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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

「インターネットが初めて来た時代」を描く漫画「オンラインの羊たち」という作品がある

viewer.heros-web.com

1999年、とある片田舎。3人の中学生男女は、誰にも知られることなく情報を発信できる新たなツールを手に入れた。時間も距離も関係なく、顔の見えない相手とも繋がれる自由なネットの海に、彼らは飛び込んで行って……。忘れられないオンラインの青春が今、始まる! チャットでマニアックな会話を楽しんだり、お絵かき掲示板に常駐したり――“テレホタイム”が待ち遠しくて仕方なかったインターネット黎明期を描いた、ネット時代の新感覚ノスタルジックストーリー!

オンラインの羊たち 1巻 (ジヘン)

オンラインの羊たち 1巻 (ジヘン)

  • 作者:詩原ヒロ
  • 出版社/メーカー: Nagisa
  • 発売日: 2018/11/29
  • メディア: Kindle
オンラインの羊たち 2巻 (ジヘン)

オンラインの羊たち 2巻 (ジヘン)

  • 作者:詩原ヒロ
  • 出版社/メーカー: Nagisa
  • 発売日: 2018/11/29
  • メディア: Kindle

と、いう作品なわけです。

全然存在をしらなかったけど、作者は 詩原ヒロ というかたで
twitter.com

この作品はどこかのアプリで連載されてた。 で、これがアプリ時代、ネット漫画時代のおもしろさだろうけど、そのサイトなのか、また別のサイト?なのか「リバイバル連載」というのが始まったらしいのね。
ああ、あれか、月刊HERO'Sの公式サイトか…以前「異世界もう帰りたい」の時で見つけたよ。そのまま忘れてたよ(笑)


あと、この前のひろゆきインタビューに出ていた「初期のインターネットはほとんど男性がやっていた」が事実かどうかって議論とかするんで、その流れで話題になり、紹介されているようだ。

www.huffingtonpost.jp

その時代の「あるある」も一般常識も、言い残しておかないと伝わらない、と実感

パソコンがテレホーダイの時間じゃないとつなげないなんて当たり前のことじゃん、とかいうのも肌感覚でわかる。だから正直「この作品、当時の当たり前の日常と、それへのリアクションを当たり前に描いてるだけでちょっとひねりがないんじゃない?」と思う部分も最初の最初はあった(笑)

だが、ネット黎明をWIN95の出た1995年とするなら、もう25年、四半世紀。ど根性ガエルの先生の、教師生活と同じ年数なのだ(笑)
そして自分に置き換えてみたまえ。テレビが来てから生まれた子はテレビが当たり前、ビデオが最初から家にあった子はビデオが当たり前だった。
家に初めてテレビが来た日、ビデオを初めて買った日を鮮明に覚えている世代とは、感覚が違っていて当然だったではないか。


それはインターネットも、2ちゃんねるも、Iモードも、ブログも、togetterも、youtubeも、スマホも…まったく同じ道をたどっているのだ。


だから、天下のNHKだって「インターネットの歴史を振り返る」特番を流したし、なんといっても、そういう黎明期を回想する「インターネット老人会」という洒落た造語も生まれた(この造語者は誰ぞ?あなたには、名誉を受ける権利がある)

ゲームには、そんな黎明期を回想する漫画がかなり出ている。

ピコピコ少年

ピコピコ少年

ピコピコ少年EX

ピコピコ少年EX

8bit年代記 (GAME SIDE BOOKS)

8bit年代記 (GAME SIDE BOOKS)



その他リンク集
plan-ltd.co.jp

ならば、
ほぼ隣接ジャンルというか、そこからつながってネット黎明期を語る作品もないではないけど、ゲーム回顧からの派生ではなく、真正面から「インターネットの時代を回顧する漫画」があっても、それは面白いはずだ。

いまは昔のものがたりか、今なおなのか…漫画やアニメにはまったり、その絵を描く人は「オタクだオタクだ」とはやされた時代。

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インターネット黎明期を描く「オンラインの羊たち」


特に田舎、地方だと、マイナーな趣味を「同じように愛好する人」がどこに何人いるのかもわからない。雑誌には「ペンフレンド募集」コーナーが並ぶ。

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インターネット黎明期を描く「オンラインの羊たち」

そんな中でインターネットには、周りでは誰も話をしていない、自分が大好きなあのジャンルの「ファンサイト」がある!!

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インターネット黎明期を描く「オンラインの羊たち」


はい、これらの感覚を、基本、今の20代、30代は「知らない」「実感していない」のです。
ならば、語り継ぐべし。
と、いう作品なわけです。

・人は、自分が生まれた時に既に存在したテクノロジーを、自然な世界の一部と感じる
・15歳から35歳の間に発明されたテクノロジーは、新しくエキサイティングなものと感じられる
・35歳以降になって発明されたテクノロジーは、自然に反するものと感じられる

ダグラス・アダムスの法則
togetter.com

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杉田玄白は「蘭学事始」で解体新書の苦闘を記録する(みなもと太郎風雲児たち」)

書洩かきもらしは? と歴史家が聞く。
 書洩らし? 冗談じょうだんではない、書かれなかった事は、無かった事じゃ。芽の出ぬ種子たねは、結局初めから無かったのじゃわい。歴史とはな、この粘土板のことじゃ。
 若い歴史家は情なさそうな顔をして、指し示された瓦を見た。それはこの国最大の歴史家ナブ・シャリム・シュヌ誌す所のサルゴン王ハルディア征討行せいとうこうの一枚である。話しながら博士の吐はき棄すてた柘榴ざくろの種子がその表面に汚きたならしくくっついている。
 ボルシッパなる明智の神ナブウの召使めしつかいたもう文字の精霊共の恐おそろしい力を、イシュディ・ナブよ、君はまだ知らぬとみえるな。文字の精共が、一度ある事柄を捉とらえて、これを己の姿で現すとなると、その事柄はもはや、不滅ふめつの生命を得るのじゃ。反対に、文字の精の力ある手に触ふれなかったものは、いかなるものも、その存在を失わねばならぬ。
www.aozora.gr.jp

