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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

【再論】自殺報道がWTO等の提言で自粛されるのは「(例外的に)医学が自由や民主主義の上に立つ」事例と考えると解りやすい

その報道は、たしかに衝撃的だった。
魂が安らかであるよう祈るほかはない。

一方で、「自殺」に関する報道について。
これが話題

https://www.mhlw.go.jp/content/000937620.pdf



自分はこうリプを飛ばした。


この話は一朝一夕に思いついて語っているのでなく、少なくともこのブログでは2006年ごろから書いていた。
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さて、こういう勧告・・・・押しなべて言うと「報道を制限せよ」というお上からのお達しである。これは、「報道の自由」を制限するものなのか。

根源的に考えれば、「もちろん、報道の自由を妨げる」という答えだと思う。
で、思考停止するわけにもいかない。「妨げちゃまずいのか?」という話だってある。

つうか、もっと広げると「医学的合理性」という神は、いま、あらゆる原則や権威の上にあるのだってことっす。

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まずもって、その報道が良いか悪いかを論じる前に「この逆をすると事実として後追いの自殺者が増えるよ」という科学の分野。


ただ本来でいうなら・・・NYタイムズが掲げるモットーは「"All the News That's Fit to Print(印刷に値する全ニュース)」だという。実際に、I選手の遺書等が今後見つかったら、それが興味深かったり社会問題に繋がったり、本来ならニュース価値が存在するってこともあり得ると思う
(略)
これが政治、思想ではなく「科学」…甘い物食べて歯を磨かないと虫歯になるよ、と同じレベルで「こう報道すると後追い自殺出るよ」という話だから。


自分は、さっきの遺書の例や歴史書の例を含めて「そこにはニュース価値があるんじゃないか?」というのは思想・政治で、「ああ報じると後追い自殺者が増えるよ」は科学、だと思っている。本当は都合が悪い。できれば「報道や評論、ネットのつぶやきで他人の自殺の増減が影響されるわけがない」と・・・

と、いう結論が科学的にも出て欲しい。それが「自由な報道」「言論・表現の自由」という民主主義の価値観にそった科学だからだ。しかし科学だからそーはいかない。今の所はほぼ定説として、「報道のしかたによって後追い自殺が増える」が有力説。

つまり、「後追い自殺を防ぐために報道はこうしなさい」つうこれは、「科学が理念・思想・政治を屈服させた」一例だと思っています。そう位置づけると分かりやすいと思う次第。


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たとえば『「無差別大量殺人」は報道されることで模倣犯を生むことが証明された』…という研究結果が出たら??その報道はどうする?

これもCDB氏のツイートと重なるのだが…20081、2016 年の文章
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「制限されるのは当然じゃないか」という方もいるだろうが、たとえば「反戦教育で原爆など戦争被害・加害の写真・映画を見せると/食育で家畜が肉になる過程の映像を見ると子供がPTSDになる。だからそういう教育はやめよう」なてことも本当にあったのだ。
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・「残酷、ショッキングな映像を子供に見せると、PTSDの危険がある」というのは、いちおう政治的なイデオロギーとは関係のない、”科学・医学”の議論、視点である。
  
・これが事実なら「残酷な場面だが、戦争の悲惨さ(あるいは勇敢なわが軍、残酷無道な敵軍)を知るために…」とか「命をいただく以上、その肉がどう生まれるべきかは見ておくべきだ」という”正義”の議論より強い。
 
・これは最近の知見なども含めた「新しい概念」(の部分もある)。だから、「かつてはOK、セーフ、むしろ推奨」だったアレコレが、この『子供がPTSDになる危険』という視点によってアウトになることが出てくるだろう。