ぱち
ぱち
ぱち、と。
このマンガがすごい!などが発表される前に、先行して発表しようと思います。ただ、時間がかかるので、記事の全文を書くまでに、何回かに分けてUPします。お手数ですが、何度かご来訪してください。
それでは・・・・・「2019年漫画10傑」をば。その前に恒例、この賞の特徴、注意点について。
【重要な注意点】
・「10傑」は1−10位の順位付けをしているわけではありません。
・うちの賞の基準として、、『過去に一度選んだものは、ことしは自分が実際に面白いな、すごいな、と思っても優先しない』ようにしています(多少の例外はある)。「なんであれ入ってないの?」と思うものは、これが理由なことも多いと思います。
※この記事の末尾に、過去の賞へのリンクがあります。
同時に、2017年から、それを補う特別枠も作りました。
それではいってみよーー
まず、ここに、一覧を掲載
まず先行して、紹介記事かいたものを一覧化します。これも、徐々に追加していきます。
賞 | 作品名 | 作者 | 表紙 |
---|---|---|---|
10傑 | MUJIN | 岡田屋鉄蔵 | |
10傑 | バディドッグ | 細野不二彦 |
|
10傑 | 異世界もう帰りたい | ドリヤス工場 | 単行本まだなし 第一話試し読み |
10傑 | ゆこさえ戦えば | 福井セイ | |
10傑 | バキ道 | 板垣恵介 |
|
10傑 | 善人長屋 | 尾瀬あきら |
|
10傑 | 修羅の刻 東国無双編 | 川原正敏 | |
10傑 | ダンピアのおいしい冒険 | トマトスープ | 単行本まだなし各話へのリンク |
10傑 | 宇崎ちゃんは遊びたい! | 丈 |
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10傑 | ぽんこつポン子 | 矢寺圭太 | |
10傑プラス1 | 異世界ちゃんこ | 林ふみの |
◆つづいて各特別賞
【第4回内山安二賞】「マンガで読む 新研究 織田信長 」すずき孔 (著), 柴裕之 (監修) /5分でわかれ!印象派 須谷明
- 作者:すずき孔
- 発売日: 2018/09/28
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- 作者:須谷 明
- 発売日: 2019/11/25
- メディア: 単行本
※大前提である「内山安二賞」とは何か?こういうことなのでご了解ください(笑)↓ 啓蒙、情報の面において優れた漫画を選ぶものです
「知の巨人」内山安二氏賛歌。そして第1回「内山安二賞」受賞作が決定!(※俺の心の中で) - http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20160706/p1
【連載山場賞】「センゴク権兵衛」「BLUE GIAINT SUPREME」
- 作者:宮下 英樹
- 発売日: 2019/11/06
- メディア: コミック
BLUE GIANT SUPREME (9) (ビッグコミックススペシャル)
- 作者:石塚 真一
- 発売日: 2019/10/30
- メディア: コミック
※「連載山場賞」とは、或る程度連載が続いているものを対象に、全体ではなく「その年に盛り上がりを見せた」作品を表彰するものです。過去に10傑に選んだ作品を、主に対象とします(そうでないなら普通に10傑入りするので)
「最優秀実写化賞」 名前の通り、優れた漫画の実写化を表彰するものです。今年が初選定
「きのう何食べた?」
- 発売日: 2019/09/18
- メディア: Blu-ray
このあと、個別の作品紹介に入ります。なんどかこのページ、再訪してください。
MUJIN
すでに記事を書いて紹介済みの作品は、リンクを張ります
最近だと、南北戦争を経た諸外国の銃の進歩に驚く話や、そんな銃で武装した英国軍と薩摩藩が”引き分けた”ことに警戒を強める話などが描かれ、幕末の風雲に向けて徐々に風が強まるさまが感じられる。
バディドッグ
すでに記事を書いて紹介済みの作品は、リンクを張ります
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はじめはバディドッグ単体に振り回される流れだったが、そのうち、曲者のキャラクターを次第に周囲に配置し始めました。
そのへんはむしろ「うる星やつら」などに近いかもなあ。AIにまつわる最近のトピックを入れ込むのもうまい。
異世界もう帰りたい
ことし始まった連載は今回これぐらいかな?
