を回る人工衛星に、全世界を滅ぼせる核兵器が装備されている。そこに常駐し管理する軍人集団が理想に燃え「世界中で戦争をやめよ。さもなくば、ミサイルを発射するぞ」と全世界を脅迫し、世界を統一の平和に導くがたちまち彼らも堕落し……

みたいな話があった。質のいい悪いではなく、本当に覚えているものをランダムに述べた。

そういえば、李氏朝鮮を脅かした米のシャーマン号事件や、イギリス人が薩摩藩士に惨殺された生麦事件を「悪いのは傲慢な西洋・白人じゃないか」という視点で書いた歴史短編もあり、当時はかなり斬新な見方だったかも。


・そんなショートショートもそれなりに印象に残ったが、「タイムスリップ大戦争」「パラレルワールド大戦争」「スペースオペラ大戦争」の大戦争三部作は、これは本当に面白いエンタメだった(多少のアジア主義的文明論はご愛敬)。

どれぐらい面白いかというと、21世紀の漫画家や小説家が
ジパング

「ゲート~自衛隊 彼の地にて斯く戦えり」

ドリフターズ

…とリメークされ、すべてがアニメ化されたことで折り紙付きだ(笑)。いや勿論ギャグだけど、ギャグに収まらない意味合いがあることわかるでしょ?

ヒロイック・ファンタジーを日本にもたらした開拓者のひとりで、その際に日本神話、ヤマトタケルをモチーフにした、そうなのだけど、これは自分は全く読まなかったので、私的回想には含まれない。ただ、そうやっておもうとそもそも「ヒロイックファンタジー」という言葉自体が今や絶滅危惧種…なんじゃないかな?

・モンゴルの残光はいわゆる”ゾルトレーク現象”と今ではいうのかな?まさにそれで「世界史が途中で現実から分裂して、壮大な架空史が編まれる」という仕掛け自体が、自分が読んだときにはその「モンゴルの残光」その他によって一般化してしまってた時代なので、そういう受け止めだった。ただ、それでも一番覚えているのは、ちょうど西洋列強の側にモンゴル、アジアを置くと、ヨーロッパでイギリスが日本的な立ち位置(早めに近代化して、周辺への帝国主義に加わることも含め独自の道を歩く)になる、というアイデアだった。

"宿題"として残された「パラレル・クリエーション」という梁山泊を記録する仕事。

【推奨】いま「パラクリ」もしくは「パラレルクリエーション」で検索してみる  @nakatsu_s
※いや、知らない話が沢山出てくる出てくる…


豊田有恒氏は、そういう自分の仕事をしながら、1980年代に「若い世代にSFの仕事で活躍する場を与えたい」という志から「パラレル・クリエーション」を設立する…らしいのだが、これはまったく自分的には後付けの情報。パトレイバーのムックに、豊田氏が登場して初めて知ったし、それ以上の情報も知識も無い。
というか、パラレル・クリエーションが実質的に何をやったのか全然くわしいことをしらんのよ。
証言の多くは「ダベッてた」ってだけで(笑)。光画部かよ。2DKのアパートの一室、そのスペースが、何よりも貴重な秘密基地だったらしい
パトレイバーのムックに、ちょっとだけ豊田氏本人の記述があった。これ、実はシン仮面ライダーのリアリティ論を語るために画像として保存したものだったんだけど…

パトレイバーのムックで回想を書いた豊田有恒


自分の見立てでは、これは赤塚不二夫タモリ所ジョージを見い出したことで知られる…1970年代にタニマチとして行った「面白グループ」の活動・功績に匹敵する、のではないかと思うのだ。
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Yutaka Izubuchi

