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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています 

「関係性マンガ」について若木・畑の両先生が重要っぽいこと語ってるが、名人芸過ぎてついていけない(創作系譜論)

【創作系譜論】は※準タグです。この言葉でブログ内を検索すると関連記事が読めますです

まず「関係性マンガ(関係性ショートコミック)」というのが、自分の造語なんですケレド、まあこういう感じの作品ということで、リンク先の過去記事で納得してください。

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で、この記事は、なんでも「結婚漫画」というくくりで畑健二郎×若木民喜に対談させようという趣旨のものである。
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トニカクカワイイ 1 (少年サンデーコミックス)

トニカクカワイイ 1 (少年サンデーコミックス)

  • 作者:畑 健二郎
  • 発売日: 2018/05/18
  • メディア: コミック
トニカクカワイイ (2) (少年サンデーコミックス)

トニカクカワイイ (2) (少年サンデーコミックス)

  • 作者:畑 健二郎
  • 発売日: 2018/08/17
  • メディア: コミック

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まあ、趣旨はわかった。だが、2人の議論はなぜか自然と、自分のこれまた命名するところの「創作系譜論」の語りになり、それぞれの作品の話題だけでなく、他の作者名、作品名までを挙げて、その歴史を掘り起こすものになっていった…。

畑: (※引用者註 自分もtwitter連載漫画「100日後に結婚する二人」をやってみたが)フォロワーはめっちゃ増えましたけど、全然お金になってないから(笑)。やっぱり実際にやってみると難しいですよ。というか僕のアレはTwitter漫画のノウハウを全部外しちゃってたなと。当たり前ですけど、Twitterでウケる現代的なラブコメって、もう昔のラブコメとは全然違ってるんですよね……。

――「100日後に結婚する二人」はTwitter漫画の主流から逸れていたと……?

畑: 他のTwitter漫画と明らかに違ったのは、後半になればなるほどヒロインの出番が減ってしまったことです。

若木: ストーリーを優先しちゃう?



畑: そう! 話をまとめなきゃとか考えた結果、主人公とジジイが話してるだけの回が何日も続くんですよ!(笑) でも本当は、常にヒロインのかわいさを見せなきゃいけなかった。とにかくヒロインを出して、タイムラインに流れてきた瞬間、反射で楽しめるような漫画が正解なんですよね。


若木: 現代的なラブコメの特徴ってそこですよ。ストーリーを描いちゃダメなんです。まずは作者がキャラクターに心底ほれ込んで「このヒロインめっちゃくちゃカワイイでしょ!」って感情を読者と共有する。「共感」にステータス全振りすればよくて、ストーリーとかバックボーンは無くていい。グッとくる仕草とか、「これってエロいよね」ってフェチズムを共有することが重要だから、まずは絵描きじゃないとダメなんです。絵が弱いとその時点で苦戦してしまう。

畑: わかる!

若木: 従来はストーリーでフォローできたんだけど、今は最低限伝わる画力が無いとSNSで目立つのは厳しいのかもしれない。

畑: ちょっとしたうなじの描写ひとつで魅せられる人が圧倒的に強いのを感じます。

若木: 複雑な心境だよね。僕らは「漫画はドラマがなきゃダメだ」と教わってきたから。でも今は起・承・承・承みたいな、“承”がずっと続いている作品がヒットしているし、実際かわいいんだわ。

(略)
若木: 流行の中で違うモノがいっぱいあるから、多種多様な「面白い」が生まれると思うんです。市場に存在しない価値を世に送り出す役割として、これまでは雑誌が機能していたんですけど、それもいまや曖昧というか……。でもスピリッツで描く以上、起承承承じゃなくて、起承転結の物語を描きたいって気持ちがあります。難しいですけどね。

──先ほどおっしゃったようなTwitter漫画の傾向は、雑誌連載のラブコメにも当てはまるんでしょうか?

畑: 雑誌のラブコメはまたちょっと違いますけど、やっぱり絵力のある人が強くなったなと思いますね。

──個人的にはからかい上手の高木さん』以降、ラブコメの方向が変わった気がしているんですが……。

若木: 『高木さん』はモロにそうですよね。山本崇一朗先生の本質は絵描きで、あの一点突破がすごい。「何が何でもおでこしか描かないぞ!」という。『高木さん』は山本先生が描きたいものを一番いい形で見せる漫画で、新しい時代のラブコメを世間に示したと思います。

畑: でもひとつだけ言わせてもらうと、その先駆けを作ったのはコトヤマ先生だと僕は思う。

──コトヤマ先生の『だがしかし』が2014年スタート、『からかい上手の高木さん』は『ゲッサン』の2013年7月号付録として始まっていますが、本格的な連載は2016年8月号からです。

若木: コトヤマ先生の『だがしかし』はホント面白かったですよ。

畑: コトヤマ先生が先鞭(せんべん)をつけて、山本先生が誰でも扱いやすい方法論に進化させた。そして今、多くの人たちがそれを真似ているという流れがあると思います。

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ちょっとわかんないことその1。
そもそも、これは批判的な言及、苦言なのか。それともその新しい流れを評価しているのか。
「今のレスラーはまともなレスリングも、シュートもできない!!ハルク・ホーガンを片手で5分で倒せる連中は、私を含めて星の数ほどいるよ」と70代のルー・テーズが語った語り口を思い出した…一方で、そのテーズの良き友人でもあるニック・ボックウィンクルはこういう話を振られると「私に今のWWEのレスラーを批判させたいんだろうが、そういうつもりはないよ(笑)。今のレスラーは今の時代に沿っているので、それが正解なんだ」的なことを語ってたんだよね。『起・承・承・承』という、とてもヒザを打つパワーワードを出しているが『自分では、スピリッツでは、あまりやりたくない』と言いつつ、総体では認めているようにも思える。



ちょっとわかんないことその2。
なるほど、たしかに「高木さん」は何かのエポックメーキングかもしれないけど…自分も、そういう論考を書いたけど…
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それにしても「おでこ」は関係ないんじゃない??関係ある??そんなこと、上の論考をした時も一瞬すら考えなかった……。


しかし当代の名人が言ってるんだから、やっぱりおでこに関係あるんだろうか。そもそも、自分的にはこの種の作品はやはり本質的にはnot for me なのかもしれぬ。作劇論的には、比較的ストーリーの骨法が見えやすいから考察しやすく、その考察の楽しさで深堀りはしたつもりだが…おでこまでは分からぬ……

「だがしかし」も
「あーーー、めしばな刑事タチバナを少年向けにしたから、登場人物が少年と(美)少女で、ジャンルはお菓子なわけね。そーゆーことね、完全に理解した」

で終わらせてたからな…実は深いっぽいのかも??は、次作「よふかしのうた」で気づきつつも、その深さがいま「わからん状態」中だ。

それでも関係性を描く「関係性マンガ(関係性ショートコミック)」、あるいは今回のパワーワードを概念化すれば「起承承承マンガ」はますます増えるだろう。
過去にもいろいろ、関係性をめぐる話をいろいろ書いてきたが…
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しかし、力不足は認めるので、自分はなんかの中途半端な論文のように「ここではなんか深いことが語られてるっぽいけど、それが何かは分析できない!誰か考えてみて!!」と示して、バトンを誰かに託す。
(未完)

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さても両人ながら名人!(梶原一騎原作・小島剛夕画「斬殺者」より)