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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

「ベーシック・インカムのある社会」を想像する。これはSFマインドだ

つい先日、新党日本の党首がベーシック・インカムについて見当に値するものだと表明した…という話を紹介したけれども、このBTについて考察したエントリがはてなのホットエントリとして紹介された。
http://d.hatena.ne.jp/Chikirin/20090211

おもしろい。
おもしろい。
まあ、この「面白い」理由としてはまだまだBIが社会で(世界のどこであろうと)実現するのに時間が掛かりそうで、思考遊戯・思考実験のたぐいでああるからだけれども、だからこそ「だれでも生活に必要な最低限の収入が、無条件で毎月得られたら?」という社会への想像力をみんなで競争することは面白くなってくる。
私も、何度かベーシック・インカム社会については考えてきたが(日記をその単語で検索してください)、想像力ははるかに上URLのエントリに及ばなかった。
SFの得意技、基礎として「エクストラポレーション(外挿法)」というのがある。ああ、この単語を書くだけでSFゴコロが刺激されるが(笑)、何大したこたあない、例えば「ゴジラガメラという怪獣が暴れる社会は?」と想像して描写しようとしても、怪獣が暴れた例はない、そういう時は外国軍の侵攻や大地震をヒントにして「自衛隊が迎え撃つだろう」「政府は対策本部を設置するだろう」「子供は疎開するだろう」というふうに描写する、ってだけの話だ。
上のリンクのコメント欄には「失業保険が充実している国では…」という話をエクストラポレーションして語っている考察があった。
こういうのを考えると、本当にドラえもんの「もしもボックス」があったらなあ、と思う。BI社会にどんなプラスとマイナスがあるのか、実際に体験してみたい。どこかの小国が、世界に先駆けて実践してみないかな。

予想と価値判断の難しさ

ChikirinさんのBI社会予想の中で「離婚が増える」という項目を挙げ、こう書いている。

夫婦であれ親であれ会社であれ。みないろいろ不満があっても「現実的に食べていけないし」と思うから我慢もしようかという気になるわけで、おそらく今は多くの人が“無意識に”我慢していると思います。それが“切れる”と思うんだよね。

いやもちろん全員が全員そうだとは言いませんよ。でも今よりはそういうこと(近しい、経済関係を共にしている人と縁を切ってしまうこと)が簡単に起こるようになるだろうと思います。

これは面白い話で「夫婦の離婚率が多い国、少ない国」の評価というのを私は思い出したのだよ。
少ない国を「夫婦の間に不満があっても、ぐっとのみ込んで、折り合いをつけて、子供のためにもなんとかやっていく。これが夫婦のあるべき姿じゃないか?」と評価することもできれば
「愛情が無くなった時にしがらみや社会的制約で我慢を強いられることもなく、新しい人生を歩むことができる。こういう社会こそいい社会じゃないか」と多い国を褒めることもできる。


これ、いわゆる学校クーポン制度、学校選択制度でもそのまま適用できる。
「その生まれ育った地域で成績も収入もばらばらな子供たちが一緒に学べるから、ふるさとのつながりが出来る」(だから学校選択制に反対)
「意欲がある子が、しがらみや地域内の力関係、収入格差に関係なく学びたいところで学べる。」(だから学校選択制に賛成)
とも言える。