SF作家の豊田有恒さんが逝去されたとSF作家クラブから公式に発表がありました。
先週奥様から自分を含めて、本当にごく限られた方にのみお知らせがあり…
(略)
豊田さんの作品に最初に触れたのは、小学生の頃?に読んだ『時間砲計画』だったと思います。
自分がこの業界に入ってのち、豊田さんの書生(のようなポジション)だったSFファンダムの先輩である星敬さん(彼もすでに故人です)から、「豊田さんのSF設定を絵にできるやつを探している」「なにせ相手は絵にして説明しないと理解できないやつである」「なのでそういう形でだがお前さんの大好きだと公言してる『宇宙戦艦ヤマト』(つまりヤマトⅢ)に参加しないか」と声をかけてもらい、それが豊田さんにちゃんとお会いした最初ではなかったかと思います。
(そのためヤマトⅢでの自分の表記はメカデザインではなく「SF設定協力」なのでした)
後年、その星さんにまた誘われる形で、豊田さんが若手のSFクリエーターに活躍の場を作りたいと立ち上げた『パラレルクリエーション』略して『パラクリ』に参加。豊田家のご家族とも懇意にさせていただききました。
パトレイバー』も実は最初はパラクリとしての企画として立ち上げ、豊田さんも若い頃に在籍していた元虫プロ系列で自分も当時懇意にしていた『サンライズ』にプレゼンしたりもしたのでした。(現在の『パトレイバー』は、その後知り合った伊藤和典さんや高田明美さんが参加していまの形となったものです)
いま思い返してみると、パラクリで出会った人々や、その時期にできた人との繋がりが現在の自分を形作っているんだと気付かされます。
そして、気恥ずかしい物言いになってしまいますが、あの時期が自分の青春時代というものだったのではなかろうかとも。
その時期に様々な(中には原田知世流行性感冒のような)経験をするプラットフォームであったパラクリ。そのパラクリに、自分のようなペーペー(実際パラクリでは最年少)を向かい入れて…(後略)

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このへんのことを深く知りたい、書いてほしい…と願うのは、最近のブログではほぼ持ちネタ化していた(笑)
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豊田有恒氏に、ここを中心に語ってもらうような書籍が編まれなかったのは痛恨の極みだが、まだ残っている、その想い出と記憶のかけら…SF的オーパーツ…を拾い集めていくしかあるまい。
それが、氏への追悼となるだろう(たとえば、夫人の回想録というのは不可能だろうか)。


あらためて、私的な思い出としても、さまざまなる作品をありがとうございました。

「玉袋筋太郎の闘魂伝承座談会」が15日発売。関連イベントも1月9日に開催(配信あり)

プロレス界のレジェンド達が、闘魂の炎のもとにいざ集結!

KAMINOGE』内の大好評連載「変態座談会」が闘魂スペシャルにて単行本化。
アントニオ猪木のロングインタビューをはじめ、闘魂の時代を共に過ごした9名のレジェンドが集結し、名エピソードと証言で語り継ぐ一冊!

〈出演者〉
アントニオ猪木
藤波辰爾
藤原喜明
北沢幹之
新間寿
舟橋慶一
タイガー服部
永田裕志
村上和成


2024年1月09(火)

玉袋筋太郎の「語ろう!アントニオ猪木」変態座談会


開場18:30 / 開演・配信19:00
【会場観覧】前売 ¥2,200 / 当日 ¥2,500
※ともに飲食代別・要500円以上オーダー必須
※チケットは12/4(月)17:00~発売開始!!
購入はこちら→https://t.livepocket.jp/e/ve9po
【配信視聴】¥1,500
アーカイブ2週間購入&視聴可能
※配信中の投げ銭(お茶爆50/100/500)も可能です!! ぜひご協力ください!!
購入はこちら→https://twitcasting.tv/asagayalofta/shopcart/277535

【出演】
玉袋筋太郎
堀江ガンツ(プロレス格闘技ライター)
椎名基樹構成作家
【ゲスト】
宮戸優光(CACCスネークピットジャパン代表)

KAMINOGE』の人気連載「玉袋筋太郎の変態座談会」が書籍化。アントニオ猪木ロングインタビューをはじめ、猪木と関わりの深い人たちとの対談を集めた『玉袋筋太郎の闘魂伝承座談会』が発売さ。

それを記念して、アントニオ猪木を語るトークライブを開催! 玉袋筋太郎堀江ガンツ椎名基樹という、おなじみの変態座談会メンバーに加え、ゲストとして元IGF興行部長で猪木晩年の側近でもあったCACCスネークピットジャパン代表の宮戸優光も登場! 年始から猪木を語りまくる!
www.loft-prj.co.jp

「WEZZY」「SAKISIRU」がともに…プロ的ニュースサイトは生き残れるか


更新終了および閉鎖のお知らせ

文=wezzy編集部
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 2017年7月より更新を続けてきたウェブメディア「wezzy」ですが、2023年12月31日をもって更新を終了する運びとなりました。長年のご愛読ありがとうございました。2024年3月31日にサイトの完全閉鎖を予定しております。

