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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

内容ぐだぐだ、でも国民熱狂…謎のクーデター「五・一五事件」とは何だったのか(小山俊樹氏の著作等から)

ビッグコミックの「昭和天皇物語」はいま五・一五事件を描いている。

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昭和天皇物語 五一五事件


で、上で描かれた有名な
「話せばわかる」
「問答無用!」のやり取り前だが、
引用ツイートの画像のように「そもそも刺客(三上卓)はいきなり犬養毅を銃撃したが、弾切れ不発だった」らしい。

このへんの話が、小山俊樹氏@tkoyama3の新書にも書かれている。

ロンドン海軍軍縮条約をきっかけに、政党政治を憂えた海軍青年将校、民間右翼らが起こした五・一五事件。首相暗殺、内大臣邸・警視庁を襲撃、変電所爆破による「帝都暗黒化」も目論んだ。本書は、大川周明北一輝橘孝三郎井上日召国家主義者と結合した青年将校らが、天皇親政の「昭和維新」を唱え、兇行に走った軌跡を描く。事件後、政党内閣は崩壊し軍部が台頭。実行犯の減刑嘆願に国民は熱狂する。昭和戦前の最大の分岐点。

実際5.15事件って226事件より規模が小さいゆえに、余り語られないし、こういう研究書も少ないけど、それもさもあろうというほど事件自体がすっごいグダグダで、むしろ1周回ってそのぐだぐだっぷりが興味を惹かれる。
もし彼らが成功して「維新体制」とか成立しても、絶対に日本は戦争勝てる国になれねえな、と確信できる(笑)


本職の手榴弾の扱いすらどヘタクソで、テンパってやり方間違えるから不発しまくりだし…少なくとも、クーデターを実務面から見たらとても勲章は挙げられないようなポンコツ将校たちでした


515ぐだぐだ話

・官邸襲撃の足はタクシー運転手。脅かして、肩口を拳銃で殴りつけては言うことを聞かせて、首相官邸の表門を突破させた。
・だがその前、首相官邸がどの建物か調べてないのでだいぶ戸惑った。
・実行犯の三上の拳銃がどこかにあるかわからず、他人の拳銃を借りる
・そのとき「壊れてるから一発しか出ない」と言われたの忘れ、うっかり護衛の巡査を撃つ→弾切れ
・襲撃後、「最後は警視庁に行こう。この事態で集まっている警察の精鋭と戦って死のう」→伝わってないので「敵」がいない→しょうがない、日銀で手榴弾でも爆発させるか→成功したが、その後やることが無くなった。

よくまがりなりにも、首相暗殺に成功したな…
そして、このタクシー運転手が気になる。あまりにも突然に「歴史の登場人物」になってしまったこの方、その後はどんな生涯を送られたのだろうか…事件後は調書なんかも取られているかと思うけど、どこのどんな人なんだろうね。



・別動隊の牧田内相襲撃団のほうは、意思疎通不十分でリーダーは「牧野がいる共いないともいえない」「威嚇に留める」とか突然言い出し、仲間は「国賊牧田を殺さず何の決起か」と???状態。リーダーはその後「内通」が疑われるレベルでの失敗だった。
牧田襲撃団のリ―ダー・古賀はその後この失敗に関して泣き言をいう。
「いるかいないかわからないのは犬養も同じだったが、「在宅かどうか自信が無い」と伝えてなかったので、あっちは確信をもって徹底的に探した結果、幸運にも犬養を見つけたのだ」
「私の身になって考えてほしい。期間は2カ月、厳しい航空隊の訓練の合間、自由な土日だけ使って同志と連絡し、武器と資金を調達し、偵察と計画改定を…」
いや分かるけど、そんな言い訳するテロリスト見たことねえよ(笑)