そんなわけで「ふらっとヒーローズ」で「インターネット黎明期回顧マンガ『オンラインの羊たち』がリバイバル連載中」と覚えてもちかえってください。
viewer.heros-web.com


あと、この作品は今現在、「マンガ図書館Z」に載っていたが、「リバイバル連載」に伴って(かな?)マンガ図書館Zから作品公開を引きあげるらしい。
こういう仕組みもあるんだね。

オンラインの羊たち 1
著作者:
詩原ヒロ
提供出版社:
Nagisa
閲覧数:7,087

本作品は2020年02月14日にて掲載を終了しますので、お早めにお読みください!「WEB本棚」に登録されている場合には
終了日に自動で削除されます。
www.mangaz.com
www.mangaz.com

参考別記事

この作品は、あとから当時を回想したものだから、この一覧で探した資料とは違うけど、隣接はしているので。
m-dojo.hatenadiary.com

『8.6秒バズーカー』は「原爆投下日との連想に『十全な検討』が無かった!(意図的でなくても)」と怒られて然るべきなのかなあ(イヤイヤイヤ)

headlines.yahoo.co.jp
集英社は7日、『週刊少年ジャンプ』2020年10号に掲載された連載漫画『僕のヒーローアカデミア』第259話に登場したキャラクター名について、「中国をはじめとする海外の読者の皆様に不快な思いをさせてしまいました」と謝罪した。作者の堀越耕平氏も「大勢の方に大変不快な思いをさせてしまい、誠に申し訳ございません」とコメントを発表した。

【画像】ジャンプ編集部が投稿した『ヒロアカ』キャラ名についての謝罪文

 同作に登場したキャラクター「志賀 丸太(しが まるた)」について、「過去の悲惨な歴史の記憶を想起させるとのご指摘を、中国をはじめとする海外の読者の方々から多くいただきました。『志賀(しが)』は他の登場人物名の一部から、『丸太(まるた)』はその外見から命名したもので、過去の歴史と重ね合わせる意図は全くありませんでした」と説明。

 その上で「しかしながら、『悪の組織の医師』というキャラクターの設定とこれらの名前が合わさった結果、中国をはじめとする海外の読者の皆様に不快な思いをさせてしまいました。事前に編集部が表現について十全な検討を行うべきでした。深くお詫び申し上げます」


「ヒーローアカデミア」未読の作品ですので、当初はあまり追っていなかったのですが(ほぼ、はてブ経由)、そんなブクマなどでちょっと目にしたのが「8.6秒バズーカー」という名前。(その連想に、最初に至った方々に敬意を表します)
これも、すべてはてな経由で見知った話題だったなァ…と思い出すのっでした。もう遥か以前……とオモタら、まだ5、6年前の話かいな!! 
これも自分、ネタ自体はほとんど目にしてねーーー。ラッスンゴレライがコンビ名か、8.6秒バズーカーがコンビ名かもわからんかったし、バズーカじゃなくて最後に「ー」が入るのも初めて知ったわ。


ただ、世界に開かれた窓、はてなブックマークのおかげで、うっすらと騒動は覚えている。

その総括、後日談のような記事が昨年出て、話題になったよね。

times.abema.tv

で、これではなく、配信されたヤフー記事に多くのブクマがついた。
b.hatena.ne.jp
※記事自体は消えてる。ブクマを読んでください


で、当時も、何しろコンビ自体を知らないものだから、とりたてて大きな関心はなかったけど、
「8.6秒の8.6が広島原爆投下の8月6日に由来するなんてこじつけ、デマのたぐいだろう。そりゃまた災難だな」と思った。
いまでもそれにはまったくかわりない。
意図的に、広島原爆投下にちなんだ名前をコンビがつけた、なんて意図にまで踏み込んで決めつけるのは邪推のたぐいだ。


だが。
世は令和になり、テン年代も境を迎えたいまとなっては、別の解釈と判断があろう。

なにしろ、「8.6」は数字としても、そのあとにつくのはバズーカー…軍事用語である。しかも「爆発」と関りある言葉である。

いつしか成立、施行されてた「事前に十全な検討を行わなかった罪」には問われるんじゃないかな???
(※罪とは法的な意味ではありませぬ)


abemaTVのニュースで書かれているこれら……

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8.6秒バズーカーが言われたあれこれ。「意図的」とするのはデマでも「事前に十全な検討を行うべきだった」???


これらも、「意図的にこんな意味を込めてやってた!!」は「バカバカしい、そんなことあるかい」でございますが、「そういうふうに連想されないよう『事前に十全な検討を行うべきだった』のでは?」と言われたら…はてどうしよう。


というか、今回の「ヒーローアカデミアの一件」に関して、8.6秒バズーカーコンビにご意見を伺う、語ってもらうという企画はどうでしょう??
これ、けっこうリーズナブルなギャラで引き受けてもらえるんじゃないでしょうか???

