INVISIBLE Dojo. ーQUIET & COLORFUL PLACE-

John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

朝鮮総連、JRの妖怪、後藤田正晴…「2016年の週刊文春」に登場する”敵”が強すぎる

この前紹介した、この本について再度。
m-dojo.hatenadiary.com

2016年の週刊文春

2016年の週刊文春

  • 作者:柳澤健
  • 発売日: 2020/12/15
  • メディア: 単行本
いま、日本で最も恐れられる雑誌と、
愚直な男たちの物語――。

花田紀凱と新谷学。ふたりの名編集長を軸に、昭和、平成、令和の週刊誌とスクープの現場を描く痛快無比のノンフィクション。

◎目次◎
序 章 編集長への処分
第一章 会えば元気になる男
第二章 週刊誌記者
第三章 疑惑の銃弾
第四章 花田週刊
第五章 マルコポーロ事件
第六章 殺しの軍団
第七章 二〇一六年の『週刊文春
最終章 文春オンライン
あとがきにかえて――二〇二〇年の『週刊文春

この本、表題は表題として(笑)菊池寛による文芸春秋創刊から描かれる、トータルの文春の物語であることは前に述べた通り。
で、文春の報道を扱う以上、それに対するリアクション、要は抗議や妨害についてもいろいろ書かれている。いくつかは「そりゃ怒られるわな」、ってのもあるんだけど(笑)、理不尽な抗議妨害も数多い。
ただ、出てくるメンツが、全盛期のPRIDE-GPか、ジャイアント馬場が本気出したチャンピオンカーニバルを越える「グランド・チャンピオン・カーニバル」かってぐらい豪華なんだよな。

後藤田”最強官房長官”正晴

f:id:gryphon:20210109095145j:plain
後藤田正晴の「言論弾圧未遂事件」

いきなりラスボスやん。後年、文芸春秋でも関連書籍が多数出たりして必ずしも関係が悪かったわけじゃないけど、実はこんな剣呑な状況があったのだ。

ガラ刷りが編集部に届いてまもない九月三日、堤堯編集長のところに内閣官房長官から電話があった。 当時の文藝春秋にダイヤルインはなく、社内用の直通電話以外はすべて交換が受けていた。 《交換嬢が言う。 「ゴトウダさんからです」 「どこのゴトウダ?」
内閣官房長官後藤田正晴さんと名乗っていらっしゃいます」
おいでなすったかと電話に出る。
「エー、後藤田ですがね、ナニか藤尾さんがオタクにエライことをしゃべりよったらしい」
「いや、たいしたことはありませんよ」
「それについてだね、外務省がエラク心配しとる。アジア局長の藤田がそちらに伺いますが、ひとつ話 を聞いてやってくれませんか」 「結構ですよ」
という次第で、ほどなく藤田某(引用者注・藤田公郎のこと)が来社した。見ればガラ刷りを手にし ている。
「あんた、それ、どこから手に入れたんですか」

この「後藤田密使」は、実にダイレクトに
「何とか掲載を取りやめていただけませんか」
「どうしても掲載するなら問題の個所をスミで消して…」(そっちのほうが目立つがな!!)


とか、はい言論弾圧、アウト―!!
な要求に及ぶ。要求だけならともかく、

「何と言われても、是非ともお願いしたいんです。土下座しろと言われれば、これ、この通り土下座もいたします」

ほんとうにやった!らしい。外務省の局長といえば、交渉事、ネゴシエーションのプロやろ?それがジャパニーズDOGEZA???こんなんで国際交渉してたの?
あんのじょう、これはドゲザ損。何の意味もなかったし…

どげせん コミック 全3巻完結セット (ニチブンコミックス)

どげせん コミック 全3巻完結セット (ニチブンコミックス)

  • 作者:RIN
  • 発売日: 2011/11/28
  • メディア: コミック


後藤田正晴といえば、後年は筑紫哲也のニュース番組などにも何度も登場(筑紫哲也編集長時代の、朝日ジャーナルの後藤田評をふくめた論調とか言ってやるなよ…)し、自民党ハト派の理想的に伝説化し扱われている。

