INVISIBLE Dojo. ーQUIET & COLORFUL PLACE-

John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

「1日外出録ハンチョウ」としまえん的な施設の閉園を惜しむ/「木根さん」は『ジュラシック・パーク』

comic-days.com



この前の回、つまり「リコッタパンケーキの回」が意味不明にバズった。
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今回、それと同様にバズるとはおもわんが、逆に言うと「もう『ハンチョウ』は、『木根さんの1人でキネマ』と同様に、新作が無料UPされたら無条件で紹介しちゃっていいや」ということになりました。

ということで新作がUPされてるよ(むしろまもなく終わりそうだが)、という紹介で。


・・・・・・・・・とかいって「木根さんの1人でキネマ」念のためにみたら、10月30日に新作出てるし!!

とはいえ、こちらはアプリ入れないとダメなやつだな。ニコニコ静画だと…13日に公開されてた!!!

seiga.nicovideo.jp



あー、紹介出来て良かった・・・・・・

本宮ひろ志が伊能忠敬を描く漫画を開始(猛き黄金の国 シリーズ)

ひとつまえの記事を書いて、そして今、思い出した。
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昨日コンビニで見たけど、本宮ひろ志が、伊能忠敬の伝記漫画を連載開始したんだ!!!



natalie.mu


本日11月18日に発売されたグランドジャンプ24号(集英社)で、本宮ひろ志の新連載「猛き黄金の国 伊能忠敬」が開幕した。

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本宮ひろ志「猛き黄金の国 伊能忠敬

同作の主人公は日本地図「大日本沿海輿地全図」で国土の正確な姿を明らかにした伊能忠敬。第1話は忠敬が、まだ三治郎と呼ばれていた幼少時代からスタートする

「猛き黄金の国 」はいろんな作品を書いて、それをつなげていくシリーズなんだね。


で、本宮ひろ志といえば、結構ちゃらんぽらんのイメージがあるけど、歴史漫画の時はなかなか真面目に描いているというイメージなんです。だけど、それゆえにあまり人気が出ないというイメージも…ってこれは少年ジャンプ連載時か。

というか、本人も隠していないからいうけど(吉田豪のインタビューが秀逸だ)、今現在、作画とかお話つくりとかにおいて、総まとめするプロデューサー的立場に立っているわけで、さらにいえば、一定のファン層があるから逆にちょっとマイナーな人物伝とかも描く余地があるんじゃなかろうか。

天然まんが家 (集英社文庫)

天然まんが家 (集英社文庫)

anabre.net


ただ、そう言いつつ悪いけど、最近の氏の作品、最初から最後まで通して読んだ覚えとかがない。そもそも今何本ぐらい描いてるんだっけな。なんかはみ出し者を集めた高校の話とか、信長とかが現在に「転生」する話とか描いてたはずだが……

少し抹香くさく、とってつけたような人生論が描かれたり、「弘兼憲史みたいな政治社会論」が、さらにとってつけた感で描かれたりとのイメージもあるし…

あ、最近唯一最初から最後まで読んだのは、企業社会と家庭から見捨てられたサラリーマンが、自殺寸前のところからひらきなおって山奥で自給自足生活を行い、逆にたくましく充実した生を取り戻すという「まだ生きてる…」だったな。
設定に荒唐無稽なところも感じたけど、それをも凌駕するような「大人のおとぎばなし」だった。

まだ、生きてる・・・ 第1巻

まだ、生きてる・・・ 第1巻

まだ、生きてる・・・ 第2巻

まだ、生きてる・・・ 第2巻

全2巻だもの、そりゃ全部読めるか。



にしても、伊能忠敬を主人公に連載漫画を描くというのは、普通に考えると地味な展開になるかもしれないが、ちゃんと描いてくれればとても嬉しい。
さっきの記事で描いた「測量」「数学」「天文学」とかも大いにかかわってくるわけだから。


とりあえず、こういうのが始まった!!と覚えては欲しい作品です。

そういえば、連載雑誌的には村上もとか「侠医冬馬」との共演となる。こちらはちゃらんぽらんさが皆無の漫画家だが(笑)、雑誌的には補い合えば面白いね

『鬼滅の刃と月齢』話題だから「風雲児たち」11巻の、天文学と数学を語る箇所も読め!(※ここ、無料で読めます!)

