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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています 

公式の二次創作(スピンオフ)漫画が増えて、色々不思議なことがある(俺だけ?)

寄生獣リバーシ

まず最初に太田モアレ著「寄生獣リバーシ」の2巻が出たということを紹介しておきたい。

寄生獣リバーシ(2) (アフタヌーンKC)

寄生獣リバーシ(2) (アフタヌーンKC)

パラサイトによって、相棒を殺害されたベテラン刑事・深見。捜査を進める深見は、学生バラバラ殺人事件の通報者・タツキと共同戦線を張る事に。深見とタツキは、自分たちが関わった事件と頻発する「ミンチ殺人」の違いを感じ取っていた。それは、人間の悪意…。伝説の陰で繰り広げられた、もう一つの生存競争がここに明かされる!

1巻は昨年出ましたね。

人類とパラサイトの生存競争は、終わる事無く世界中で続いている。新一とミギー、伝説の陰で繰り広げられた、もう一つの生存競争がここに明かされる。大量バラバラ殺人を捜査するベテラン刑事・深見。彼は、通報者の高校生・タツキの冷静さに、違和感を覚える。その違和感の源は、タツキの家族に在った…。不朽の名作「寄生獣」、その裏側を描く物語がここに開幕!


太田モアレといえば、女子格闘技漫画鉄風」が、非常に好調な滑り出しを見せたものの、途中で著者の病気があり長期連載中断、その後復活したものの、あまり話題になることなくやや内容的にも尻切れトンボで終了した…という、ちょっと格闘技ファン的にも漫画ファン的にも残念な思い出がある。
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やはり連載漫画というのは毎週、定期的に載っているからこそ人気があり、休みを挟んでしまうとテンションが落ちてしまう…という面は必ずあるので(だからまあ、休んでも人気が落ちない某「喧嘩稼業」や某「ハンターハンター」はすごいねと(笑))…そういう点では本来の実力を出せなかったんじゃないかと思っています。


そして今回、 超有名な名作のスピンオフという形で、再びこのかたが世に真価を問うことになったのですが、2巻までの流れは非常に面白い。ちょっと性格的に主人公は共感しにくいんだけれども(笑)、それでも本編「寄生獣」の重要登場人物と、意外な関係のある主人公で…その人が別の立場、別の視点からあの世界を見ている・・・・、 そんな話であります。
ちょっとネタバレを意識しすぎて、抽象的な書き方になってしまったかな?


「二次創作」について総論

ここから本題に入りますが、
この作品はいわゆるスピンオフ、いわば「2次創作」であります。
自分はシャーロック・ホームズパスティッシュをのぞいては、2次創作というジャンルの作り手でも、よき読者でもないのだが、それでも逆に興味自体は非常に強く持っている。

なぜ自分はこんな風に「二次創作」に興味があるんだろう、と自問してみるのだが、一つの答えは
・創作世界という、はっきりとした虚構の世界がある。
・その多くは誰が作り手かも、はっきりと特定されている。本来的にはこの人がすべてを支配し創造した神である。
・だが、その書き手の創造物であったはずの創作世界が、他の人々の別の想像によってどんどん世界が広がっていく。まだ見えないところにもその世界は広がっている…


といったところに、何か不思議なロマンを感じていたんだね子供の頃から。
自分で覚えているよ、前述のシャーロック・ホームズのみならず、ウルトラ兄弟や歴代ライダー集合のあったウルトラ/ライダーもの。お兄さんがちょっと高学年向けの設定資料集みたいなものを買っていた機動戦士ガンダムスターウォーズ
そういったものが、2次創作的なものの楽しさというのを教えてくれたんだ。



そんな中で、二次創作の中でも、個人的に好きなジャンルが 「寄生獣リバーシ」で描かれてるような手法。つまり 「本編で描かれている事件が実際に発生しているなら、主人公とは別の場所でもその事件の影響は出ているだろう。別の場所で、同じ事件に遭遇している別の人物を描く…

という系統のスピンオフ、二次創作。
分かりづらいかなあ… 「火星人が地球に攻め込んでいるなら、影響は英国ロンドンだけじゃなく日本にもあるだろう。むしろ日本にも同時期に日本にも攻め込んでいるだろう。その時日本では…」を大真面目に、かつユーモアたっぷりに考察した、故横田順彌氏の「火星人類の逆襲」とかね。

火星人類の逆襲 (新潮文庫)

火星人類の逆襲 (新潮文庫)

あるいはガンダムでおなじみになっている「アムロホワイトベースが戦ったあの一年戦争、同時期の砂漠では…南極では…」みたいな作品とか。


二次創作、スピンオフはどんどん「当たり前」で「公認」がある時代


その一方、今回の「寄生獣リバーシ」で感じたのは、「天下の最大手・講談社が、ここまで堂々と、いわゆる二次創作・スピンオフ的な作品を世に出すようになってるんだなあ」と。


いや今更ですよ、 今更の話ですよ。それはわかってますねんで。

「中間管理職トネガワ」がこともあろうに「このマンガがすごい!」の一位になってしまったのは昨年の話だったか一昨年の話だったか。


自分の問題意識を整理しよう…

いつ頃から、

・大手出版社で
・自社のヒット作品の
・スピンオフを、他の作家に描いてもらい
・それを出版する

という手法が一般化したのかーーーー。です。


源流を探るのはひとまず置いて、 最近のそういうヒット作を考えると…

寄生獣リバーシ
・ネオ寄生獣

・中間管理職トネガワ

中間管理録トネガワ(1) (ヤンマガKCスペシャル)

中間管理録トネガワ(1) (ヤンマガKCスペシャル)

・一日外出録ハンチョウ

1日外出録ハンチョウ(1) (ヤンマガKCスペシャル)

1日外出録ハンチョウ(1) (ヤンマガKCスペシャル)

3月のライオン昭和異聞 灼熱の時代

・バキ外伝 疵面

進撃の巨人 悔いなき選択

進撃の巨人 悔いなき選択(1) (KCデラックス)

進撃の巨人 悔いなき選択(1) (KCデラックス)

転生したらヤムチャだった件


ヤングブラックジャック


…とかとかたくさんあるようですが、やっぱり全体的には、講談社が先導してるのかな?

