漫画誌「漫画アクション」に、東京都赤羽を描くエッセイ漫画が載っている。乗り換え基地でもあり、何度か降りたことはあるけど、その人の言によれば飛びぬけて「おかしな町」であるそうだ。
- 作者: 清野とおる
- 出版社/メーカー: 双葉社
- 発売日: 2013/07/12
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- 作者: 清野とおる
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- 発売日: 2013/11/28
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ほう、来月2巻発売だとか。
んで、最新号では、ひところ赤羽を騒然とさせた「UFOおじさん」について語られている
なんのことはない、ただ単に電飾のついた凧を夜に揚げた、というだけの話で、初登場のときは大騒ぎになったのだが、いまや赤羽のまちには完全にとけこみ、地元民は見向きもしないとか。おじさんは「蜘蛛型の電飾にして掲げようと思う」といってるらしい(笑)。
漫画の作者・清野とおる氏が2010年にこのUFOを報告した記事は、いまでも謎のUFO、あるいはネタが割れた「人騒がせUFO」が出現するたびに繰り返しアクセスされ、読まれているそうな。
■「赤羽UFO」
http://usurabaka.exblog.jp/14919034/
知らないおじさん発見!!
UFOを見上げてるし、彼なら何か知っているかもしれない。
「おじさん!あのUFOみたいなの、何なんですかね?」
「ああ、アレ?俺の。」
(後略)
いや地元民は見慣れたかもしれんが、はじめて夜の赤羽を訪れた他地区の人はどうなるのよ。
7年後もやってたら、とくに外国人にはいい「 お も て な し 」にはなるだろうけど。
だけど……
自分も子供時代やりたかった!だけどやれなかった「ただの人騒がせ」。怪人二十面相にも似て。
自分もこういうことをしてみたかった、けどやれなかった。
そこにシビレる、あこがれるぅ!!
というところは正直ある。
なぜこういうことをしたいかと思ったかというと、「怪人二十面相」にあこがれたからだ。正確に言うと、二十面相が扮したというオチになっている「電人M」とか「夜光人間」「透明怪人」にたぐいですね。
二十面相はそういう、なぞの怪奇人間にときどき扮して悪事をはたらいているが、はっきりいってふつうに悪事をやったほうが、どれもすべてコスト、手間、リスク的に本人にとっては得なんだ(笑)。つまり、赤羽で電飾つきの「UFO」を飛ばすおじさんと発想はかわらん。
夜光人間のときは風船とか何とか、山ほどのギミックでむりやり実現させてたし。
([え]2-8)透明怪人 江戸川乱歩・少年探偵8 (ポプラ文庫クラシック)
- 作者: 江戸川乱歩,藤谷治
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ただ、その発想の先には…上の記事ともちょっと関係しているけど「この世に不思議で奇妙な、日常と違う風景が出現したらいいなあ」という心があると思うのです。
二十面相はそういう愉快な人騒がせを、犯罪にも使うので明智探偵や小林少年から追いかけられたけど、赤羽のUFOおじさんは、別に電飾凧が犯罪というわけでもないのでいまでも元気に凧揚げをしている。
自分は宝の地図とか、暗号とかだったな。
学校とか近所にそういう謎の暗号をちりばめ、一応だれかが解いたときのために場所にそえなりの宝(ガラクタ)を置いてあげたりしていた。
それを誰かが、見つけてくれたかどうかはわからない(笑)。
そういえば少し前の「団地ともお」でも、ともおたちが暮らすマンションの設計者が「ここを作るとき、それをたどるといける暗号を設計にちりばめたが…あの子達が解いてくれたか…」という話があったような(ちょっとディテールは違ってるかも。分かる人はおしえてください)。
でも今、住宅の前に意味ありげにかかれた暗号は、訪問販売詐欺グループの、仲間への「ここの住民は、ひとを信じやすい、おいしいカモです。」などの印なことが多いそうで…なんとも世知辛い話だ。
また中高生のときから自分は、非オカルト論者でしたが(あすかあきお氏のおかげです(笑)。彼が超科学と超歴史でまた別のオカルトなことはこの際いうまい)、だからこそ、その分、呪術やら宗教的ディティールについてはくわしうございました。
それはもちろん、信じている側の人たちをそれによって怖がらす=喜ばせるためでして、魔法陣とか呪符とか、そういうのを書くのは実に面倒くさいけど、そういうので、ひとときの非日常感覚を味わってもらうのは大変いいことだと思っておりました。
ただガチの人もいるわけで、五芒星(たしかストローで作ったんだよなあ)をある友人の机の上に置き、思わせぶりに「378991」とか「TJP=9033」とか適当な数字をちりばめて、魔方陣ぽくしたら、彼女から泣かんばかりの抗議をされたことがあったのう。失敗でした。百太郎もそのころ、時代遅れのクラス限定ブームだったしなあ。
そんな話から、twitterでの派生やり取り
https://twitter.com/manhemo/status/391418970319765504
gryphonjapan @gryphonjapan 26分
いま夜の路上や公園で、おばけやUFOをでっちあげて(結果的に)人を怖がらせたら、何かの罪に問われるんだろうか?赤羽の「UFOおじさん」は結局、何の罪にも問われずいまでも元気にUFOを夜空に出撃させているらしいから、合法なのかなあ。
manhemohankuyu @manhemo
@gryphonjapan わたくし駅の伝言板にはよく『アホウドリイマダキカンセズ』とか『オオカミキタへハシル、キュウコウセヨ』とか書いてましたね。
gryphonjapan @gryphonjapan 7秒
関係ないけど「エリア88」ではスエズ侵攻作戦発動の暗号が「目覚めよ 眠れるライオン」で、「そんな思わせぶりな文面の無電打たれたら知らなくても警戒するんじゃないか」、と子供心に(笑)。あ、ツイートを記事に引用させてもらいます。 @manhemo
怪奇スポットで「恐怖に逃げ出す人」を演じれば、周りを怖がらせることができる(ソレミテ)
「ヤングキングアワーズ」でのエッセイ漫画「ソレミテ」は、心霊スポットめぐっりがテーマ。タイトルは「それでも霊が見てみたい」の略称。
ソレミテ 1巻―それでも霊が見てみたい (ヤングキングコミックス)
- 作者: 小野寺浩二,石黒正数(総合プロデューサー)
- 出版社/メーカー: 少年画報社
- 発売日: 2013/06/29
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数号前?いやもう少しさらに遡るのかな。主人公の彼らが編集部スタッフと一緒にスポットを回ったとき、少しスタッフと離れた主人公グループは「何かを見て、怖がって一目散に逃げるところを演じましょう!」と衆議一決、「とっても楽しく」、「うわっ出たー」「助けてーーーー!!」と逃げだし、目論見どおり編集スタッフはびびりまくったそうな。
これも「合法的人騒がせ」のひとつとしてはよく出来てると思う。いま、公園や墓地で白いスーツをかぶって「おばけだぞう」とやったら、何かの罪に問われるか、警察から少なくとも法的根拠なしでひっぱっていかれてギャワー、というファーザー状態になりそうな気がする。
しかし、なんとも雰囲気ありそうな、怖そうなところで「ギャー!!」「出たー!」というのは、まあ合法性がもうちょっと高いし、何か言われたら、「あ、勘違いでした」とでもいえばいい。繰り返していけば簡単に「心霊スポット」のできあがり。
そんな「意味も無く人騒がせな何かをする」ということを、今回の「ウヒョッ!東京都北区赤羽」漫画を読んで思い出したのでした。