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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

「お前は朝鮮総連と喧嘩する気か!」〜佐々木俊尚氏が、90年代のタブーを赤裸々に証言


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佐々木俊尚氏は1994年、社会部長から「お前は朝鮮総連と喧嘩する気か!」と怒鳴られた

それに、こうブクマをつけたら、それが呼び水だったのか、氏の単独ツイートに結構ブクマが付いた。

佐々木俊尚 on Twitter: "ただタブーも突然壊れることがあります。かつては北朝鮮や朝鮮総連への批判もタブーでした。私は1994年「北朝鮮帰国者の生命と人権を守る会」設立の際、朝鮮総連の妨害で集会が流れたことを記事にしたら。上司の社会部長から「おまえは朝鮮総連とケンカする気か!」と怒鳴られたことがあります。"

もう2002年小泉訪朝から17年。「以前は朝鮮総連を批判的に語ることがタブーだった」を知らぬ人も多い。当事者の言だから、この佐々木俊尚証言<a href="https://twitter.com/sasakitoshinao" target="_blank" rel="noopener nofollow">@sasakitoshinao</a>は貴重かつ重要。無論、名指しされた側の言い分もあるだろう

2019/10/04 03:18
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ブクマ全体はこう
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もう2002年小泉訪朝から17年。「以前は朝鮮総連を批判的に語ることがタブーだった」を知らぬ人も多い。当事者の言だから、この佐々木俊尚証言@sasakitoshinaoは貴重かつ重要。無論、名指しされた側の言い分もあるだろう


このあと、いろいろ紹介するが、朝鮮総連について批判的に報道することにタブー性があった、というのは、2002年に小泉純一郎氏の訪朝で、日本人拉致が「疑惑」でなく「事実」となったあとは大きく変化した。変化したがゆえに、ちゃんと物証と証言・資料を抑えないとそんなタブーが存在しなかったことになりかねない。

そういう点で、2019年に佐々木俊尚氏が、自分の経験談として「お前は朝鮮総連と喧嘩する気か!」と直接言われた、それを聞いた…と語ったのは貴重な史料となる。もっと詳しく書くか、だれかに聞いてほしいものだ。もちろん、そう言った、と言われる、当時の社会部長氏がご存命なら、そちら側の証言もあれば素晴らしい。反論でも勿論いい。

『1994年「北朝鮮帰国者の生命と人権を守る会」設立の際、朝鮮総連の妨害で集会が流れた』というのは事実として存在している。その場に居合わせた(当事者でもあった)のが李英和氏や故きむ・むい氏だ

李英和朝鮮総連と収容所共和国」より

……生野区近くの焼肉レストランだった。薄笑いを浮かべながら、朝鮮総連の幹部(大阪府本部監査委員長)は、私にそう言い放った。4月15日の集会を中止するよう、私に強要…(略)私のグラスにビールを注ぎながら出てくる言葉は、まぎれもなく脅迫だった。
「4月15日には150人は動員して集会をツブす。なかには気の荒い者もいるからどんな事態が起きるか分からないぞ。5年や6年のムショ暮らしなど平気な若者がゴロゴロいるからな」
こんな脅迫を自慢気に語る朝鮮総連幹部を目の前にして、「憤り」よりも「哀れ」を感した。この一言が、金父子政権‐朝鮮総連の本質を端的に言いあらわしている。
「そんなことをすれば、警察の介入を招くし、朝鮮総連の評判も地に落ちることになる。暴力で歴史の流れは止められませんよ」
こう忠告する私に監察委員長は平然と答えて言う。
「少々のことがあっても、日本の新聞は取り上げないし、警察も動かない。そういうことになってるんだ」

故きむ・むい(「日本人は黙っていろ!」を許すな!!」雑誌『マルコ=ポーロ』)

「会の趣旨に納得できない!日本人はわが祖国のことに口を出すな!」
「そうだ!日本人にあれこれ言われる筋合いはない!」
「裏切り者は黙れ!」
「あの女はキチガイだ!キチガイの証言なんて嘘に決まっている!」

