今回はこれまでの「ハコヅメおもしろいな」という紹介とは違って、「へーそうなんだ」というトリビア知識の話です。
(モーニング 2020年2号・3号 2019年12月12日)
いやこれが現実かどうかわからんのだけど…調べてみたら、ずばっと、オフィシャルに、こういう運用してます!! と書いてあるようなホームページとかは無い…のかな?あったら教えてください。
www.bengo4.com
akiragu.com
sat-sagasu.com
・・・・・・・・しかし、興味があるのは、世のなかにおいて、どのようにその「身分」を隠し得るんだろう、というところなんだよね、個人的には。
とりあえず今、失踪の予定はないけど(笑)、なんと言うかな…「高度な、リアルなかくれんぼ」というかね。この世の中、管理がやっぱりなんだかんだと行き届いているし、さらにいえば顔認証やら携帯電話の位置情報なんやら、技術的にも「個人を特定する」方法が進歩の一歩だ。
そうなると、失踪というものは一種、社会が「本気出せば、あんた特定できるし、その情報をしかるべきところと共有できるぞ。だけど、ルール上それができないから、あえて『しない』よ」という、失踪しやすくする――というと変だな、プライバシーや個人情報保護、みたいなことを『する方向』に力を込めておかないと、失踪もできなくなっている、というか。文章変だな。
典型的なことをいえば、「DVから逃げてきたので、私たちがいるという情報を隠してください」と申告すれば、警察含めた行政が情報を隠すようになっている、でしょ。ああいうのだ。
今回の、ハコヅメの「免許更新時、失踪届が出てる人でも本人が拒否すれば連絡は行かない」という話は、そういう点で個人的に興味深かった。
そういえば、
「自転車日本一周」を装って逃亡を続ける犯人、って最近あったね。
いま、一番詳しく読めるのはこの記事とかかな?
www.sankei.com
…店の従業員に気さくに話しかけ、記念撮影にも応じる。大阪府警富田林(とんだばやし)署から逃走し、9月30日に加重逃走容疑で逮捕された樋田(ひだ)淳也容疑者(30)は、自転車で日本一周を目指す旅行者に完全になりきっていた。そのあまりにも自然な振る舞いに、逮捕前の樋田容疑者に接した人たちは「まさか、逃走犯だったとは」と言葉を失った。
「自転車仲間にフェイスブックで知らせたい。投稿用の写真を撮影させてくれないか」
9月18日朝、山口県周防大島町の道の駅「サザンセトとうわ」。支配人の岡崎竜一さん(54)は、この日道の駅を訪れた男に声をかけた。
顔はよく日に焼け、乗ってきたロードバイクタイプの自転車には傘や釣りざおなどの荷物を大量に積んでいた。リュックサックには「行くぞ! 日本一周中」の文字。すでに訪れたところを示しているのか、一部の府県が塗りつぶされた日本地図も持っていた。
男は「いいですよ」と快諾し、額にかけていたサングラスで顔を隠すこともなく、カメラにポーズを取ってみせた。
この男が樋田容疑者だと岡崎さんが気付いたのは、逮捕後のこと。「とても気さくで、仲良くさせてもらっていた。逃走犯とは夢にも思わなかった」という。
カイジっていま「24億円脱出編」ってサブタイトルついてるのか…
…カイジは和也との戦いに勝利し、みごと勝ち金24億円を手にしました。しかし、これはあくまで途中経過にすぎないのです。和也との勝負に勝っただけで、勝ち金はまだカイジのものになったわけではありません。和也の背景にある帝愛グループとの契約により、カイジの命はカイジ自身のものではありません。たとえ殺されたとしても、不審死であると判断されることはありません。帝愛はすでに墓さえ用意しているのです。したがって、勝ち金を強奪してカイジの命を奪い、勝負自体をなかったことしても、帝愛にはまったく問題がありません。
カイジは言っています。
「チャンとマリオが、勝ち金を持って、無事に祖国に帰ったとき勝負は終わる」
そうでなければ、勝ったことにはならない。カイジはそのことをよく知っているのです。
