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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています 

【完成】「2018年マンガ10傑」(第3回「内山安二賞」も)を選定します。

ぱち
ぱち
ぱち、と。

このマンガがすごい!はたしか11日発売。その前に、ちょっとだけでも先行して発表しようと思います。ただ、時間がかかるので何回かに分けてUPします。お手数ですが、何度かご来訪してください。(現在は完成)


それでは・・・・・「2018年漫画10傑」をば。その前に恒例、この賞の特徴、注意点について。
【重要な注意点】
・「10傑」は1−10位の順位付けをしているわけではありません。
・うちの賞の基準として、、『一度選んだものはことしは自分が実際に面白いな、すごいな、と思っても優先しない』ようにしています(多少の例外はある)。「なんであれ入ってないの?」と思うものは、これが理由なことも多いと思います。
※この記事の末尾に、過去の賞へのリンクがあります。
同時に、2017年から、それを補う特別枠も作りました。


それではいってみよーー

まず、ここに、一覧を掲載

まず先行して、紹介記事かいたものを一覧化します。これも、徐々に追加していきます。
 

作品名 作者 表紙
10傑 かまどのありがちシリーズ(仮題) かまど 単行本なし。「オモコロ」参照
10傑 はしっこアンサンブル 木尾士目
10傑 ゴールデンカムイ 野田サトル
10傑 ハコヅメ〜交番女子の逆襲 秦三子
10傑 レキアイ
レキアイ! 歴史と愛 1 (星海社COMICS)

レキアイ! 歴史と愛 1 (星海社COMICS)

ここからも読めます
10傑 彼方のアストラ 篠原健太
10傑 邦キチ! 映子さん 服部昇大
10傑 じけんじゃけん! 安田剛助
10傑 へんなものみっけ! 早良朋
へんなものみっけ! (1) (ビッグコミックス)

へんなものみっけ! (1) (ビッグコミックス)

10傑 諸星大二郎劇場 諸星大二郎
10傑+1 寄生獣リバーシ 太田モアレ

※このあと「特別賞」をUPします


■「2018年マンガ10傑」(その他特別賞)


かまどのありがちシリーズ(仮題)/かまど

いきなり変化球ですかね(笑)
でもこれを漫画10傑に選ぶのは、奇をてらった訳でもなんでもなく、公平に判断してのことです。
思えば漫画をはじめとする創作物が世に溢れていくにしたがって、その物語の構造を研究する、キャラクターを分類する、設定を考察する…そんなふうな「遊び」が、マニアから一般に広がっていきました。それが「あるある」や「お約束」というような形で広い範囲に可視化され、ネタとなっていきます。
一部は深夜ラジオ、あるいはファンロードやOUT になり、いけば本格的な研究になり、そしてその中の最良の蓄積が「メタな笑いを武器にした漫画作品」として結実しました。
誰の目にも分かるのが、竹熊健太郎相原コージのコンビによる金字塔「サルでも描けるまんが教室」ですが、その後も久米田康治の「かってに改蔵」「さよなら絶望先生」「かくしごと」などはこういうキャラクターや物語のお約束を笑いの材料にして人気を博したわけです。それがメインというわけではないが篠原健太「SKET DANCE」や、麻生周一斉木楠雄のサイ難」などでもサブキャラにこの笑いを取りに行くキャラクターを配置しました。

そして、「オモコロ」で掲載されてきた「かまど」さんによる
 
かまどのありがちシリーズ
https://omocoro.jp/matome/134179/


は、正しく「サルまん」「かってに改蔵」「さよなら絶望先生」の系譜に位置付けられる、物語(漫画)のお約束をシンプルな研究でも、単純なツッコミでもない、物語の中での笑いとして活用し切った大傑作なのではないか、と思うのですよ。
不肖わたくしも、このブログ内、あるいは更新がつづく https://togetter.com/li/902024 などで、物語やキャラクターのパターン、お約束については興味を持ち続けてきたほうだと思う。そこから見ても、「よくできている!」とうならざるを得ない珠玉の作品ぞろいです。



サムネイルの一部分を紹介しましょう。

「どこにでもいるごく普通の高校生」検査
【性格別】「悪の組織」によくいる敵とその裏切り方11パターン
【わしの修行は厳しいぞ】漫画の師匠にありがちなキャラ10選
ラスボスにありがちなキャラとその動機11選
男子が選ぶ!下ネタを振られた時の女子のリアクション11選
漫画にありがちな「顔の傷跡パターン」厳選10!