だけれども、ハト派ハト派だけど、実のところその根っこにあるのは、「戦前の旧内務官僚の立場から」、軍部の横暴と対立したバックボーンであり、ゆえに「平和のためには、民を管理し支配しコントロールしなければならない。民主主義は我々(内務省エリート的な存在)によって管理することが暴走を抑えるのだ」みたいなものがあったのであろうと思う。そういう点で、ある意味でまことにリベラルの正反対であった。

公平を期していうなら、ちょうのつく子供心に、藤尾正行の発言や思想を報道で見た(あとでこの文章自体も読んだはずだ)けど、実にどうにもレベルが低い、自民党の中でも「溶岩石のように凝り固まったアタマ!」の時代錯誤な放言であり、論ずるに足らぬ低レベルの、まさにどこに出しても妄言な妄言だった。
だが、だからこそ、「質の高い言論や表現は何もしないでも守られることが多い。そうでない言論や表現がどこまで守られるかが自由の試金石だ」というセオリーに、見事なまでに合致した一件であった。

おどろくべきことに、藤尾発言はたしかに大問題になり彼は文部大臣(当時)を罷免され、当時の中曽根康弘内閣も野党と言論機関から多くの批判にさらされたけど、明々白々な証拠があり、当事者から公式の抗議も来ていたこの「言論弾圧」は、みごとにスルーされ、最強官房長官の首はちーとも寒くならなかった。
まあ人呼んで「日本のフーシェ」、後藤田氏は当時のメディアを完全にコントロールしていた、とも言われる。野中広務菅義偉も、彼に比べりゃひよこ同然なのであった。そして今では「保守ハト派の理想」のアイコンなんだから、ねえ…


朝鮮総連

f:id:gryphon:20210109102459j:plain
2016年の週刊文春 朝鮮総連の組織的抗議

……朝鮮総連の猛烈な抗議については松井清人が語ってくれた。 「パチンコ疑惑の第一弾が出た直後から、堰を切ったように文春に抗議にきた。当時の朝鮮総連は強硬だったからみんなが震え上がっていた。支部ごとに五、六人ずつがチームを作り、毎日毎日、朝の10時から夕方の五時まで三〇分おきに交替で抗議にくる。一二時から一時はきっちり休むんだよ(笑)。 (抗議の) 内容は全部同じで、罵声というか、怒鳴り声でガンガンやる。それが一カ月続いたんだ。
抗議に対応したのは花田さん。全部ひとりで相手をした。担当デスクは俺だったから『お疲れでしょう、代わりましょうか?』と言ったんだけど、花田さんは『いや、自分でやる。君たちは絶対に前に出さない』って。
花田さんも最初のうちは元気だったけど、一週間もするとグッタリしちゃった。五時になってようや く総運が引き揚げると、花田さんはテレビの前の大きな机に座って、大量にくる郵便物を開封し…(略)


「抗議がじゃんじゃかと寄せられる。それは言論の自由の侵害か」という話、以前木村草太氏などの論考を引いて紹介考察したが、
m-dojo.hatenadiary.com
m-dojo.hatenadiary.com

しかしあきらかに組織的で、ほぼ同一の内容を、罵声、怒鳴り声でずっと、連続するようにスケジュールを立てて……だと、上の問いをするまでもなく明らかではないか。
それがかつての武闘派集団にして、主体思想を信奉し、金王朝三代の全体主義体制の下部組織として絶対の忠誠を誓い続ける「朝鮮総連」の、全盛期の力と方針であった。
そりゃ、文芸春秋社にすらこれだけ組織的な攻撃を加えるんだから「身内の裏切り者」に対しては、集会ぐらい直接乗り込んでぶっつぶすわな。
m-dojo.hatenadiary.com