はい、話題でございますね
news.yahoo.co.jp

b.hatena.ne.jp

これが話題になるのはさもありなん。

自分は最初のブクマに、こう書きました(たぶん消して、この記事の紹介リンクを張りなおす予定)

「月の形」は考証してはまれば面白いけど、多くの作品では考証してないってオチになるからねえ。特に太陰暦を使ってた時代劇だと重要なのだけど。
2020/11/18

実はこのブクマには、元ネタ的なものがあるのです。
それはこちら。
今回は、これを紹介すれば足りる。

風雲児たち 11巻 (SPコミックス)

風雲児たち 11巻 (SPコミックス)


で、実に偶然ながら、ラッキーなことに、このくだりが(リイド社版では)コミック11巻の冒頭に来ているので、電子書籍の「試し読み」紹介ページの中に収まっているんだ!つまり、読めちゃう。

www.cmoa.jp


読むための基礎知識
・ここで語り合っているのは、最上徳内とその妻。最上徳内、ご存じですね。日本の北方探検史に不朽の足跡を残した人だ

最上 徳内(もがみ とくない)は、江戸時代中期から後期にかけての探検家・江戸幕府普請役。出羽国村山郡楯岡村(現在の山形県村山市楯岡)出身。元の姓は高宮(たかみや、略して高(こう)とも)。諱は常矩(つねのり)。幼名は元吉。通称は徳内、億内。字は子員。鶯谷、甑山、白虹斎と号した。父は間兵衛で長男。妻はふで(秀子)、子は2男3女。生年は宝暦5年(1755年)とも[1]。

実家は貧しい普通の農家であったが、学問を志して長男であるにもかかわらず家を弟たちに任せて奉公の身の上となり、奉公先で学問を積んだ後に師の代理として下人扱いで幕府の蝦夷地(北海道)調査に随行、後に商家の婿となり、さらに幕府政争と蝦夷地情勢の不安定から、一旦は罪人として入牢しながら後に同地の専門家として幕府に取り立てられて武士になるという、身分制度に厳しい江戸時代には珍しい立身出世を果たした(身分の上下動を経験した)人物でもある。

家業を手伝い、奥州各地をまわりたばこの行商などをしつつ独学で学ぶ。26歳の時、父が死去し、翌天明元年(1781年)には江戸へ出る。幕府の医官山田図南の家僕となった。奉公しつつ医術や数学を学び、29歳の時、天明4年(1784年)には本多利明の音羽塾に入門し、天文学や測量、海外事情にも明るい利明の経済論などを学ぶ。長崎への算術修行も行っている[2]。(後略)
ja.wikipedia.org


・↑というよーな経歴のある人なので、この人に妻が「あなたが学んだ数学(算術、算学)って何なんですか?」「それはこの時代(江戸時代)どんな意味を持つのですか?」と尋ね、それについて答える中で、話が自然と「天文学・暦」の話になるというわけ。

つきましては、上にリンクを張った、ここの無料立ち読み部分を読んでほしいのですが、ついでに何枚か画像を張っておこう

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風雲児たち11巻 数学について
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風雲児たち・数学について(無印11巻)
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風雲児たち・数学について(無印11巻)
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風雲児たち数学について 無印11巻


実はこの作品のこの箇所を紹介するのは初めてではない。正直、なんどもやってる(笑)。寄せてはかえす波の音。
この前は「天地明察」と、金環日食にひっかけての紹介だったのさ。
その時の文章を再録しよう。

この大河作品(「幕末篇」と分けて考えるなら新書サイズの旧版で30巻)の、わずか5ページである。しかし、
どうして、そしていかに、人々は数の謎を捜し求めたのだろう。
どうして、そしていかに、人は暦を欲したのだろう。
どうして、そしていかに、数学は遊戯と実学の境を行き来したのだろう・・・

すべてが、この5ページに凝縮されている。名人の技、ここに至る。
年甲斐もなくまどか☆マドカのパロディやっているジジイってだけじゃないんですよ、あのジジイは(笑)。


風雲児たち」は少なくとも自分にとっては、この作品で完結するのではなく、他の世界に興味を持ち、調べる「入り口」、急な山をロッククライミングするときの「手がかり」「足がかり」になったという面が大きい。これはこの作品を単に「お手軽な学習漫画だ」と言っているわけではない。(素晴らしい学習漫画であることも間違いないけど)それとはちょっと違って・・・まあこのへんは言葉にするのが難しいので省略します。


