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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています 

北朝鮮民主化の闘士・李英和氏が逝去。/故きむ・むい氏の書かれた「北朝鮮帰国者の生命と人権を守る会」結成集会の記録

関大教授・李英和氏が死去 65歳
 李英和氏(リ・ヨンファ=関大教授、北朝鮮社会経済論)が3月28日死去、65歳。葬儀・告別式は近親者で行った。脱北者を支援する市民団体「救え!北朝鮮の民衆/緊急行動ネットワーク」(RENK)の代表を務め、北朝鮮の市民生活の実態を写真などを通じて公開した。

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この記事が「注目記事」に浮上していて、何がきっかけだろう?と思ったのだが、…65歳は若すぎる。

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独裁者と戦い続けた人生。金王朝民主化され、金日成銅像がクレーンで取り外された、かつての留学先の平壌に立ってもらいたかった。まことに残念です。

暴走国家・北朝鮮の狙い

暴走国家・北朝鮮の狙い

  • 作者:李 英和
  • 発売日: 2009/10/03
  • メディア: 単行本


こちらも若くして亡くなったルポライター・きむ・むい氏の直接体験した記録です。李氏も参加した会の結成集会で起きた騒動だが、これがなんともすさまじい。これ、1990年代の話なんですよ…

北朝鮮帰国者問題をめぐる場外乱闘〜「日本人は黙っていろ!」を許すな!!

「会の趣旨に納得できない!日本人はわが祖国のことに口を出すな!」
「そうだ!日本人にあれこれ言われる筋合いはない!」
「裏切り者は黙れ!」
「あの女はキチガイだ!キチガイの証言なんて嘘に決まっている!」

 集会を進めようとしている人々に、会場内に陣取った一群から、次々に卑劣な野次が浴びせかけられる。”聞くにたえない”台詞とは、まさにこのことだ。主催者たちは、混乱を収拾しようとするので精一杯だ。せっかくの集会が、集会にならない。

「会の趣旨に納得できない」と称して押しかけて来た一団はますます図にのり、耳を覆いたくなるような薄汚いフレーズをエスカレートさせる一方だ。

これが、ぼくと同じ民族である朝鮮人のすることなのか。これが在日同胞であり、ぼくもその一人だと言うのか。

 2月21日、東京・カンダパンセホールで開かれた「北朝鮮帰国者の生命と人権を守る会・結成集会」の席上で、ぼくはたまらなく嫌な気分になった。
 
 この集会は、朝鮮民主主義人民共和国(いわゆる北朝鮮。以下、便宜上”北朝鮮”と表記する)国内で、「日本から帰国者とその家族」等、住民に加えられている残虐な人権侵害をいくつかの事実に基づいて告発し、一刻も早い改善を求めるという趣旨で持たれたものである。政治・民族問題ではなく、人権問題であり、また帰国者家族の中には、朝鮮人と結婚していた6000人以上の日本人も含まれているなどの事情から、朝鮮人も日本人も平等な立場で参加している。


 

帰国者の親族が語り始めた
 北朝鮮国内の人権状況のひどさについては、以前より在日朝鮮人社会の内々では語られてきていた。例えば、『帰国した肉親から届く手紙は、カネと物を乞うものばかりだ。送ってやるにも限度がある。しかし、送ってやらないと、むこうでどんな目にあわされるか判ったものではない』とか、『帰国した兄弟と、急に連絡がとれなくなった。心配だが、安否を確かめる方法もない』など。

 北朝鮮を支持する在日団体・在日本朝鮮人総連合会朝鮮総連)は、盛んに

『祖国は地上の楽園』
『帰国同胞も偉大な金日成主席の温かい配慮により何不自由なく暮らしている』

といった宣伝を繰り返してきているが、伝わってくる情報はそれとは裏腹なものが少なくなかったのだ。

 ようやく近年になって、全体像が以下のような要因から、おぼろげながら明らかになってきた。国際的人権擁護団体であるアムネスティ・インターナショナルが、同国についての調査を行い、報告書を発行した。 そこにははっきりと、「アムネスティは、得られた情報から判断すると、人権の侵害が同国内で広範に行われているものとみて深く憂慮している」と書かれている。

 また韓国へ亡命してきた人々の証言が、次々に公開されるようになった。そして、これまで報復を恐れて沈黙を守ってきた在日の家族の何人かが、ついに自らの親族が辿った悲惨な運命について、公に語りだしたからである。 この集会には数名の遺家族も出席していた。

