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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

「托卵」はいつから鳥類用語でなく、人間界にも使われ始めた?”造語者”は?今後、辞書に載る?【日曜民俗学】

なんかドラマ経由で「托卵」が盛り上がった。
はてなブックマークではこの記事が人気。
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実に法哲学的な議論としても面白いので、あとで詳しく語りたいが時間無い&この話題だけ分離させたいので、単独で語る

それは皆が普通に、いま使っている、人間社会の話としての「托卵」という『言葉』についてです。


この類推や比喩は余りに自然だったせいか、もう違和感を忘れてる人が大多数な気がするが、「托卵」の『卵』が示すように、本来、哺乳類たる人類に「托卵」があるわけがない。
そして同じ卵でも、両生類や魚類や爬虫類にはない…よね?温めて孵化させる必要があるわけだし、ごく最近まで「鳥類用語」でした。

辞書にも、鳥のことしか書いてない・・・・よね??俺が見た範囲ではそうだった。

「托卵」の辞書定義

たく‐らん【×托卵】 の解説
鳥が他種の鳥の巣に卵を産み、抱卵・育雛 (いくすう) をさせる習性。日本ではホトトギスカッコウ・ジュウイチ・ツツドリにみられる。
dictionary.goo.ne.jp

これを、どこかの誰か…無名の天才が人間に応用した。卵をすり替えるのではなく、
「結婚した女性(この場合、生物学的な特徴から、女性に限られるわけだが)が、配偶者とは別の男性(生物学的な特徴から、男性に限られる)と性的な関係を結び、妊娠した子供を「配偶者の子供」と偽って(自分も誤認して)?出産、その後、男性の配偶者もそれを信じて子育てをする」
この現象を、鳥類の生態を示す用語を転用して表現した。


そして、それが大勢の人に受け入れられた。

ちなみにその前は、都市伝説的に「生まれた赤ちゃんを(意図的に)入れ替えるのを含めた『取り違え』」的な意味で使われてた、ともおぼしい。こっちのほうがカッコウとかの生態には近いし。
ひさうちみちおがそういうテーマを描いている。呉智英が紹介のコラムを「ダ・ヴィンチ」で書いていたので、未読だが作品名を覚えているよ

芸能を日々の糧とし、放浪する民族カッコーと、それを異教徒ととらえ排除しようとする民族との戦いのなかで、陰謀、策略、さい疑心に翻弄される人々…。人はなぜ差別するのか、その究極の心理を丁寧に描いた問題作。◎解説/呉智英

ひさうちみちお 托卵

これは文化史的な一大事件…かもしれないし、ネットジャーゴンで終わるかもしれない。いまのところ商業出版やお堅い新聞社で、上の意味の「托卵」使ってるところはないよね?
それだとウィキペディアにも載らない……あれ、今のウィキペだとこうなってるぞ!!
托卵

出典: フリー百科事典『ウィキペディアWikipedia)』

曖昧さ回避 この項目では、動物の習性である托卵について説明しています。人間の女性が行う「托卵」と呼ばれる行為については「托卵女子」をご覧ください。
ja.wikipedia.org

托卵のウィキペディア


ja.wikipedia.org
あ、けっこう雑誌では活字になっているのだな。この記事が削除されないんだから、すでに「托卵」を人間社会に使うのはありのようだ。
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「托卵」という言葉を使った雑誌


そう言う点で、あらためて論点

・人間の、上記のような行為・現象まで元は鳥類用語の「托卵」という言葉で呼ばれるようになったのはいつからか?
・この秀逸な”造語者”は誰か?
・今後、辞書などにこの用法が掲載されることはあるか?

この3点、注目していきたい。とくに上記二点で情報有れば教えてください。


自分でも調べる…再掲載

【参考・初出探しの基礎方法】

twitter内の初出探し法 https://togetter.com/li/1084358 

青空文庫内を検索する http://www.aozora.gr.jp/index.html 

BOOK☆WALKER横断検索 https://bsearch.bookwalker.jp/search

Google ブックス https://books.google.co.jp/

Google Scholar https://scholar.google.co.jp/

国会図書館デジタルコレクションを検索 http://dl.ndl.go.jp/ 

次世代デジタルライブラリーを検索 https://lab.ndl.go.jp/dl/

ヤフー知恵袋内検索 https://chiebukuro.yahoo.co.jp/

はてなブックマーク内検索 https://b.hatena.ne.jp/

海外のエンタメ・サブカルの「お約束」事典『TVtropes 』(英語)  https://tvtropes.org/

「タネタン」 https://moto-neta.com/

青空文庫で満足してやめてしまうのがおまえの限界だな。玄人は国会議事録を検索する。
https://anond.hatelabo.jp/20200418204831
https://kokkai.ndl.go.jp/

※まずはこれらで検索などして、それで目星がつくなり、あるいは皆目見当がつかないなりしたら、次の段階に進む。

ざっと調べたところでは、2013年ぐらいから「托卵」を人間社会の用語として使い始めている…ような?

cyzowoman.jp