だが、まだ「天地明察」を未読の読者は、上の5ページの漫画をぜひ読んでほしい(というか該当巻を読んでほしい)。こういうバックグラウンドを知った上で天地明察を読むと、主人公も、その脇役たちも、時代そのものも、はるかにクリアで奥行きのあるものとして楽しく読めると思います。
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もうひとつ、これも持ちネタ。天文現象から計算すれば、紀元前の戦争終結日までも特定できる…という話(fromアシモフ

…日食というものの面白いところは一定の法則と原理を働かせて計算すれば、予言も予測もしやすいことですね。
文明が進んでいくと、とくに呪術的な意味合いから、「合理的な呪術(神学)」となり、さらにグレると科学に身を持ち崩す。
中国でも江戸期の日本でも、どこでも頭のいい人やある程度の天文学者は日食は計算できていた。


そして、さらに面白いのは、「過去にいつ起きたの」かも計算できるということ。
実はそういうことを計算する学問(天文歴史学?)というのがあるそうです。

その実に偉大な成果は
日食記録として有名な、メディア国とリディア国がまさにこれから戦争をしようというとき、一天にわかにかきくもり、崇拝する太陽が見る見るうちに消え、世界が暗闇につつまれたからさぁ大変。神の怒りだと両国は即座に講和条約を調印、そのまま両軍引き換えしつかのま平和が守られた・・・・というエピソードです。
ひょっとしてこれが、ひと昔前の冒険物語で使い古された「人食い人種(※差別的な当時の風潮を知るため、一部当時の表現を使用しております)につかまって、あとは煮られるのを待つだけだったが、そこで日食が起こって冒険者が逆に魔法使いだと崇められる」とういうパターンの根拠になったのかもしれない。
だがそれはともかく、天文歴史学の力でこれを計算すると、

紀元前585年5月26日

であることが分かるという。
マスカラスやブッチャーの実年齢さえ分からないほど歴史には謎が多いが(笑)そんな中で、紀元前の話が「何月何日に起こった」と分かるなんてとっても痛快で楽しいことではありませんか。

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【メモ】初出・起源を巡るあれこれ(https://togetter.com/li/902024 より)

ひとつまえの記事とも関係するから、ふと紹介しておきたい。
これの、最近収録された事例から
togetter.com

なお、コピペした関係で画像は当然ながら転載されていません(リンク元では見られますよ)

猫の泉 @nekonoizumi
PDFあり。「合衆国」という訳語の起源考察。「合衆国」の初出は1844年、望厦条約の前段階のアメリカからの書簡の清朝の官僚による翻訳なのか。
⇒高原正之
「なぜUnited States を合衆国と訳したのか? 「衆」はどこから来たのか」
大正大学研究紀要』104 (2019-03-15) tais.repo.nii.ac.jp/?action=pages_…


2019-06-15 23:46:41
猫の泉 @nekonoizumi
先行してブリッジマンの「合省国」という訳語があったが、「省」だと清朝の省の数が18でアメリカの省(州)の数26と比べて少なくなるため避けたのではないか、また、「衆」は主戦派の大物・林則徐が関係した『四洲志』、『海国図志』を参照した結果ではないか、など清朝の政治的文脈を入れた考察。


2019-06-15 23:56:53
三崎律日@「奇書の世界史」発売中 @i_kaseki
日本で「インド式計算法」として広まったこの棒を使った計算方法、英語圏ではなぜか「日本式掛け算」として広まっており、各国がおのおの「数学ができそうな国」に仮託して広めたためか由来が判然としない。
Will Orrickという人物が2014年に独自に調査した所では、→ pic.twitter.com/b7RPMljDyB


2020-08-31 11:45:12

三崎律日@「奇書の世界史」発売中 @i_kaseki
この方法のネット上の初出は2006年にMetacafeに投稿されたAkahadという人物の動画であり、投稿者はこの方法を「中国人の彼女が学生時代の数学教師が考案したもの」だと述べている。これ以前の起源や数学教師の素性については見つからなかったとのこと。