 なおイベント及びアーカイブ見放題のサブスクリプションは2024年1月末までご利用いただけます。ご不明な点などございましたら、本記事末尾に記載の署名にあるメールアドレスまでお問い合わせください。

お世話になった執筆者、出演者のみなさまへ
 ご寄稿いただいた記事の著作権は執筆者の皆様にございます。ご自身のブログやテキストサイトなどのほか、他社のメディアでも再利用可能です。その際は、よろしければ初出として弊サイトの記載をいただけますと幸いです。

【記載例】初出:wezzy(株式会社サイゾー

 また取材記事、対談・鼎談・座談会記事およびイベント/セミナーアーカイブの再利用の際には、必ず取材協力者、参加者、関係者の皆様のご意向をご確認ください。イベント/セミナーアーカイブのデータにつきましては、ご連絡をいただき次第、映像データをご案内いたしますが、ご使用の際は、ご自身の責任で各種権利関係を
wezz-y.com



SAKISIRU、24年1月から不定期掲載になります

【社告】23年12月までは「通常稼働」
2023年11月23日 06:00

SAKISIRUのレギュラー稼働を2023年12月25日で区切りとし、24年1月から「半休」することになりましたのでお知らせいたします。新年からは不定期で、記事掲載やウェビナー開催をすることに致します。

「半休」になりますので、特集記事や専門家の連載記事、ウェビナーのアーカイブなど自信を持ってお届けする良質なコンテンツは引き続き掲載しております。一部は書籍化も予定されています。

12月20日以降はサブスク料金を現行の月額1500円(+税)からアーカイブ読み放題の同1000円(+税)に改定します。
(略)今年春に当社の経営が苦境になり、共同親権問題で訴訟を起こされた際も、多大なご支援をいただきましたこと、改めて御礼申し上げます。

執筆者の皆様にも渾身のスクープ、論考を寄稿いただき、ウェビナーのゲストの皆様に「とっておき」のお話をいただけたこと、そして何よりもこのメディアを始める際、人材や資金集めで当社に数多くの方々が絶大なご協力をくださいました。

2021年4月26日に創刊してから本日で941日。ここまで走り続けられたのも皆様のご尽力の賜物です。皆様からの格別のご期待に沿うことができず、深く深くお詫び申し上げます。(後略)
sakisiru.jp

ぶっちゃけ、こういうのって言わば「雑誌」じゃん。紙を買って、割付して、印刷して、発送する…そういう紙の雑誌のコストがないぶん、ネット上での「雑誌」は気軽に旗揚げできるし、そこでなら、低空飛行ではあろうけど最低限の編集人が生活することができ…ていた…はず……。
それが、今の状況下では、かつて可能だったものができなくなったのだろうか。
或いはこれまでも無理があり、先行投資だという感じでどこからかカネを引っ張ってきて、本来は赤字のところを運営できていたのだろうか。

格闘技的にはこれを「ONE方式」と呼ぶとか呼ばないとか……。

なんにせよ、せちがらいものです。どんな傾向のネット”雑誌”メディアでも、それが成立して運営されていれば、それだけで人々に夢を与えてくれていた。テキトーな(おいおい)ネットサイトを立ち上げてそれなりに読まれれば、1~3人はなんとか食える、寄稿者にもそれなりの原稿料がいただける、というロマン……


にしても、そういう状況を見るとちゃんとネットマガジン、ネットサイトとして続いているMMAPLANETやefightやDropkickやリテラやねとらぼやオモコロやJ-CASTニュースやナタリーや「九条マガジン」やハフィントンポストやバトルニュースやタブロはみんなすごいよ!
どれもこれも、ますますのご繁栄と継続あらんことを。

そして退場する2つのサイトも、お疲れさまでした。

サキシルもWEZZYも

叛骨の映画監督、「ジャンゴ」を作ったタランティーノ、イスラエルを支持し軍を激励


タランティーノイスラエル軍を激励

クエンティン・タランティーノ監督は、ハマスとの国家戦争のさなか「士気を高める」ため、イスラエル南部の軍事基地を訪問した。イスラエルの国際非営利教育団体スタンド・ウィズ・アスによると、 60歳の『パルプ・フィクション』監督は軍事基地を訪れ、兵士たちと交流したという。