ただ!五・一五事件の一番の重要部分はぐだぐだテロの実行部分にはない。
捕まった青年将校たちの「至純」を絶賛し、減刑を求める「世論」が沸騰したことだ。
同時代人の山本七平(ベンダサン)が、異様な光景としてそれを記したこともある。

togetter.com
戦前の日本では、天皇への反逆は極刑であった筈です。
反逆罪で起訴されるという事が、即座に死刑を意味した筈です。
その上彼らは史上で最も卑劣な行動をとったのですから、日本文化が「恥の文化」なら、このような恥ずべき行ないをした反逆者に情状酌量の余地などある筈はありませんし、(続

たとえ軍の上層部が彼らの刑を軽減しようとしても、世論がこれに承服する筈はない、たとえだれが何かをして彼らを助けたとしても、少なくとも社会は彼らを受け入れる筈はない――と考えるのがわれわれの常識でしょう。
ところがそうではありませんでした。
彼らの受けた判決は、一見重いようでしたが、実質的な服役では、その罪状から考えれば無罪に等しいといってよいでしょう。

また社会も、彼らを糾弾するように見えながら、実をいうと、彼らが裁判をうけている最中に、何と35万通もの減刑嘆願書が裁判長の手元に送られて来ているのです。
これは日本裁判史上最高の数の減刑嘆願書ではないかと思います。
従って戦後一部の日本人が常に主張するように、当時は軍部が横暴で、他の日本人は言いたいことも言えなかったのだ、とはいえません。
嘆願書を送る義務はだれにもないはずですから。

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昭和天皇物語五一五事件嘆願書

テロの目的が権力掌握でも要人暗殺でもなく「社会を変える」ことなら、ぐだぐだ515事件はこの上もない大成功かもしれないのだ。


なにしろ、犬養一人ではなくアジアで当時唯一の「政党政治」を葬り去ったのだから。

著者はこう問う。

それにしても、なぜそうなったのか。言葉を補えば、そもそもなぜ、政党政治はこの五・一五事件で終わりを迎えたのだろうか。犬養首相が死んだからといえば簡単な話となるが、それは十分な回答ではない。戦前に政党内閣を率いた原敬も、浜口雄幸もテロで遭難したが、政党政治はその後も続いた。「テロが起きた」という現象は、重要なきっかけではあるが、決定的な理由ではない

そして、その謎を探る手段として3人に注目する。西園寺公望木戸幸一、森格。森という人はしらなかったが、木戸や西園寺については意外でした。




で、裁判。
天の配剤に任せて何も弁明せず、といった議論もあったが、結局は法廷で維新の大義を訴える戦術に転換。

首謀者三上卓は、自分の視点で見た犬養暗殺を語る。
「話せばわかる」問答は

「苟も一国の首相が死に際して言い残す何事かを聞くのは武士道の情」としつつ
「首相個人に対する怨みは毛頭ない。私には当時の気持ちは悲壮の感があった。首相の態度は立派だが、我々は首相をにくまず、革命運動の犠牲者として撃つ積りである」
「首相が何事か語り出さんとするのを聞いたら、私は首相に『総ては天命である。我々は首相一個人を撃つのではない、安んじて眠れ』といってやりたかったのです。」

「首相個人に対する人間としての哀悼の念を禁じ得ない。と共に、首相の尊い死を転機として、これまでの邪悪に満ちた日本の政治が、我々の念願する天皇親政へ、又昭和維新への首途たらしめんと心中祈って止まなかった次第であります」


あー……どの面下げて、の言葉だな、と思う一方「間違いなく、日本人のある一面…、その琴線に触れる言い方ですわ、こりゃ」とも思いますわな。

笹川良一はともかく、「大菩薩峠」の中里介山も「一代の危急を救わんとする正大なる報国精神」などと擁護するしまつ。
さらには19歳の少女が、「五一五の方々を死なせたくない」と遺書を残して電車に飛び込んだという。




また自分は思うのだけど、
赤穂浪士桜田門烈士を連想し、そこから逆算して「これだけ公然と武力反乱を行った連中は、赤穂浪士のような存在ではないか…いやむしろそうであってほしい」、そう日本社会は連想したのではないか。まだ娯楽も少なく赤穂浪士はそのエンタメのどまんなかにあった。
それが再現されてほしいという集合無意識……。
けっこう、これが大きいのではないかね。