2020-08-31 11:45:12
てつ🍀(ナスの化身) @nasutetsu295
@i_kaseki @ikameshikota 七面鳥
英語 →Turkey(トルコの鳥)
トルコ→hindi (インドの鳥)
インド→peru (ペルーの鳥)
ペルー→turkia (トルコの鳥)
トルコ→hindi (インドの鳥)
インド→peru (ペルーの鳥)
ペルー→turkia (トルコの鳥)
トルコ→hindi (インドの鳥)
・・・

と同じようなものを感じる。


2020-08-31 23:49:38
谷津 珠葉(李厳命) @Rigenmei
上杉謙信の「敵に塩を送る」の逸話がいつまで遡れるかを調べに、国会図書館へ行った。

前回は『北越軍談』(1698成立か)が最古と思われたが、『武家事紀』(1673)にも当該記事はあったことを確認。 pic.twitter.com/JrzF6gqlzE


2018-05-26 11:14:10

Asa @AsaThe3rd
後世に語り継ぐべき偉人ランキングで上位に来るのは、だいしゅきホールドの命名者だよな

84 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/03(土) 13:53:08.71 ID:Z+XwIgaj0
どうでもいいがオレはこのことを「だいしゅきホールド」って名前つけて呼んでる

余文旅硯 @yuwencs
「病院」という単語は江戸時代の蘭学者により造語された和製漢語と考えられてたけど、実はこの『職方外紀』(1623)の方が初出ってことで中国の洋学書起源説に変わったみたいですね。 twitter.com/toho_jimbocho/…


2017-03-23 19:41:27

Shunka Shuutou @akahinewsisover
@murrhauser 「バスに乗り遅れるな」という言葉は朝日新聞の記事(1940.6.2)が初出だとか。ある大物政治家が、近衛新党に入らないと「バスに乗り遅れる」と述べた言葉を報じた記事が〈この時代のキーワード「バスに乗り遅れるな」の初出と思われる〉(筒井清忠『昭和十年代の陸軍と政治』p224)

最近知りました(^^;)


2018-09-06 22:53:28
上野 良樹@C98 5/4月曜日南地区 "ハ "40b @letssaga3
@murrhauser @akahinewsisover 最初に言ったのはイギリスのチェンバレン首相で、1940年4月、「ヒトラーはバスに乗り遅れた」と、ドイツの第二次大戦開戦を揶揄する台詞だった様です。

ところがその直後からドイツが快進撃したので、ドイツという「バス」に乗遅れるな論が日本で盛んになったという順序。結果は御覧の通りですが。


2018-09-06 23:55:53
Shunka Shuutou @akahinewsisover
@letssaga3 @murrhauser 日本での初出は、という意味かと。

「バスに乗り遅れる」の起源は1840年代に遡るようです。

チェンバレンの演説は第二次大戦開戦から7ヶ月経った1940年4月…ヒトラーが英仏側に戦う準備をする時間を与えた事を揶揄する意味かと。
(その後敗れて大陸から追い出されますが)

wordhistories.net/2016/09/15/to-…


2018-09-07 00:39:07
ア イ ド ル 取 材 班 @ 朝 日 新 聞 @asahi_idol
「地下アイドル」の起源について。朝日新聞本紙だと初出は2009年。「インディーズ」×「アイドル」は94年、リリー・フランキーさんのインタビュー(おそらく宍戸留美さんのCD製作中のもの)。「アイドル冬の時代」は91年が初出。(S) note.mu/bxjp/n/nea9821…


2016-12-16 23:59:41
spartacus @accentdeverite
中井正一は「リアリズム論の基礎問題」(1934)で、ラブレーのテレームの僧院の格言「汝の欲するところをなせ」を資本主義勃興期の「個人競争」の原理として取り上げ、ここに「反自然」ー「個人の自己分裂」の契機を見ていた。ブリュンチエールが下敷き。長濱『近代のはずみ、ひずみ』に教えられた。


2020-07-30 21:48:38
spartacus @accentdeverite
同じ格言を渡辺一夫が繰り返し論じたのは有名だが、初出はおそらく1936年。二・二六事件やフランス人民戦線を横目に、こちらは俄然リベラリズム=自然主義擁護論で、この立場が戦後に持ち越される。これもブリュンチエール起源か。渡辺は中井的問題に遂に触れることはなかったのだろうか。


2020-07-30 21:48:38
蜜柑猫🍊 @96pen
ふじこlpの初出は多分2003年なのでもうインターネット老人しか起源を知らないレベル live2.5ch.net/test/read.cgi/…