しかし、そうであっても、腐敗した資本主義の毒が回った面もあるようで、「一二時から一時はきっちり休むんだよ(笑)」だってさ。
千里馬運動の精神はどこへ行ったっ。苦難の行軍を経て、100日戦争にウリ式社会主義で勝利しなければなりませんっ。


松崎”JRの妖怪”明

f:id:gryphon:20210109110115j:plain
2016年の週刊文春 vs松崎明

東労組の "ドン" 松崎明が組合費で買った「ハワイ豪華別荘」》(二〇〇五年一二月二二日号)は、 「週刊文春」にとっても特別な記事だ。 一九九四年六月に『週刊文春』が〈JR東日本に巣くう妖怪〉を連載したことは第五章で触れた。 世界最大級の公共交通機関JR東日本の最大の労働組合革マル派が支配し、JR東日本の経営権に まで介入しているという記事の内容は概ね正しかったが、JR東日本は管内にあるキヨスクにおける 『週刊文春』の販売を拒否するという前代未聞の言論弾圧を行う。雑誌販売の生命線ともいうべき流通 を約一カ月半にわたって断たれた結果、『週刊文春』は三分の二ページ大という異例の大きさでJR東 日本への謝罪広告を掲載した。全面降伏である。以後、JR東日本革マル問題はメディアにとってタ ブーとなってしまった。
それから一一年が過ぎた二〇〇五年、『週刊文春』はタブーに挑戦しようとしていた。 「二〇〇三年秋くらいに、JR東労組を牛耳る松崎明が組合費を横領してハワイに別荘を買ったという 話が入ってきた。極左革マルのくせにアメリカに別荘買うたんか。反帝(反帝国主義)でも、反スタ (反スターリン主義)でもあらへんやんけ、と呆れましたわ(笑)。JR関係者の中に、東日本の労組を 何とかしないといけないという危機感を持つ人物がいて、情報を提供してくれたんです。 ただ、ガサ(家宅捜索)が入らない限り我々は動けなかった…(後略)」※西岡研介氏のコメント

上にちょっと触れられているが、文春にとっては実はJRとJR労組に一度「敗北」したあとのリベンジマッチなのである。
JR労組の”鬼の松崎”は、当時巨大販売網であるキヨスクと組んでものすごいパワーを持ち、文春が戦った時も、他メディアからの「援護射撃」は皆無。もと読売の精鋭「黒田軍団」の敏腕記者であり、弱者の味方然としていまもテレビの露出が多い、大谷昭宏氏が「(JR対文春は)強者同士の戦いだから興味を惹かれない」と洞ヶ峠を決め込んでいたの(週刊宝石の連載コラムだったと記憶している)は、なるほど賢明な保身やな、と当時読んで思ったのでありました。JRのパワーはなにも別に組合=左派の影響力ではなく、のちに財界の重鎮となる東日本の松田昌士社長(当時)は、文春は「わが駅では永久に販売しない」と言い放ったりしたのである。松崎氏、大きいところから本を出したりしているし。

復讐戦も「警察のガサが入るまでは動けなかった」というから、文春にしては慎重にすぎるほど慎重だったということだ。というかこのハワイの別荘にまつわる単発記事のあと、西岡氏の企画取材した「マングローブ」は文春で採用されず、「週刊現代」に移って、やっと日の目を見る。文春ですら勝ちきれなかったのがJRの妖怪、ともいえるし、「オール週刊誌」で巨大な敵を倒した、ともいえるだろう。
暴君:新左翼・松崎明に支配されたJR秘史

暴君:新左翼・松崎明に支配されたJR秘史

  • 作者:牧 久
  • 発売日: 2019/04/23
  • メディア: 単行本
トラジャ JR「革マル」30年の呪縛、労組の終焉

トラジャ JR「革マル」30年の呪縛、労組の終焉

そして西岡研介氏は、神戸新聞を経て「噂の真相」に入った記者で、その縁でウワシン界隈との人脈が強いのだが、このJR記事を取材し書いていくと「公安情報で記事を書いている!」「権力の手先になった!」とかつての仲間からたいそう批判されたとか。