こいつ、何を描いてるん(パァン)  だ(笑)…といいたくなるぐらい、ツボをついている。

ふつうの漫画読者はゲラゲラ笑い、漫画マニアはううむとうなり、創作者の側は「一見(いちげん)さんお断りじゃなくて、百見さん(詳しすぎてこっちの出方を先回りする連中)はお断りだ!」と叫びたくなる…そんな珠玉の作品ばかり。

あえて一言文句をつけるなら「HUNTER×HUNTER幽遊白書好きすぎだろ」ということぐらいだね(笑)
しかしあの作品に、演出上の画期がこんなにあることを、初めて氏の作品で気づいたという面もある。

今後の新作をますます期待します。
そしてこのかまど作品集が、なぜに紙の単行本になっていないのか???誠に解せない話です。出版社が争奪戦を行ってもいいぐらいなのに。…あ、「お約束」を潰しすぎて、漫画業界のお尋ね者になってるのかもしれない(笑)


はしっこアンサンブル/木尾士目

げんしけん』の木尾士目が新たに描く工業高校×合唱の青春物語! 声にコンプレックスを抱える藤吉晃。声変わりから極端に低い声になった彼は、「声を使わない仕事に就けるかも」という理由もあって工業高校に進学した。しかしそこで、合唱部を作ろうと意気込む同級生・木村仁と出会う。木村は藤吉の声に魅力を感じ、「一緒に合唱やろう!!」と誘ってきた! リアルな工業高校の日常と、歌で人の心が繋がってゆく青春模様です!

げんしけん」で、まったり文化部もの、「ファン漫画」の一代エポックメーキングを作り出した作者は、いくつか他の作品をまたいで、げんしけんの「続編」を描きこれまたヒットさせた。
元々、げんしけんで知られる前はむしろハードでドロドロした「人間関係」に焦点を当てた作品で知られている人であったし、この後、どの路線に進んでいくのかは少しばかり注目されていたような気がしたが、 「非主流の王道」と言うべき作品での勝負となりましたな。
「非主流の王道」というのは
・それほど、これまで扱われてはいなかった部活動
・その分野のディティール、うんちくにこだわって描写する
・そのマイナーな分野の部活動に、メンバーが集まるところからドラマを展開する

……といったものです。これは扱う分野が マイナーだからその時点で始めから王道じゃないんだけれども(笑)、それでも一ジャンルとして、すでに成立している分野であることも間違いない。と言うか、 この前出版された河合克敏の研究ムック本で作者の木尾士目さんは河合氏へのリスペクトを表明し「はしっこアンサンブルは取材に基づいて描いてるけど、書けば書くほど『とめはねっ!』はすごいなあと感心させられる(大意)」みたいなこと書いてるからね(笑)。
※この本な

そういう、ブルーオーシャンからレッドオーシャンになりつつあるような「パープルオーシャン」と言ってもいい分野だと思う。

ただ、これも1ジャンルである「主人公はちょっと受け身の常識人、その人たちから見たマイナー部活動の奇人たち」という描写は、作者の質を反映して主人公の内面の磨き方が流石だと思わせるものがあります。
そしてまあ、 主人公から見ての観察対象となっている「行動的な奇人」は…今はアスペルガー障害という概念が出ているから、 逆に「そっちなんじゃないかな?」と思ってしまいややセンシティブになるんだけど(そういうの僕だけ?)、基本的に「空気を読まないキャラクター」。その空気の読まなさが、逆に功を奏して、これまで周囲の誰もが敬遠していた、暴力的な不良キャラクターを籠絡し、メンバーに加える…というところまでお話が展開しています。

ここから、高校合唱部の競う場である「MHK合唱コンクール」 も登場するようです。ここからどのように展開していくのか。作者がリスペクトする「とめはねっ!」とも対比させつつ、追っていきたいと思います。


ゴールデンカムイ野田サトル

 『不死身の杉元』日露戦争での鬼神の如き武功から、そう謳われた兵士は、ある目的の為に大金を欲し、かつてゴールドラッシュに沸いた北海道へ足を踏み入れる。そこにはアイヌが隠した莫大な埋蔵金への手掛かりが!? 立ち塞がる圧倒的な大自然と凶悪な死刑囚。そして、アイヌの少女、エゾ狼との出逢い。『黄金を巡る生存競争』開幕ッ!!!!