この前NHK特番で「横綱白鵬」の軌跡が描かれ、「日本人に愛されたかったがかなわなかった」という話をしていた。日本人は何を好み、何を嫌うか。五一五はその歪んだケース・スタディーになっているかとも思う。





小山俊樹氏の「五・一五事件」では事件後、それも太平洋戦争後の「それからの三上卓」も興味深い。
近衛首相にも接近し、東条とはその権力が「東条幕府」だとして対立し暗殺計画にも関与、憲兵にも見張られる。戦後は参院選挙にも出馬したそうだ。
「議会と政党を、30年来、骨の髄まで憎んできたわたくしが、いま、その憎しみを棄てて、自ら立候補する固い決心をしたのは、考えてみれば歴史の皮肉と言えましょう」


いやいやいや。
結果、落選して
「選挙終えし 後の怒りの しづまらぬ」という正直な句を残している。今月末、この句を再活用しよう(笑)


そして、事件の25年後「招魂祭」を行い、犬養の遺族(息子の犬養健)も招いた。美談に見えるが…

八木春雄(襲撃の仲間)は、この催しについて…三上の相談にあずかった。だが二・二六と違い、襲撃で亡くなったものはいない。「敵側の犬養位のもんだ」と八木が言うと、三上は一瞬なるほど、という表情をして「犬養でいいさ」と答えたという。

コントか。

三上はその後「三無事件」という、さらに不思議で無計画なクーデーター騒動に関わり逮捕される(諫める側に回っており、結局釈放された)などし、1,971年に66歳で死去。
生前、三上と橘孝三郎は「金を欲しがらない右翼」だという評判が立ったという。いや、じゃあ普通の右翼はどうなんだよ(笑)

そんなこんなの紆余曲折を経て、まがりなりにも”復活”した議会・政党政治は、いま、49回目の総選挙を迎えた。
自身も、参院選を経験した三上はどう見ているだろうか。


おくれても おくれても又君達に 誓ひし言葉 われ忘れめや
(招魂祭にて三上が詠んだ句)




五・一五事件はその後の二二六と比べて規模も計画性も小さく、あまり世間の興味を惹かない事件だけど(自分もほとんど知らなかった)事件が小さいからこそ、そこに鮮明に浮かび上がってくるものもあるな…、と、この小山氏の新書を読んで思いました
(了)

『あの最低野郎(金正日)には、パレードでもなんでもやらせとけばいい』…コリン・パウエルの遺言(+それへの疑念)。

コリン・パウエル氏が亡くなった。

父ブッシュの下で闘った湾岸戦争で世界に名を知られ、そこでは大勝利を収めたもののフセイン失脚には至らず、その後はまず「大統領候補」…それも”黒人初の”が期待されながらも出馬せず、その結果当選した子ブッシュホワイトハウス内で穏健派として重きをなすも痛恨の「イラク戦争」で、国連で事実に基づかない演説を行う羽目になったりするなど、波乱万丈の生涯だった。


その人物が、ずっと取材を受けていたというボブ・ウッドワード……ああ、あれやこれはオフレコの情報源でもあったのかな? 


彼に、最晩年に語ったという。
それが、いわゆる「ならず者国家」に対する放置論だった…

…パウエルはアフガニスタン以外の外交問題についても自分の考えを述べた。

たとえば北朝鮮アメリカを攻撃してきたとしても「翌朝には我々が北朝鮮を破壊している」のは目に見えている。その報復を免れるような「攻撃手段を北朝鮮が見つけられると思っている人間なんていないだろ?」と。

「イランについても同じだ。イランも北朝鮮も我々の敵にはなり得ない。なぜなら彼らはそのような報復に耐えられないからだ。私たちは奴らを恐れているかって? 違う。(それより問題は)あっちに(アメリカを攻撃してくる)度胸があるかどうか、だ」