「噂の眞相」トップ屋稼業 (河出文庫)

「噂の眞相」トップ屋稼業 (河出文庫)

こうやって見ると、日本において総理大臣が一番強くてタブーで…とはならない。むしろ、総理…時の政権と闘う、対立する中間集団こそ、強固なタブーや鉄のカーテンが敷かれていたりする。
実はみんな、このへんのことは分かり切ってる話ではあるんだが、それすら”可視化”しにくいカーテンもあるので、いちおう。


そんなわけで、この本は登場する「敵役」もまあ超大物がそろっていて、そちらを見ても楽しめる、ということでした。

「ペンタゴン・ペーパーズの入手は提供でなく、資料を盗んでコピーした」とNYT記者。真実の大逆転?

ほんとかいな。

Now It Can Be Told: How Neil Sheehan Got the Pentagon Papers
It was a story he had chosen not to tell — until 2015, when he sat for a four-hour interview, promised that this account would not be published while he was alive.


By Janny Scott
Jan. 7, 2021, 5:50 p.m. ET
There was one story Neil Sheehan chose not to tell. It was the story of how he had obtained the Pentagon Papers, the blockbuster scoop that led to a 1971 showdown between the Nixon administration and the press, and to a Supreme Court ruling that is still seen as a milepost in government-press relations.

From the moment he secured the 7,000 pages of classified government documents on the Vietnam War for The New York Times, until his death on Thursday, Mr. Sheehan, a former Vietnam War correspondent and Pulitzer Prize-winning author, declined nearly every invitation to explain precisely how he had pulled it off.

In 2015, however, at a reporter’s request, he agreed to tell his story on the condition that it not be published while he was alive. Beset by scoliosis and Parkinson’s disease, he recounted, in a four-hour interview at his home in Washington, a tale as suspenseful and cinematic as anyone in Hollywood might concoct.


今それは語ることができる:ニールシーハンがペンタゴンペーパーを手に入れた方法
それは彼が話さないことを選んだ話でした—彼が4時間の面接に座った2015年まで、彼が生きている間はこのアカウントは公開されないと約束しました。



1972年にニューヨークタイムズペンタゴンペーパーズの報道でピューリッツァー公務員賞を受賞した日のニールシーハン。 シーハン氏がエピソードの中心でした。
1972年にニューヨークタイムズペンタゴンペーパーズの報道でピューリッツァー公務員賞を受賞した日のニールシーハン。シーハン氏がエピソードの中心でした。クレジット...バートンシルバーマン/ニューヨークタイムズ
沿って ジャニー・スコット
2021年1月7日、東部標準時午後5時50分
ニール・シーハンが話さないことを選んだ話が1つありました。それは、彼がペンタゴンペーパーズ、ニクソン政権とマスコミの間の1971年の対決、そして政府とマスコミの関係のマイルポストとして今でも見られている最高裁判所の判決につながった大ヒットスクープをどのように入手したかについての物語でした。

ニューヨークタイムズベトナム戦争に関する7,000ページの機密政府文書を確保した瞬間から木曜日に亡くなるまで、元ベトナム戦争特派員でピューリッツァー賞を受賞した作家であるシーハン氏は、説明するためのほぼすべての招待を断りました。正確に彼がそれをどのようにやってのけたか。

しかし、2015年に記者の要請により、彼は生きている間は公開されないという条件で彼の話をすることに同意した。脊柱側弯症とパーキンソン病に悩まされた彼は、ワシントンの自宅での4時間のインタビューで、ハリウッドの誰もが思いつくのと同じくらいサスペンスと映画のような物語を語りました

www.nytimes.com


一般的に信じられていることに反して、エルズバーグ氏はタイムズに論文を「与えた」ことは決してなかった、とシーハン氏は強調して言った。エルズバーグ氏はシーハン氏に、それらを読むことはできるがコピーを作ることはできないと語った。そこでシーハン氏は、エルズバーグ氏が書類を隠していたマサチューセッツ州ケンブリッジのアパートから書類を密輸した。それから彼はエルズバーグ氏がしたようにそれらを不法にコピーし、タイムズに連れて行った。