これ、当ブログの「過去に十傑にランクインした作品は、再ランクインはかなり厳しくする」という規定に入ってると思ったんだが、入ってなかったんだよな。まあ、今更の大ヒット作品、どこがすごいって書いても陳腐な指摘になってしまうだろうね。アイヌのワイルドな食材や料理法は確かに面白い。


一方で作者自身が「変態が大好き」と書いているような猟奇性や、一周回って現代的なようでやっぱりオールドスタイルな「男をあえてお色気っぽく描写すると、それだけで笑いになるでしょ?」的なくすぐりは個人的には特にウケない。

あと「狩人・狩猟民への、好意的(ここ重要)オリエンタリズム」とここで命名したいような部分もあって、これはいい方向に作用していると思う(あとで系譜を調べつつ書きたい)

ただ、自分が10傑に入れたい一番大きい部分は「三つ巴、四つ巴ものはやっぱり面白い」ということ…に尽きるわ。杉元やアシリパさんのグループと、鶴見中尉の第七師団、そこに「(※函館五稜郭の「蝦夷共和国」に続き)もう一度国が作れる気がするだろう?」とうそぶく、函館戦争を実は生き抜いていた土方歳三一派・・・と、そして自分は史実と虚構がうまく入れ子になっているものが好きなので、やはり三つ目が「土方歳三」なのは大きいです。

どこで話したっけかな、あまりに面白いから、もともと西部劇っぽいこれをもういちど、アメリカを舞台に翻案してアイヌアメリカ先住民、土方歳三→旧南軍(リー将軍にしますかね・・・)みたいに翻案すればハリウッドいけるんじゃないですかね。




ハコヅメ〜交番女子の逆襲/秦三子

ハコヅメ~交番女子の逆襲~(4) (モーニング KC)

ハコヅメ~交番女子の逆襲~(4) (モーニング KC)

「もう辞めてやる!」辞表を握りしめた新米女性警察官・川合の交番に、なぜか刑事課から超美人の藤部長が配属されてきた。「岡島県警(の男性陣)を絶望におとしいれるコンビの誕生である。某県警に勤めること10年、隠そうとしても漏れ出てくる作者の本音がヤバい! 理不尽のち愚痴、時々がんばる、誰も見たことのない警察漫画。※労働基準法は警察官に「一部」適用外です。
 
著者について
泰 三子
某県警に10年勤務。2017年、担当編集者の制止も聞かず、公務員の安定を捨て専業漫画家に転身する。短編『交番女子』が掲載され話題になっていた「モーニング」誌上で、2017年11月より『ハコヅメ ~交番女子の逆襲~』の週刊連載がスタート!


警察が持つひとつの特徴は、日常的な運営にはいわゆる体育会的、あるいはもっと悪い言い方をするならブラック企業的な体質(超過勤務なども)を持つ一方で、官僚の中の官僚、といっていいほど形式や順法にこだわる官僚的体質も持っていることだ。(旧日本軍にも似ている部分はある)
刑事ドラマでは、そのへんは逆に無視しないと話が作りづらいが、逆にこの「ハコヅメ」は、ふつうの警察ドラマでは切り捨てられるそのへんの体質や、細かい運営上の規則に焦点を当てて、そこから笑いをとろうという「反転させた」部分が面白いっす。
 
ただ、その種の理不尽さがもっとも「暗黙の了解」だった相撲界でもアウトになるご時勢。ほんの数十センチでも道をそれれば真っ逆さまに落ちてしまう(シャレにならないだろ、笑えないだとと言われる)。実はそのギリギリさが、少なくとも今までのところは笑いに転嫁されているように思います。(たとえばその種の理不尽な行為を、むりやり形式上はコンプライアンスぎりぎりに収めるようにする糊塗のしかたとかね)


そしてそれでも「やっぱり警察はがんばってるお!!」というところに収斂させていくのも、やはりそれはそれで安心感のある読み物となっております。
そして作者のこのかた、本当に某県警に10年勤務したというから、日本漫画界の層の厚さたるや…そして、いろんな界隈の闇の深さたるや…
参考

日本中に散らばる「漫画が描ける中間層」が、自分の得意分野の啓蒙を漫画でしまくって知が集積し過ぎる。こういうののアンソロジーをつくれ。 -
d.hatena.ne.jp

レキアイ/亀

レキアイ! 歴史と愛 1 (星海社COMICS)

レキアイ! 歴史と愛 1 (星海社COMICS)

内容紹介
世界史に名を残す天才たちは、愛のカタチも規格外!
ゲーテ ナイチンゲール ダーウィン
マリー・アントワネット ダンテ ルター
マリ・キュリー オデゥッセウスとペネロペ
管仲と鮑叔 ヴェートーヴェン サド
チャイコフスキー ゴッホ 武則天
の歴史と愛が登場します!