 そういう場であるここに、おそらくは組織的に動員されたと思われる北朝鮮支持の一団が、妨害にやって来たという訳である。

 午後1時半ころだったろうか、ぼくが会場に着いた時には、すでに場内は騒然としていた。代表である東大教授・小川晴久氏等が、マイクで懸命に呼びかけている。「集会を妨害するような人たちは退出して下さい!」妨害者は、退出するどころか、その一言にもいっせいに喰ってかかる。

「こんな問題をやっているヒマがあったら、まず日本人は戦後補償をキチンとやれ!」
「これは内政干渉だ!」


 ともかく場内に入り、どこかに座ろうと席を探していると、いきなり、

「暴力反対!」 のシュプレヒコールが聞こえてきた。何事かと思って視線をこらすと、なんのことはない。
自分たちで演壇にいる人に詰め寄って行き、体の一部が少しでも触れると、「お、手を出したな!」と言い掛かりをつけ、待ってましたとばかりに騒ぎだしているだけの話なのだ。そのようなことが数十分繰り返されるのを見ているうちに、悲しみとともに怒りもわきあがってきた。これはもうチンピラのやりくちと殆ど変わりがない。この足並みの揃い方で、”結果として妨害に当たるような行為に及んでいる”のではなく、最初から妨害を目的としているのだということがはっきりと見てとれた。

 動員された妨害者たちは、男女とも青年から老人まで、年齢層は様々だった。老人は前列に座り、中年の女性たちはその後ろに、青年たちは立ち上がって歩きまわっている。

 この集会に真面目に参加しようとしている者や、主催者たちが腕力に訴えることはありえない話 なのだが (そもそも集会を平穏に進行したいだけなのだ)、彼らは彼らなりに自己防衛を考えたらしい。老人を最前列に置くのは、「年寄りには手をだせなかろう」という判断のつもりなのだろう。

 

朝鮮人の真似はやめろ!」
 どうにかこうにか、予定されていた金英達(キム・ヨンダル)氏(在日朝鮮人運動史研究者)の講演が始められそうになったところで、ぼくは知人の李英和(リ・ヨンファ)氏 (関西大講師・『在日外国人参政権’92-在日党』『救え!北朝鮮の民衆/緊急行動ネットワーク・RENK』事務局長)に、こう申し出た。「見たところ、ただ動員されているだけじゃなく、妨害のやり方も組織的のようですね。だから、英達さんの講演中は、演壇でボディガードをさせて下さい。英達さんに、万が一何かあるといけないから」 李英和氏は「そうだね」と答えた。

 キャパ150人の、学校の教室を一回り広げたくらいの、さして大きくはない会場である。演壇と言っても、段差が設けられている訳ではない。中央のマイクに向かって金英達氏が立ち、話し始めようとした。ぼくは、客席から見て右側の端の方に位置を決め、しゃがんだ。

 その途端、アチコチから飛びかかった野次は、まさに想像を絶するというか、それまでに聞いたものをさらに上回る内容だった。

「おい、帰化人、朝鮮人のフリをするな!」
「皆さん、アイツの嫁さんは日本人で、朝鮮人みたいにしているだけですよ!」
「日本人になったんだから、もう朝鮮人の真似はやめろ!」


 血が一気に逆流する思いだった。ぼくも在日朝鮮人として生まれて、これまでに不愉快な経験はいくらもあった。しかし、この時ほど陰惨な、かつ激しい怒りを覚えたことは、卒直に言って記憶にない。

 金英達氏は動揺していないようだった。怒号がうずまく中、彼は冷静に、戦後在日朝鮮人北朝鮮に帰国・永住していったプロセスで、本当は何が起きていたのかを、資料に基づいて説明し続けていた。もちろん場内には、妨害者ばかりではなく、彼の講演を聞きたいと思ってやって来た一般の参加者も多数いるのだ。その人たちの願いを、こんな汚い野次を使って踏みにじる資格は誰にもないはずだ。

 金英達氏が、大野英達という名前を持っているのは事実である。彼もそれを隠してはいない。その上で、おそらくはいろいろと考えただろう末に、金英達という民族名を用いて研究活動を行っているのだ。

 どちらにしろ、それはプライバシーに関することである。他人が干渉すべき問題ではないし、ましてや公の席で差別的に云々される内容のものではないことは言うまでもないだろう。それにそもそも、だからと言って、彼の研究成果に何の関係があると言うのか。