まず、イスラエル戦争ルームX(旧ツイッター)アカウントは、1400人以上が死亡したハマスの壊滅的な10月7日のテロ攻撃を受けて、60歳の『パルプ・フィクション』監督がイスラエル軍と会談している画像を共有した。。テロ組織はガザ地区でも少なくとも199人を人質に取っていると伝えられている。

反ユダヤ主義に反対する非営利団体スタンド・ウィズ・アスは、タランティーノの訪問の写真を投稿した。「暗い時代の明るい瞬間:伝説の映画監督クエンティン・タランティーノは、完全に治安が悪化したイスラエル南部を突然訪問し、イスラエル国民との団結を示した」ハマスによるテロ戦争が続く中、壊滅的な打撃を受けた。そこで彼は軍事基地を巡り、兵士や住民と交流し、自撮り写真やビデオのソーシャルメディアの熱狂を引き起こした。サポートを示すなんて素晴らしい方法でしょう。」


www.hollywoodreporter.com

そうだ、「ジャンゴ」の日本語副題は「繋がれざる者」だったか……

薩摩蛮族より強い庄内蛮族?(笑)がNHKBS「英雄たちの選択」で放送/同時間に別chで「博物大名」の回

幕末最強!庄内藩戊辰戦争徳川四天王酒井忠次の遺伝子〜

幕末の戊辰戦争奥羽越列藩同盟の中で唯一、新政府軍に勝ち続けた庄内藩。立役者となった二番大隊長酒井玄蕃徳川四天王酒井忠次の末裔。その強さの秘密と選択とは?

幕末の戊辰戦争奥羽越列藩同盟の中で唯一、圧倒的な新政府軍を相手に一度も敗れることなかった出羽・庄内藩。その立役者となったのが徳川四天王酒井忠次の末裔である二番大隊長酒井玄蕃だ。幕府をつぶした徳川慶喜を馬鹿将軍と罵り、長篠合戦で別動隊を率いた先祖の忠次同様の迂回作戦で連戦連勝を続ける。強さの秘密は徳川への忠誠心と強力な武器。しかし他藩は次々降伏し、残るは庄内藩だけに。降伏すべきか、徹底抗戦か?
www.nhk.jp

「薩摩人の願いは、戦死して黄泉路の先陣を切る事じゃ。わしらの願いは、その薩人の願いをかなえて差し上げることじゃ」と言ったとか言わないとか(※それ、米海軍の対日スローガンだろ)

「破軍の星」というかっこいいタイトルの歴史小説で有名になったね。


それとは別に、BSも編成に苦労したのか混乱したのか、別チャンネルで同じ時間に、同じ番組の再放送流すってなんなん。

時代をひらいた博物大名たち

18世紀は、世界的な博物学の時代。江戸の大名の間でも、魚類・鳥類・昆虫などの図鑑を作らせる、いわゆる「博物大名」が次々に出現し、新しい時代を切り開いていく。

四国・高松藩の殿様は、海の魚にこだわり、「衆麟図」という海の魚の図鑑を作らせた。本物をそのまま写し取ったようなその姿は、図鑑というより精緻な工芸品を思わせる。一方、幕府要人・若年寄の堀田正敦は、日本の鳥の大図鑑を作ろうとしていた。漂流民からロシアに鴈の生息地があることを知った正敦。緊迫した北の海の情報は、国家の重要機密でもある。その情報を図鑑に盛り込むか正敦に選択が迫られる。

www.nhk.jp

まことに平和なる江戸の爛熟期、かつては天下取りの野心に燃えた諸大名が「学問を発展させ、研究発表の一つもして科学史に名をきざまん」という、なかなかいい方向に野心が昇華されておった。
雪の結晶を研究した古河藩のおとのさまは「コロ助の科学質問箱」でも有名だが(俺だけ?)、それに先立って魚の図鑑や鳥の図鑑に挑む男たちがいた……

【速報】豊田有恒氏、逝去





豊田有恒さんの訃報に接しました。先月28日ご逝去。享年85。
 豊田さんとのあれこれはあちこちに何度も書いていますので、繰り返すことはしません。
 豊田さんと初めてお会いしたのは、詳しい日時は定かではありませんが、1977年です。そして最後にお会いしたのは今年5月21日です。あのときは、まさかこんなに早く別れのときが来るなんて思いもしませんでした……。