最後の最後に、すごい企画を思いついてしまった。ネットメディアでも活字メディアでも、当方に無断でやってもらってかまいませんよ。(了)


先におの二者の共通性を論じた方がいたようだ

コメンテーターで「BuzzFeed Japan」記者の神庭亮介氏は「まず(お笑いコンビ)8.6秒バズーカーの『ラッスンゴレライ』を原爆投下と関連付けるデマが広がってすごく叩かれたことを思い起こした。実際に読んでみて『731部隊』を強く想起させるような内容ではなかったので、批判がやや強引かなと感じました」と同問題についての印象を語った。

times.abema.tv

漫画「望郷太郎」に説明抜きで「ポトラッチ」が登場したので、超絶おもしろSF「ポトラッチ戦史」(かんべむさし)も紹介したい

まず山田芳裕「望郷太郎」に関しては説明は省く。なぜならこの前、こういう記事を書いたし
m-dojo.hatenadiary.com

1-3話が無料で読めるコーナーもまだあるからだ。
comic-days.com


ようはそういった、いつの時代かわからなけど今から遥か未来……。
それも文明がいったん滅び、前近代的異世界っぽい世界になったと地球を、冷凍睡眠で「現在」から来た日本人が旅をするってSF話。


で、旅するなかで出会った村で、別の村とのまつりがあるのですが、これが「ポトラッチ」なんです。

ポトラッチ。
はいこれ、基礎教養だよね?みんな説明抜きでしってるよね……?  ってことがあるわけねー。サブカルというかSF的、民俗学的伝奇的なことを知りたがる界隈でしか通じない。
togetterで結構話題になる「あなたの『四神』はどこから?」「あなたの『臨兵闘者皆陣烈在前』はどこから?」と同じよーなもんだ。少なくとも義務教育で教えてくれるような知識ではないはず。

ところが山田芳裕はやっぱりガチで、これをナレーションで説明とかしてくれない。白土三平梶原一騎は、実はお母さんのようにやさしかったのだ。

しかし、まったく説明抜きにポトラッチが出てくるから、その異様な迫力や、「全く理解できないが、何かの論理と共有されている常識が、あの世界にはあるんだろうな」…と感じさせるものがあるのも事実。
では、実際に見てみよう。

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山田芳裕「望郷太郎」で描かれた『ポトラッチ』
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山田芳裕「望郷太郎」で描かれた『ポトラッチ』
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山田芳裕「望郷太郎」で描かれた『ポトラッチ』
以上、週刊モーニング7、8号より

例によって、サイト「コミックDAYS」有料会員なら、まだまとめて読める。
comic-days.com

ja.wikipedia.org

チヌーク・ジャーゴンで「贈る」または「贈り物」を表す言葉に由来する。ポトラッチは太平洋岸北西部先住民族の重要な固有文化で、裕福な家族や部族の指導者が家に客を迎えて舞踊や歌唱が付随した祝宴でもてなし、富を再分配するのが目的とされる。ポトラッチは子供の誕生や命名式、成人の儀式、結婚式、葬式、死者の追悼などの機会に催された。太平洋岸北西部先住民族の社会では、一族の地位は所有する財産の規模ではなく、ポトラッチで贈与される財産の規模によって高まった。ヨーロッパ人と接触する以前は、保存性のいいキャンドルフィッシュ(Thaleichthys pacificus)の油や干物、カヌーが贈与され、特に裕福な者のポトラッチでは奴隷が譲与されることもあった。

白人との交易が活発になると、先住民族社会の富の偏在が先鋭化し、また疫病の流行により部族内の重要な地位に空きができたことから18世紀後半から19世紀初めにかけてポトラッチのインフレーションが起こった。食料では、干物の他に砂糖や穀粉が分配されるようになり、毛布や金属製品、等価交換の媒体として用いられる装飾された金属、現金までが贈与された。等価交換の度が行き過ぎて、片方が貴重な品を破壊するともう片方もそれと同じ価値の品を破壊する、というふうに、分配された品物が受け取られた直後に破壊されることもあった。クヮクヮカワク族などでは社会的地位をめぐりポトラッチ開催の競争が起こった。


頼みのウィキペディアもいまいちわかりにくい。俺なりにもっとざっくりいうと
アメリカ大陸先住民の風習で、部族同士で「贈り物」をする。
・それは単なる好意ではなく「こんな贈り物をできる俺らはSUGEEEんだぞ。お前らはその下な」を意味し、上下関係や主従関係を左右する。
・それはどこかで過剰になり「貴重なものを相手にあげる」ではなく「貴重なものを目の前でぶっ壊す」にまでなる。


・・・・・・という、実在した風習なんです。初めて聞いた時はおいらも「いやー、なんて奇妙キテレツな風習なんだろう」と思いつつ「いや、そこに至る思考過程は、なんとなーくわかるな」とも思ったものでした。

で、これを題材に、80年代の現代思想、ゲンダイシソーは「過剰と蕩尽」だとかバタイユだとか栗本慎一郎だとか、そのへんがこのへんをあれこれ言ってたらしいし、自分も確かにそれで断片的に知識を得てはいるのだが、そんなものを紹介するほど俺は暇人ではないし、悪人でもない。
金銀財宝盗んでも、畜生外道と現代思想語りは許せねえ。



だから紹介するのはかんべむさし「ポトラッチ戦史」のほうなのである。長編化ものちにされたらしいが、そっちは未読だ。

中核は、けっこう単純なワンアイデア・ストーリーなのである
世の中、いいんだかわるいんだか、最近はこういうフィクションのあらすじ書いていかがでしたかなサイトもあり
ara-suji.com
実際にこれを読めばあらすじはつかめるんだけど、ちょっと業腹なので自分なりに語る。

