この前書いた記事。可能なら再読をお願いします。
「関係性ショートコミック」(俺命名)についてまとめて書こうと思ったが時間ない。/その間に「からかい上手の高木さん」始まるね。 - http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20180108/p2
抜粋、要約もしておこう。
・グルメ漫画は、新聞に一紙1本ずつ「四コマ漫画」があるように1誌、あるいは1サイトにひとつか二つあるのがデフォルトになってる気がする。
・それに似た感じで、非常に増えてる(気がする)のが『少人数での、限定された場所での小粋(あるいはシュール)な会話劇を中心に、そういう人たちの”関係性”を描くショートコミック』だ。
・たとえば、人気という点ではアニメ化もされているのだから「からかい上手の高木さん」とかがトップの走者となるのだろう。
・過去に「ゲッサン」を指揮し、現在は週刊少年サンデーの編集長してるあの人が、このジャンルに強いんじゃないだろうか。
・ただ、主流作品はこれに、「恋愛要素」を絡めようとする傾向が出てきてるようなんだよなあ。
・自分としては、あまりそういうものでなくても、十分成立すると思うのだけど…
みたいなことを書いて、前回は時間切れだった。
今回はその続きを書こう・・・・・・・・・と思ったのだが、書き始めようとしてふと困った。
今回は、前回記事に対して、脳内学界の質疑応答時間のようなものを設定したい。
私、この分野には疎いので、いろいろ教えていただきたいんですけど『からかい上手の高木さん』の何倍もヒットしている「あずまんが大王」は、まさに定義内における「関係性ショートコミック」だと思うのですが…これにはかけらも恋愛要素が出てこない。恋愛的なショートコミックが主流派になっているとは言えないんじゃないでしょうか?」
「定義上でいうと、『めしばな刑事タチバナ』や『だがしかし』『バーナード嬢曰く』のような、ウンチクや豆知識語りのショートコミックは『関係性ショートコミック』と言えるのか言えないのか?」
「オムニバス的に話は進んでいるが、それぞれのストーリーは大きく進展している『徒然チルドレン』はどうなのですか?」
「あなたが例に挙げている『明日にはあがります。』も、物語内で主人公の漫画連載が終わったり、アシスタントがデビューしたり、新連載が始まったりと、大きなストーリーが展開していきます。そういう部分があるのが本道なのですか、無いのが本道なのですか」
うーむ・・・・・自分で自分の仮説に反論して、それに返答するのもたいがいなのだが(笑)、答えるというかそのすべてを網羅して、とりあえず、現在の「位置関係」をマップ風にしてみた!
これ、マトリックスともポジショニングマップともセグメントともポリティカルコンパスとも呼ぶらしいが。
※ちなみに、四コマ漫画雑誌にもむしろこういうのは多いだろうけど、そのへんは知らないので自然と除外された。少女漫画もほんのわずかしか知らない。
あんまり大きく表示されないね……
https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/g/gryphon/20180203/20180203112608_original.jpg?1517624836
だとみられるかな?
あ、「働かないふたり」入れ忘れた…右下だな(笑)
全体的に言えば、それほど「恋愛要素」が増えてるわけでもなさそう。だけど「使い勝手」は分かる
「関係性」はシンプルであればあるほど、普遍的であればあるほど説明を省ける。2人が「恋愛関係」であれば、たぶん多くの説明をすっとばして、さっと会話劇に入っていけるからなのだろう。
その点は、どこも工夫しているか。
ヤマザキ・マリの「地球恋愛」は完全なオムニバス(リレーのように、品物や人がひとつずつ繋がっているという趣向はある)だけど、「恋愛についてだ」といえば国境や人種を超えてどこでもドラマを立ち上がらせることができるからね。
- 作者:ヤマザキ マリ
- 発売日: 2011/08/11
- メディア: コミック
新作紹介「うたかたダイアログ」
この前コミックブレークに紹介が載ってましたね
http://book.asahi.com/book/comicbreak/2017071900004.html
さすが大阪人!
■「何も起こらない男女の日常」がこんなに面白い!
(略)…ドラッグストアでアルバイトしている高校生の宇多川と片野。一見怖そうな金髪ヤンキーだが、実は宇多川に片想いしている純情男子の片野に対し、宇多川は飄々(ひょうひょう)としながらキレキレのボケをかます“面白いヒロイン”だ。…(略)ホーミー(高さの異なるふたつの声を同時に出すモンゴルの歌唱法)ができるという女子高生らしからぬ特技も持っている。… 物語はふたりの会話が中心。仲のいいバイト仲間だが恋愛に発展しそうな気配は薄く、ラブコメといってもコメディーの比重が極めて高い
とあるショッピングモールのドラッグストアでアルバイトをする高校生、宇多川と片野。部活で全国優勝を目指したり、胸を焦がすような恋愛をしてみたり、不思議な力を使って世界を救ったり、異世界に召喚されて魔王を倒したり…そんなドラマとは一切無縁な二人の高校生活。基本的には無駄口を叩いているだけですが…それが、何だかとても楽しいんです。話題沸騰!中毒性NO.1の最新型ラブコメ、待望の第1巻!!
「ふたり生徒会」は2巻で最初の会長が退任。後輩が加入して「ふたり」が続く
生徒会長兼
書記兼会計兼庶務の清士郎くんと
生徒会副会長の水谷さん。
たったふたりだけの生徒会。
忙しかったり、そうでなかったり。
提案したり、試してみたり。
ふたりだけど、毎日楽しい。
こどもまつりに。
ふたりだけの生徒会は、
ふたりだけど、
やっぱり楽しい。
そしてやってきた代替わりの季節。
新会長に選ばれたのは、
やっぱり…?
まさかの…?
〈 編集者からのおすすめ情報 〉
読売中高生新聞、サンデーうぇぶりにて大好評連載中!
中高生の方も、そうじゃない方も、ほっこり楽しめる、
ちょっと変わった学園コメディー第2巻です!
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20171202/p1 にて2017年のマンガ10傑に選んだときは1巻しか読んでなかったけど、その後、2巻では清士郎会長が引退し、副会長水谷さんが昇格。1年の後輩が入るという代替わりがありました。
これこそやりようによっては恋愛要素もたくさん入れることは可能だったろうけど、
そうではなく、結局なんとも心地よい2社の信頼と協力とボケとツッコミで形作られた幸せな空間が作られました。
それが終わるときの、ちょっとした寂寥感と、それでも前向きな楽しさ、みたいなものもうまく描いていたし。
その後の展開は
https://www.sunday-webry.com/series/562
でサイト連載中ですが、この雰囲気がつづくでしょうか。(ちなみに次代の「ふたり」は女性同士です)
なーんか自分から見ても、シュッとした、ピシッとした分析や定義はできなかったが、そもそも「関係性コミック」という定義がふんわりしてるんだからしょうがないのだ(元から否定)。それでもやってみたことに、なにがしかの価値はあるのであるのである。