集会を進めようとしている人々に、会場内に陣取った一群から、次々に卑劣な野次が浴びせかけられる。”聞くにたえない”台詞とは、まさにこのことだ。主催者たちは、混乱を収拾しようとするので精一杯だ。せっかくの集会が、集会にならない。
(略)
午後1時半ころだったろうか、ぼくが会場に着いた時には、すでに場内は騒然としていた。代表である東大教授・小川晴久氏等が、マイクで懸命に呼びかけている。「集会を妨害するような人たちは退出して下さい!」妨害者は、退出するどころか、その一言にもいっせいに喰ってかかる。

(略)
金英達氏が立ち、話し始めようとした。ぼくは、客席から見て右側の端の方に位置を決め、しゃがんだ。
その途端、アチコチから飛びかかった野次は、まさに想像を絶するというか、それまでに聞いたものをさらに上回る内容だった。

「おい、帰化人、朝鮮人のフリをするな!」
「皆さん、アイツの嫁さんは日本人で、朝鮮人みたいにしているだけですよ!」
「日本人になったんだから、もう朝鮮人の真似はやめろ!」

血が一気に逆流する思いだった。ぼくも在日朝鮮人として生まれて、これまでに不愉快な経験はいくらもあった。しかし、この時ほど陰惨な、かつ激しい怒りを覚えたことは、卒直に言って記憶にない。
(略)

自分たちの身内ではない人間には誰彼構わず、

「お前は何人や、言うてみい」
「日本人か」
朝鮮人か」
「恥ずかしい朝鮮人か」
帰化人か」

一体、「恥ずかしい朝鮮人」とは、どのような人間のことなのかよく判らないが、ぼくに言わせれば、日本人や帰化した人を差別し、集会の妨害に精を出す輩の方がよほど「恥ずかしい」と思う。


そこから何年も経って……

北朝鮮帰国者の生命と人権を守る会」(代表が萩原遼氏)。

http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/130112/crm13011208400000-n1.htm
(※このリンク記事自体はサーバーから消えています)
朝鮮学校無償化でも内偵、逮捕の北工作員が反対団体に
2013.1.12 08:38
 
 北朝鮮の指示で諜報活動をしていた工作員大阪府警が断定した兵庫県尼崎市の運送会社社長、吉田誠一容疑者(42)=著作権法違反容疑で再逮捕=が、朝鮮学校への高校授業料無償化適用や補助金支出に反対している民間団体の動向を探る調査活動をしていたことが11日、捜査関係者らへの取材で分かった。
(略)
 対象となっていたのは、大阪を拠点に北朝鮮の人権問題に取り組む団体「北朝鮮帰国者の生命と人権を守る会」(守る会)。同会は朝鮮学校金日成(キムイルソン)主席、金正日(ジョンイル)総書記父子を礼賛したり、拉致問題を歪曲(わいきょく)したりする思想教育の児童・生徒への強要を問題視し、機関誌などを通じて無償化適用や補助金支出に反対する運動を続けている。
 関係者らによると、吉田容疑者は無償化や補助金問題が議論になり出した平成22年ごろから昨年6月に逮捕されるまで、守る会の中心人物の一人で作家の萩原遼さん(75)らの活動内容や写真を入手し、朝鮮総連関係者らに伝えていたという。
 吉田容疑者は北朝鮮工作機関の指示で北朝鮮情報を扱う別の民間団体に潜入するなどし、北朝鮮に批判的な団体や人物の情報を収集していたことが判明しており、守る会の動向調査も工作機関の指示で行っていた可能性がある。
 萩原さんは「メンバーが写真を撮られるなど、動向を探られている気配はあった。朝鮮学校問題が教育議論を超え、北朝鮮の政治的工作の対象になっていたと改めて感じた」と話した。