コロンブスが、探検の旅の中でポトラッチに出会う(事実)
コロンブスはこの風習を、タバコや梅毒のように(笑)、欧州に持ち帰る。そしてポトラッチはたばこや梅毒のように、欧州から世界中に広まる(笑)
・ポトラッチはある意味戦争の代わりであるから(事実)、以降の世界の歴史は「戦争」に「ポトラッチ」が代入される。
・つまり、第一次世界ポトラッチの惨禍のあと、ヒトラースターリンルーズベルトや東條が、さらにすさまじい「第二次世界ポトラッチ」を……


ここの「パピルス」という電子書籍サイトでは、一篇から読めるっぽいが。
サンプルより。

… 「ええ、それでは唯今より、ソ連邦の名において、米中両国に対し、礼をつくさせていただきます」
 アナウンサーは言い、採掘されたダイヤモンド鉱を無造作につかんで、かたわらに設置された超高熱炉の中へ放り込んだ。
 「さあ、皆もやってくれたまえ」
 声に応じて、採鉱夫達がワッとむらがり、我がちにダイヤを投棄しはじめた。
 「この、この」
 「ダイヤ鉱、燃やしてみればただの炭」
 画面がかわり、シベリアの大森林地帯が写った。飛行機からの空撮だった。
 「紹介しましょう」
 別のレポーターが快活に言った。
 「ピオネール少年団の諸君達です」
 眼下にひろがる無限ともいえる巨木の陰から、これまた無限とも思える子供達が現われ、空を見あげて手をふっていた。それぞれの手の先でキラキラと光っているのはノコギリらしい。
 「この母なる大地の大森林と、それを倒す彼らの貴い労働力。この二つの価値を同時に提供いたしましょう」
 合図があったらしく、少年達はいっせいに巨木の根本でノコギリを使いだした。何十万何百万本の銀の刃が、キラッキラッと規則正しく光っている。光って地の果てまでつづいている。
 「ふうむ」
 大統領は腕を組み、ため息をついた。
 「手強い奴らだな」
 「こちらも、よほど覚悟を決めませんと」
 「中国はどうなんだ」
 「すぐ写ります。これもなかなかです」
 地肌に蟻の大群が写った。ウジャウジャと集まり離れ、動いている。これも空撮だ。
 「奴ら、何をしているんだ」
 「いまに分ります」
 グッとカメラがアップした。
 「あっ」
 ブラウンは思わず声をあげた。
 「万里の長城を崩している」
www.papy.co.jp

書いててなんだけど バカバカしいな、この話!!

しかし、そのバカバカしさこそが、異能のSF作家かんべむさしの真骨頂であり、われわれはそれに熱狂したのでした。

うちでは「かんべむさし」について以下のような記事を書いていたけど
かんべむさし の検索結果 - INVISIBLE D. ーQUIET & COLORFUL PLACE-

気合を入れて本格的に書いたのはこれぐらいか。
m-dojo.hatenadiary.com

かんべむさし作品を再度紹介して、再ブームを作りたい、という夢想はしているんだけど、力不足で果たせていません。
少しツイートしたものを、ほかの人がまとめてくれてた。
togetter.com


補足続報 「20年25号」にて、文章での『ポトラッチ』解説記事が掲載された。筆者は中沢新一氏だが…

描いたあと、「あっ、ポトラッチの説明全然してねーや、通じないかもしんね」とやっと気づいたんだなコレ(笑)

連載が再開された、週刊モーニング 2020年25号にて、ポトラッチの解説記事が載っていた。
ただ、執筆したのは、学問的な姿勢にさまざまな批判のある中沢新一氏であったことも、批判的に付け加えておきたい。

シャーロック・ホームズが『どう愛されてきたか』を追ったノンフィクション『〈ホームズ〉から〈シャーロック〉へ』



ドイルによるその創造から、世界的大ヒット、無数の二次創作、「シャーロッキアン」の誕生とその活動、遺族と映画/ドラマ製作者らの攻防、そしてBBCSHERLOCK』に至るまで――

140年に及ぶ発展と受容のすべてがわかる、初めての一冊。
ミステリマニア必携の書!

受賞!
スウェーデン犯罪小説作家アカデミーベスト・ノンフィクション賞/ドイツ・シャーロック・ホームズ協会青いカーバンクル賞/アガサ賞ベスト・ノンフィクション賞/ロンドン・シャーロック・ホームズ協会トニー&フリーダ・ハウレット文学賞


(…)これは「シャーロック・ホームズ」というキャラクターの創造と発展と受容を本格的に総合し俯瞰した、世界で初めての研究書なのだ。
コナン・ドイルの伝記は、彼が亡くなった一九三〇年で終わる。しかし本書では、ドイルの遺族たちがその後「シャーロック・ホームズ」に振り回される姿が、辛辣に描き出されている。また映画の研究書ではあまり描かれることがない、クランクインに至るまでの関係者の駆け引きや苦悩、さらに作られずに終わってしまった顚末までが語られる。
そして今まで日本ではほとんど知られることがなかったのが、「シャーロッキアン」がどのようにして生まれ育っていったのかということだ。(…)本書のおかげで、英米シャーロッキアンたちがどのようにして「シャーロック・ホームズ」を受容し育てていったのか、そしてどのような騒動に巻き込まれ、道を阻まれようとしてきたのかが、わかるようになったのである。(平山雄一「監訳者あとがき」より)
内容(「BOOK」データベースより)
ドイルによるその創造から、世界的大ヒット、無数の二次創作、「シャーロッキアン」の誕生とその活動、遺族と映画/ドラマ製作者らの攻防、そしてBBCSHERLOCK』に至るまで―140年に及ぶ発展と受容のすべてがわかる、初めての一冊。ミステリマニア必携の書!