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敵に詩をを送る 出典は武家事紀? 巻の17

「川内康範が『正義の味方』という言葉を作った」は事実ではない…が”新解釈を加えた”とは言えそう。だが、それはいつなの

m-dojo.hatenadiary.com

の流れで、ウィキペディアを普通より多めに見たり巡回してました。

そんで、自分が少しだけ過去にかかわった項目に、新事実というか、紹介した話を覆すような情報が追加更新されていました。

正義の味方(せいぎのみかた)は、勧善懲悪的に行動する人物を指す語で[1]、主に創作物のヒーローを指す[1]。川内康範が『月光仮面』の主題歌(1958年)で用いて広まったとされ[1][2]、これ自体を川内の造語とする説もあるが[3][4]、用例は19世紀から存在する[注 1]。中でも徳富蘇峰の『国民之友』誌の記事[注 2]や内村鑑三の著作[注 3]では、「正義の味方」という表現がたびたび用いられている[注 2][注 3]。また群馬県の廃娼運動団体の機関誌『上毛之青年』誌でも、社告などに「正義の味方」という言葉が見受けられる[注 4]。『東京毎日新聞』[注 5]は大正時代中頃から昭和時代初期にかけて「我等は正義の味方也」というスローガンを広告や日々の紙面で標榜していた[注 6][21][24]。田中耕太郎などの学者や芥川龍之介などの作家も[注 7]、『月光仮面』以前にこの語を用いている。創作物のヒーローを指す意味としても、『月光仮面』以前に永松健夫が『黄金バット』で「正義の味方」という語をたびたび用いている[注 8]。

ja.wikipedia.org


ふうむ、例の初出調べ壱ノ型とかやっておけばよかった。
【メモ】言葉の初出を調べる方法いろいろ
【メモ】言葉の初出を調べる方法いろいろ - INVISIBLE D. ーQUIET & COLORFUL PLACE-


でも、こんなに明確に断言してる資料だからなあ

…ところで「正義の味方」という言葉を作ったのは川内康範先生だということはご存じでしょうか。主題歌『月光仮面は誰でしょう』の中に、「月光仮面のおじさんは 正義の味方よ善い人よ」という一節がありますが、まさにこれが日本最初の使用例なのです。俺が「なぜ正義ではなく、味方なのでしょうか」と尋ねましたところ、
「(月光仮面の発想は)月光菩薩という仏に由来しているんだけど、月光菩薩というのは脇仏(わきぼとけ)でね、決して主役じゃないんだ。つまり、裏方なんだな。だから“正義の味方”なんだよ。この世に真の正義があるとすれば、それは神か仏だよな。だから月光仮面は神でも仏でもない、まさに人間なんだよ」
という明快な答えが返ってきました。それにしても、さすがは詩人だけあって先生の言語感覚には非凡なものがあります。たとえば『月光仮面』のキャッチフレーズが
「憎むな!殺すな!赦(ゆる)しましょう!」

http://archive.is/2012.07.14-105258/http://takekuma.cocolog-nifty.com/blog/2007/03/post_b18d.html#selection-177.0-233.7

月光仮面 幽霊党の逆襲 [DVD]

月光仮面 幽霊党の逆襲 [DVD]

  • 発売日: 2012/06/01
  • メディア: DVD


ただ、話はここで終わらないその1。
「正義の味方」という言葉は川内氏の造語でないとしても、ここに「絶対の正義、正義そのものには人間はなれないしならない。だから、せいぜい『正義”の味方”』なんだ」という意味を込めたとしたら、それは確かに、こんな解釈をしたのは川内氏が初めてと思うし、実に斬新で深い発想であるという評価は揺るがないだろう。



ただ、話はここで終わらないその2。

そういう意味を込めた…として、仮に月光仮面の時代にそう考えていたとしても、それを黙っていたら戦前からの「東京毎日新聞」「国民之友」、あるいは「黄金バット」と何ら変わることはないのです。
とすると、川内氏が、ここに上記のような意味を込めたんだ、と語った時点から、これが「新語」になったと言える……こういう印象深い話を語った相手が、竹熊健太郎氏が初めてだとしたら、その時。そしてそれをブログに記したのが2007/03/23だとしたら、まさにその時、にまで時代が下ります。(インタビュー集「箆棒な人々」、には載ってたかな?)


