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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

「ハコヅメ」105話は『違法ではないが、余りに非通常なる行為にどう対処するか』という、なかなかに難しい話。

【追記】2020年5月24日現在、ひょっとして無料で読める状態かもしれない。
だったら俺のご託を読む前に、直接作品を読んでもらったほうが早い。

※もちろんその後、一定期間を終えたあとに有料に戻りました。
comic-days.com





モーニング 2020年11号より


>先週までのシリアスエピソードがすっかり無かったような清々しさで通常営業が始まりましたw

自分たちで言うな(笑)。
でも、まーそうでして、実はこの前の回まで、警官をひき逃げした男を追う、かなり長くてシリアスな展開だったんですよ、あの「ハコヅメ」が(笑)

こういうふうに、シリアスな話とギャグ話を行ったり来たりするものは「銀魂」や「GS美神」などさまざまな大傑作も生むが、、時々、大傑作ならざるシリーズはけっこう元に戻らなくなって、たいていシリアス方向に引っ張られて、そのうち魅力自体を減じてしまうことも多い。
ハコヅメは、とりあえず今回はそのへんのことは問題ないのだが…だが、それはそれでシリアスシリーズからの復帰第一線で、とんでもないテーマを選んで来やがったよ!!!

ハコヅメ105話/公衆トイレで女装した男性にどう対処するか

このあとの展開は、息もつかせぬものとなる。


もう警察だって行政機関。「LGBTへの配慮」とかは、どうも既に周知徹底されている感じもある。


しかし、行政マニュアルを軽々と超えるほど、性はあまりにも多様過ぎる。実際に職務質問で聞いてみると、この男性は「XXXXだが、実はひそかにXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXなので、XXXXXXXXXXXXとXXXXXXXXをするようになった」のだという。
上の伏字はネタばれ防止でもあり、実はけっこうその種の描写に配慮しているこのブログの基準的に載せられない、というものでもある(笑)


ただ、だからこそ議論は、深遠に入っていく…

ハコヅメ105話 深夜の公衆トイレ女装者にどう対処するか


これはまた、さらに大きな議論を呼ぶ話でもある。
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まずこの設定、元警察官の作者の経験や警察知識によるリアリティある話なのか、突飛かつ奔放な想像力の産物なのか、判然としないが、まあ前者なような気がするな。理由は後述。


そして、これはこんな法律議論も呼ぶ・・・・・・・・・・・・

ハコヅメ105話 深夜の公衆トイレ女装者にどう対処するか

しかし、これはそもそも「裁かれるべき」ものなのか?という、法律の条文をさらに超えたような判断が上位にあるのです。


そして、物語の結末はーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。もちろん書かない。


普通の常識で想像も対処法の見当もつかない「性行動」に対して、警察の「捜査」の文脈が追い付かず、あさっての方向に行ってしまう…という話は時々起きるらしい。

最初の話が、経験談的な骨子があるんじゃないか?
と思ったのは、これも自分の体験談が下敷きになった部分も多い、ジャーナリストの大谷昭宏氏が原作者を務めた「こちら大阪社会部」の第一話に、かなり似た話があったのね。

少し試し読みできるかな。
yomiho.cmoa.jp


こちら大阪社会部 公衆トイレでのある変死事件



詳細は略すが、これも社会的地位のある人物が、公衆トイレという変わった場所?で、非常に”不自然”な状態で変死していた…という話。だが…この文脈で紹介しちゃうと、オチは半分ぐらい分かってしまうが、まあそういう話。
そうなってくると、これをどう公に処理するか?報道とかもどういうふうに収拾させるのか?みたいな話にもなってくる。
実はXXXXXXXXXXXXXでしたーーーとみもふたもなくかけば、発表すればいいやないかい、とはなかなか言いかねる話であるのだ。

この話を新連載1話に持ってくるってことは、やはり大谷氏は、新聞記者時代に似たような話を取材したことがあるのではないか??と思うのです


たしか

に、ちょっと類例があったような気もするが…… まあいいや深入りしない。
しかし、ものごとが大ごとになると、
こんなことまで起こってしまうのだよ。

ja.wikipedia.org


これも「ウィキペディア文学」として高い評価??を得ている。




そして、ずっと追ってきた「『人騒がせ』は違法なのか?」という問題にも通じる

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こういう話とは「目的」は違うのだけど、それでも、「あまりにも異様で、わけがわからん」というものに、警戒感や恐怖を感じるのは自然。なら警官がその対象を拘束したり、職務質問をするのが自然かーーーーーーーーというと、これまた法律論ではそうはならないから。


中年の男性が、下着をかばんの中に持っているのを職務質問で発見され、逮捕拘留されるが、自分が女装するためのものであることが分かり無罪となる(その一方で、妻とのかつての関係が戻ることはなかった…)
この場合、無罪になるのは当然としても「中年男性のくせに女性の下着を持っているのは怪しい、犯罪に関係あるのではないか」といったん逮捕した警察の行動が間違っているかというと・・・これもやむをえない、のではないか。(ここでああそうですか、とはいくまいと、マイノリティとマジョリティの常識は、どこかでえいやっと折り合いをつけるべきなんだろうな。
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ちょっとまとまらないのが恐縮だが(なぜなら眠い)、とにかく、そういった意味で「ハコヅメ」通常復帰回は法哲学的にも興味深かった。


あと、これも毎回恐縮だが、この話は店頭のモーニングには載っていない(もう次の号が出ている)。

「コミックDAYS」なら読むことができる。
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