著者について
マティアス・ボーストレム(Mattias Boström)
1971年、スウェーデン生まれ。作家、編集者、シャーロック・ホームズ研究家。ベイカー・ストリート・イレギュラーズに所属するシャーロキアンとして、30年にわたり精力的にホームズに関する執筆活動と、書籍、冊子の編集に従事している。本書のスウェーデン語版Från Holmes till Sherlock は、スウェーデン犯罪小説作家アカデミーのベスト・ノンフィクション賞を受賞した。また、英語版はアガサ賞ベスト・ノンフィクション賞を受賞し、エドガー賞候補にもあげられた。ストックホルム市郊外に妻とふたりの娘と暮らす。

平山雄一(ひらやま・ゆういち)
1963年、東京都生まれ。東京医科歯科大学大学院歯学研究科卒業、歯学博士。日本推理作家協会、『新青年』研究会、日本シャーロック・ホームズ・クラブ、ベイカー・ストリート・イレギュラーズ会員。著書に『明智小五郎回顧談』(ホーム社)、『江戸川乱歩小説キーワード辞典』(東京書籍)など、訳書に、ジャック・フットレル『思考機械【完全版】』(全二巻)、バロネス・オルツィ『隅の老人【完全版】』(以上作品社)、ファーガス・ヒューム『質屋探偵ヘイガー・スタンリーの事件簿』(国書刊行会)など。

ないとうふみこ
上智大学英語学科卒業。翻訳家。訳書に、アンドルー・ラング『夢と幽霊の書』(作品社)など。子どものころからの野球ファンでもあり、フィル・ペペ『コア・フォー──ニューヨーク・ヤンキース黄金時代、伝説の四人』(作品社)の訳書もある。

中村久里子(なかむら・くりこ)
立教大学文学部心理学科卒業。翻訳家。訳書に、ヨナス・ヨナソン『世界を救う100 歳老人』、『国を救った数学少女』、スザンヌ・ジョインソン『カシュガルの道』(以上西村書店)など。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
ボーストレム,マティアス
1971年、スウェーデン生まれ。作家、編集者、シャーロック・ホームズ研究家。ベイカー・ストリート・イレギュラーズに所属するシャーロキアンとして、30年にわたり精力的にホームズに関する執筆活動と、書籍、冊子の編集に従事している。スウェーデン語版Fr〓n Holmes till Sherlockは、スウェーデン犯罪小説作家アカデミーのベスト・ノンフィクション賞を受賞した。また、英語版はアガサ賞ベスト・ノンフィクション賞を受賞し、エドガー賞候補にもあげられた。ストックホルム市郊外に妻とふたりの娘と暮らす

平山/雄一
1963年、東京都生まれ。東京医科歯科大学大学院歯学研究科卒業、歯学博士。日本推理作家協会、『新青年』研究会、日本シャーロック・ホームズ・クラブ、ベイカー・ストリート・イレギュラーズ会員


まだ読んでいない。
上に紹介した北原尚彦氏の3ツイートとAmazon紹介文を読んだだけだが、これはもう推理ではなく、俺の直感が、「この本はおもしろい」と言っている!!!


9日UFCはジョン・ジョーンズ登場!!…なんだけど、相手の計量がギリギリだったようで…


――JJはUFCの“パウンド・フォー・パウンド”ランキング1位と、まさに“最強の中の最強”ではありますが、2018年12月に復帰以降の戦いぶりに「ちょっと物足りない」との声も一部であります。高阪さんはどう感じていますか?

「たしかに、以前のように超アグレッシブに攻めるシーンは少なくなっていますね。大人の戦いをするようになったというか。ただ、要はポテンシャルがそもそも高いので、相手の攻撃を流しながら自分の距離やタイミングでしか攻撃を出さない、という戦い方をしても、そこまで攻め込まれることがないと思うんです」

――やや安全策をとっても、しっかり勝つことができている、と。

「例えば、アグレッシブに攻めることを信条としていた選手が“ちょっと俺は戦い方を変えた方がいいんじゃないかな?”と思って、ややディフェンシブな戦い方に変えると、大概やられるものなんですよ。でも、JJはそうなっていないということは、より無駄のない攻めができるようになっている。だから競技者目線からすると納得できるんです。それが昔のJJらしくないと言えば、そうなんですが(笑)」


gonkaku.jp


しかし、隙の無いJJに挑戦する立場の相手は…


だいじょぶかね。いまやってる「はじめの一歩」の木村みたくなるんじゃないか? 1R序盤からもうラッシュとかさ。

WWEのリングに『原爆の復讐に来たヒロヒト』が登場寸前だった…という話(なんかタイムリーなネタになっちゃった)

この前、この本を紹介したら
m-dojo.hatenadiary.com

望外の…本当に予想以上の反響をいただきまして、驚いた。


その時に、「書きたいエピソードが多いので、いくつかは時間あれば、独立した話にしたい」と書いたのですが、そのうちのひとつを。

ただ、これも本当に偶然ながら、なんか超タイムリーなネタになっちゃった。エンタメのコンテンツと、史実を想起させるという問題と……

以下、同書から。
※なぜ猪木対アリにマクマホンが絡むのかといえば、この映像が当時のWWFでは会場に生中継され、現地での二元中継興行(サンマルチノvsハンセンとアンドレvsチャック・ウェプナー)になっていたから。マクマホンの自己申告では、ホテルの部屋でアリをあっさりテイクダウンして、プロレスラーとの異種格闘技でボクサーが不利なことを教えてあげた、というが…

p194より

…時代の精神に盾突くことでうまくいく、という意味で、プロレスというのはじつに不思議なジャンルだ。ときには、人の興味を引くためならどんなことにも飛びつく意地汚さを見せることもある。アングルやストーリーがマンネリ化すれば前に進めない。大きく方向転換することになっても、群衆の心をつかむ新しい方法を探さなければならない。