同時に、ここで川内のやはり晩年の証言に基づく「月光仮面の月光はイスラムのイメージ」というのも、後付けバリバリなのか、ここでも書いているように実際すぐ「アラーの使者」という活劇も書いてるし事実なんじゃない?となるのか……
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ちなみに、これをおれが「月光仮面」のウィキペ項目に追記した箇所は残っている(笑)
ja.wikipedia.org




とまれ、造語に関しても、「共和」や「経済」のように、言葉はあったけど〇〇が新しい意味を付け加えた、となると、難しいことになる。「正義の味方」はどう解釈すべきですかね。

「ブラック・エンジェルス」が全巻無料で読める!あの独自性溢れる「関東破滅地帯」を再読し涙。

平松伸二氏の「ブラック・エンジェルス」が、全話無料にこだわる「スキマ」で公開されはじめた。

自転車を軽やかに駆り、ただ1人で日本一周旅行をしている青年・雪籐洋士(ゆきとうようじ)。行く先々で住み込みの仕事に就き、愛想良く人々と交わる。しかし、眼鏡の奥で光るその両眼は、どのような悪党も決して見逃さない。残虐非道な警察官、血に飢えた剣道家、弱いものをいたぶる誘拐犯……彼が標的に定めた連中は、情け無用の一撃で必ず命を落とす。死神としての洋士の名前は、「黒い天使(ブラックエンジェル)」!! 今夜もまた、「地獄へおちろ!!」という声が闇に響いて消えてゆく。
https://www.sukima.me/book/title/blackangels/

キン肉マン北斗の拳が元気だった時代、この作品は「6番バッター」ぐらいだったと思うけど、それでも存在感があったのは事実。

しかし!!!おれ、個人としては、だ!!
何度も書いた話だが、画像付きで再度語る。

ブラック・エンジェルス 地震で日本の一部が無法地帯となり、そこでは戦国時代のような抗争が…という独自性溢れるアイデア
ブラック・エンジェルス 地震で日本の一部が無法地帯となり、そこでは戦国時代のような抗争が…という独自性溢れるアイデア

日本に大地震が起きる!
関東は徹底的に破壊される!!


そこを日本政府は救援復興するのではなく、そこはもう「復興不可能」と封鎖して見捨て、法の及ばぬ無法地帯となる!!

ブラック・エンジェルス 地震で日本の一部が無法地帯となり、そこでは戦国時代のような抗争が…という独自性溢れるアイデア


その結果、その地域での覇権を握ろうとする無法者たちが群雄割拠し、さながら戦国時代のようになる!!!


最初に読んだ少年は「な、なんて奇想天外で、恐ろしく悲しくも、血沸き肉躍るアイデアなんだ!こんな設定を考え付いた平松伸二は天才だな!!」と思ったのでした。



・・・・・・・いや、その後(永井豪バイオレンスジャック」そのまんまだという)真実を知り、怒りもしましたが、今の結論としては「アイデアは、別に著作権があるわけではない。だから自由に使っていい」ということに到達しているのである。

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しかし当時の平松氏も、漫画家がたくさん呼ばれるパーティーとかには出席したであろう。その会場で永井豪氏を見たら、どんな表情であいさつしたのでしょうか?

『菅義偉と杉田和博は「そこまでやるか」という人事をしている』…2018年の本で

「平成の政治」という本があります。タイトルで大損だよね、何の訴求力もない(笑)自分も御厨貴の本じゃなかったら読まなかったかなー。

平成の政治

平成の政治


ただ座談会形式で語られる本って、意外なところで意外な情報が載ってるもんだからパトロールはやっぱり労をいとわずやらなきゃいけない…だが1年ほど前に読んだ上で今回再読したのだけど、その1年でこの部分があっという間に「重要情報」となりました。

官邸が知り尽くす「官僚情報」―内閣人事局の功罪

芹川  内閣人事局で官僚の人事をチェックできるという意味での政治主導は決して悪いことではないと思います。ただし、若干やりすぎがある、人事に手を突っ込みすぎているのではないかという批判がありますよね。
 