世界史に名を残す天才たちは、愛のカタチも規格外!ゲーテ ナイチンゲール ダーウィンマリー・アントワネット ダンテ ルターマリ・キュリー オデゥッセウスとペネロペ管仲と鮑叔 ヴェートーヴェン サドチャイコフスキー ゴッホ 武則天の歴史と愛が登場します!

著者について

漫画家。
世界史の漫画サイト「歴史系倉庫」を運営。
著作に『世界史の問題児たち』(PHP研究所)。
Twitterアカウント:@rekisikei

 基本的に雑誌を追う古いタイプの読者なので、ネット上で定期公開される系の作品は1、2本を除いてつい見逃してしまうのだが、この作品は発表されれば楽しく読んでいる。歴史実話、偉人かつ変人の面白エピソードをショート漫画として発表するというのは、やろうと思えば多くの人がいろんな切り口でできるんじゃないか、とは思うのだけど(「決してマネしないでください」が物語内挿話としてやってましたね)現在、継続的にやってくれているのはこの作品なのだから、まずはこの作品をほめたい。
レキアイという題は「愛」で、偉人の恋愛話、結婚話を中心に描いているのだけど、作者さんが本当にそこに一番興味あるかは読んでいると疑わしい(笑)。
 
ただ、自分も別に偉人の恋愛にはそれほどの興味ないので、それを「隠れ蓑」にして一般向けにアピールしつつ、いろんな奇人伝を描きたいとおぼしき作者さんの姿勢に好感が持てるのです。
ネットが最初の発表媒体で、今見る限りはずっと掲載が続いている同作品、紙書籍の意味は低いかもしれないが、一応紙書籍出ている。(自分も買った)


彼方のアストラ/篠原健太

宇宙への往来が当たり前になった近未来。高校生のカナタ、アリエスら9名は“惑星キャンプ”に旅立つ。未体験の宇宙旅行に胸を躍らせながら惑星に降り立った彼らを待ち受ける、予想外の事態とは!? 近未来SFサバイバルストーリー、始動!!

それでも町は廻っている」の石黒正数らを筆頭に、「とにかく構成力があるよな」「伏線とかをきっちり張っているよな」という「巧い系」の漫画家さんというのがいて、篠原健太先生がその系譜にいることはたぶん間違いないと思う。ジャンプで必要な才能か不必要な才能かはわからん(笑)
これも元はネット、それもジャンプ系のサイトで発表していたので、まったく存在を知らず、一時期は「篠原先生はSKET DANCEで十分稼いだから、もう引退して悠々自適で暮らしているのだろう。残念ではあるが、それもひとつの人生かもしれない…」みたいなことを公言してたからな、まったく失礼であった。ただ、当初はあんまり目立たなかった、ともいえるとは思う。
少年少女のグループが事故ではぐれてしまい、自分たちだけで生き残っていかねばならない、という「十五少年漂流記」からの偉大な設定は、やはり何度でも書き継がれていくものだろうし、漫画でも漂流教室自殺島、などがあった。宇宙空間がサバイバルの舞台なのは、古典SF「月は地獄だ!」以来かな?アポロ13とか、オデッセイとか映画であったね。少年+宇宙もの+サバイバルは、篠原氏が尊敬する藤子・F・不二雄氏が「宇宙船製造法」で描いた。
(このへんの例示はガバガバなので、詳しい人ならもっと系譜を挙げられるかと思います、バイファムとか…)

面白いのは、宇宙船を、子供たちは一応動かせるので、星々で補給をするための「サバイバル」と、故郷に戻るための「航海」を両方やっていく。そして星のひとつ一つに個性があり、そこごとに違う種類の冒険やドラマを描けるという…ぜいたくな作りですね。
そしてさらに、そこに「仲間の中に、実は別の目的を持った裏切り者がいる!それは誰なんだ‥‥?」というサスペンス、

そしてさらに、そこから名作映画「XのXX」や星新一のとある短編をほうふつとさせるような大掛かりなSF的設定構築のどんでん返しも仕込んでいる(正直、この設定にはやや甘さや粗が目立つとも思うが、そこの精密さよりもあっと驚く奇想を取ったのだろう。)