「しかし、時に自暴自棄な指導者が現れることもありますよね」と私が突っ込むと、パウエルは「たしかに、たしかに……」と言って続けた。

「中国は我々に北朝鮮との戦争をさせないだろう。彼らは北朝鮮を愛している。北朝鮮がほしいのだ。私はほしくない。北朝鮮のことなんか気にしていない。あの小さな最低野郎(金正恩)にパレードでもなんでもやらせておけばいい。彼はアメリカを攻撃してはこない。自殺行為になるとわかっているからね」

コリン・パウエル元米国務長官「私を哀れに思わないでくれ」 最後のインタビューで語ったこと | 死去する3ヵ月前に… | クーリエ・ジャポン


なる
ほど。
完璧な作戦っスね~

ただよお~~ハッキリ言って、このての戦略論はずっと語られてたけど、主にそれって、例えばパット・ブキャナンとか、親子二代のリバタリアン議員ポール親子なんかが提唱した、ぶっちゃけ孤立主義のそれじゃないかい?

共和党保守派の論客パット・ブキャナン氏が正面から唱えていた。やはり「アメリカ・ファースト」という標語が旗印だった。ブキャナン氏は1970年代から共和党ニクソン、フォード両大統領の補佐官として活躍した。1980年代のレーガン大統領の下でも特別補佐官として重用された。そして1991年には冒頭で紹介したような主張を表明していたのだ。

ブキャナン氏の政治標語には「アメリカよ、故郷に帰れ」という表現もあった。東西冷戦でソ連という強大な敵に勝ったアメリカはもうグローバルな軍事展開などを止めて、本国へ帰ってくるべきだ、という主張だった。国際関与を止めろという孤立主義でもあった。だから日米同盟とか米軍の日本駐留ももうやめてしまえ、というのだった。当時、乱暴な主張とされ、多数派の意見となることはなかったが、共和党超保守、民主党超リベラルの両方から賛同を得ていた。
japan-indepth.jp


”やつら”はどんなに頑張っても、「我々」に勝てる軍備は供えられないし、「我々」を攻撃したら次の日にはその国は消滅している。だから、パレードでも何でもやらせておけ……


このとき、問題はその「我々」に、たとえば日本や韓国は入っているのか。
パレードでも何でもの「なんでも」に、日本攻撃や韓国攻撃、あるいは攻撃を実際にしなくても、攻撃を可能にするための軍備増強や、武器の実験も入ってるのかい?と。
ニセ札つくりや大規模な国家ハッカー行為、大韓航空機事件や拉致事件のようなテロ行為というのもあるな……。

あと、間違いなく「自国民への人権弾圧」は「何でも」のうちに入ってるだろうしね……そこまで含めると介入主義になってしまうのも事実だし。


この種の問いは、状況が多いに違うとはいえ、イスラエルもアラブ・ペルシャの諸国との関係でアメリカに対して持っていた疑問だろう。

小坂俊史「まどいのよそじ」最新回(女性アマ力士)が、実に傑作でした。ジェンダー論、スポーツ論、メディア論……


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まどいのよそじ 小坂俊史 小さな相撲大会で「女性初の横綱」に

この作品は、雑誌名がややこしくて間違えやすいが「ビッグコミックオリジナル増刊」にて連載中

四十にして惑わずとと言いますが、実際に40歳で迷わず生きてる人なんています?そんな作者の思いが詰まったオムニバスショート。様々な40歳が抱える悩み、夢、現実をコミカルにいきいきと描きます。「四十にして惑わず」とか言うけど、40歳で迷わず生きている人なんているの?人生の節目(?)40歳を主人公にしたオムニバスショート。さまざまな40歳をコミカルに生き生きと描く、脂ノリノリの第2集。


マンガを含むエンタメって、本当の人気は「キャラクター」につくもので、作品にはあまりつかない(少なくとも商業的価値としてはそうだ)。だから、主要キャラクターを決めない「オムニバス形式」のエンタメは、労多くして報われることは少ない。
そして、だからこそそういう形式を今とっている作品は「意欲作」「野心作」が多い……と思う。黄昏の流星のあれは置いとけ(笑…といいつつ、いや実際に”たまには”意欲的な良作もあると思うよ)

