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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています 

【拡散希望】12/26まで公開「宗像教授異考録」の「百足と竜」エピソードが、超傑作なので是非読んでほしいねん

宗像教授異考録 第1集 (ビッグコミックススペシャル)

宗像教授異考録 第1集 (ビッグコミックススペシャル)

の無料公開。

一度このURLに行った後、ふつうに検索してもなっかなか見つからなくて、探すのに時間がかかっちゃったよ…
https://www.ebigcomic4.jp/
内の
https://www.ebigcomic4.jp/title/122455
での配信だ。最初に言っておくけど、これ、ふつうに「宗像教授」とかで探しても出てこないぞ。 てか イーブックジャパンってところの独自の企画か

ただまあ、どこが無料配信の勧進元であろうが、そんなことはどうでもいいのだ。
とにかく、「宗像教授異考録」シリーズは、その前シリーズ「宗像教授伝奇考」も併せて、いうまでもなくイイ!のである。
しかし、ぼくは当然、雑誌連載でも単行本でも読んだ。いまさらの話だが……しかしそれでも、百の説法も「無料公開」には勝てないのである。いや、逆に言うと「無料公開」の時に便乗して説法をすれば、その効果は通常の二倍三倍…どころじゃない。通常のベアークローが2つで2倍、いつもの二倍ジャンプして4倍、そこに通常の3倍のひねりを加えて12倍になるぐらいの効果だ。

※この画像の話、http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20180223/p1 でもしています



で、……特に個人的に、ほとんどが傑作の宗像教授シリーズでも、特に印象深いのがこの「百足と竜」の回なのだ。


お話は、無料公開なのだから読んでもらえばいいので、あらすじを述べる要もあるまい。

しかし、印象的すぎるシーンを抜粋させてもらおう。








ね、もうなんというかね……伝奇ものというか、偽史ものというか、伝説ものというか、そういうものが好きな人は、上の紹介したコマだけで心躍らんかね???


・藤原英郷のムカデ退治伝説
・日光山と赤城山の蛇とムカデの合戦伝説(日光には、この舞台になったと世に伝わる「戦場ヶ原」という地名もある)
・金堀り衆のムカデ崇拝
・そういう金の採掘集団が、武田軍の軍事面でも貢献した(らしい)
山本勘助の異形伝説


……こういったものをだね……いや、作者の星野之宣氏ははっきり公言している。「宗像教授」で描いていることは、ほとんどが想像力、こじつけのたぐいで、本気で主張しているような仮説はあまりない、と。

しかし、なんてすごい、すばらしいこじつけだろう!!

伝説神話は、人間の想像力というものがやっぱり世界どこでも五十歩百歩なこともあって、一致点も多い。人間ストーリーテリングに携わる限りはそうなるものだ。
だから、それを「コレとアレは共通している!!そこには、何かの繋がりが…」とやれば、まれに本当に繋がりがあったことも、人の移動があったこともあれば、偶然の一致ってこともあっただろう。


しかし、それを「敢えてつなげて、へんてこな創作仮説を作る」…これの楽しくも難しいことよ。自分も星野之宣、そして同時代に天が遣わした、敢えて対比させるかのような作品を描く諸星大二郎……


彼方より (諸星大二郎自選短編集) (集英社文庫(コミック版))

彼方より (諸星大二郎自選短編集) (集英社文庫(コミック版))

このふたつの「星」が好きすぎて、パロディ創作をしたりしてきたからよくわかる。
(俺が書いたパロディは例えばこれ↓)

「テンプレラノベ伝奇考」、或いは「フィールド・ノート」…着替え・遅刻遭遇説話の伝播を探る - http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20160130/p4


本当に、各種の伝説神話民俗学知識を集めて、それを自由自在に配置し、そこから一本のお話をつくる…そこは非常に特異な才能が必要だし、この二人は、超絶的なレベルでそれを競っている、ということなんだ。

いま、くしくも両者の名前に、ともに「星」が入っていることに気づいたけど、そこからアドリブで考えれば、本来はランダムに、意味もなく天空に配置している星を、意識的、意図的に繋げて図形を作り、それを物語に当てはめていく「星座」を紡いでいく営みに近いのではないか。あっ、こういうこじつけだよ!!それを諸星氏も、星野氏もやっているんだよ!!


まあまあ、とにもかくにも話を戻すなら、諸星氏の名作の電子版無料公開も今後期待するとして、まずとりあえずはこの星野之宣氏の「百足と竜」をご堪能いただきたい。
これは「宗像教授」シリーズがコミックトム連載の「伝奇考」からビッグコミック系の「異考録」に移籍再開する際の初期作品としてかなり気合を入れて描いたらしいエピソードで、続きものとして最終的には50ページを超える作品になっている。分量的にも、さまざまなドラマや謎解きが重層的に重なっており、実にどうにも、読みごたえと余韻のある好作品であります。


なお、この百足と竜に関しては、冒頭でひとつのピースとなっている、ムカデ退治伝説の藤原秀郷に関連して

http://www.muse.pref.tochigi.lg.jp/exhibition/kikaku/181027fujiwara/index.html

栃木県立博物館第122回企画展「藤原秀郷−源平と並ぶ名門武士団の成立−」の開催について
藤原秀郷−源平と並ぶ名門武士団の成立−」と題して、栃木県立博物館第122回企画展を開催します。

企画展の内容等
 平安時代の中ごろに活躍した下野の武将で、中世東国武士の祖とされている「藤原秀郷(ひでさと)」は、平将門の乱を鎮圧したことをきっかけに、歴史の表舞台に登場しました。武芸と軍略に優れる秀郷は、朝廷から将門討伐の最高殊勲者に認められ、武門の頂点として東北支配にあたる鎮守府将軍に任命されており、のちに源頼朝をはじめとする鎌倉武士から武芸の開祖として仰がれています。

 今回の企画展は、藤原秀郷の足跡と、今に語り継がれる大ムカデ退治で有名な「俵藤太(たわらのとうた)伝説」を通してその実像に迫るとともに、全国に広がった秀郷流武士団について紹介します。

 また、国宝・重要文化財17点を含む歴史資料、美術資料を中心に約130点を展示します。

 なお、本企画展は、文化庁との共催です。

開催日程
 平成30(2018)年10月27日(土曜)〜12月9日(日曜)

という催しが北関東で、・・・・あれ?きょうと明日まで??? 12月9日まで開催されているようだし(すべりこみだ)


いつかは一寸やってみたいなと思わないでもない、「FGO」というゲームにも、彼の別名として知られる「俵藤太」が最近登場した。



そして何より、金堀衆と武田軍団とムカデ信仰については
森秀樹「ムカデ戦旗」という、

そのものずばりの、これまた大傑作があることをお伝えしておきます。
(試し読みでもけっこうページは読める https://csbs.shogakukan.co.jp/book?book_group_id=9044