WWEでマディガン(※WWEのプロレスのストーリーやキャラを考える担当)と仕事をしたレスラーに、新日本プロレス出身の鈴木健三がいた[2004―05年]。いい素材と見込んだマディガンは、彼に古臭い役柄を押しつけたくなかった。日本人レスラーといえば、かつてはサムライが演じられた。忍者もいた。陳腐な役柄だ。

「そこでマディガンはマクマホンに、昭和天皇の曾孫ヒロヒト、が一族の名誉と文化遺産の復讐を果たすために乗りこんできたという筋書きを提案した。「理由は神のみぞ知る、さ」と、マディガンは笑って言った。「私はこう言ったんだ。『想像してみてくれ。あなたはスクリーンを見ている。とつぜん原子爆弾が爆発するところが見える。そして、きのこ雲の中からアジア人のふたつの目がこっちを見つめている』。ビンスは狂喜した。このアイデアを気に入ってくれた。それも大いに。『それはすばらしい』と言ってくれたんだ」

マクマホンは米軍が落とした核兵器で壊滅的な打撃を受けた広島の記録映像を購入し、プレゼン期間中のアリーナにきのこ雲の中からこっちを見つめているふたつの瞳を展示した。誰かがバケツ一杯の血をスクリーンに投げ、それが目の上に流れ落ちるというアングルまで展開した。


ヒロヒトが来る」と、スクリーンに文字が浮かぶ。
スマックダウン・ライブ」で、この映像は一度だけテレビに流れた。WWEの主力番組「スマックダウン・ライブ」で、レスラーたちはいったいなんのことかと首をひねっていた。マクマホンはひとり悦に入っていた。
「私も有頂天で浮かれまくっていた」とマディガンは言った。二日後、本社オフィスに戻ると、ビンスが入ってきた。ヒロヒトの話はなしだ』と彼が言う。『二度とヒロヒトという名前は口にするな。なかったことにしろ』


「マディガンによれば、「このプロモーションとそれが暗示するところに激怒した皇室関係筋が激怒し、日本からWWEを追放すると脅してきた」というのが理由だった
鈴木健三の妻浩子がWWE首脳にこのギミックについて抗議したとの報道も。それを契機に浩子は日本人初のディーヴァとしてWWEと契約を交わす)

マディガンはナチスのギミックを提案したこともあった。まっすぐ伸ばした脚を高く上げて行進するナチス党員のバロン・フォン・ボビンが、スイス・アルプスで凍りついたまま発見されたという別れ込みだ。マクマホンは立ち上がり、無言で退席した。これは採用されなかったが、採用されたものもあったし、それによって苦情が舞いこむこともあった。ユージンという知的障害をかかえたキャラクターや、英国教会から追放されたモルデカイというキャラを作ったときだ。

「英国教会や日本の皇室と面倒を起こしちゃいけないなら、仕事を放棄するしかないな」と、マディガンは皮肉めかした。

アリ対猪木――アメリカから見た世界格闘史の特異点

アリ対猪木――アメリカから見た世界格闘史の特異点

マディガンさん、反省とかまったくしてません(笑)
マクマホンはマクマホンですっとぼけてやがる(笑)

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プロレススターウォーズより すっとぼけるビンス・マクマホン・ジュニア
しかし、お天道様、ライジングサンはお見通しでいっ。
1回だけしか流れなかったプロモビデオ、プロレスマニアはちゃんと録画して、動画をぶっこんでるんだよyoutubeに(いつ消えるかはわからんが)
自分もこれを初めて視聴する。
www.youtube.com


これは・・・・・・・・


だが、自分はやってみりゃ良かったと思っている。プロレスという文化の厚みが、ポリコレをどこまで越えられるかの試みとなったであろう。それに、マディガン氏の言うことが正しいなら「皇室関係筋(WWEの動向を抑えてるなんて、どのスジだよ!!?)」による「政治的圧力」になりかねないではないか。WWEトリエンナーレだ。


この話、昔から自分が知ってたんだから、たぶん一度、リアルタイムで斎藤文彦氏が書いていたと思う…と、俺SUGEEEE、あったよ!!2004年の記事だ

m-dojo.hatenadiary.com
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いま、日刊SPA!で古いコラムを再掲載しているから、ひょっとしたらネットでも読めるかもしれない…が、載せないかなこれは(笑)?


ただ、それで鈴木健想の妻、鈴木浩子が誰もが恐れるボス、ビンス・マクマホンにクレームをつけ、そのはっきりした態度が逆に気に入られ日本人初のディーバたるゲイシャのヒロコに…が事実なら、一種の武勇伝なのだから、今は千葉県会議員をやっている彼女に「詳しく語ってくれ」と言ったら、勇んで話してくれるかもしれないな。
この本にも書いてあるかも。

ゲイシャ・ガール、リングに上がる

ゲイシャ・ガール、リングに上がる

ウィキペディアにも少し

…当初は健想のみの契約の予定であり、健想はリングネーム「ヒロヒト」での登場が予定され、予告ビデオも作成された。この一連の扱いは日本や昭和天皇に対してあまりにも失礼である、とWWE上層部に浩子が抗議したところ、一転彼女がビンス・マクマホンWWE上層部に注目されるようになり、健想のギミック修正だけではなく、本人も予想もしていなかった「鈴木浩子自身のディーヴァ契約」に至った。