 この時、ぼくは妨害者たちの品性を見極めた、と思った。そして、これは放置しておけない、きわめて危険な要素をはらんでいる言動だと痛感した。

 種々に汚い言い回しを用いながらも、彼らの発言に一貫しているのは、 要は、「日本人は朝鮮について何も言うな」という単純な発想である。

  ただ日本人だから、それだけで人の言論を封じようとするなら、これは疑いなく「差別を目的とした、明らかな差別発言」にほかならない。日本人からの朝鮮人差別が決して許されてはならないように、朝鮮人からの日本人差別も許されてはならない。自明のことだ。

 また、彼らは偉そうに『暴力反対!』を叫んでみせたが、そういう彼らのしていること自体が、立派な言葉の暴力ではないのか。

 差別をする人間は、第三者からは差別を容認する人間だと見なされても仕方がないだろう。そしてそれは、自分たちへの差別を助長する道にもつながってゆきかねないのだ。

 金英達氏の講演が、殆ど聞き取れないまま10分ほど進んだ時だろうか。あちこちで小競り合いが発生し、演壇前は押し寄せようとする妨害者たちと、押しとどめようとする主催者たちとでモミクチャになった。ぼくは李英和氏らとともにスクラムを組み、何とか混乱を収拾しようとした。

 いらぬ言い掛かりをつけられないため、にらみ合いの姿勢になるのを避け、背中を妨害者の方に向けておいた。その背中を、誰かが強い力で押した。体のバランスが崩れた。両手が塞がっていたので、倒れるのを防ぐことが出来なかった。ぼくはモロに額から床に転倒した。

 痛かったからよく覚えていないが、一瞬、場内が静かになったような気もする。「そちらこそ暴力をやめろ!」と誰かが怒鳴った。また、場内は騒がしくなった。

(中略)

 李英和氏は、こう語る。「彼らは、ぼくたちの集会に来てはああやって騒いでますけれど、北朝鮮の状況については、実はちゃんと知っているんです」

 李英和氏は、名古屋の集会の直前、朝鮮総連の監察委員に呼びだされて話し合ったという。その席上、監察委員はこう言った。

「名古屋の集会は、つぶす。大阪(本誌発売のころには終わっているが、大阪でも4月15日に集会が予定されている)は、事前につぶす。集会そのものを開かせないようにするからな」


 李英和氏は、「どうされても、ぼくたちは集会を開く」と答え、それからこう反問した。「時代の流れで、もう少しで北朝鮮民主化される。その時、あなたたちはどうするつもりなのだ?散々苦労させられた帰国者たちも帰ってくるだろう。ただですむと思っているのか?一体、どこに亡命するつもりだ?」

 それまで強気だった監察委員は、急に黙ってしまったそうだ。
(後略)

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マルコ・ポーロ199年5,6月号 「北朝鮮帰国者問題をめぐる場外乱闘 「日本人は黙っていろ!」を許すな!!」きむ・むいが掲載
マルコ・ポーロ 文芸春秋社 1994年5、6月号

この事件を「報じる側」というか、”結果的にあまり報じなかった側”の回想がこれ。
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また、以下で語られた「朝鮮総連とその傘下団体(朝鮮学校含む)」に関する”天下の正論”は、いささかも古びていない(対象者の体質が改まって、古びてくれるのが一番良かったのだが…)

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朝鮮学校が差し押さえられたというが、学校をそもそも保護者にも内緒で担保に勝手に入れてるんだから救いようが無い。無茶苦茶なことをやって、北に貢いでみついで・・・で・・・こりゃ自己責任、自業自得」


「在日の心のより所というけど、私に言わせれば金正日のより所に過ぎない」


「このペースで行けば自然消滅でしょう。いたしかたないのが現状、というか惨状」


「今でも年間6000人ぐらいが韓国籍になっている、脱退している。衰弱死で突然死じゃないでしょうから学校も転校するだろうし韓国系団体に入ることもあるし、実害は無い」


「10年前に起こった事態ですよ、事実上の破産は。今日のような事態を予測できたのに全く手を打ってない」


「組織の生き残りには、神頼みで日朝国交回復を祈るしかないのでは」


「普通の組織なら幹部は総退陣でしょう。それが幹部はそのまま残ってる」


北朝鮮べったりの組織を変えることしか生き残るすべはなかったが、そのチャンスは核実験、拉致発覚、破産と何度もあったのに見逃した。競売は最後のチャンスかも」


「安アパートの一室でいいじゃないですか。そこでパスポート業務でもなんでもやればいい」


「幹部は総退陣するべきだし、日本の社会に説明責任を果たすべきでしょう」

「(本部買収騒動は)最後の力を振り絞って、奇策を弄して自滅した」

「本当なら将軍様が、自分のポケットマネーで助けてあげればいい(笑)」