正々堂々、横綱相撲の「SF漫画」が少なくなって久しいこの時代に、横綱相撲を取り切った。高い評価を完結後大いに受けたのも当然かと思います。

twitterのフォロワーがとても多い有名人、「たられば」さんの推薦。(ひとつ埋め込みにして、後をコピーします)

見事に、本当に見事に、最高の意味で「その思い込み」は裏切られました。もし同じように考えてらっしゃる方がいらしたら、断言します。その「心地よいイメージ」は完全に上位互換されるでしょう。いいから読め。篠原先生の「いいところ」が全部出てて、それでいてまったく違う作品に巡り会えるなんて。


全5巻完結(スピンアウト作品希望!)。読後感の爽やかさといったら、見える空の色が変わるくらいです。久しぶりに「あぁぁぁ、読み終わってしまう、この幸せな時間が終わる。嫌だ、、でも止まらない…」とページをめくり続けました。SFです。コメディです。そして「行きて帰りし物語」です。


序盤から複雑に張り巡らされた伏線が華麗に畳まれてゆく「展開力」が魅力の作品なので、ここでは内容には触れませんが、壮大なストーリーと(篠原先生らしい)魅力的なキャラクター、丁寧な構成は、何回でも読み返せる味わい深さにあふれています。いやーすばらしい。お薦めありがとうございました!


そんなわけで作品リンク置いておきます。気をつけろ! あっという間に引きずりこまれるぞ!! 私は朝方まで読みふけって今朝めっちゃ寝不足です!! 篠原健太先生、眠いです! ありがとうございます!!! 生きててよかった! あと何度こういうすばらしい出会いがあるだろう!


うへへ。広まってる広まってるぞ。。好きな作品は広まることにも喜びを感じるよね。うへへ。なお全部読み終えてから全5巻の表紙を順に見直すと泣きたくなるし、『SKET DANCE』好きはボッスンやヒメコ、スイッチが『彼方のアストラ』のキャラの中に息づいてることを感じられてさらに泣きたくなります。


今日の月は舟みたいだ。暗い夜空を、星をまたいで漕ぎ行く月の舟。上等なSF作品を味わうと、見上げる夜空から受け取る物語がよりいっそう素敵に感じられますよねー。

「邦キチ! 映子さん」/服部昇大

天然系女子高生が放つ、邦画プレゼンという名の暴力──!!
邦画が好きで好きで、人に薦めずにはいられない!! そんな少々ハタ迷惑な性分の女子高生・邦キチこと邦吉映子が、この度「映画について語る若人の部」に晴れて入部!! 唯一の部員として部長の洋一を相手に、少々マニアックな邦画(一部例外アリ)をひたすらにプレゼン! プレゼン!! プレゼン!!! その視点、その愛情、その圧力。全てにおいて規格外!! 本邦初の邦画プレゼン漫画、誕生!!

「ファン漫画」というジャンルについて過去に語ったりまとめてきました。
それは(1)何かが好きなファンたちの生態、とんでもない言動をを面白おかしく描写する、 ということと(2)ファンが自分の好きなものに関してある時は真面目に、ある時は極端に振り切っておもしろおかしく「プレゼン」するという2種類があるようです。

映画秘宝とか、何よりテレビ「アメトーーク!」で「〇〇芸人」をやって完全に一般化したけれど、どっちが先とかでなく、手に手をとって進化し続けてきました。




これに関しては、すっげー詳しくここで研究してますのでご一読を。

「ファン漫画」の歴史を年表化してたどってみる【創作系譜論】 -
d.hatena.ne.jp




この中でも映画に関する漫画は「木根さんの1人でキネマ」「テレキネシス」など、このジャンルでの先頭を走っている感があったのですが・・・、
今年の夏、こんなはてな匿名ダイアリーが話題になりましたね

映画語り漫画で面白いものがまだ一作もない事実
anond.hatelabo.jp

この内容には別に賛同しないのだけど、 そもそもこんなふうに「映画語り漫画」が1ジャンルとして成立するほど増えたことに感動した次第だ。この時知った新作の漫画作品がたくさんあるんだが、そのうちの一つがこの 『邦キチ! 映子さん』でした。


同作品はここに掲載されていて、同サイトは
珠玉の女性向け漫画WEBサイトを 名乗っているのだが、この作品に関しては「どこがだ」としか言いようがない(笑)
comip.jp