そもそも確かに、
大きなヒット作品があれば、
そのキャラクターや設定を利用してスピンオフ、二次創作を作れば「売れるだろう」というのは非常にありそうなことでありました。でも、こういう作品がバンバン出るようになったのは最近のことなんでしょうね。
それは何かと言えば、漫画かも編集者も含めて、作り手側がパロディと言うか2次創作と言うかそういうものに寛容になってきたということもあるんじゃないかなあ、という気がします。あと、コロンブスの卵のように「あーこういうの商業で出してもいいんだ。こういうのもありなんだ」と、どこかで皆がハッと思いついたんじゃないかと(笑)

そういう「公式二次創作」の元祖とは

ちなみに、これの元祖みたいなの考えたんですけど、人気作品からの「外伝」をその作者本人が描くとかは除いて

勧進元(出版社)が同じところから、別の作者によってヒット作品のスピンオフ・二次創作的なものが描かれ、それも商業的に成功した作品」
というと、1997年に単行本が発売されたという「ようこそロードス島へ!」がかなり元祖に近いのでは、と教えられたが、それでいいのかどうかはよくわからない。他に例があるなら教えてください。

ようこそロードス島へ! (1) (角川コミックス・エース・エクストラ)

ようこそロードス島へ! (1) (角川コミックス・エース・エクストラ)



売れそうな、質の高い二次創作が出たら、出版社が「ウチからこれ出さない?」と気楽に声をかける世界になればいいね(既になってる?)

イメージはこんな感じ。

f:id:gryphon:20190225135721j:plain
プロレススーパースター列伝 パロディ画像 二次創作が公式になる流れ1

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プロレススーパースター列伝 パロディ画像 二次創作が公式になる流れ1



ただそんな時「作品世界」て誰のものなんだろう?オリジナル作品を最初に出した出版社は権利を持つの?

という問題が出てくる。
例えば今回の寄生獣リバーシは、普通にオリジナルの「寄生獣」が同じ講談社から出ているから何の問題もないわけだけど、同様に「人間にとりつき、普通の人間のふりをしながら人間を餌として食らう寄生生物が世界中に降り立った世の中」を舞台に面白いエンターテイメントを描いた、岩明均リスペクトの若手漫画家がいたとする。ただ、この人が何をどう間違ったか小学館に持ち込んだとする。
でその小学館の編集者が「面白い、これを出しましょう!連載決定だ!!」となった時に、岩明均さんの許可を得ればいいのか、講談社の許可を得ればいいのか、両方か。あるいは「借りているのは単に『世界観』『設定』…にすぎない。これらは「アイデア」であり、は著作権法で保護されているものではない」と ラディカルに考えることも出来るのですよね。

この話、何度も類似のことを書いてきたので過去記事を見てもらえれば。
てか、アレはどうだったんだ、アレは。
natalie.mu

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ただこういうのは「翻案」の一種と定義され、著作権者の許可がないとできないとも考えられるようで…というのは、「タイガーマスク・ザ・スター」と言う、直接的にはオリジナルのタイガーマスクに関するキャラクターが出てこない作品であっても、原著者の著作権継承者の許可がなかったということで駄目になったという例があるからね。

タイガーマスク・ザ・スター
タイガーマスク』の原作者・梶原一騎の没後の1993年から1994年にかけて、スポーツ新聞『東京スポーツ』に連載された。原作は梶原一騎実弟である真樹日佐夫、作画は風忍
この作品は『タイガーマスク』のリメイク的な内容となっており、「孤児院で育った青年・紅血勇児(くれない・ちゅうじ)が、謎のマスクマン「タイガーマスク・ザ・スター」としてアメリカの闇プロレス組織から抜け出し、表舞台のWWF(のちのWWE)に転進、やがて日本マット界へと舞台を移していく」という内容。「孤児院」「実在レスラーとのからみ」「闇レスラー出身」など共通点は多いが、掲載紙がスポーツ新聞だったこともあり内容はかなりアダルト向けであり、アメリカが舞台であることなどが異なる。
単行本は2巻まで出て、いよいよ日本を舞台にして日本人レスラーと絡んでいくところまで進展していたが、漫画1作目『タイガーマスク』の作画担当である辻なおきが「自分に無断ではじめた連載」と連載差止めを要求し、未完で中止された。これに伴い、コナミで進行していたスーパーファミコン用のゲームソフト化(東京ゲームショウで配布された同社の製品カタログにも、新製品としてタイトルやプラットフォームといった概要のみが発表されていた)も中止となっている。
1994年に真樹の指揮のもと、日本国外で実写化されている。日本ではオリジナルビデオにて、『闇のファイター/ビハインド・ザ・マスク』のタイトルで、2まで発売された。
タイガーマスク - Wikipedia


……いや、待て待て、ひょっとしてこの作品は、本家の続編とか世界観を借りた、じゃなく、お話の展開自体がオリジナルの、文字どおりの意味での「翻案」だといえそうなものなのか?なら話は変わってくる、舞台や主人公が類似で、話の展開も類似なら、それはダメになって当然だ…


まあ、この辺がよくわからないのでございました。

「世界観と、その権利」については、超重要なこのまとめのほか
togetter.com

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