で、この「まどいのよそじ」は40代…昭和の御世ならまさに社会の重鎮として仕事も家庭も(子どもはそろそろ成人…)完成系に近くなり、人生70時代の、幕の降ろし方も考える時代だった。

だが、21世紀も五分の一を過ぎた今は、40代はたしかに「不惑」どころか迷いっぱなし。自分の可能性、好奇心、向上心、諦念、人間関係、仕事、恋愛……とはいっても、確かに「青春時代」とはやっぱり違う。
そんな微妙なところを描いて…特に技法としては、以前から研鑽を重ねた「モノローグ」の手法を洗練させている。(重野なおき氏と文学的な同人誌を出したこともあったとか。その後商業出版もされた)

はちゃめちゃ教師とその教室の生徒を描く「せんせいになれません」とは、ちょっと別の路線なのだ。



そして今回、その中でも実に面白いシチュエーションで……コマで紹介したように、40代の女性体育教師が面白半分に、小さな神社の伝統の相撲大会に出たら優勝。
「史上初の女性横綱」となる。
星新一曰く、「すぐれたシチュエーションを考えたら、そこで作業はある意味終わりで、話は自然に出来てくる」と。

まさに、この設定から話が展開されるのだが、短いページの中に
いまの日本社会におけるジェンダー、女性の地位とは何か、スポーツの意味や公正さとはなにか、そして、何より(小さな神社の大会なのに)「史上初の、相撲の女性横綱誕生!」というトピックを前にしたメディアはどう振る舞うか…というメディア論として、実に風刺と批評が利いている話が連続して続く。
そして、最後を締めくくる、あぜんとさせるオチ……


おしなべてこのシリーズは水準が高いけど、シリーズ全体を通しても屈指の傑作といえるのではないでしょうか。



くしくも、女性は土俵に上がれるのか?の問題に火をつけた、女性初(にして現在唯一)の官房長官森山真弓氏の訃報も伝えられた。

www.shimotsuke.co.jp

news.yahoo.co.jp


そんな、ちょっとした因縁も連想しつつ。


小坂氏は、同じようなオムニバス作品として、いろんな「最後」をお題とした「これでおわりです。」もかいている

紙屋高雪「不快な表現をやめさせたい?」(かもがわ出版)

■内容紹介■
あいちトリエンナーレでの「表現の不自由展、その後」展示中止事件、「宇崎ちゃんは遊びたい」の献血ポスター炎上など実際の出来事を切り口に、自分にとって「不快な表現」にどう向き合えばいいのかを考える。

■もくじ■
はじめに
I「あいちトリエンナーレ」事件の何が問題なのか
II実際に「あいトリ」の作品を見てみる
III「行政の中立」とは何か
IV「宇崎ちゃん」献血ポスター事件を考える
コラム1●自由な批判で表現を取り下げる
ー『はじめてのはたらくくるま』事件
V女性を性的対象として見ることは問題なのか
VIポリコレ棒を心の中に
コラム2●表現の規制に必要な条件は
ー志田陽子教授に聞く
終章不快な表現にどう向き合うか
あとがき

■著者略歴■
紙屋高雪(カミヤコウセツ)
1970年愛知県生まれ。ブロガー。マンガ評・書評サイト「紙屋研究所」の管理人。

いま、ざっとあらためて見たところから、こういうくだりを引用しよう。

そして、もうまったくいま手近にあるだけだから例に挙げさせてもらうだけなのですが、たかぎ七彦さんの『アンゴルモア 元寇合戦記』というコミックがあります。 ぼくはこの作品を「楽しんで」いますが、物語上の演出として、侵攻してきた元・高 麗軍の残虐性は非常に強調されます。子どもを笑いながら殺すシーンから物語は始まります。そのことをもって、「元・高麗軍の残虐さを創作上過度に強調することが、 モンゴル人・中国人・朝鮮人の民族性に対する偏見を助長する可能性がある」という 批判も成り立ちえるでしょう。
つまり、創作物はほとんどのものが大なり小なり政治的不公正を含んでいるのです。 どこかで誰かを傷つけていることは避け難いと言ってもいいでしょう。
しかし、これにすべて対応して不公正を除去しようとすれば「政治的に正しいおとぎ話」になってしまいます…