しょーもない作品を、そのしょうもなさを誇張しつつツッコミつつ語る、と。これもまた「非主流の王道」といえば言えるわけだけど、そこで十分に面白いのは作者の腕ですね。
いちおう「女性向け」に関する最低限の言い訳部分と言うべきか、ボケる女性主人公と突っ込む男性副主人公は、昔昔昔のレトロな少女漫画の雰囲気を持っている。
(最新版の「日ペンの美子ちゃん」書いてる人だからまあね…)

…のだけど、もちろん「だからどうなんだ」としか言いようがない暴走っぷりであります。
あとひとつ、ここで題材にされるようなツッコミどころ満載の邦画が作られている、その現場にも乾杯!!!

「じけんじゃけん!」/安田剛助

部室で密室トリック!?学食で毒盛り!?離島の洋館に夏合宿!?ミステリ好きのちょっと変わった美人先輩と過ごす、事件だらけのスクールライフ♪ミステリファンもそうでない方も楽しめる、新感覚のミステリ×日常コメディ!

上の『邦キチ! 映子さん』と同様に、「ファン漫画」の一つ、ミステリーのファン漫画として位置づけられる作品なんですが、なかなかにミステリーとファン漫画は、やってみると相性がいいんだな、これが。
なぜかを箇条書き的に考えてみると

・ミステリーというのは確かに熱狂的ファンが事実として存在している。
・その一方であくまでも「お遊び」でなければならない(そうじゃなかったらマジで殺人や盗難が発生していることになるもの!)
・部活動と言う枠組みがあるので、その中で様々なドラマが展開できる(ここは「邦キチ」ではあえてやってないところである)。
・また「学校を舞台にした日常ミステリー」は先行作品がたくさんあるので、それに近いような話もできるし、それを前提としたパロディもできる…
・様々な古典ミステリーへのオマージュ、無理があると言われている動機やトリックへのツッコミなども活用できる


そういう部分が大きいんじゃないかと思っております。
  
部活動が舞台で、ノリノリの暴走美少女に、常識人の範疇である男の主人公がツッコミ役を兼ねながら振り回される…という点では「涼宮ハルヒ」シリーズの系譜を受け継いでいる、と言ってもいいのかもしれません。

絵柄は決してへたというわけではないのだが…何かしら「硬さ」「不慣れな感じ」が感じられたりするんだけれども、それは徐々に解消されてはいる。

あ、そうだ。高く評価するのはシャーロックホームズが、結構作品内で引き合いに出されたりする点で、それをやると俺は個人的にかなり高いボーナス点を追加するので、 この作品が「10傑」に入るのは、微妙にアンフェアなところがあるかもしれない(笑)

そして最後に耳寄り情報
「じけんじゃけん!」はソク読みサイトで、1巻がすべてネット無料公開されている。そんなら紹介文読むより直接作品読んだほうが早い(俺も書いた後で知ったんだよ!)
https://sokuyomi.jp/product/zikenjaken_001/CO/1/


へんなものみっけ!/早良朋

へんなものみっけ! (1) (ビッグコミックス)

へんなものみっけ! (1) (ビッグコミックス)

動物好き必見!命と向き合うお仕事。

知ってましたか?博物館のウラ側はとってもアクティブ!

市役所から、博物館に出向になった薄井 透は、
そこで鳥類研究者の清棲あかりと衝撃的な出会いを果たす。
知られざる博物館の裏側、そして100年後に届く仕事とは…?
動物好き、博物館好きにはたまらないミュージアム・コメディー!



博物館はお堅い展示をしてるだけの地味な場所?
いえいえ、実は生命の神秘に迫る熱い研究者たちが、
海へ、山へ、世界の果てまで『へんなもの』を集めに行ってるんです!

南極の氷、フクロウの巣立ち、深海魚調査、花を愛するおじさま研究者…
博物館は毎日どこかで大さわぎ!

【編集担当からのおすすめ情報】
動物たちがたっくさん出てきて、海へ、山へ挑む研究者たちは、まさに現代の冒険家です。
徹底的な取材と体験で、生き生きとした動物たち、熱い人間ドラマを、新人作家・早良朋さんが描きます!
読めば博物館のイメージがひっくり返ることまちがいなしです!

