■町山智浩twitter
https://twitter.com/TomoMachi
■togetter コロラド州デンバーで、バットマン最新作「ダークナイト・ライジング」のプレミア試写会中に銃乱射事件が発生…
http://togetter.com/li/341880
事件発生まもなくだから、分からないことは多い。アメリカで言えば、この前のアリゾナ下院議員銃撃事件が「保守ラジオに扇動されたヘイトクライム!!」と当初騒がれたものの、捜査や公判が進んだ結果、結局「精神病患者の行為」と判明し銃撃犯は刑事的に裁かれず、保守ラジオ批判も宙に浮いた形となった。
■クルーグマンが「憎悪の空気」を警告したコラム(アリゾナ銃撃事件)
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20110115/p1
■アリゾナ州下院議員銃撃事件(2011)、結局犯人は精神病院に?結局「右派言論が悪い」報道は何だったんよ
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20120425/p5
今回も、動機は分からないし、また同じように犯人の行為が、精神の病のなせる業だったら「不幸な事故」としか言いようが無いものかもしれない。
まだ詳細はわからないから、なんともいえない。
ただ・・・以下は「最悪の想像」だと断った上でいう。
「フィクションの中で、クリエーターがめちゃくちゃかっこいい悪役を造型する。その受け手のうち、何千万分の一かの確率で『かっこ良すぎる、あれを俺もやってみてー』と言って本当にその犯罪を行う人も実際に出てくる」
というのが、それへの価値判断(リスク判断)は別として、事実である・・・とこの事件で(あらためて?)証明される、のかもしれない。
いま断片的に入ってくる、事件の細部を聞く限りでは、そういう部分がある・・・可能性も個人的には、覚悟している。
もちろん、この危険は上で「リスク判断」という言葉を使ったように「ダークナイト」シリーズの視聴者数でいえば「隕石が落ちてくるリスク」ぐらいに数字が収斂されていくと思う。また「スーパーマンごっこで落ちて骨折した子どもの責任を、スーパーマンの作者は負わない」というのも正論である。
ただ、合わせて言っておくと、自殺については
「自殺の詳細なやり方の報道、美談や英雄扱いは模倣の自殺者を生む」というのは、易学的・医学的な事実としてWHOが認定しているんだよな・・・・・・
まあ、先走りはこのへんでやめよう。
この事件のもっとさまざまな情報を追っていかないと・・・
参考資料2 藤子不二雄A氏は「魔太郎がくる!」のアニメ化を断り、復讐の手口はわざと幻想的にしている、という話
この図版を引用した自分のエントリでは「バクマン。」で同じような展開になったことを書いているな。
■バクマン。が「僕らの漫画が社会問題に?」篇突入。藤子不二雄Aの「魔太郎」回想を参考に
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20110519/p2
参考資料3 「ゆうきまさみのもっとはてしない物語」より
念のため言っておくと、これは氏の「仮定」であり、このあと「ぼくはさすがにそこまで言い切る度胸も才能も無い」と続いています。その上でさらに・・・
と、このへんは実際に読んでみてください。本当はこの回のコマを全部紹介すれば誤解が無くていいのだけど、そうもいかない。
よくある「マネをしちゃだめだよ」と”一行書いておけば”いいのか?という問題にもつながる。
- 作者: ゆうきまさみ
- 出版社/メーカー: 角川グループパブリッシング
- 発売日: 2008/07/25
- メディア: コミック
- 購入: 3人 クリック: 24回
- この商品を含むブログ (38件) を見る
またゆうき氏が「内海課長という男を英雄にしていいのか?」と悩んだ結果、原作ではああいうラストになった、という挿話もここで再紹介しておこう。
「内海課長」ははっきり言って、日本代表悪役としてジョーカーに対抗しえる人材だから、そのことも合わせて考えたい。
でも日本の企業人がやらかした不祥事の0.00001%ぐらいに「内海課長みたいなことをやってみたかった」って人がいる可能性も、まあ排除しない(笑)。
関連
ゆうきまさみデビュー30年の年に、あらためて「内海課長」を考える
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20101202/p2