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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

「ベーシックインカム月7万円」毎日新聞も好意的に報道。そして竹中平蔵独自案でなく、原田泰氏の試算?

ベーシックインカム月7万円」を竹中平蔵氏がTVで語り、主に否定的な反応が多かったが、逆にタイミングがばっちりだったので驚いた記事がある。ほんのその、1日か2日前の大型記事なのに、あまりに言及が少ない気がしたので…
9月23日の毎日新聞だった。すごく大きい扱いでベーシックインカムを特集していた。

有料記事だけど、ネット経由でも見られるし。
mainichi.jp

ただ、この「サイド記事」の扱いだから別物として掲載されているかな??

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ベーシックインカム月7万円は、毎日新聞も好意的に報道

BI導入はどこまで現実的なのか。前日銀審議委員で名古屋商科大学ビジネススクールの原田泰教授は「20歳以上の国民に月7万円、20歳未満に月3万円」が財政状況も考慮したBIの適正水準と主張する。

雇用保険生活保護の削減なども、すでにここで織り込んでいる。※「廃止」論ではない
このあとに、検討しなければならない問題も列挙されているが、全体のトーンはやはり「好意的に報道」と論評してかまわないかと思う。

てか、中公新書でBIの本書いた人かよ

内容(「BOOK」データベースより)
格差拡大と貧困の深刻化が大きな問題となっている日本。だが、巨額の財政赤字に加え、増税にも年金・医療・介護費の削減にも反対論は根強く、社会保障の拡充は難しい。そもそもお金がない人を助けるには、お金を配ればよいのではないか―この単純明快な発想から生まれたのが、すべての人に基礎的な所得を給付するベーシック・インカムである。国民の生活の安心を守るために何ができるのか、国家の役割を問い直す。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
原田/泰
1950年(昭和25年)、東京都に生まれる。東京大学農学部卒業。博士(経済学)。経済企画庁国民生活調査課長、海外調査課長、財務省財務総合政策研究所次長、大和総研専務理事チーフエコノミストなどを経て、早稲田大学政治経済学術院特任教授、東京財団上席研究員。著書『昭和恐慌の研究』(共著、東洋経済新報社、日経・経済図書文化賞受賞)、『日本国の原則』(日経ビジネス人文庫石橋湛山賞受賞)ほか(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
関係ないが、今その竹中平蔵ベーシックインカム論、はてブで話題なったのはいつかなーと探してたら別の記事見つかってな

中国メディアが竹中氏を形容する際には「日本経済を最もよく知る人物」「改革の総指揮者」「経済改革の皇帝」「日本の王安石(中国宋代に大胆な改革を成功させた官僚)」
gendai.ismedia.jp

ぶわはははは



えーと、なんだったかな…

過去のベーシックインカム

とくにこれな。2008年の、書評を基にした話

……こうしたBIの考え方に対しては、賛否が分かれる。賃労働への束縛から人々を解き放つその一方で、自らは働かずBIだけを受け取る「フリーライダー(ただ乗り)」が発生し、「怠け者による勤労者の搾取」を招くとの批判もあろう。フェミニストの中には、稼ぎ手たる男性への依存から女性を解放する契機を与えるとして評価する人がいるかと思えば、BIが給付されることによって、女性が労働市場に赴くのを却(かえ)って引き留めることになるとして反対する人もいる。

 あるいは意外なことに、市場原理主義的な新自由主義者から賛意の声があがる。BIが保障されるのであれば、最低賃金などの配慮なしに、賃金は市場の自由な調整にゆだねることができるというのである。一方、エコロジストからは、人々を賃労働・生産至上・経済成長からの離脱を促すものとして支持される。つまり、BI構想は、それのみが独立してその効果が発揮されるというのではなく、どのような立場のどのような政策パッケージの中で位置づけられるかによって、その果たす役割が大きく分かれるということなのである。