たぶん2019年12月現在、雑誌連載に追いつく形で全編が読めると思うんだが……
viewer.heros-web.com
これはげっぷが出るくらいに「異世界もの」が市場にあふれ、その上で「お約束」をみなが共有しているうえで成立するパロディ作品ではあるし「異世界には来たものの、マジで何のチート属性もないひと」というのがワンアイデアに近いが…それはそれとして水木しげるタッチで描いちゃう、それが奇妙なユーモアになっている。フハッ。
ゆこさえ戦えば
実はサンデーに載っているのに、あまり熱心には追ってなくて読んだり読まなかったりなんだけど、この前「ユーチューバーを扱っている漫画」で取り上げる関係でさかぼのって、いやさかのぼって読んだ。
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思うに、まずはデスゲーム&使い魔もののパロディなわけだけど(つねに悪魔、死神系がそばに…で「デスノート」の設定を思い出す人もいよう)「闘えば最強」「でも本人は、その強さに自覚的でも誇りがあるでもない」「だから、そんな子がそれにこだわるライバルたちに勝っちゃうとさらにカタルシスになる」…ってのは「YAWARA!」にむしろ近いんじゃないか、と。元ネタはなんなのかわからんけど、巷で時々見るジャーゴン「おれ、また何かやっちゃいました?」もそれかも。
あとさ、サンデーっていま、「悪魔城でおやすみ」「ケモノ達の夜」と悪魔ものやたらかぶってるよね(笑)。吸血鬼まで加えると「よふかしのうた」があり…こういうのってジャンル調整とかしないのか。まあ、それが社会やブームを反映している、のでしょう。新選組が1冊のなかに3本出たりするところもある。
バキ道
私もMMAファンとして、相撲鳥がMMAに出てきた結果を知っている。元横綱から、体の不調ではなく不祥事でやめさせられた、現役ばりばり幕内力士までね・・・・その結果「何でもありのファイトで強い大相撲力士、はリアルでなくファンタジーとして描かなければならない」ということは、もうみんな共通認識だ(笑)。でも、だからこそ想像力が試され、そして自由にリミッターをはずして想像力を暴走させることができる、のもまた事実。あと、実際問題として「刑務所の凶悪犯、中国拳法、原始人、剣豪武蔵…みんな描いちゃったぞ、次どうすんだ?」な状況も現実にあったんだろうな。それは藤子・F・不二雄先生が「映画の大長編、過去、宇宙、秘境、異世界、海、地底…みんな描いちゃったぞ、次どうすんだ?」な状況になったのと同様だ。さて、現実としてどうなるんですかね、このvs大相撲エピソード。
善人長屋
基本、泣かせのうまい作家だし、原作もあるしで安定している。「善人長屋」は逆説的な名称で、大家から店子まで「元大物」の犯罪スペシャリスト。スリから文書偽造から何でもござれ。だが、そこに入ってきた新入居者は、掛け値なしのまっとうな善人。この人間の前では正体を皆で隠そう、という共通認識でごまかしてるが、この新入りは善人であると同時にたいへんなお節介で、善意と親切から次々とトラブルを持ち込み……という基本設定だけでおもしろいでしょ。
修羅の刻 東国無双編
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その後の「西国無双編」とくらべても、こちらに軍配があがる。
やはり白眉は「蜻蛉切は、槍で斬れるのではない。忠勝が技で蜻蛉を切ったのだ」というところや、この画像にあるような「生涯…ただ一度の私闘」みたいなくだりかな。
ダンピアのおいしい冒険
すでに記事を書いて紹介済みの作品は、リンクを張ります
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これは 事実談であり
・・・・・・・この海賊兼学者は、実在する!!!
宇崎ちゃんは遊びたい!
話題を呼んだ、その一点(笑) ぶっちゃけ、内容的には少なくとも好みではない。
しかし、これだけ「議論を呼んだ」作品は近年知らない。論壇漫画賞があればぶっちぎり受賞作。
それでもアンタ、うちはいちおう「作品論」書いてるんだぜ。だ〜〜〜〜れも、あれだけ話題になっておきながら、作品論は書いちゃいねェんだ。
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ぽんこつポン子
spi.tameshiyo.me
・平凡な日常に
・特殊能力を持った不思議なキャラが闖入
・一般の家庭に居候をはじめて珍騒動
・それから、その日常に「すこし・ふしぎな物語」が始まる……
という話は、「オバQビル」をぶったてた小学館ならば、一種のフラッグとして掲げるべきなのである。人気が出ようと出まいと、トライし続けるべきなのである。それは自由惑星同盟がアーレ・ハイネセンの伝統を守ることこそが存在価値であることと同様だ。
……とわかるようなわからんようなことを言いだしましたが、そういうことです。他の「10傑」であるバディドッグもそうなんだけどね。
そんな作品であるなら、出来不出来はともかく(なところも正直ある)応援するのである。しかしまあ、そういう「一般の家庭」が小学生とパパさんママさんの家庭でなく、過疎の田舎にいる独居老人であることが令和の風景でしょうか。ちなみに上記部分が「最大限SF」なところで、これ以上のSF設定とかめったに出てこない。
ちなみに、1巻だか2巻だかの推薦帯を描いたのがゆうきまさみ先生。実は、「首がすぐとれる」という特徴も大先輩から受け継いでおり、ある意味で「ロボット魂伝承」なところがちょっと泣かす。
異世界ちゃんこ
タイトルだけでランク入り。ぶっちゃけ、話どんなのか知らない。
しかし「異世界ちゃんこ」、これだけで十分に称賛されるに価する。声に出して読みたい日本語だ
いま試し読みだけ確認
わからんけど、わかった気になった!!!
