数万人の書き手が日夜アイディアを競ってるWeb小説サイトとアイディア勝負しても勝てるわけないんだから、プロとしての実力を示すなら奇を衒わずに正攻法でいけばいいのに、なぜかブラックなパロディとかアンチテーゼみたいなのを狙ってしまいがち。
— mizunotori (@mizunotori) 2021年6月10日
Web小説サイト、軌道に乗らなければ書くのをやめてもいいから、とにかく皆でたくさんのアイディアを出していって、誰か一人でも秀逸なアイディアを出してきたらそれに乗っかって、その上でまたアイディアを出していく、みたいなのが許される環境なので、ブレインストーミングみたいなもんだし、
— mizunotori (@mizunotori) 2021年6月10日
もともと二次創作界隈の影響が強いだけあって、テンプレに対するパロディ意識も旺盛だから、いくらプロ作家といえども一人でアイディアを捻り出すだけではたいてい既出のものしか出てこないんですよね。そして商業作品は「失敗してもいい」なんてことはなく一発勝負で決めなきゃいけないからつらい。
— mizunotori (@mizunotori) 2021年6月10日
これ、自分が材料無しに、徒手空拳(机上の空論ともいう)で考えた話と一致する感があった。
この話を、もっとこなれた言葉として「ブレインストーミング」と表現しておられるのではないかと。
(前半部分(略))
しかし残る謎「それにしても類似作品が多すぎる!」
・・・・・・・・・じゃない、じゃない!!ここまでは納得できた。だが、「それにしても、この種のジャンル多すぎね??」という謎は残ったままだった。
おれは考えた。
いろいろ考えた。
うんと考えた。その結果・・・・・・・「俺はパーティを追放されたけど、実は隠れた実力があり、手放したパーティ側が涙目」とか「異世界いったらこっちの料理の味付けが大人気!」なものも含めて、これがそうか!!と自分なりの”発見”をした。(ナントカの再発明かなァ)
(大きく略)
「なろう」周辺は!! 自然発生的な何かなのか、ある天才がいたのか知らないが「設定とか世界観とか基本アイデアとか、そのへんはかなり似ててもいいじゃーん。そこをマネするのはありでしょ」という雰囲気が、できたんですよ!!!そしてそれは一種画期的で・・・・
やっぱり従来の商業誌的な感覚だったら
(略、上に挙げた例の話)
レベルで類似すると、いろいろな葛藤があるんだと思うのよ。
しかし、そこを一種、共有する「雰囲気/慣習/伝統」が生まれ、定着した。
結果、玉石混交ではあるのだろうけど、その「ジャンル」はとりあえず商業的には大流行し、隆盛を極め、一種の「文化運動」とも言っていい規模になった(後世の日本文学史では、絶対にこの時代の、このジャンルの隆盛が記述されるんじゃないかなァ)。
ああ、氏が紹介しているこのリンクでもはっきり明言していた。
・・・なろうでは、ひとつ爆発的なヒット作が生まれると、そのヒット作を“お題”のようにして、サイト内で流行が生まれるカルチャーがあります。ある意味では、作者同士で行う二次創作や、サイト内でシェアワールドを生み出すという側面があるのです。
例えばなろうの代名詞ともいわれる“異世界転生”はその最たるもの。「無職転生 ~異世界行ったら本気だす~」「転生したらスライムだった件」など、異世界転生ものを好む読者を引き付けるヒットが生まれ、なろう内の作者たちはその読者に支持される異世界転生ものを書き、さらに読者は異世界転生ものを読むようになる……というサイクルがまわっていくのがなろうの特徴です。型が決まりつつも、その型からどう外すかに作者の個性が出てくる面白さがあります。
なろうでは2010年代の前半頃から異世界転生ものが流行していました。そして同時に、異世界転生ブームと比べれば小規模だったものの、乙女ゲームの世界を舞台にした「乙女ゲームもの」も流行していました。そう、それら2つの流れが合流したのが悪役令嬢ジャンルなのです!
すごい話ではあります。
だから、ここで登場した「アイデア」「お題」は、たとえば韓国ウェブトゥーンにも明白に影響を与えるなど、海外にも「共有」される。
逆に、諸外国の投稿サイトにはこういうカルチャーは無いのかしらね?
そのへんのことも気になる。