御厨  それは、菅(義偉)官房長官のやり方の問題かもしれません。現在、(菅氏のもとで)内閣人事局長を務めているのが杉田和博さんという警察官僚出身の方です。この人たちが、「そこまでやるか」という人事をしている面がある。
もともと官僚人事というのは、各省庁の動きの中での流れがあって、ときにその流れに逆らう人事があっても、だいたいは元に戻るというのが普通でした。ところが、いまは戻りようがない。
それは菅さんが事前に人事に手をつけているからです。菅さんは、官房長官に就任して2年目に私に「見ていてごらん、これからは自分の人事が実現するから」と言いました。
私が「各省のいろいろな人材をよくそんなにご存じですね」と言ったら、「それは努力していますから」と答える。菅さんは、各省の随所に「スパイ」を置いているから、情報が毎日のように入る。スパイというと聞こえが悪いけれども、けっこう現場から上がってくる情報は正しいと言います。
そして信賞必罰で、法務省最高裁など、従来は(官邸が)介入しない人事にも手をつけるりがポイントです。しかも何度も手を入れる必要はない。1回か2回、脅しをかければ、その後は偏向人事はやらないという触り方なんですよ。

菅さんの下で実務を担う杉田さんは、公安情報というものを知り尽くして、ありとあらゆる所の裏側をむき出しにできる手法はすごいものです。だから、いまの官邸は何百人という官一挙手一投足をすべて知り尽くしています。

そういう意味で、いまの官僚人事はこれまでとは違っていて、警察が人事を握っている、という面があって,それはどちらかというと全体としては暗いほうに向かってしまう。すべての情報を知られた中で人事をされるわけですから。でも誰も文句を言わない。それは公安が怖いからです。そこは行き過ぎだと思います。

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「平成の政治」で語られた、菅義偉と杉田の人事の問題1

ちなみに、今、内閣は「人事には言えることと言えないことがある」というのを防波堤にしているが、制度的にはこの問題を解決する枠組みに、いくつかの例があるのだという。

大田  いまの状況はわかりませんが、人事への政治介入が完全にいいとも思えません。企業のコーポレートガバナンスでは,昔ながらの監査役会設置会社であっても、指名諮問委員会というのが作られています。
指名委員会等設置会社の指名委員会のように人事そのものを決めるわけではありませんが、指名諮問委員会は,人事の決定過程をチェックします。例えば、社長が後継を決めるプロセスが妥当だったのか。
後任人事が恣意的で自分が影響力を行使できるから決めたということはないのか、などを見ます。官僚人事にもそういうガバナンス的な部分はあっていいと思います。
なぜこの人なのか、どういうプロセスで決めたのかなど、恋意性が働いたか働かないかについては外の目が入るのは大事です。
イギリスでは,各省次官などの幹部人事は、有識者も入る上級公務員選考委員会で決めると聞いたことがあります。そういう指名諮問委員会のようなものがあってもいいかもしれません。


御厨  チェックするのが内閣人事局長と官房長官だけというのは、「逆の恣意」がないか、という感じがしますよね。


芹川  アメリカは大統制であっても、議会がチェックして政治任用があるわけです。そういう意味では,日本は何のチェックもないということになりますよね。

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「平成の政治」で語られた、菅義偉と杉田の人事の問題2

大田とは大田弘子、安倍・福田内閣特命担当大臣でいまは政策研究大学院大学の教授だそうだ。
御厨氏の共著者芹川洋一とは、日本経済新聞論説フェロー(元論説主幹)とのこと。

上は第二部(128P)からの抜粋だが、終章でも少し御厨氏は語っていた。
写すのは面倒なので要約。(255P)

6年(当時)政権が続くとは本人らも思ってなかったはず。すると内閣人事局という「得たいが知れない者」に杉田氏が局長として座る。
権限でなく人、つまり杉田がどう考えるかで物事が決まってしまう。
その杉田は官房長官(菅)を忖度する。私(御厨)も、その忖度ぶりに驚いた局面がいろいろあった。
ボスが何を考えているかわかる。だからそこには触らずにどうするかを考える。すると肝心な「人」を見なくなる。
人事権を持つ人…内閣人事局局長などは、2年ぐらいの任期付きにすべき。大きな力を持ちすぎ、現在の局長に気に入られるかの問題になる。
気に入られたら「内閣官僚」に。気に入れられなければ「国元(出身官庁)に帰れ」になっている。
官房長官や副長官も、在任は長すぎてはいけない。菅は後藤田や野中が持っていた「総理との緊張関係」が少なかった。