激動の時代を乗り越えろ! 「国家再建」「経済再生」「地方復興」を成し遂げた奇跡の主従の物語。 『わが殿』(畠中 恵・著) https://t.co/ZIa96Lkti7
— 本の話@文藝春秋BOOKS (@hon_web) November 27, 2019
- 作者: 畠中恵
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
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幕末期、ほとんどの藩が財政赤字に喘ぐ中、大野藩も例外ではなかった。
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藩主・土井利忠は、様々な藩政改革を断行し、多額の借金を抱える藩財政を立て直そうとする。その執行役として白羽の矢が立てられたのが、若干八十石の内山家の長男である七郎右衛門良休。
四歳年下の殿の人柄と才覚に惚れきった七郎右衛門は、己の生涯を懸けて利忠と向き合い、時には反発しながらも、大野藩の再生に奔走する。
話が、ここからつながります
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そこでも紹介している、ノンフィクション作家関川夏央氏が分析した「おじさんはなぜ時代小説が好きか」で、時代小説が好まれる理由を書かれています
……時代小説、といっても、現代の作家が描くわけですから、基本的には現代の物語なのですが、現代を舞台にすれば、生々しすぎたり、そらぞらしくなったりしかねない物語が、江戸を舞台にすることで、根も葉もある大人のおとぎ話になる…
- 作者: 関川夏央
- 出版社/メーカー: 集英社
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これを読んで自分は「異世界ファンタジー」の隆盛と、まったく同じじゃん、と思ったのですね。
これはまだ「仮説」でいいのだが、おもしろさの「核」のようなものは同じで、それが、おじさん向け?に時代小説になったり、若者向け?に異世界ファンタジーになったりするとしたら、それ自体が興味深いじゃー、ありませんか。
かつてサルまんでは「忍者まんがは無くなっているのではなく、エスパーまんがに形をかえているのだ」と喝破したことがあったっけ。
そういう視点から、「内政チート異世界ファンタジー」と同様に「内政チート時代劇」があっておかしくない。いや、ほんとにあったのかもしれない。むしろ先輩かもしれない。
それが、上記リンク先記事で紹介されている各種小説であり「家康、江戸を建てる」はドラマにもなった
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ていうか、公開中の「決算!忠臣蔵」も、一種の内政…チートと言うかどうかは知らないけど、まあ合戦、討ち入りなどをデスクワークの場面から構築するわけですから大きく同ジャンルだと思うのですね
映画『決算!忠臣蔵』予告30秒 11月22日(金)全国ロードショー
ずらずらと並べて、本題に来てないのでやっと戻るけど(笑)「わが殿」はちょっと前に新聞連載小説だったので、だいたい内容を読んでいるのですね。
「幕末」が始まろうとしているとき、ちょっと小さめの藩が、若き君主のもとで改革を行おうとする。その藩主を、ひそかに「織田信長の再来ではないか」と見立てていた、その近習の侍。
殿は、この侍を抜擢し、借金の整理や新しい財源を作れ、と命じる。
いきなりそんな大役を任された彼は目を白黒させつつ、鉱山開発や新商品開発、それを大阪のような消費地で高く売れるシステムの構築…などに乗り出す。
そんな中で、彼は商人や技術者からも大いに学び、生きた「経済」の在り方を一から学ぶ。
しかし、急な改革には当然ながら守旧派、反対派が生まれ、彼の失脚どころか、暗殺まで狙う一派が現れる。
そして、えっちらおっちら彼が財政再建を進めても「わが殿」は突然、あらたな”浪費”を始める。学問所?最新の銃?なぜ、そんなものが必要なのだーーーーーーーーーー
おもしろいのは、「わが殿」は、―――これはひとつのパターンにもはやなっている、まあホームズ以来なんだけど、藩政改革の実行者・内山七郎右衛門良休は、有能で能動的な主人公なんだけど、一種の「ワトソン役」を兼ねているんだよね。
彼のような有能な人物から見ても、さらに「わが殿」・土井利忠はミステリアスな存在で、本音、何を考えているかはわからない。いろいろと先駆的な構想はあるようだがーーー。
そこを”忖度”しつつ、主人公が外からその謎の主君を眺める、そこが読ませどころ。
そして、次々と新事業や新財政に取り組み、成長発展しているところは確かに俺TUEEEE的な内政チートでもあるんです。
だから、この作品は時代小説が好きな人だけでなく、「異世界内政チートもの」が好きな人に敢えて読んでほしいと思う。
@mizunotori さんみたいな人がね(このかたは別に内政チートや異世界だけ読んでいるわけじゃないのだが)
kazenotori.hatenablog.com
mizunotori
@mizunotori
ライトノベルの話しかしません。 https://marshmallow-qa.com/mizunotori
東京都kazenotori.hatenablog.com
そういう話です