 ところで、BIの財源はどうするのか、果たして実現の可能性があるのかという疑問に対しては、小沢修司『福祉社会と社会保障改革』(高菅出版)が、日本の現状を念頭に計算を試みていることを付け加えておこう。そして、ヴェルナーの特徴は、ここでもいかんなく示されている。財源を、税率五〇パーセントの消費税に求めているのである。

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もともと、ベーシックインカムでは、「不親切、だけどシンプル」であり、それゆえに事務や徴収・給付コストを低減する、と行く話はほぼセットでついていたと思ったのだが。

あとひとつは、「善意の政治のわな」つーかパーキンソンの法則応用編というか、
「親切で善意に満ちた複雑な政治制度」を「不親切だけどシンプルな政治制度」が上回る可能性というか。

これは逆に取るほう、税金のほうでしょっちゅう、それこそ新自由主義に近い立場の人が言っているらしいけど、「福祉を考えるとして扶養者控除だとか必要経費なんとかとか、子ども減税とか、いろんな特典をつけたり、また企業でも輸出促進免除だとかなんだとか、とにかくいろんな優遇措置がある。それは、複雑になればなるほど悪用されやすいし、また悪用されなくても、それをいちいち検証、受け付け、判断していくと徴税官僚組織が膨大になり、そこの人件費などが国庫を消耗させるだけだ、ばかばかしい。
極論を言えば税金は一律2割。例外は認めない。こういうシンプルなシステムは、強者に甘く弱者に冷たいようだが、そのシンプルさゆえに一番いい税体系なのだ」


この考え方は別に絞るほうに限らず、与えるほうでもあり得るし実行されている。つまり生活困窮者のひとつ、ホームレスに関しては、いろいろ審査して状況に応じた給付をして生活指導やカウンセリングをして…より「とにかくまず無条件に住む場を与える」のほうが効率的で効果的、とかだ。

……ホームレスの世話で、個別にあれこれと医療を施したり警察を出勤させるより、まず何の条件も課さずにただ家に住んでもらえば、そっちのほうが安くつく、のだという。

http://blog.livedoor.jp/sho923utg/archives/51803664.html

州政府が打ち出したのが「ハウジング・ファースト(家・第一主義)」政策だ。
従来のホームレス支援は飲酒や薬物の禁止といった条件に従うことが前提で、自由気ままに生きる人たちの中には支援をこばむ人も多かった。
そこで発想を転換して、何の条件も課さずにまず家に住んでもらうことを優先した。
きっかけは財政コストの試算だった。ホームレスの緊急医療や警察出動といった行政経費は、ホームレス一人当たり年間約190万円…(略)住宅を無償提供すれば、治安が改善するなどして行政経費はホームレス一人約75万円ですむことが分かった。
「これまでのホームレス対策は社会福祉や人道援助の発想だったが、じつは経済・財政政策だったのです」。
州のホームレス政策の責任者はそう話す。ユタ州のホームレスの数は…(略)2013年には約500人と4分の1に減少した。(略)入居後、ホームレスにもどる比率は10%未満だという。

こういうふうにぜんぶ、ひとまとめ、区分しない、おおざっぱに対象を設定する…ことが、厳密な区分と条件調査より、最終的に「事務事業コスト」の差でお得になる、という事象は、世のなかに沢山あるんじゃなかろうか、と。

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池内恵氏が解説。「イスラーム神学的に成長は『18歳』など外在的設定でなく『神が創造した通りに成長する』である」




増補新版 イスラーム世界の論じ方

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中東 危機の震源を読む (新潮選書)

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  • 作者:池内 恵
  • 発売日: 2009/07/24
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イスラム教の論理 (新潮新書)

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  • 作者:飯山 陽
  • 発売日: 2018/02/15
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まあ、実際を見れば心の成長も体の成長も「ひとそれぞれ」なのは現実として間違いない。16歳だろうと18歳だろうと精神も体も幼い人もいるし、年齢は幼いのに頭脳、肉体、人格的にも極めて成熟する人もそれなりにいる。
それをギャグにした漫画もあるぐらいで。