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「不快な表現をやめさせたい?」 紙屋高雪



www.nishinippon.co.jp


…としつつ、ダイレクトに言及しないように気を遣ったのだが、ご本人が直接にこのテーマで最新記事書いてやんの(笑)じゃーリンク張る
kamiyakenkyujo.hatenablog.com

ペトロシアン敗れ、アンディ・サワーは引退…老い知らずの2人の時計も、ついに動く

ありゃ?同一の大会だけどペトロシアンの試合は公開中で、アンディ・サワーの試合はプレミアム会員限定なのかな?

abema.tv




abema.tv



にしても、よくぞここまでトップに立ちつづけたものだ。旧K-1が終焉して何年たったよ。

ここまで現役一流選手として舞台に立ったのならそれだけでことほぐべきだが、それでもさびしい。サワーはMMAにも何度か参戦したが、その路線って結局何試合ぐらいしたんだっけ。


ONEキック部門はちょっと専門外でいつも見ていないけど、やはりこの2人は特別。

登場時に揶揄嘲笑された石原都政の「非実在児童」は、共産党も採用する確立された【概念】になった。

あさ、このニュースに接する。


(連ツイになります。クリックすれば続きが読めます)



togetter.com

現行法は、漫画やアニメ、ゲームなどのいわゆる「非実在児童ポルノ」については規制の対象としていませんが、日本は、極端に暴力的な子どもポルノを描いた漫画やアニメ、CG、ビデオ、オンライン・ゲーム等の主要な制作国として国際的にも名指しされており、これらを適切に規制するためのより踏み込んだ対策を国連人権理事会の特別報告者などから勧告されています(2016年)。非実在児童ポルノは、現実・生身の子どもを誰も害していないとしても、子どもを性欲や暴力の対象、はけ口としても良いのだとする誤った社会的観念を広め、子どもの尊厳を傷つけることにつながります。「表現の自由」やプライバシー権を守りながら、子どもを性虐待・性的搾取の対象とすることを許さない社会的な合意をつくっていくために、幅広い関係者と力をあわせて取り組みます。


www.jcp.or.jp

ブクマより引用。

該当する語句がなく石原都政が作った「非実在青少年」という語句をそのまま使って、表現規制公約をしてくる皮肉。山田太郎氏どころか枝野、保坂氏、当時の共産都議も守ったものをぶっ壊そうとしている。
https://b.hatena.ne.jp/entry/4709877289354303746/comment/nakakzs

自分は新語や新概念が生まれていく過程の観察が趣味で、ここで何度も取り上げています。
ことに、これは一般人の最後のフロンティア…。高度な専門性や資格はいらず、市井の一般人が社会に名を遺す、功績を残すことができるフィールドだと。過去記事から再録。

「新語、新概念」の提案は誰でもできる。専門性などはいらない。

この主張、何度も繰り返しているので再掲載で。

実のところ、新元素や新種の動物、数学の新公式の発見なんてのはシロウトは不可能に近いが、「概念」を発見、というか創作し、それを提唱する。それが広く受け入れられ、定着する・・・・・というのはどうもあまり専門性がいる話ではなく、むしろ市井の住人こそが専門家と五分以上にわたりあえる分野っぽいと思うのだ。(略)「新概念」の創作と定義万歳!!