しかも、敵は帝愛だけではありません。24億という大金を持っていることに、警察が不審を抱かないはずはありません。言ってみれば周囲全員が敵です。
勝ち金の分け前は、チャン6億円、マリオ6億円。そんな大金を、どうすれば怪しまれずに海外に持ち出すことができるのか。なにしろ、6億円は札でベッドが作れるほどの量なのです。越えなければならない関門の多さを想像すると、まったく不可能にさえ思えてきます。
カイジがいわゆるギャンブルでない勝負をするのはこれがはじめてのことです。
見るからに異様な3人組、カイジ、チャン、マリオ(和也はこの3人組を「貧しきアジアの3人のクズ」と呼んでいます)に勝機はあるのか。
連載開始してすでに20年以上。『カイジ』は今、これまで開けたことのない新しい扉を開こうとしています。
news.kodansha.co.jp
ワン・ポーカー勝負に勝利したカイジは、24億円もの大金を手に入れることに。次なる難問は、圧倒的にかさばる現金24億と、帝愛の追手だった。帝愛の追手から逃れるため、カイジらは、現金の隠匿に奔走する。24億の現金を積んでいた、軽トラの破棄を無事やり遂げたチャンは、ついにカイジらと合流する。一方の帝愛も、捜査本部を立ち上げ、カイジらの捜索に全力を上げる。
1:「カイジ」の展開が面白い。ギャンブルで24億円一度は手に入れたけど、負けた側は力づくで取り戻そうとする。そこからの必死の逃避行なんだけど、それが「社会におけるリアルな鬼ごっこ」ともいえる内容になっている。
— bookroad (@bookroad1) October 13, 2018
この前、自転車日本一周に化けて逃避行した、あの脱走犯とも重なるんだよね pic.twitter.com/KudCxiPNfc
2:はじめは「金もなきゃ車もない、着の身着のままで取調室から脱走した男なんて、3時間で捕まるだろ」と甘く見てた。
— bookroad (@bookroad1) October 13, 2018
それが40日だっけ、逃げおおせたのには本当に驚きだった。(もちろん称賛ではない)
そして逮捕されて「実は日本1周の旅行者に化けてた」は「それか!」という一手だった。
4:話をカイジに戻すと「社会的鬼ごっこ」は、相手がレンタカー利用や銀行預金、ケータイ契約など、嫌でも社会と接点を持たざるを得ない場面を捉えて、そこから捕まえようとすることと、そこから逃れることを示す。カイジを追う帝愛は巨大企業で、半分イリーガルな形でそれを使う設定になってる。
— bookroad (@bookroad1) October 13, 2018
6:カイジの潜伏テク、あえて正規の方法で借りたレンタカーを屋内駐車場に放置して、それをダミーとして捜索させるとかは見事だけど、そのあと「世を拗ねたキャンピングカー屋の親父」にめぐりあって、実質買取りのような形でレンタルできる、というのは少々ご都合主義にも見えた。だけど(続く) pic.twitter.com/eBRT85MX7W
— bookroad (@bookroad1) October 13, 2018
7:近代社会で、社会的痕跡を残さないで活動する時に「反骨」というか何というか…アメリカ南部の保守主義にでもありそうな「政府とか役所とか大企業に反発して、そういう「公」とは距離をおいて協力しない」という独立独歩の主がいると、リアルさはともかくやりやすくなるのも事実なんだろうな。 pic.twitter.com/AO2RGU5AcJ
— bookroad (@bookroad1) October 13, 2018
こんな本が昔あって、結構話題になったよね。
この本はしらなんだ。
- 作者:フランク・M・アハーン,アイリーン・C・ホラン
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2013/11/06
- メディア: 単行本