「女装の男性」に関する事件が最近起きた。直接的に警察が捜査している事件は、被害者としてだが……
いろいろと複雑な情報が流れているので、そこは略しよう。
もうひとつ、通産省(経産省か)でトイレ使用に関する裁判とその判決があった。
トランスジェンダー “女性用トイレの使用制限”違法 最高裁
2023年7月11日 20時35分
経済産業省に勤めるトランスジェンダーの職員が、職場の女性用トイレの使用を制限されているのは不当だとして国を訴えた裁判で、最高裁判所は、トイレの使用制限を認めた国の対応は違法だとする判決を言い渡しました。
性的マイノリティーの人たちの職場環境に関する訴訟で最高裁が判断を示したのは初めてです。
※記事の後半に判決のポイントや今後の影響についてのQAを掲載しています。
裁判のきっかけと争点は
性同一性障害と診断され、女性として社会生活を送っている経済産業省の50代の職員は、執務室があるフロアから2階以上離れた女性用トイレしか使用が認められず、人事院に処遇の改善を求めましたが退けられたため、国の対応は不当だと訴えていました。最高裁の審理では、トイレの使用制限は問題ないと判断した人事院の判定が違法かどうかが争われました。
www3.nhk.or.jp
二番目の控訴審判決の方が先に話題になり、その時に「あ、これに似た話って漫画『げんしけん』で出てきたよな」と思い出したのです。
その話題は、過去ブログ記事にある。
(略)
もひとつ漫画からの例示でアレですが(笑)、「げんしけん二代目」から。
女装する男子部員が、大学の女子トイレを着替え場所として当初使っていますが、仲間は「それは犯罪ダヨ会議」を開催し糾弾(笑)。
でも男性だが心は女性の人は確実におり、女性トイレを使うのは罪ではない(※判例あり・・・だったと思うが探した限りでは見つかりませんでした)。
性同一性障害の方が生物学的な性とは違うトイレを使うのと、「女装が<趣味>なんです」という人が女子トイレを使うのには明確な差異があると。「病気/個性」差の一例。
(※性同一性障害がのちにWHOの基準では「病気」で無いことは一応踏まえております、その上の話からの流れ記述)
m-dojo.hatenadiary.com
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※この話はこの記事にもつながっていきます↓
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そもそも、漫画に登場するキャラクターとして「女装が趣味ですけど、自分の性自認(という言葉、当時あったかなァ)はあくまでも男。性的な関心の対象も異性に対してです」みたいなことを公言する人が登場する、というのがそもそも画期的?かはともかく相当に個性的だったような気がしたなぁ。
しかも!
そう自認しているにも関わらず、その後、日常的に接している男性の一人、その人に限っては恋愛感情的なものを抱くようになってきており、それを自覚したり自分の中で否定したりとややこしくなってくる。このへんは「グラデーション」というべきなんでしょうか…?
ところが!
女装は「趣味」とは言い切れなくなり……
国連の定義みたいなものがあり。
www.unfe.org
そして「クロスドレッサー」とか「オートガイネフィリア」という言葉がある。
dictionary.goo.ne.jp
いま、「トランスベスタイト」という言葉も知ったんだけど。
dictionary.goo.ne.jp
なにより、女装は「趣味」…と言って悪ければ、「自由意思に基づいた個人の『選択』」だとかつて認識していたのだけど、今はこの女装もセクシャリティのひとつである、と定義されている…らしいよね?だとしたらセクシャリティは外部からの影響によって変えられない「先天的な、変更不可能な属性」だということになる。
それでも、今のところは「トランスジェンダーではない”女装”の人(クロスドレッサー)が女子トイレを使うのは大問題ですよ!」というラインはこの「げんしけん」描写と変わらない…らしいので、同作はとても先駆的である…でいいのかな???
しかし!!
まさにこの部分で、大問題??な描写もある。
「げんしけん」の部員は、卒業の合宿として、ある部員の実家を拠点に皆で出かけるのだが…その、実家を持つ部員さんは家族の人たちに、こう連絡するのだ。
(画像真ん中の人物が女装家。他は女性)
わ!「女装した男性」と「心が女性の男性」を意図的に同一のように扱い、いわば”偽装”する!!!!
これいま、一番のホットトピック……というか、「絶対にやってはいけない不法無道のふるまい」として糾弾される行為、なんじゃなかろうか…?
というかリアルタイムの雑誌掲載時(いつだったかなぁ)に「あれ?いいの??」とうっすら気になったのを覚えている。
その一方で「こう伝えることが、実際の状態を話すより『シンプル』に伝わる」ということ自体が時代の変化だよなあ…とも思ったりした。
だから作品内でも、上の画像のように少しフォローしているのだけど、…その結果として、あくまで結果的にだが、女装はしているけどあくまで性自認は男性、性的指向は異性愛の男性と、女性が同じ部屋で宿泊することになったのだから、まさに問題のど真ん中に直面している。
ちなみにホスト側の実家は、結果的に「だまされた」ことになるのだが、こっちはこっちで、見た目だけで誰がトランスジェンダーか探そうとして、盛大に誤爆したりしている。
げんしけんで、この女装家が登場する「二代目」は2010-2016年の連載だったということだが、まだ完結から10年もたっていない作品なのに…いやそれゆえにか「ズレ」のようなものが生じて、しかもそのずれはどう修正すべきなのか正解がない…っぽい気がするのでした。