(略)
「それで、私がしたように、あなたはそれを盗んだ」と彼はエルズバーグ氏が言ったことを思い出した。

「いいえ、ダン、私はそれを盗みませんでした」とシーハン氏は答えたと言った。「そしてあなたもそうしませんでした。それらの論文は米国の人々の所有物です。彼らは国宝と息子たちの血で彼らにお金を払った、そして彼らにはそれに対する権利がある。」


ちょ、ちょ、映画と、ちゃう???

ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書 (字幕版)

ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書 (字幕版)

  • 発売日: 2018/06/22
  • メディア: Prime Video
ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書 (字幕版)
(347)
IMDb
7.2
1時間56分
2018
G
1971年、ベトナム戦争が泥沼化し、アメリカ国内には反戦の気運が高まっていた。国防総省ベトナム戦争について客観的に調査・分析する文書を作成していたが、戦争の長期化により、それは7000枚に及ぶ膨大な量に膨れあがっていた。 ある日、その文書が流出し、ニューヨーク・タイムズが内容の一部をスクープした。


まさに最近、ニール・シーハン記者が亡くなったらしい。
www.nytimes.com

これの倫理的評価は
色々難しいのだが、
ある意味で「本人が、死後の公表を条件とした」ということで一種語るに落ちてはいる。
(だが、それでもそういう形で事実を残そうという発想も、ある意味ですごい話で、記者魂というべきかもしれない。)

尖閣映像流出事件、なんてのも思い出したり
m-dojo.hatenadiary.com



自分はニール・シーハンという名前を聞くと、別の著書を思い出すのです。
これもベトナム戦争の話で、直接読んだわけでもないのだけど、表題が面白かったので印象に残っているのだ。
それは「輝ける嘘」という・・・・・・

輝ける嘘〈上〉

輝ける嘘〈上〉

輝ける嘘〈下〉

輝ける嘘〈下〉

本日「パラサイト」(日テレ)、「天地創造デザイン部」(BSフジ)

パラサイト 半地下の家族(吹替版)

パラサイト 半地下の家族(吹替版)

  • 発売日: 2020/06/19
  • メディア: Prime Video




↑ 上では7日スタートとなっているが、俺目線では本日のBSフジなので…

www.bsfuji.tv

原作1話

comic-days.com

どちらもすでに紹介記事は執筆公開済みだが、ま、サービス
m-dojo.hatenadiary.com

m-dojo.hatenadiary.com

映画エヴァ、公開延期…って、ん?/それはともかく映画って「不要不急」か否か

この状況 上映延期も しかたなし(五七五)

f:id:gryphon:20210108085154j:plain
エヴァQ公開延期

いやこれな。


上の画像(転載は、トリミングしております)が別のルート……twitterとかでなく直に個人的なLINEで送られてきたとき、最初は「コロナの感染拡大がある以上いたしかたない」…と書こうとして…ちゃんと見て不謹慎ながら笑った。




本題 しかしそもそも一都三県「不要不急の外出」は避けるよね?一方で映画館の営業はお墨付き。

 緊急事態宣言の発表を受けて、東京都は特措法に基づき、不要不急の外出自粛と飲食店に対する時短営業を要請しました。小池知事は、従わない場合、店名の公表を検討する可能性を示唆しました。

 東京都は7日夜、対策本部会議を開き、都民に対し、8日から来月7日まで、特措法に基づいて不要不急の外出自粛を要請し、特に午後8時以降は外出自粛を徹底するよう要請することを決めました。

news.tbs.co.jp

都民向け:不要不急の外出自粛、特に20時以降の徹底した不要不急の外出自粛


医療機関への通院、食料・医薬品・生活必需品の買い出し、必要な職場への出勤、屋外での運動や
散歩など、生活や健康の維持のために必要な場合を除き、原則として外出しないこと等を要請
・特に、20時以降の徹底した不要不急の外出自粛を要請

https://www.metro.tokyo.lg.jp/tosei/hodohappyo/press/2021/01/07/documents/35_01.pdf

