最近、憲法97条と11条の重複とか、それこそ自民党試案から削除されたことをめぐる論戦の中でこの条文の経緯が紹介された、のだがだがだが。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E5%9B%BD%E6%86%B2%E6%B3%95%E7%AC%AC97%E6%9D%A1
……GHQ側から、本条は民政局長コートニー・ホイットニー将軍自筆の条文であるので残すよう懇願され、せめて草案「第10章 至上法」の辺に置くことはできないか、という提案がされた。この段階では、現行憲法97条に相当する規定のほかに、11条に相当する規定を重複して設置することは予定されていなかった。しかし、作業が慌ただしかったこともあり、後の案で、97条に相当する規定と11条に相当する規定が整理されずに条文上重複した案ができたため、日本側では整理を申し入れようとしたところ、他の重要な問題を蒸し返されたりするのを恐れ、重複しても害はないとの理由により、そのままになった。
もともと、ホイットニーの体面を保つために第10章に条文として加えられ……
「大家さんの浄瑠璃を聞かなきゃ、絵の個展をみなきゃ店立てだ」、じゃないんだから!!
藤子・F・不二雄漫画の落語の影響、「オバQ」編 - 見えない道場本舗 (id:gryphon / @gryphonjapan) http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20121012/p4
中島らも氏はコピーライター時代の経験で「中小企業のCMで、あれこれうるさいクライアントを黙らせる最強の方法がある。『社長さん、味があってイメージにぴったりだと監督が申してまして。たいへん恐縮ですが、ぜひご出演を…」といえば、あとはもう順風満帆になる」
それと憲法、同じレベルかっつうの。
もちろん、「大事なことなので繰り返しているのだ、重複には理由があるのだ」との説もある
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2016-05-25/2016052502_03_0.html
人権不可侵削除自民党改憲案が全面削除を企てる、97条の基本的人権の永久不可侵規定―。これは、最高法規の章(97、98、99条)の冒頭に示され、憲法が人権を守る法であるからこそ「最高法規」であることを示す、重要な思想的意義をもつと理解されています。これを乱暴に削除することは、13条の「個人の尊重」から「個」の一文字を削ることとあわせ、個人の尊厳を守るという憲法の本質を踏みにじるものです。
自民党「改憲案Q&A」では、憲法11条と97条が「内容的に重複していると考えたために削除」したと述べています。これは、人権の永久不可侵が「最高法規」の章に位置づく重みを全く理解しないものです。
憲法97条で応酬 細野氏「なぜ削除」 首相「単なる整理」
2016年10月1日 朝刊
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201610/CK2016100102000147.html
三十日の衆院予算委員会で、憲法の最高法規の章で基本的人権を「永久の権利」と定めた九七条を巡り、安倍晋三首相と民進党の細野豪志代表代行の論争があった。首相は自民党改憲草案が同条を削除している理由を「条文の整理にすぎない」と説明したが、細野氏は「九七条は非常に重い。なぜ削除したのか」と批判。自民党草案を改憲議論のベースにすることは認められないとの考えを示した。 (金杉貴雄)
首相は答弁で「党の案をベースに議論したいというのは、私の思いと気持ちだ。わが党は既に案を決めているので、それでやっていただきたい」との考えを示した。一方で「政治の現実において、そのまま通るとは全く思っていない」とも述べた。
首相は、自民党草案も現行憲法の三原則である国民主権、基本的人権の尊重、平和主義は変わらないと主張。一一条も基本的人権を定めていることを踏まえ、九七条の削除は「基本的人権を制約するということではない」と主張した。
これに対し細野氏は、最高法規にも基本的人権が位置付けられている意義を強調。「人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果」などの経緯があることを重視し、自民党草案に懸念を示した。
第5回 基本的人権の歴史性−−97条+11条(水島朝穂−憲法から時代をよむ)
http://www.quon.asia/yomimono/business/column/mizushima/269.php
11条が、人権の総則としての位置づけをもつのに対して、97条ではさらに、基本的人権の「過去」と「現在及び未来」との関係やパースペクティヴを明確にしつつ、最高法規の章に置くことで、基本的人権を憲法のレゾン・デートル(存在理由)にまで高めたものといってよいだろう。とはいえ、法文では重複やだぶりは美学に反する。11条と97条が酷似していることも確かである。だが、第3 章に置かれるはずのものが、「おそらくその位置を誤ったものと評すべきである」(宮澤=芦部補訂・前掲書)と言い切れるだろうか。2004年4 月の自民党憲法調査会では、「憲法97条はほかに同趣旨の条文があるのに、米占領軍の顔をたてて残しただけの無意味な条文であり、削除すべきである」という意見も出された。「制定史に鑑みれば、97条は総司令部から、ホイットニー准将が書いたものだからと懇願されたために残されたにすぎず、こうした条文を放置しておくのは不見識である」(衛藤晟一議員)とまでいわれた。憲法研究者の一部にも、「押しつけ憲法」論批判の脈絡で、この種の指摘が見られる。それでも、衆参両院の憲法調査会では、97条が重複しているから削除すべしという方向にはいかなかった
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