内山安二賞 『マンガで読む 新研究 織田信長』 「5分でわかれ!印象派」
『マンガで読む 新研究 織田信長』(すずき孔著/柴裕之監修)では、通説とは大きく異なる新説・新信長像を示しており、歴史学では日々新たな発見と見直しが進められていることも教えてくれるマンガです。色々な意味で画期的な本書、クリスマスプレゼントにいかがでしょうか?https://t.co/mhJlFKQ5we pic.twitter.com/tiSY79JJ15
— 戎光祥(えびすこうしょう)出版株式会社 (@ebisukosyo) December 18, 2018
うち的にも追っていた話である「信長、意外と旧来秩序を重んじる保守派だった」テーマを最初に本格的に漫画化した、という栄誉を担うであろう。「エリカが来ない」ならぬ「麒麟が来る」(このギャグこの前やったばかりだろ)でも描かれるこの話は2020年にブレイクするはず。その予習としても。
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togetterでも関連したものがある
togetter.com
印象派のほうは、ぶっちゃけtwitterでぜんぶ読んだよな…ってのはあるけど、そこはお礼としても、ね。
togetter.com
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いい作品だ、としか言いようがない。
【連載山場賞】「センゴク権兵衛」「BLUE GIAINT SUPREME」
センゴクは、まもなく最終回を見据えていると作者本人の談。それにふさわしい、「コンスタンティノープル以東、最大の要塞」である小田原城攻略戦。秀吉のワンサイドゲーム的に語られることも多いこの戦争だが、当然ながらそう単純でもなく‥特に、武功を望む個々の武将には、それぞれで激戦地がある。
ブルージャイアントは、基本あんまり英語も得意じゃない主人公が単身ドイツにいってどうなる、と思ったが、面白くなった。その、単純な語彙の英語が、作中で巧く生きている。
【カルテット、ついにステージへ‼︎】
— BLUE GIANT 公式アカウント (@bluegiant_bc) October 10, 2019
観客は無数のロックファン!!完全アウェイの中、大たちはついにステージへ上がる!!
『BLUE GIANT SUPREME』最新話は、本日発売のビッグコミック20号に!
最新単行本第9集は10月30日頃に発売予定!!ブルーノート社長のドン・ウォズ氏との対談も収録! pic.twitter.com/FiF3yrdCAU
「最優秀実写化賞」 「きのう何食べた?」 名前の通り、優れた漫画の実写化を表彰するものです。今年が初選定
どちらもほぼ、内容に文句をつけようがないが、それに比すべきライバル候補は多数あった。ことし終了した連載作品なら「銀魂」「火ノ丸相撲」「響〜小説家になる方法」「白銀のニーナ」…銀魂は最終回詐欺で自爆したけどな(笑)
実写化作品も「弟の夫」「べしゃり暮らし」「ミリオンジョー」「昭和元禄落語心中」(昨年だっけ?)などなどあったのだが、自分がちゃんと漫画原作実写ドラマを見るようになったのは最近だ(映画はほぼ無いし)。もっと詳しい人なら、別の選定基準もあるだろう。
過去の一覧です 以前一度受賞した作品は、今すごく面白くても外してること多いです(例外はある)
■【完成】「2018年マンガ10傑」(第3回「内山安二賞」も)を選定します。
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■「2017年マンガ10傑」を選定します。第2回「内山安二賞」なども併せて授与。 -
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■「2016年マンガ10傑」を選定します。「特別功労賞」もあの作品に - 見えない道場本舗 (id:gryphon / @gryphonjapan)
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■ひとあし早く、当ブログの「2015年/2014年マンガ10傑」を選定 -(つまり2014年は休みだった)
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■(番外)「知の巨人」内山安二氏賛歌。そして第1回「内山安二賞」受賞作が決定!(※俺の心の中で) -
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■「見えない道場本舗」選定・2013年度漫画10傑
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■「見えない道場本舗」選定・2012年度漫画10傑
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■「見えない道場本舗・2011年度漫画10傑」(※ここから順位なしの10選に)
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■2010年度漫画ベスト
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■2009年漫画ベスト
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■2008年漫画ベスト
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20081231#p4
(2007年は「06年とほぼ同じなので休み」となっていた)
■2006年漫画ベスト
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20061230#p2