この前の最初の緊急事態の時、「営業の短縮などを要請するなら補償とセットのはずだ」との議論を見て、「じゃあ、営業は自由で、その代わり市民の外出を禁止したらどうなるんだろ?」と思ったのだが、半分ホントになってどうすんねん。

論理的には、生活や健康維持のために映画を見ることが必要な人だけが映画館を訪れることになるのだろうが……映画評論家やライターが記事執筆(生活)のために映画を見る、ぐらいだよな。

まあ、矛盾は関係者や、都民の方々こそ痛感しているだろう。
どこにどう着地するのか、うまくいくことを望む。

銀魂FINAL」は本日公開だっけ??ですね…

これは感動的な文面であることに異論はないが、「人から人に、(濃厚)接触と移動によって感染が拡大する」というリアリズムの前にはなぁ……


これはふざけた商法であることにも、異論はない。


ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q

ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q

  • 発売日: 2012/11/17
  • メディア: Prime Video
銀魂

銀魂

  • 発売日: 2017/10/25
  • メディア: Prime Video

緊急事態宣言2ndシーズンで思う。「コロナがネット時代で、本当に(まだ)良かった…」

ひとつ前の記事に続いて、無理によかった探しをしているわけじゃないけど、春からずっと思っていたのでこの記に一筆書きのように。


コロナはとにもかくにも本当に大変、
いろんな人をたいへんな苦しみに突き落としているかと思う。
あらためてお見舞い申し上げ、ともに頑張ろうというしかない。


ただ。
その「頑張る」に際し、「インターネットが間に合った」ことは本当に良かった。

考えてみよう、ネット普及がWIN95 発売の1995年だとして、コロナウイルスの変異がその前であってもおかしくなかった。
世界が1980年代、90年代という、まだ手触りの感触が残る時代であっても、その時期に新型コロナが直撃していたら・・・・・・・・・・

そもそもPCR検査も、まだ…1983年に開発されたのか。
ja.wikipedia.org


そっちも重要だけど、とにかく今、我々ははなはだ不十分だが、テレワークができる。オンライン授業ができる。ZOOM会議ができる。
孫の顔をスカイプで、テレビ電話で見ることができる。スティホームをネットフリックスの無限ともいえるソフトを見てすごし、電子書籍が手元のスマホタブレットに届く。


これらすべてが無かったら、やむを得ずの外出や他人との接触は、もっと何倍も頻繁で長かったのではないか。



人間は、社会は進歩している。だから必ず、コロナも克服できる。

緊急事態宣言(予告)

緊急事態宣言(予告)

  • メディア: Prime Video

トランプ・クーデターひとまずの感想~彼の”自壊”は、逆に良かったのでは(序説)

トランプ・クーデター、ブクマにも書いたのを再掲載。

抗議デモのトランプ支持者らが米議会に侵入 女性が撃たれ死亡 | アメリカ大統領選 | NHKニュース

なぜここまでの「動員力」をトランプは持てるのか、報道をみてもいまいち分かりづらい。にしても抑え込むしかないし、まずこの乱入者たちをどの程度の規模で起訴できるかが課題ではないか

2021/01/07 11:02
b.hatena.ne.jp

そこにあるように、まず驚いたのは最後の最後までここまでの「動員力」があることだ。
トランプ支持者というのは彼の成功者イメージ、つまり勝っていること自体が支持者を惹きつける要因で、負けてどうあっても結局大統領の座を追われるだろうと言うことになった以上、 スーッと波が引くように熱狂支持者もいなくなっていくのではないか、と見ていた。