これに照らせば「非実在児童」はまさに、生み出された新概念。ちょっと記憶が曖昧だが、石原慎太郎都政で初めて用語が生み出され、一般に条例案?のかたちで登場したはずだ。

そして、それは恰好の揶揄嘲笑の対象となった……当時は「非実在青少年だね。


togetter.com
そう、その言葉が登場したときは「みんな冗談だと思ってるみたいだけど」みたいな反応でした。まだtwitter黎明期、2010年の投稿。



だが、令和の2021年になって、石原慎太郎都政と対立を続けた日本共産党が、この「概念」を採用した!!!これぞ新語・概念の出世物語。一本刀土俵入り。

シベリアの強制収容所にて。
「きみは、どうしてここにいるんだい?」
「1939年に同志ポポフの悪口を言ったからさ。で、きみは?」
「ぼくは1943年に同志ポポフを誉めたからだよ」
二人はもう一人の囚人に問いかけた。「きみは?」
「私はポポフだ」

こうやって、「新概念」と「新語」は定着していく。そのダイナミックさに、ちと感動する。
この名誉は、最終責任者の石原慎太郎もさることながら、東京都政の中の、どこかの職員なのだと思う。その人も、概念・新語創設者の名誉を一人かみしめるのだろうが、公に顕彰(あるいは批判)される機会もあればいいな。

ああ、このランキングに加えておこう。
m-dojo.hatenadiary.com


怪獣時代劇「荒神」、ルパン三世6期、ラストサムライ…18日のBSは

宮部みゆき荒神

10月18日月曜
NHKBS4K 午後9時00分~ 午後10時50分
【スーパープレミアム】スペシャルドラマ「荒神
宮部みゆきの傑作時代小説を原作に、怪物と人々との死闘を最新のVFXを駆使して描く、エンターテインメント時代劇。怪物誕生の真相は何か?内田有紀主演。

宮部みゆきの傑作時代小説を原作に、怪物と人々との死闘を描くエンターテインメント時代劇。関ヶ原の戦いから100年たったある日、朱音(内田有紀)の住む村に、怪物に襲われて傷だらけになった少年が逃げてくる。迫りくる怪物の恐怖。朱音は村人たちとともに、怪物との戦いに挑んでいく。一方、朱音の兄で藩の重臣・曽谷弾正(平岳大)は、怪物を自ら操ろうとたくらむ。やがて怪物誕生の意外な真相が明らかになる。

【原作】宮部みゆき,【出演】内田有紀,平岳大,平岡祐太,柳沢慎吾,大地康雄,【脚本】山岡潤平,【音楽】羽岡佳

www4.nhk.or.jp

しょっちゅう、「作られたら面白いのにね。作らないかな、誰か」と言われつつ、実際にはなかなか無い「怪獣の登場する時代劇」。それがついに、久々の現実に…と最初の放映時は話題となりました。

togetter.com

次は「大江戸恐龍伝」の実写化だ、とか言われてたのにねい。

え、漫画化されていたんだ



ラストサムライ

ラスト サムライ
BSプレミアム10月18日(月)午後1時00分〜3時35分 


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トム・クルーズ製作・主演、明治維新直後の日本が舞台の時代劇大作。近代化を進めるため、武士の存在を否定し、根絶を目指していた明治政府は、南北戦争の英雄だった元軍人のオールグレンを西洋式の軍隊の教官として雇う。オールグレンは戦闘中に武士の一団によって捕らわれるが、侍の長・勝元たちと触れ合い、誇り高い武士道の精神に心を動かされる。そして決戦の時が…。渡辺謙真田広之はじめ日本人俳優の出演も話題となった。


ルパン三世 パート6

ホームズが出てくるので見ないと!とか言ってたら思い切り見逃してしまったが、BS日テレで時差ややアリの放送。


ルパン三世 PART6

10月18日(月)スタート!
毎週月曜 23:30~24:00放送
INTRODUCTION

舞台はロンドン。
ルパンのターゲットは、英国政府を影で操る謎の組織・レイブンが隠したお宝――
その手掛かりとなる一枚の絵。
立ちはだかるスコットランド・ヤードやMI6。ルパンの動きを察知して現れた銭形警部。そして、ルパンの前に現れた探偵――その名はシャーロック・ホームズ!シリーズ構成・大倉崇裕のメインストーリーと、豪華脚本陣のオムニバスエピソードが絡み合う、謎多き〈ミステリ・ルパン〉が今、幕を開ける!