瀬川深氏と佐々木氏のやりとり、そのほか

時に、この佐々木ツイートについたブクマで

佐々木俊尚 on Twitter: "ただタブーも突然壊れることがあります。かつては北朝鮮や朝鮮総連への批判もタブーでした。私は1994年「北朝鮮帰国者の生命と人権を守る会」設立の際、朝鮮総連の妨害で集会が流れたことを記事にしたら。上司の社会部長から「おまえは朝鮮総連とケンカする気か!」と怒鳴られたことがあります。"

俺が北朝鮮に興味持って関連書籍を読みあさった90年代前半でも北朝鮮に批判的な関連書籍はかなり出てたし、「退屈な迷宮」「平壌25時」など生々しいルポもたくさん読めた。この人本当にジャーナリストだったのか。

2019/10/04 10:07
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というのがありましたが

その「退屈な迷宮」を書かれた関川夏央さんに「執筆当時、タブーや圧力を感じなかったですか?」と聞けば、感じたと回答すると思いますよ(たしか彼も、北朝鮮タブー、朝鮮総連タブーの存在については、存在を認める発言をどこかで間違いなくしている)。同書の最終章でも、ある引用から「この本に対して出てくるであろう声に、あらかじめの回答になるだろう」といった、非常に構えた対応をしていましたし。

…ギランはその折の中国訪問記を「五億の青い蟻」と題して1956年1月から2月にかけて「ルモンド」紙上に連載…このころフランスではまだ「中国革命は血の通ったヒューマニスト共産主義だ」という幻想があった。・・・レポートは…多数の知識人のジャーナリストの激しい攻撃を受けた。・・・それについてギランが書いていることを、本書「退屈な迷宮」における最後の注釈として採録しておきたいと思う。

サルトルはわれわれの偽りの主張を告発する発言を行ったが、その主たる論拠はこうだった。
『わたしたちも中国に行って来たが、この二人の人物がいわゆる事実として伝えているようなことは、一切、何も見なかった』
彼らは何も見なかった・・・それこそわたしが考えて、いったことである。何も見聞きしないか、十分見聞きしなかったのだ…暗い面を知らずにいられたという事実は、かなり簡単に説明がつく。訪中旅行はいつもたくみにお膳立てされ・・・だれかが立ち会わずに接触することもまずない。通訳兼ガイドの案内を受け、ものごとを教えてもらう。・・・短い滞在期間では彼らにはものごとのうわべしか見られない…アジアは、通りすがりの新米の旅行者には、その現実の姿を明かしてはくれないのだ。>
(略)
ここにある「アジア」と「中国」という言葉を「北朝鮮」に置き換えるなら、それはそのままわたしに向けられるだろう非難へのわたしの回答となるはずである。

瀬川氏のブクマはtwitterと連動していて、同じ内容がUPされていて、そこでやりとりがなされている。


後半部分を、かつて北朝鮮朝鮮総連に批判的な報道や言論を憚る「タブー」があったことを伝える記録集にします

自分が知っている、「朝鮮総連を批判的に語ることはかつてタブーだった」ことを認めた証言者は田原総一朗岸井成格与良正男(実はある年末の、毎日新聞の1P使った特集で、田原氏とどちらかが対談していたのだが…記憶が曖昧、雰囲気似てるし(笑))、青木理稲垣武長谷川煕萩原遼高世仁…その他の各氏。メディア以外、というか当事者として李英和張明秀氏。

青木理のコメントは、ブツをおさえている。

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青木理氏、北朝鮮報道にタブーあったと認める(東京新聞こちら特報部」より)


いくつかは、ブログを引用することもできる

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から孫引き

■石丸次郎をテレビに出すな!1〜3
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石丸次郎さんを取材するうち、いろんなところで、朝鮮総連がテレビ局に彼を出さないよう圧力をかけていると聞いた。

