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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

ドラマ開始した「ハコヅメ」はこんなふうに面白いんです…の記録リンク集

きのう、「ハコヅメ」ドラマ第1回がありましたね。見逃したひとはFuluでも視聴可能。
www.hulu.jp

そして、これでまず「ハコヅメ」に興味を持ち、原作にも興味を持って検索してこのブログに来た皆様ようこそ。
当ブログでは、それほど前から(連載当初から)というわけでもないのですが、同作品の面白い回からギャグ、場面なども抜き出して紹介していった蓄積があり、そういう目的のお手伝いにはやや向いていると思います。以下、リンク集を作ります。

最初にここで紹介したのは2018年末、勝手に選んでいるその年のマンガベスト10に選出した時でした。
その全体的な紹介文を再掲載。

m-dojo.hatenadiary.com

ハコヅメ〜交番女子の逆襲/秦三子


警察が持つひとつの特徴は、日常的な運営にはいわゆる体育会的、あるいはもっと悪い言い方をするならブラック企業的な体質(超過勤務なども)を持つ一方で、官僚の中の官僚、といっていいほど形式や順法にこだわる官僚的体質も持っていることだ。(旧日本軍にも似ている部分はある)
刑事ドラマでは、そのへんは逆に無視しないと話が作りづらいが、逆にこの「ハコヅメ」は、ふつうの警察ドラマでは切り捨てられるそのへんの体質や、細かい運営上の規則に焦点を当てて、そこから笑いをとろうという「反転させた」部分が面白いっす。
 
ただ、その種の理不尽さがもっとも「暗黙の了解」だった相撲界でもアウトになるご時勢。ほんの数十センチでも道をそれれば真っ逆さまに落ちてしまう(シャレにならないだろ、笑えないだとと言われる)。実はそのギリギリさが、少なくとも今までのところは笑いに転嫁されているように思います。(たとえばその種の理不尽な行為を、むりやり形式上はコンプライアンスぎりぎりに収めるようにする糊塗のしかたとかね)


(この画像の場面、さっそく第一回で映像化されましたね。)


そしてそれでも「やっぱり警察はがんばってるお!!」というところに収斂させていくのも、やはりそれはそれで安心感のある読み物となっております。
そして作者のこのかた、本当に某県警に10年勤務したというから、日本漫画界の層の厚さたるや…そして、いろんな界隈の闇の深さたるや…
参考

日本中に散らばる「漫画が描ける中間層」が、自分の得意分野の啓蒙を漫画でしまくって知が集積し過ぎる。こういうののアンソロジーをつくれ。 -
d.hatena.ne.jp


以下、特に面白かった時に紹介していった記事のピックアップ。

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まず、これだけ優れたエピソードが豊富なので、ドラマで映像化するものは厳選するしかないと思うが、個人的には是非、下の「レンタルビデオ店で万引の調書を作る時、ビデオのタイトル名を一字一句正確に記録しなければならない」というネタをやってほしいところです。


f:id:gryphon:20190112033153j:plain
「ハコヅメ」 万引の被害届、DVDの題を真面目に読み上げる


そしてもうひとつ。
ここまで今回のドラマで描けるかといえば、たぶん難しいだろうと思うが、ムロツヨシ演じる交番の伊賀崎所長は、実はこんな別の顔があるんです…

f:id:gryphon:20210516013617j:plain
ハコヅメ新章、元内偵の鬼、今はやる気なしの…

あと最後に。原作者の秦三子先生は「10年間、実際に県警に勤務した元ポリ公おまわりさん」です

「もう辞めてやる!」辞表を握りしめた新米女性警察官・川合の交番に、なぜか刑事課から超美人の藤部長が配属されてきた。「岡島県警(の男性陣)を絶望におとしいれるコンビの誕生である。某県警に勤めること10年、隠そうとしても漏れ出てくる作者の本音がヤバい! 理不尽のち愚痴、時々がんばる、誰も見たことのない警察漫画。※労働基準法は警察官に「一部」適用外です。
 
著者について
泰 三子
某県警に10年勤務。2017年、担当編集者の制止も聞かず、公務員の安定を捨て専業漫画家に転身する。短編『交番女子』が掲載され話題になっていた「モーニング」誌上で、2017年11月より『ハコヅメ ~交番女子の逆襲~』の週刊連載がスタート!


外伝としての「アンボックス」を独立して読むのもアリ


で、元警官としての秦先生と、あと上のリンク集で何度も感嘆している「伏線力」については、このインタビューがとても詳しい。

digital.asahi.com

(略)…いい形で警察官の生の仕事ぶりとか、「ハコヅメ」に出てくるような何の特技もない、どうしようもないような人たちが仕事に振り回されつつ、あれやこれや考えながら何とかかんとかやっている、ということが伝えたくて。それで、漫画をモーニングさんに投稿しました。

 田渕 1ページの、コマ割りもしていない原稿が送られてきました。(ハコヅメに登場する交番勤務の)藤と川合がそのまま、2人で立って仕事をぼやいているという、セリフつきイラストという感じでした。元警察官か現職なんだろうなということは作品の端々に出ていて、面白そうだな、と。

 ――漫画家になり、退職されました。警察の仕事に未練はなかったですか?

 泰 警察官としてしたい施策や仕事はたくさんあったんですが、結婚や出産してからの出世スピードを考えた時に、逆算していったら、現職時代に全部やりきれないな、と。だったら、組織を出てやってしまおうかな、と…(後略)

(略)最初、そんなことは考えずにどんどん日常物を描いていってください、と言われていました。読者が気付いていない伏線を入れておくのはいいですよね、という話をしていて。桜のエピソード(10巻~12巻の「同期の桜」編。警察官がひき逃げされた未解決事件がテーマ)から伏線回収が解禁になったんです。明かしてもいいよって。

 ――巧みな伏線に、「進撃の巨人」を読むような気持ちになっていることがあります。

 泰 あっ、そこまで緻密(ちみつ)ではないです(笑)。田渕さんに言われたんですが、「進撃」はしっかり基礎を固めたビルディング、がっちりした高層ビルだけど、こちらは掘っ立て小屋を高く積み上げていきましょうね、と。まだ乗るかな、まだ乗るかな、という感じで(笑)。グラグラグラって。

 田渕(※編集者) 掘っ立て小屋とは言っていないですよ(笑)。九龍城って言ったんです。都庁じゃなくて、九龍城でいいと。