この辺については間違いなく過小評価していたのだろうな、自分も。

ただ支持者のホワイトハウス襲撃・占拠という暴走は、それがもたらす米国と民主主義へのダメージはともかくとして、そして尊い命が奪われたという悲劇はあるんだけど、あえて政局的な意味だけで不純に見るなら、起きて結果的にはトランプのパワーが削がれて、うまくいくのではないか。この熱狂的支持をコントロールして戦力を「温存」してトランプが下野したらもっと厄介だったろう。
それに日本でもスケール小さく起きたことだが、不正投票で何だという形で陰謀論に浸食されると、彼らは例えば選挙とか支持者あつめとかそういう、正規の場所での戦闘力を割いてしまうのだ。端的に言えば、ジョージア州で不正選挙で不正選挙だとあれだけ連呼していたら、熱心な支持者ほど「そんな不正選挙のために地道に戸別訪問なんかしてられるか、 もはやホワイトハウス を占拠するしかない」となっていくのだ。

そしてさらに、トランプがどこまで本気で言っていたか知らんがBLMに対抗する形で「LAW&ORDER」と語っていた以上、その支持者たちの間にはやはり分裂が生まれるだろう。かなり本気で「LAW&ORDER」のためにトランプ再選を、と考えた人々もかなりいたはずで、そういう人たちはこれを見て幻滅するだろう。
さらに言えば、封じられてるようにバイデン政権は、大統領選に勝利するためには民主党最左派のパワーが必要であったが、いざ勝ったら、最左派の影響力はあまり大きくないことが望ましい。
今回の騒動では「やっぱり、実力行使は混乱を招くだけである」という部分もかなりクローズアップされそうだから、そういうことで BLMが今後、「バイデンは微温的で妥協的すぎる」と突き上げていく、その力をめぐりめぐって削いでいくことになると思うのだ…。

実は、「去り行くトランプ政権の総括」 のテーマとしてもっと別の話を書こうと思っていたんだけど、まず今回の愚かで滑稽で、そしてそのぶんだけ危険な「クーデター」のことだけでそれなりの分量になってしまった。
本来のテーマはまた後でかこうと思う。

世界で最も危険な男

世界で最も危険な男

大晦日RIZIN、全試合動画をyoutubeに→各カードの「再生数」可視化される。結果、シバタ―が…

31日に行われた試合を1月2日には全試合、youtubeで公開した。

www.youtube.com

スカパーのPPVも続いているのだが、海賊版のUP対策も、再生によるyoutubeからの広告収入の期待も、宣伝の意味もいろいろあるだろう。
どういう経営戦略なのかは興味深い。


ただそれ以上に、これによって、一桁数まで「試合の再生数」が分かってしまう、それを比較できるというのが興味深い…。

Full Fight | HIROYA vs. シバター / HIROYA vs. Shibatar - RIZIN.26
4,204,332 回視聴•2021/01/02


Full Fight | 朝倉海 vs. 堀口恭司 2 / Kai Asakura vs. Kyoji Horiguchi 2 - RIZIN.26
2,213,464 回視聴•2021/01/02


Full Fight | 朝倉未来 vs. 弥益ドミネーター聡志 / Mikuru Asakura vs. Satoshi"Dominator"Yamasu - RIZIN.26
1,782,196 回視聴•2021/01/02

Full Fight | ミノワマン vs. スダリオ剛 / Minowaman vs. Sudario Tsuyoshi - RIZIN.26
255,604 回視聴•2021/01/02



Full Fight | カイル・アグォン vs. クレベル・コイケ / Kyle Aguon vs. Kleber Koike - RIZIN.26
152,322 回視聴•2021/01/02

ちょっと…選手の「番付」や試合の白熱ぶりとかに無関係すぎる結果に(笑)


この光景は、一足先に大相撲での風景となっていて、こういう次第である。
しかも、この再生回数のベスト3の結果が、テレビの王様たるNHKで翌日発表されるから、面白い。
m-dojo.hatenadiary.com


しかし、ほんとにyoutube再生数に限っていえば、「シバタ―」はそういう存在、価値を持つプロ選手ということであり……令和3年のプロスポーツ、そしてメディアの風景とはこういうものなんだのだろうな、と感じた次第ですよ。