石丸さん以外にも、李英和(リヨンファ)、高英起(コウヨンギ)、朴斗鎮(パクトジン)の各氏が総連の「ブラックリスト」…「四人組」のうち、石丸さん以外に3人はいずれも元総連の幹部・活動家で、「裏切り者」とみなされるのだろう
(略)
テレビ局が石丸さんのパートナーの内部映像を使うと、すぐに総連の某幹部からテレビ局の担当幹部に「文句」が来るという。これがテレビ局内を萎縮させ、「効果」が出ているというのだ。
(略)
上司に「総連がやかましく言ってくるので、次からは考えてくれ」といわれたと、その担当者から私は直接に聞いた。この人以外にも在京のテレビ局の報道部門で仕事をする数人に聞き「圧力」を確認できた…(略)総連のクレームに多かれ少なかれ「配慮」するのは、どの局も「横並び」で

萩原遼北朝鮮に消えた友と私の物語」より(大宅壮一ノンフィクション賞受賞作)

・・・わたしも怖い。生まれつき臆病な小心者である。総連のテロを思うと震える。これを書きながらも体が震えてくる。ここ一週間ほど食欲がないのはたぶんこの恐怖感のせいだろう。ピョンヤンで殺されかけたことはすでに書いた。その後二度総連の暴力分子にやられたことがある。(略)
ごく最近こんな話を聞いた。チュチェ思想研究会というのがある。北朝鮮と総連が金を出して飼育している日本人の金日成信奉者の組織である。ここを最近抜けた青年がわたしに語ってくれた。ある総連幹部の言葉である。
「萩原はわれわれの襲撃対象である。しかしへたにわれわれがやると国際問題になる。日本人のおまえらがやれ。その時期はわれわれが指示する」
これを聞いたときもしばらく食欲がなくなった。
しかし、いかに小心者とはいえ、ことと場合によっては命をかけねばならないときがある。
(文春文庫P414-416より抜粋)

ジンネット(高世仁)、長谷川煕 (高世仁の「諸悪莫作」日記)

http://d.hatena.ne.jp/takase22/20090805
…長谷川(長谷川煕)さんは、北朝鮮系金融機関、「朝銀」(朝鮮信用組合)を取材したパイオニアである。結局「朝銀」は次々に破綻し、1兆数千億円にも上る公的資金が投入されることになるが、長谷川さんは、不正融資疑惑をはじめその深い闇を『アエラ』で追求し、大きな反響を巻き起こした。

私たちは01年12月、「サンデープロジェクト」で、テレビでははじめて「朝銀」を本格的に取上げたが、最初は長谷川さんの記事をよりどころに取材を進めたものだった。

朝銀」は総連の「金庫」とも「財布」とも言われ、北朝鮮への送金の資金源とされた機関である。放送のリアクションはすごかった。「ジン・ネット」に何組もの抗議団が押し寄せ電話が鳴り止まない。受信した抗議ファックスは200通を超えた。「朝銀とはそれだけ重要な組織なのだ」とあらためて認識させられ、そこに踏み込んだことに危険を覚えた。警察もうちの会社と担当ディレクターの自宅を重点パトロールすることになった。


町山智浩

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http://d.hatena.ne.jp/TomoMachi/
あと僕は「宝島30」の編集者として北朝鮮と日本の左翼の謀略を告発する記事を担当して、それをまとめた『除勝 金日成のスパイ』という本も作っています。それは総連の内部資料を徹底的に暴露した内容で、十年前の本ですが拉致や北のスパイの具体的な犯罪行為と日本のマスコミや社会党との癒着を当時はじめて告発したものです。問題は当時は拉致自体がマスコミでは否定されていたので、サンケイ(笑)以外では書評されなかったことです。拉致事件の問題化以前にそれを事実として内部告発した本なのに世間に無視されてくやしいですな。

僕は無署名のオピニオン・コラムを一人で執筆していて、毎号そこで『噂の真相』などの左翼ぶりっこを揶揄していた。
とにかく徹底的にやったから、こう言われてもしかたがないかも。
http://nwatch.cocolog-nifty.com/blog/2006/03/post_1d36.html

