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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

「呪医」の本領。「医学的合理性」は正義不正義の上に立つのだ。自殺報道も含め

■呪術医療の実践と問題点
http://d.hatena.ne.jp/NATROM/20080426

人間に偽薬効果(プラシーボ)がある以上、ウッチドクターたちは長い人類の歴史の中で確実に人々の病気を治していったのだろうな。そしてその例が積み重なれば、さらに効果は増す。
それじゃ済まない病気もあるのだから、近代医学が魔術医学を駆逐するのは仕方ないことだが、ただ、本当にこの「偽薬効果」を意識的に利用させて治癒率が高まれば何でも結果オーライ。
その対象として、基本的に「バカ」である子供の騙されやすさを利用し、リンク先のリンク先にあるように漫画やTVの超人・超自然キャラクターを利用して信じ込ませて治す、というのは本当に可能かもしれない・・・と基本、ジョークのエントリを見て考え込んでしまった。
そういえば、もしこういう偽薬・気の持ちようが効果があるなら「信心深い」人々の治癒率って無神論者より高かったりするかも?まあ教義によっては「病も苦しみの神の試練」「健康に執着するな、我を捨てよ」と諦めさせる効果もあったか。


「自殺は伝染するから、報道自粛が一番の効果」論

これは一度論じたことがあったけど、硫化水素自殺で再度考えたい。
鳥越俊太郎が、オーマイニュース初代編集長として失敗した恨みか(笑)、「硫化水素自殺の拡大はネット社会が原因だ!」てなことを書いていたそうだ。
これに対し「テレビ報道も同じだよ!」というツッコミが。

どっちも正しいのだろう。実際問題として、自殺の仕方の細部などはネットで知ることが多いだろうし、マスへの伝播力はいまだにテレビのほうが何倍も大きい。


「自殺は報道されることでそれが引き金となり、ああ俺も自殺しよう・・・という人が発生、拡大する」というのは既にWTOが科学的な事実として確認している。


しかし、いつどこで何があったかを制限無く、自由に報道できるというのは憲法上も最重要に位置する権利であったはず。極端にいえば「我々が報道して、後追いの人が何人死のうとそれは本人の勝手。後追いを出さないように報道を自粛せよ、なんてのは言論弾圧だ」という考え方も、建前と論理を突き詰めていけば成り立ちうる。


しかしながら「医学的合理性」は時として、憲法を超える。
伝染病患者の隔離というのは、そういえば憲法上どう合理化されているのかな。「公共の福祉」か?
でももう少し明文規定を憲法におくべきだと思うが。


過去に書いた、自殺と自殺報道などに関するエントリ。
■[時事][犯罪][科学]自殺の連鎖について
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20061113#p2
朝まで生テレビより 子供の「自殺問題」と「いじめ問題」は別なりと。
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20061125#p3

ある特異な保菌者の話

そういえば、先日読んだ荒木飛呂彦(原作)漫画に、
「なぜか特異体質で自分自身はぜんぜん平気だが、死亡率の(当時)猛烈に高い腸チフス菌を内臓に溜め込む保菌者。職業は料理を作る賄い婦(笑)」という少し前のアメリカの、実在の人物の生涯を追った作品があった。

この女性自身は、別に何も悪いわけではない。だが・・・・困るか困らないかといえばやっぱり困る。
当時のアメリカは、人権意識もそれなりにあり、社会防衛意識もそれなりにありで、そのせめぎあいは法律的な面でも存在したそうな。


5月3日を前にすると「人権」「憲法」「自由」に関する企画特集が新聞やテレビで増えるので、ふたつ憲法的な話題をかいてみました。