 実は私、先月8日、豊田さんから「末期癌で、長くない」とのメールをいただいていました。その文面たるや、まさに遺書。読んでいて、涙が止まりませんでした。ほんと、作家の文章力は恐ろしいです。
 そして翌日、奥さまから電話が…(後略)
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アルスラーン戦記の印象的挿話「戦利品を雑兵に分配」について。/荒川弘鉄人伝説・新章

別冊少年マガジン」には多数の異世界もののほか「アルスラーン戦記」「軍靴のバルツァー」などが載っている。最近、コミックDAYSサブスクに加わったばかりということもあり、読み逃してしまうこと多く、最近まとめ読みしたが、アルスラーン戦記で、主人公らがルシタニア軍を撃破するところまで来た。
原作第一部の、7-8割まで来たというところでしょうか。
この作品も、原作を程よくアレンジ…というか、描写を詳しくしているところが多いのだけど、原作を遠い昔に読んで、へぇと印象深かったシーンが再現されていた。それも2号にまたがって、かなり細かい描写で

アルスラーン戦記 略奪禁止の代わりに財宝を分配


原作で、自分がおっと思ったのはこのシーン。
エンタメで軍を率いる善玉側が、略奪暴行放火をしない、品行方正な軍であるのは当然だが、それに対して「兵に不満を抱かせないため、戦利品として得た財宝を雑兵に至るまで分配し、利益を与える」という描写があったところに、非常に個性的な”リアリティ”を感じたのですよ。

異世界にリアリティを与える、とは、じゃがいもの名称がどうした、ハンバーグの名称はどうする、という話以上に、こういう部分が重要なのではないか、と思うのです。

アルスラーン戦記 略奪禁止の代わりに財宝を分配

そして……これは、なにしろ数十年前の読書なのではっきり覚えてなくて、違ってたらごめんなさいなのだが、この「略奪禁止の代わりに財宝を分配」というのは、印象的な言葉ではあるが、主人公アルスラーン王子の命令のひとことで原作では描写が終わっており、非常に簡単な記述だったと思う。
だから、2号にわたってかなりのページを割き、部下ひとりひとりの恩賞の反応や、ここで分配することが宝物保護に軍勢を割く無駄を省ける、とか「もし国王から、国の財産を勝手に分配したな!と咎められたら、その分はルシタニアが持って逃亡したとごまかそう」みたいな対策案が描かれたのは、おそらく荒川漫画版のアレンジ…じゃないかと推測する(自信は無い)。

あるすらーん戦記 財宝の分配と略奪の禁止

まあ、アレンジではなく原作準拠だとしても、そこを原作通りに描写する義務はないのだから「勝利で得た戦利品の財宝を雑兵に至るまで分配する」というここに着目したのは、大したものだのう、と思うのでした。

この間に、あの鉄人荒川が1号休載した!!その理由は?

こういう告知があったんですよ

荒川弘が検査入院して1号休載/その後ふつうに復活


ぶっちゃけ、かなり心配した。さすがに仕事量が無茶だと無責任な読者から見ても感じることがあったし、
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もちろん漫画的誇張や自虐もあるだろうけど、解決策は「寝なきゃいいじゃん」みたいな、昭和もびっくりな描写もあったからね……

ただ、結論として、実際に予定していた検査入院を終えて
予定通り1号休載だけで復帰した。近代医学敗れたり。
※整理すると、10月号の作品末尾に「検査入院で次号は休載」告知、11月号休載、12月号でごく普通に復帰……


鉄人の伝説をかざる、新しい勲章が加わったに過ぎなかったのである………といいつつ、やっぱり心配だよなあ。ある日、すべての無理がいっぺんに噴き出す…みたいなことが無いように願う次第です。


そして、荒川版アルスラーン戦記のアニメ化の続き…は無いようだね

2期のDVDの売り上げが悪かった、とは聞いている。ただそのころはDVD→配信の過渡期だったんじゃないかな?
配信といえば海外人気が重要で、中国で絶大な人気の「銀河英雄伝説」の原作者、それに世界的人気のFull Metal Alchemistの作者の作画・アレンジ……とくれば普通より買い手も多い気がするが、そのへんはいろいろとあるんだろうな。