その他に、張明秀先生の朝鮮総連内部告発の連載を担当した。
張先生の兄弟をはじめ北に渡った在日僑胞の多くが粛清で殺されている事実を暴露し、
日本人の拉致や北からの工作員上陸に総連が関わっている事実を告発した。
また、和田春樹や岩波書店の安江社長がいかに北朝鮮の事実を捻じ曲げて報道しているかを検証し、彼らを「金日成の手先」呼ばわりしたので、先方の弁護士から内容証明もいっぱいもらった。返事は僕が自分で書いた。
安江社長には僕が直接電話して『世界』が北朝鮮を天国のように報道してきたことの責任を追及した。そのやりとりは連載を単行本にしたこの本で今も読めるはず。

徐勝(ソ・スン)「英雄」にされた北朝鮮のスパイ―金日成親子の犯罪を隠した日本の妖怪たち

作者: 張明秀
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この連載は92年だが、すでに辛光洙シン・ガンス)の対日工作の詳細を告発していた。
しかし、当時はまだ日本のマスコミや社会党北朝鮮による拉致や工作を否定していたので、まったく話題にならなかった。
なにしろ同じ宝島社で大韓航空機爆破事件を韓国の自作自演とする本が出ていた時代だ。
僕は、知り合いの雑誌や新聞に本を送って取り上げて欲しいと頼んだが朝日、毎日はもちろん、読売や新潮や文春も載せてくれなかった。
北朝鮮による対日工作を事実と断定しているが、まだはっきり実証されたわけではない」と言われたことすらある。
書評で取り上げてくれたのも産経新聞だけだったので本当に失望した。
社内的にもまったく評価されず、僕は『宝島30』をクビになり、社内に居場所がなくなって(文字通りデスクを窓際に回された!)、子会社に出向。96年末に退社して渡米した。


マスコミが拉致問題を事実として報道するようになったのはその後だ。


13年前、『宝島30』で辛光洙のことをあれほど騒いだ時は誰も相手にしてくれなかったのに……。
tomomachi.hatenadiary.org


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2016年の週刊文春 朝鮮総連の組織的抗議

……朝鮮総連の猛烈な抗議については松井清人が語ってくれた。 「パチンコ疑惑の第一弾が出た直後から、堰を切ったように文春に抗議にきた。当時の朝鮮総連は強硬だったからみんなが震え上がっていた。支部ごとに五、六人ずつがチームを作り、毎日毎日、朝の10時から夕方の五時まで三〇分おきに交替で抗議にくる。一二時から一時はきっちり休むんだよ(笑)。 (抗議の) 内容は全部同じで、罵声というか、怒鳴り声でガンガンやる。それが一カ月続いたんだ。
抗議に対応したのは花田さん。全部ひとりで相手をした。担当デスクは俺だったから『お疲れでしょう、代わりましょうか?』と言ったんだけど、花田さんは『いや、自分でやる。君たちは絶対に前に出さない』って。
花田さんも最初のうちは元気だったけど、一週間もするとグッタリしちゃった。五時になってようや く総運が引き揚げると、花田さんはテレビの前の大きな机に座って、大量にくる郵便物を開封し…(略)


「抗議がじゃんじゃかと寄せられる。それは言論の自由の侵害か」という話、以前木村草太氏などの論考を引いて紹介考察したが、
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しかしあきらかに組織的で、ほぼ同一の内容を、罵声、怒鳴り声でずっと、連続するようにスケジュールを立てて……だと、上の問いをするまでもなく明らかではないか。
それがかつての武闘派集団にして、主体思想を信奉し、金王朝三代の全体主義体制の下部組織として絶対の忠誠を誓い続ける「朝鮮総連」の、全盛期の力と方針であった。
そりゃ、文芸春秋社にすらこれだけ組織的な攻撃を加えるんだから「身内の裏切り者」に対しては、集会ぐらい直接乗り込んでぶっつぶすわな。
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しかし、そうであっても、腐敗した資本主義の毒が回った面もあるようで、「一二時から一時はきっちり休むんだよ(笑)」だってさ。
千里馬運動の精神はどこへ行ったっ。苦難の行軍を経て、100日戦争にウリ式社会主義で勝利しなければなりませんっ。


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