今月発売9月号の「諸君!」では、6月7日付で日本共産党を除籍された元赤旗平壌特派員・萩原遼氏が日共・不破哲三批判を展開している。
前回8月号では、なにしろ7/1発売の雑誌に載せるための最小限度の緊急反論であったために十分分量を取れなかった反論を、念入りに行っている必読の論文だ。
不破同志におかれては、暴虐の雲 光をおおい 敵の嵐は荒れ狂う
昨今ですが、
ひるまず進め我らが友よ 敵の鉄鎖をうち砕け
と。
進んだら撃たれるだけかもしれんが。
さて、その先月号の緊急反論を、もう雑誌も店頭から消えたことだし記録として引用しよう。
初出掲示板は
http://8201.teacup.com/bluestars777/bbs
萩原遼氏の「諸君!」誌上での抗議文
投稿者: 原 良一@守る会会員 投稿日: 7月 3日(日)12時48分55秒
こちらではあまり紹介していませんが、葬聯結成50周年パーティーでの抗議活動を口実に日本狂惨蕩(似非共産党)を除名された萩原遼氏が、「諸君!」05.8月号で日本共産党への抗議文を寄稿したのでご紹介します。著作権上問題はありますが、敢えて全文紹介とします。今日は首都都議会議員の選挙なので、これから投票に行く方のご参考になれば幸いです。
萩原遼氏の日本共産党への抗議文(「諸君!」05.8月号、P.160より)
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不当除籍に抗議、金正日と握手する日本共産党
― 党の方針から逸脱したのは私ではなく、不破氏の方だ。
彼の言動こそ厳重に審査せよ! ―
萩原遼:ジャーナリスト、元「赤旗」平壌特派員
新聞(6月22日付毎日夕刊)でも報じられたが、6月7日付けで日本共産党規律委員会は私に対し党規約第11条にもとづく除籍を通告してきた。6月17日、党本部で私はこの措置の不当を衝き、物別れに終った。23日付けの赤旗紙上で彼らの言い分を載せている。これに対し私の見解を表明する。
彼らが除籍の根拠とする党規約11条は「第4条に定める党員の資格を明確に失った党員、あるいは著しく反社会的な行為によって党への信頼を損なった党員」に対して適用されるとある。私は4条に定める党の綱領と規約を認めており、党の前進を願って50年近く活動しており、党組織に所属し、党費も払っている。11条違反には該当しない。11条のいう「著しく反社会的な行為を」犯したというなら、具体的に指摘すべきではないか。
過去に規律委員会が私に求めてきたことは、元赤旗平壌特派員の肩書きを使うなというものであった。私の経歴は隠しようもないし、また経歴隠しも経歴詐称につながることを説いて彼らの非常識をたしなめた。彼らの要求のもう一つは、党見解と異なる意見を公表するなというものである。北朝鮮問題についてマスコミからコメントを求められる時、一々党本部に伺いを立てる時間的余裕のなさから食い違うこともあることを述べた。党中央と私の間でも意見が違う場合も名指しで批判したことはない。綱領を認め、大局で一致していれば多少の意見の違いに目くじらを立てないことが開かれた党になる上で好ましいと主張した。少数意見を認め党機関紙上で論議することが党にも国民にも利益になると私は主張した。
党規約第3条の(5)は「意見が違うことによって、組織的な排除を行ってはならない」とある。今回の除籍措置は規約の明白な違反である。規約違反のこの措置を断じて認めるわけにはいかない。
朝鮮総連は反社会的団体
東京都都議会議員選挙を前にして唐突に日本共産党が私を除籍したのは、朝鮮総連との関係であろう。
規律委員会の通知は、5月24日の朝鮮総連結成50周年記念レセプションで私が「党員とは相容れない言動を取っている」という。「北朝鮮帰国者の生命と人権を守る会」が5月24日に発表した声明「朝鮮総連は『帰国事業』という巨大な誘拐・拉致に責任を取れ」をレセプション参加者に配ったことが「我が党の立場や活動を攻撃することに他ならない」と言っている。日本共産党はいつから朝鮮総連と一心同体になったのか。朝鮮総連から頼まれて今回の措置を急いだとの見方もある。
そもそも朝鮮総連とは何か。北朝鮮の金正日政権の出先組織である。彼らは北朝鮮の駐日大使館のごとく振舞っている。その主要メンバーは朝鮮労働党員であり、朝鮮労働党日本支部を構成し、組織の指示どおりに動いている。
彼らは日本人拉致の現地請負人としてその幇助に加わってきた。それに関わった元メンバーの証言が何冊も公になっている。朝鮮総連は紛れもない拉致の下手人ではないか。朝鮮総連はまた1960年代に帰国運動と称する大規模な「誘拐・拉致」運動の推進者として10万人近い在日朝鮮人とその日本人妻を北の地に送り、日本への一時帰国もほとんど許さず40年あまりも拘禁し、今なお地獄の苦しみを与えている。
さらに朝鮮総連は、帰国者を人質にして日本に残った在日朝鮮人の家族に億単位の金を恐喝するなど、ゆすり、たかりを常習とする反社会団体である。彼らはまた配下の暴力団と組んで麻薬の持ち込み、密売にも手を染めているとも伝えられる。これらはみな本国の金正日の指示と了解のもとに行われている。朝鮮総連の幹部と握手することは金正日と握手することに他ならない。
こうした事実を不問に付して、彼らと握手し、結成記念パーティーに駆けつけるとは、日本共産党もまたその同類であることを天下に知らしめることになるのではないか。暴力団の集会に出席した政治家は世論の指弾を受け、確実に失脚する。暴力団の何十倍も悪質な反社会集団の集会にいそいそと馳せ参じることは党を汚す行為ではないか。
そうでないというなら、日本共産党は私の指摘に反論してみよ。
不破氏と現指導部は党の方針を逸脱
1983年の北朝鮮の国際テロ行為であったラングーン事件以来、日本共産党は北朝鮮指導部を「野蛮な覇権主義」と呼び、朝鮮労働党および朝鮮総連との関係を断絶した。北朝鮮の金正日政権はその後もテロ行為を止めず、1987年には大韓航空機を爆破し115人の人名を奪う殺人行為を行った。爆破犯人の一人金賢姫はこれが金正日の直々の指令によるものと告白した。当時の宮本議長は北朝鮮をきびしく非難した。この時の我が党の態度は原則にかなったものであり、多くの国民から支持を受けた。
しかるに不破氏はその後この原則的立場を離れて、大韓航空機爆破事件を金日成時代のものと勝手に断定し「そういう種類の動きは、金正日氏の代になってからは、ないですよね」(赤旗2000年8月24日付)といっている。これまでの党の方針からの明白な逸脱ではないか。
こうした逸脱の上に立って何の説明もなしに2000年に朝鮮総連と和解し、その後は彼らの大会に党幹部を出席させ祝辞を述べさせている。いつ、どの党会議でこんな方針に変わったのか説明されたい。説明もなしに勝手に党の方針に反する言動を取ることは、これこそ規律違反であり、処分の対象となる。規律委員会は私に対する不当な措置を取り消し、不破氏の言動を党規約と決定に照らして厳重に審査すべきである。
昔ここで書いた、萩原遼氏に関するエントリの一部
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20050624#p2