当初はWWEから働かないかと持ちかけられ、「イエス」と答えていたがそれは裏方としての仕事として認識していた。また会場で他のスタッフから芸者についてやたらと訊かれ、それについて調べ作成したファイルを重役に渡したところ、そのファイルを一瞥されただけで「あなたは出来るのか?」と質問され、そこで初めてディーヴァとしての契約だったことに気付いた。そこで健想が「イエス」と答えてしまった、という裏話がある。


WWEでは白塗りの「ゲイシャガール」のギミックで登場し、主に健想をサポートするマネージャー役を演じていた。実際問題として、英語が堪能な彼女が通訳としてついた方が楽だったと言うこともあった。また健想自身も英語が殆どしゃべれない、という日本人レスラーの伝統的なギミックを演じていた。この役の勧誘をWWE側から受け、あまりの馬鹿馬鹿しさに怒り当然断ることを夫の健想に告げると、「何?おまえはWWEに認められたんだぞ!おまえはなんてラッキーなんだ!」と大喜びされ、断りきれずなし崩し的にゲイシャガールデビューしてしまったと語っている。
ja.wikipedia.org


あと、マディソン氏はまだこのアイデアが自慢のようなので、これもインタビューすれば語ってくれそう。どこかのメディアが、このヒロヒト騒動を再度聞いてみないか?
ヒーローアカデミアやあいちトリエンナーレとも引っ掛けてさ。



ちなみに、カルガリーで武者修行の若手たちの面倒をみたり、ブリティッシュ・ブルドックス移籍劇の立役者になったミスター・ヒトの「ヒト」だが。

 カルガリースタンピード・レスリングの本拠地パビリオンのリングで安達さんにレスリングを教わっていたころのブレットは、まだ学生っぽさが抜けない21歳で、いちばん下の弟――やがて“カルガリーの天才”と呼ばれることになる――オーエンはまだ中学生。安達さんは、昭和天皇ヒロヒトの“ヒト”を拝借したミスター・ヒト様だった。
nikkan-spa.jp

ミスター・ヒト。この不思議な名前は、人でなしのヒトではなく、アメリカのプロモーターに昭和天皇裕仁だからミスター・ヒロヒトを名乗れと言われ、恐れ多いし殺される・・・とミスター・ヒトにしたそうです。

ミスター・ヒトsadgeniu.wordpress.com

アントニオ猪木ジャイアント馬場上田馬之助キラー・カーン、A・ザ・ジャイアント……プロレス史に燦然と輝くスターたちの素顔とは? 昭和プロレス界の歴史を歩み、馳浩橋本真也らを育てた伝説のレスラー、ミスター・ヒトが中島らもと出会い、大槻ケンヂ夢枕獏も参戦し、プロレス界の裏側をしゃべり倒す!
プロレス黄金時代を築き上げたレスラーたちの輝かしい伝説からスリリングなゴシップネタまで。作家の中島らもが聞き手となって、数多くの名レスラーを育て上げた名コーチであり、元レスラーのミスター・ヒトが、プロレス界の内幕を徹底的に暴露する! 単行本刊行当時、プロレスファンに大きな衝撃を与えた暴露本の名著が、ついに文庫化。文庫版特別企画としてミスター・ヒトのロングインタビューを収録。文庫版の解説は吉田豪杉江松恋

内容(「BOOK」データベースより)
アントニオ猪木ジャイアント馬場上田馬之助キラー・カーン、A・ザ・ジャイアント…プロレス史に燦然と輝くスターたちの素顔とは?昭和プロレス界の歴史を歩み、馳浩橋本真也らを育てた伝説のプロレスラー、ミスター・ヒトが中島らもと出会い、プロレス界の裏側をしゃべり倒す。大槻ケンヂ夢枕獏も参戦!文庫版特別インタビューを巻末に収録。

本郷和人vs亀田俊和勃発?/呉座勇一氏も新刊

亀田俊和氏、本郷和人と門井慶喜両氏の対談新書を酷評




ということで、「本日」これを通読するのだそうです。もっと辛辣にいろいろ追加ツイートがあるかもしれません

…というか正午現在、リアルタイムで読みながら書評ツイートしてるよ!!
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日本史を変えた八人の将軍 (祥伝社新書)

日本史を変えた八人の将軍 (祥伝社新書)

将軍がわかれば、日本史がわかる
日本史のなかで、700年にわたり政権の座にあった武家。その中心である将軍が日本史におよぼした影響について、将軍8人と将軍にならなかった2人から読み解いていく。鎮東将軍、征西将軍などさまざまな将軍があるなかで、なぜ征夷大将軍だけが武家の棟梁とされ、幕府を開くことができたのか。将軍権力(軍事と政治)はどのように変化していったのか。そして、彼らは日本史をどう変えたのか。中世政治史を専門とする東大史料編纂所教授と、『家康、江戸を建てる』などで知られる直木賞作家が、知識と想像力の限りを尽くして、命題に迫る!<以下、目次>
序 将軍とは何か
第一章 坂上田村麻呂――すべてはここから始まった
第二章 源頼朝――頼朝が望んだのは征夷大将軍ではない!?
第三章 足利尊氏――うかがい知れない英雄の心中
第四章 足利義満――最大の権力者が求めたもの
第五章 織田信長豊臣秀吉――将軍権威を必要としなかった覇者
第六章 徳川家康――今も影響を与え続けている家康の選択
第七章 徳川吉宗――幕府中興の祖がなしえなかったこと
第八章 徳川慶喜――英明か、凡庸か。勝利者か、敗残者か
第九章 西郷隆盛――近代最初の将軍であり、封建制最後の将軍
結 将軍が日本史に果たした役割
内容(「BOOK」データベースより)
日本史のなかで、七〇〇年にわたり政権の座にあった武家。その中心である将軍が日本史におよぼした影響について、将軍八人と将軍にならなかった二人から読み解いていく。鎮東将軍、征西将軍などさまざまな将軍があるなかでなぜ征夷大将軍だけが武家の棟梁とされ、幕府を開くことができたのか。将軍権力(軍事と政治)はどのように変化していったのか。そして、彼らは日本史をどう変えたのか。中世政治史を専門とする東大史料編纂所教授と、『家康、江戸を建てる』などで知られる直木賞作家が、知識と想像力の限りを尽くして、命題に迫る!

