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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

憲法24条の「婚姻は…相互の協力により、維持されなければならない」は国民が国家を縛る『立憲主義』の本質に反してないか?維持せんでも、相互協力せずとも夫婦の勝手じゃない?

タイトルですべて語ってしまった出落ちエントリ。
でも、そうやろ???

http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S21/S21KE000.html

第二十四条  婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない
○2  配偶者の選択、財産権、相続、住居の選定、離婚並びに婚姻及び家族に関するその他の事項に関しては、法律は、個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して、制定されなければならない。

おい憲法
大きなお世話だよオメー。
婚姻は維持しなくたっていいじゃない。「維持されなければならない」? じゃあ何?「成田離婚」は違憲
世の中、旦那が我慢のしっぱなしで、女房が我慢のしっぱなしで、それでようやく夫婦やってるところもあるだろう。
けがを心配するように思いきや「お前がケガしてみろい、明日から遊んで酒が飲めねえ」だったり
財布を拾ったらそれをネコババしてどんちゃん騒ぎをしようとしたり、その財布を隠して「お前さんは夢をみたんだよ」と嘘をついたり…


そりゃあいけませんよ、そんな夫婦は。仲人を務めた大家さんが説教して、心を入れ替えるべきだ。
だが、なんで憲法が「そういう夫婦はいけない、相互に協力して維持せよ」なんて書いたりするんだ。


いいかね、まず憲法の大原則だが、憲法は国家が国民に対して命令・禁止するものではなく、国民が国家に命令・禁止するもんだよ!それが立憲主義なんだよ!!(ドヤッ)

だから、現行憲法の 
「婚姻は…(中略)…相互の協力により、維持されなければならない」は、明確な反立憲的条文であるの。


というはなしは,自民党試案に関するまとめを

自民改憲案第24条は「家族の問題は家族だけで解決してね。国は保護しないよ」、「結婚する相手や住居を選ぶ自由は無いよ」というトンデモ内容だった。 - Togetterまとめ http://togetter.com/li/997432

日本国憲法  第24条
婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない

2 配偶者の選択、財産権、相続、住居の選定、離婚並びに婚姻及び家族に関するその他の事項に関しては、法律は、個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して、制定されなければならない。

自民改憲案 第24条
家族は、社会の自然かつ基礎的な単位として、尊重される。家族は、互いに助け合わなければならない。

2 婚姻は、両性の合意に基づいて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない。

3 家族、扶養、後見、婚姻及び離婚、財産権、相続並びに親族に関するその他の事項に関しては、法律は、個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して、制定されなければならない。

といった話題で24条がクローズアップされて、
またさらに、この前話題になってはてブも多数ついた

同性婚夫婦別姓を「選択肢が増えただけ」と認めるなら「近親姦/複婚」なども容認し得るか〜法哲学者・大屋雄裕氏の考察 - Togetterまとめ http://togetter.com/li/1036940

から、家族・結婚・法・制度…などをつらつら考えるうちに気づきました。



しかし、なんで、「相互の協力で維持せよ!」みたいな「国家から国民への命令」が残っちゃったのかねえ。
当時は男尊女卑、家父長制の弊害が大きかったからだ、とか言い分はあるだろうが、立憲主義の大原則を踏み外すべき理由でもないだろう。


ただまあ、「国家から国民への命令も多少、憲法にあっていい」という立場に立てば、特に問題ないともいえる。
実際、自民党案も、その相互の協力で結婚を維持せよ、という「国家から国民への命令」条項は維持している訳で。


上で紹介したまとめの火付け役、大屋教授は「憲法は国家権力への制約」という話について、こう語ってもいるので読むよろし。

■「憲法は国家権力への制約。義務規定はおかしい」←「それは妄言俗説です」と大屋雄裕氏。その理由は?http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20120503/p4

関係者の
ベアテ・シロタ・ゴードンさんに詰めるべきだったかもだが、シロタさんは長命を保ちながらも2012年、幽冥境を異とされた。
生前、日本国憲法に関して日本からの来訪者はひきも切らずだったが(文面はだいぶ自作と違っていて不満だったようだが)、この「婚姻は…相互の協力により、維持されなければならない」を、「国家から国民に命令する反立憲主義的な悪条文だ。なんでこんな条文を作ったんだお前!」と批判する人がいたか、いなかったかは知らない。
彼女がつくった、24条の元になった文章の日本語訳はこちら

第18条 家庭は、人類社会の基礎であり、その伝統はよきにつけ悪しきにつけ、国全体に浸透する。それ故、婚姻と家庭とは法の保護を受ける。婚姻と家庭とは、両性が法律的にも社会的にも平等であることは当然である。このような考えに基礎をおき、親の強制ではなく相互の合意にもとづき、かつ男性の支配ではなく両性の協力にもとづくべきことをここに定める。これらの原理に反する法律は廃止され、それにかわって配偶者の選択、財産権、相続、住居の選択、離婚並びに婚姻及び家庭に関するその他の事項を、個人の尊厳と両性の本質的平等の見地に立って定める法律が制定されるべきである。


そういえば、「国が価値観を一方的に押し付けている」という議論が教育改革か何かで語られていたとき
「そもそも現行(当時の改正前)の教育基本法が、価値観の押し付けに満ちている」という話もあったのだった。

「朝生」教育改革論で思い出した話。「国による価値観の押し付け」は…最初の教育基本法も懸念されていた - http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20140329/p4