しかし、それを持って無基準にするのはさらに実務的に難しいので、近代国家ではおおむね成長と成熟を「年齢」一本の基準に絞り、びた一文まからない。
だからこんな作品群も生まれる。
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しかし「イスラーム神学的にはこうだからこうなのだ」と言われたらな。

ただ、「妻の数」もそうであるように、ムハンマドとその周辺は人であるけれど、ほぼ人格面では神格化をされ(矛盾してる感じがあるが…)「ムハンマドアイーシャならそれは可能であったろうが、凡人たる我々にはとてもそれと同様のことはできまいよ」という形での制限もあり得るとか。



おっと、上のツイート以外にも、さらにいろいろ語っていた

「挽いた粉を細く長くして茹でると『麺』。ウマー」は大発明だと思うわ(その発想、飛躍してるよな)。




麦など、穀物の一部が「粉」になるのは、むしろ必然なんですよ。
そもそも穀物は基本、「種」であるから、そとから中身を守る殻がある。それが固いわけだから、中を食べたいと思うときに実をとしてとりだせる「コメ」がむしろ例外なんです。

だから粉食は、ある意味で当たり前である。


だけど…それを加熱して食べようとなったら、、フツー、パンみたいに塊にしない?あるいはパンケーキやお好み焼きのように、ひらべたっくして焼かない??
ボイルにしても、団子をゆでればいいわけで……
ん?あれかね、「火が通りやすい」から?なのかね。 にしても、平べったくすればいいだろうし、細長くして火を通りやすくしたのなら、さらに短くきってぼろぼろにすればいいのかも……

ま、とにかくどこか…おそらくは古代中国大陸に、練った粉を細長くして、それを巻いたりすすったりして汁と一緒に食べればウマー!!!と気づいた天才Xがいる!!!!!梶原一騎調)


「麺」に思うところは、以上です。

大相撲混沌(カオス)場所、千秋楽。一世紀ぶり新入幕優勝の可能性消えず…

一世紀ぶりの奇跡・翔猿の新入幕優勝か、未完の大器・正代の覚醒か?はたまた大関の意地・貴景勝の復活か?


もりあがるのは大変いいんだけど、
「ふだんならRIZINをPPVで観戦するし、しくじった元貴ノ富士こと  スダリオ剛の第二の人生も気になるが…いまは相撲が気になる、まず見なければ!→はあ興奮した、RIZINは…今日はいいか」
みたいなファン層も、そりゃ格闘技だから重なるだろうからそれなりの数いるんじゃないか、と心配だ(被害妄想)



ネット的にはおすもう、NHKNHKプラスで見られる。abemaTVでも見られる。

abema.tv

plus.nhk.jp




高田延彦氏「日本はアクセル踏み込みでGO TO ラッシュだ」とコロナ対策の緩和批判。「じゃあRIZIN無観客でやれば」と突っ込み








ま、確かに会場に行かなくてもスカパーやフジテレビで放送
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「自分も属する属性への発言なら、差別や蔑視にならない」という命題は正しいか

2020年9月26日時点でこう書くと、あの話題か、この話題か、と連想がいくところ(笑)。

そっちも大いに楽しい。
b.hatena.ne.jp
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午前3時時点でトップだ。もっとやれ

今はランキングから消えたので種明かし
[B! 杉田水脈] 杉田議員、女性はいくらでもうそ 自民党の合同会議で蔑視発言 | 共同通信


さて、もう一度タイトルを見ていただいたうえで、考えてみよう。
なるのか
ならないのか・・・・・・・




といったところで、合体パワーアップ画像

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「自分もその属性なのだから、蔑視や差別に当たらない」つう議論に関する三部作(香山リカ氏と杉田水脈氏)