著者について
本郷和人
東京大学史料編纂所教授、博士(文学)。1960年東京都生まれ。東京大学文学部卒業、同大学院人文科学研究科博士課程単位取得退学。東京大学史料編纂所に入所、『大日本史料』第5編の編纂にあたる。東京大学大学院情報学環准教授を経て、現職。専門は中世政治史。著書に『乱と変の日本史』など。

門井慶喜
小説家。1971年群馬県生まれ。同志社大学文学部卒業。2003年「キッドナッパーズ」で第42回オール讀物推理小説新人賞、2016年『マジカル・ヒストリー・ツアー』で第69回日本推理協会賞(評論その他の部門)、2018年『銀河鉄道の父』で第158回直木賞を受賞。著書に『家康、江戸を建てる』など。

本郷氏のほうは言う必要もない有名な歴史家ですが、門井氏は「内政チート時代劇」であるところの「家康、江戸を建てる」の作者というと通じるかと

家康、江戸を建てる (祥伝社文庫)

家康、江戸を建てる (祥伝社文庫)

家康、江戸を建てる [DVD]

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「水を制す」

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呉座勇一の本

日本中世への招待 (朝日新書)

日本中世への招待 (朝日新書)

「中世史に詳しい」と自負する歴史ファンにとっての中世とは、
大きな合戦や信長や信玄などの武将を指すのではないだろうか。
中世は戦が相次ぐ時代ではあるが、人々は毎日戦っていたわけではない。
彼らは当然、私たちと同じような日常を送っていたのだ。
それでは、中世に生きる人々の暮らしはどのようなものだったのか? 結婚や離婚、出産や葬儀、遺産相続、さらには旅行や接待、出向まで、
今に繋がる中世日本人の日々の暮らしや習慣を詳細に読み解く初めての一冊。

庶民と酒を酌み交わす殿様もいた!
漢字を書けない鎌倉武士。
居眠りを禁じる武家の道徳教育。
前妻が後妻を襲う「後妻打(うわなりうち)」。

戦ばかりではない、今に繋がる日本人の生活がここにある!

戦の世における、人々の日常生活とは
山伏や陰陽師などにより祈祷が捧げられた出産、
口を開けて舌を出したり、唾を飛ばすことを戒める武家の家訓、
死傷者まで出た、子どもの日の石合戦、
現代と変わらない、年長者による説教と自慢話……。
知られざる、中世日本人の姿に迫る!

[目次]
はじめに
【第一部】 人生の歴史学
●中世の家族
女性天皇は中継ぎか?/氏から家へ/中世的「家」は男系継承/中世的「家」は永続が義務「/一夫一婦制」の成立/婿取婚から嫁取婚へ/鎌倉武士は嫁取婚/源義経の嫁取婚/北条政子の「後妻打」/中世百姓の「家」と結婚/中世女性の離婚/離婚・再婚の男女不平等/中世の「妻敵打」/中世の財産相続/中世武士の兄弟関係

●中世の教育
日欧の教育の違い/武家の道徳教育/文武両道の勧め/武家帝王学/一般武士の識字能力/ 顕密寺院での高等教育/顕密寺院での初等教育/貴族社会での初等教育/禅僧が朱子学を教えた/禅院の実学志向/足利学校の「再興」/足利学校の教育/寺院学校の普及/庶民の教育

●中世の生老病死
中世の産屋/出産は公開されていた?/出産のケガレ/中世の老い/中世の医療/中世の医科/貴族の葬送/庶民の葬送とケガレ

【第二部】 交流の歴史学
中世の宴会/中世の寺社めぐり/中世の誕生日会/中世のお正月/中世の外国人/中世の集団生活/中世の接待/中世の遊戯/中世の手紙/中世の贈答/中世のものまね/中世の旅行案内人/中世の旅行/中世の花まつり/中世のこどもの日/中世の見物/中世の同僚/中世の「出向」/中世のおもてなし/中世の引っ越し/中世の自慢話/中世の悪口/中世の人生相談/中世の対談/中世の読者

【 付録 】 さらに中世を知りたい人のためのブックガイド
網野善彦 『日本の歴史をよみなおす(全)』(ちくま学芸文庫)
藤木久志 『雑兵たちの戦場』(朝日選書)
清水克行 『 世界の辺境とハードボイルド室町時代』(集英社文庫)
ほか

おわりに
出版社からのコメント
現代でも話題になる結婚や離婚、
誰もが不安を抱く病気や葬儀、
それに伴う遺産相続、
将来を見据えての教育体制……。

それらは、中世の日本でどのように行われてきたのか?その他、年始の挨拶やお中元、引っ越しから旅行まで、中世の日本人の習慣を詳細に読み解く一冊。