詳細は、すでに書いているこちらをご覧ください(手抜きではなく、本来はこのように先に詳細を書いておいてリンクを張るだけが理想だった。今回は逆にこれしかできなかったが…)

早良朋「へんなものみっけ!」〜 暴走知的奇人(女性)と、困惑しつつサポートする常識人(男性)が博物館を駆ける!(ホームズ/ワトソンもの)
d.hatena.ne.jp

最新刊が間もなく発売

へんなものみっけ! (3) (ビッグコミックス)

へんなものみっけ! (3) (ビッグコミックス)


諸星大二郎劇場/諸星大二郎

不思議で奇怪な新作、満載。
怪異な世界と通じる祭り。
日常に潜む不気味な出来事。
今、最も身近な怪獣の物語。
意志を持ってしまった影……

鬼才・諸星大二郎が描く、
コミックス初収録の奇怪譚、満載。

あなたはきっと
まだ見ぬ不思議に遭遇する。

〈 編集者からのおすすめ情報 〉
ビッグコミック増刊号』にて好評連載中の「諸星大二郎劇場」で掲載された読み切り作品を中心に、人気の短編シリーズや、傑作読みきりを収録。
その全てが諸星大二郎短編集に初収録されるものばかり。必見です!!

これももう、「諸星大二郎の、あの作風です。その最新刊です」というプレゼンですべて言い尽くせるな(笑)。

にしても、(1949年生まれで、間もなく70になろうという年配の作家が、まだ旺盛な創作意欲を持っていることに感謝感謝だ。
ただ、画像を紹介した作品は、実に直球の…異世界と現実社会を「民俗学」的なものでつないだ作品だが、映画の世界と日常がつながる、コミカルかつ論理的説明をやや抜きにして展開する作品…藤子不二雄A的というか…そんな作品も、最近は描かれていて、肩の力を抜いたそっちも楽しめますね。それはこの単行本に載ってたかな?一本だけそういうのがあったかな(ゴジラ映画の話)

11になっちゃうけど、ちょっと無理やり入れる枠 「寄生獣リバーシ

人類とパラサイトの生存競争は、終わる事無く世界中で続いている。新一とミギー、伝説の陰で繰り広げられた、もう一つの生存競争がここに明かされる。大量バラバラ殺人を捜査するベテラン刑事・深見。彼は、通報者の高校生・タツキの冷静さに、違和感を覚える。その違和感の源は、タツキの家族に在った…。不朽の名作「寄生獣」、その裏側を描く物語がここに開幕!


これについては、回をあらためて論じる。「スピンオフ」「二次創作」全体についてを語りたい。
※その後、記事が完成しました。これです。
m-dojo.hatenadiary.com



以下、「10傑」+1選定を終え、特別賞の発表につづく。

【第3回内山安二賞】へんなものみっけ!/早良朋  「はたらく細胞」シリーズ/清水茜

へんなものみっけ! (3) (ビッグコミックス)

へんなものみっけ! (3) (ビッグコミックス)

はたらく細胞BLACK(1) (モーニング KC)

はたらく細胞BLACK(1) (モーニング KC)

肺炎球菌

肺炎球菌

※大前提である「内山安二賞」とは何か?こういうことなのでご了解ください(笑)↓ 啓蒙、情報の面において優れた漫画を選ぶものです

「知の巨人」内山安二氏賛歌。そして第1回「内山安二賞」受賞作が決定!(※俺の心の中で) - http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20160706/p1

リンク先に書いてあるようにこの内山安二賞」は、知の巨人内山先生を記念し、優れた学習漫画…と言うか広く啓蒙、知識の伝達に功績のあった漫画を表彰するものです。もちろん亡くなった内山先生の遺族や出版社の許可も何も取っていません(笑)。俺の心の中にある賞です(笑)


この賞は10傑との同時受賞が許されたかな?と思ったけど、許されるも何も俺がルールを作ってたのだった。いま、同時受賞OKにします(笑)

へんなものみっけ!は博物館とのコラボなどもあり、この後も親しまれていくと思う次第。


はたらく細胞!はこの賞のスタートから最有力候補だったが、なんか「これは後に温存しておこう」と思ってるうちにアニメ化までされて「いまさら賞とかあげてもね…」という、手塚治虫状態になってしまったわけだが、そんな心配が必要な賞でもなかった(笑)そういうわけであらためて差し上げる。
アニメ化反響を見てわかったんだけど、あれなんだよな、台湾とか、海外でも人気なんだ。イギリスかどっかの専門の医学者がyoutubeで解説したりしてたし(笑)
よく考えたら、からだの仕組みは世界共通だから、普遍性は十分にあるんだ。海外でも売れる!!かどうかは、雑菌を白血球やT細胞が駆除するシーンが放送コードにひっかかるかどうかによる(笑)