くわしくはこちら

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そもそも自分がその属性に含まれるかどうか、が論点になったら、「ほんとにそうなのか?」「そうであることを証明しろ」がまともな議論になってしまい、「〇〇さんは本当にXXX人なんですか」もまっとうな質問になってしまいかねない気がするのだが…


杉田議員、女性はいくらでもうそ 自民党の合同会議で蔑視発言 | 共同通信

女性同士のヘイトスピーチが成立するのは日本人同士のヘイトスピーチも成立するという重大な証拠。この件を知った上で日本人同士のヘイトスピーチを認めない者は狂ってる。僕は前から主張してたのに無視されてきた。

2020/09/26 02:28
b.hatena.ne.jp

もうひとつのこれ
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togetter.com


それに関連した「日本死ね、の日本は発言者も一員なのだから…(許される)」論

 彼らは、「日本死ね」の書き手にとって、「日本」が、徹頭徹尾「他者」であるという前提でものを言っている。
 「日本死ね」を、日本とは無縁な人間が、日本を攻撃している文章であると見なしていると言い直しても良い。
 いずれにせよ、彼らは、「日本死ね」の筆者について、「日本死ねと言っているんだから日本のことが大嫌いな人間であるに違いない」という見方をしている。

 しかし、ちょっと考えてみればわかることだが、実際のところ、「日本」は、日本国民にとって、自分自身を含む集合だ。であるからして、「日本」は、「日本人」である私たちにとって、「われわれの社会」という意味でもあれば、「自分の住んでいるコミュニティー」ということでもある。

 とすれば、「日本死ね」を、そのまま共同体の死滅や、国家の滅亡を願う叫びであると解釈する読解の仕方は、あまりにも貧しいと申し上げざるを得ない

business.nikkei.com



ちなみに、自己を含む属性なら「劣化」とかもゆるされるのか、という高尚な議論をする前に、さすが彼女……他の属性(先天的で変更不可能なもの)にも普通に「劣化」使っていることが判明。

私と同世代の男たちが失ったものは何か。

かつて50代男性といえば、間違いなく「おとな」だった。しかし、いま周囲を見渡すと、その世代の男性の幼さ、頼りなさが目立つ。特に気になるのは、社会人としての自覚のなさ。知識もあり、機転も利いて、話している分には楽しいかもしれないが、世の中に貢献したり、公に発言したりする気概が感じられないのだ。テレビや新聞でも、公共の場所でキレる、覚醒剤に溺れる、家族に愛想を尽かされる「50オトコたち」のことが報じられることが多くなった。
団塊世代の「その後の世代」といわれる彼らは、物心ついたときは高度成長のまっただ中。世の中は順調に右肩上がりに推移し、バブル絶頂期に就職難もなく企業人となった。組織になじんでそつなく仕事をこなし、家庭もそれなりに充実させていたが、元号が昭和から平成に替わる頃から徐々に始まっていた変化ーー男女平等が浸透し、ツールはアナログからデジタルになり、長引く不況ーーに対応できなかったのではないか。60歳まで勤め上げてあとは悠々自適ともくろんでいたものの、終身雇用制度もおぼつかなくなったばかりか、年金もすぐにはもらえなくなった。このまま迫り来る“老後”にただおびえるばかりでいいのか。

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香山リカ氏、「50オトコ」(変更不可能な先天的属性)をひとまとめにして決めつけてDisる。

booklive.jp


www.j-cast.com
www.news-postseven.com

もちろん、タイトルにうたった命題について「それは正しい。自分の属する属性についてなら、どんな決めつけや表現を投げつけても、それは自分も属するがゆえに差別や蔑視にはなりようがないのだ」という主張を貫くなら、そういうスタンスもありえよう。
その場合、”あっち”も無罪放免。に流せ。そしてこの思想的系譜を、脈々と伝えてほしい。例に挙げた人と、似たようなもんだしさ……(了)