 【連載山場賞】ナポレオン覇道進撃(ロシア遠征篇) / 長谷川哲也   ※「連載山場賞」とは、或る程度連載が続いているものを対象に、全体ではなく「その年に盛り上がりを見せた」作品を表彰するものです。過去に10傑に選んだ作品を、主に対象とします(そうでないなら普通に10傑入りするので)

栄華を謳歌するかに見えたナポレオン時代にもいよいよ陰りが…遂にロシア戦役に突入!それぞれの思惑と政治が錯綜する読むだけで歴史が学べる1冊!

ナポレオンが栄光の絶頂から、スペインでの「ゲリラ戦争」勃発と対イギリスの大陸封鎖令の不徹底で消耗し、その打破のためにロシア遠征に乗り出していくさまを描いている。それは面白くならないわけがないんでな。

これまでの戦争についても作品は描いていたけど、別にナポレオンの勝利は必然ではないし、ロシア遠征失敗もまた必然とは言いがたい。勝敗はほんのちょっとの差、たとえば「AとBの道がある。相手を避けるためにはどちらに向かうか?」

という、どっちにも根拠があるような判断などで決まる。しかし絶頂期のナポレオンのそういう丁半の判断、多くは正しく、また没落期の多くははずれくじをひく(結果として正しかったから絶頂期に至り、結果としてはずれたから没落した、といえばそれまでだけど)



【特別功労賞】ばらかもんヨシノサツキ   鮫島、最後の十五日佐藤タカヒロ  ※特別功労賞は、連載をその年に終了した作品が主な対象となります

さよなら、ばらかもん

半田が島に来てから1年が経とうとしている。
ヒロシは東京へ旅立ち、美和たちは進路を悩む中学3年生に、そしてなるたちは小学2年生になる。
みんなに、大きく小さく、いろんな変化が訪れていた。
去年と同じことなんて、きっと一つもない。
2008年から10年に渡って繰り広げられたハートヒートアイランドコメディ「ばらかもん」、ここに完結。

当初は「よつばと!」・・・それから中学生らのキャラ的には「+あずまんが大王」を離島でやるとこんなふうになるかもしれない、と思ったりもした(笑)

、自然豊かな田舎で、都会の人間が人間性を回復するーーーというコンセプトだとしたら月並みだったが、離島の住民たちが「純朴」でも、その逆の「小狡さ、しがらみに拘泥する田舎くささ」でもなく、なんと「アナーキー」な存在であるという方向性で描写されたことが面白かった。また都会住民たるはんだ先生も、元から十二分におひとよしの善人だったため、この舞台装置で予想されるお決まりのパターンからややストライクゾーンを離れたボールを投げ込み続けた。


過去の一覧です 以前一度受賞した作品は、今すごく面白くても外してること多いです(例外はある)

■「2017年マンガ10傑」を選定します。第2回「内山安二賞」なども併せて授与。 -
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■「2016年マンガ10傑」を選定します。「特別功労賞」もあの作品に - 見えない道場本舗 (id:gryphon / @gryphonjapan)
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■ひとあし早く、当ブログの「2015年/2014年マンガ10傑」を選定 -
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■(番外)「知の巨人」内山安二氏賛歌。そして第1回「内山安二賞」受賞作が決定!(※俺の心の中で) -
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■「見えない道場本舗」選定・2013年度漫画10傑 
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■「見えない道場本舗」選定・2012年度漫画10傑
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■「見えない道場本舗・2011年度漫画10傑」(※ここから順位なしの10選に) 
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■2010年度漫画ベスト 
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■2009年漫画ベスト 
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■2008年漫画ベスト 
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20081231#p4

 

(2007年は「06年とほぼ同じなので休み」となっていた)

■2006年漫画ベスト 
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20061230#p2





このマンガがすごい!

んで、このマンガがすごい!2019は

このマンガがすごい! 2019

このマンガがすごい! 2019

むかしは表紙でネタバレしてたが(笑)、いまは当日になって伏せておいた表紙画像が見られるようになるという寸法…いや、画像切り替わらないかも。
もうニュースとして発表になった

このマンガがすごい!2019』 オトコ編1位『天国大魔境』、オンナ編1位『メタモルフォーゼの縁側』|ORICON NEWS|Web東奥 https://www.toonippo.co.jp/articles/-/125880