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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

大人が未成年と知り合い、その子の成人を待って結婚・恋愛することについて

実は3週間ほど前に書こうと思ってたんだけど、時間なくて書けなかった。そしたら超タイムリーになっちゃって、いいんだか悪いんだか……。
記事そのものよりブクマにご注目ください。

bunshun.jp
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自分はこの「ハライチ」、コンビも一人ごとの固有名詞も存じ上げない(見たかもしれんが印象はゼロ)ので、3週間ほど前に書こうとしたのはもちろんこの話ではない。

人気有名ドラマで、この話が映像化されたから、それに合わせて書こうと思ったんだ。

きのう何食べた ジルベールと12歳で知り合った小日向(グルーミング)?

10月31日。筧史朗(西島)と矢吹賢二(内野)はハロウィンパーティーに招かれ、盛装で小日向大策(山本耕史)と井上航(磯村勇斗)の家へ。
凝ったコスプレの出迎えに対し、史朗と賢二は普通のスーツだが実は裏設定が。さらにパーティーの最中、小日向と航の劇的な馴れ初めを知ることに――。
https://plus.tver.jp/news/148076/detail/

ということで、LGBTのパートナーである小日向氏とジルベールは、ジルベールが12歳の時に知り合ったのだと。
そして18歳になる前に、(性的な)関係を結んだらしいと。
こりゃ、グルーミングですかな、ううむ。
小日向氏が「大学生」の時だから、ギリギリ短く考えると6歳年下。”ロミオとジュリエット法”的な解釈で救済されるかどうかはしらんが。


以前、よしながふみはポリコレ的な漫画を描いているので推奨できる、みたいな論調があったが、まぁこういう感じで、設定上も生真面目な善人として一貫して描かれる小日向さんが「18歳まで待った」という設定にだってできるのに上のように描いて、結果的に「てへぺろ」的な愛すべき逸脱、完璧な人なんていないよね的なほっこりエピソード扱いにしてるのは、ポリコレ的なこと以外をも、ちゃんと押さえておくというか、PCも反PCも必要な時に使っているからでありましょう。


そして、もう一人、堅物・生真面目ぶりでは似ているあの人が登場する漫画を。こっちも何度かネタにしたか。
椎名高志絶対可憐チルドレン」はかなりの長期連載になったが、物語内でも時間は経過し、主人公は小学生から高校生に……。
そして、保護者代わりに面倒をみていた上司(20代です)と…

年の差恋愛に関する絶対可憐チルドレンの描写
絶対可憐チルドレンの年齢差恋愛描写

と、こんなふうにギャグに落とし込んでいた。
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ただ、この話って、結論自体は何度繰り返してもつまらない正論にしかならない。過去記事からここも引用。

法哲学的な部分で議論するなら、かなり平々凡々な結論になってしまうからなぁ。

「その被保護者的な人物が、自由意志を尊重できる年齢―――18歳だか20歳になったら、性的な関係を含めた恋愛・婚姻関係になったっていい。そりゃ自由である」

「むしろそれでも反対嫌悪するならエイジズムという差別偏見である」

「そのいい・悪いを区分するのは、単純かつ唯一の基準がカレンダー、生物学的年齢である。上のような区分の年齢に一日でも足りなければ不可、一日でも超えれば可」

「性的な関係抜きの、精神的な恋愛ならどうか? まあそりゃ、それを妨げるべきものはあるまい」

エイジズムは一種の差別主義だから、今回SNSを見るとまぁ、差別発言と言われてもしゃーないかも、なコメントは確かに目につくわけで。
ポリコレ・オフサイドの面目躍如。
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これ以上、転がしようがないけど…グルーミングという言葉も流行っているので、もっと一般化して確認する。

「グルーミング」を認定し、それを規制・禁止するというのは、その保護対象者の自由意思や判断、責任を負う能力を認めないということである

この原則を確認したうえで、それでも何かをグルーミング認定し、「グルーミングされている」対象を保護し、守ろうという時は、上の原則に基づいて、それでもその対象を「自由意思を認めるのはまだ早い!」と認定し、そう扱えばいい。


このへんに、上の漫画で描かれたような滑稽味が漂うのは…それは本質的に、これを年齢で区切るにはある種の”無理”というかフィクション(擬制)があるからだろう。

「はー、あなた無邪気というか世間知らずというか…ちょっと、そんなんで大丈夫かい?あいつの言うなりになって、騙されてるよ!」
  
「はー、あなたしっかりしてるねぇ。あなたがそう判断して、そうふるまってるなら、ちゃんと自分のアタマで考えてのことなんだろうな」

このように周囲から判断されるかどうか、というのは、広く言えば確かに年齢で区切られるけど、本質的には年齢とは別の、個々人の発達段階とか資質に関係する。それは酒を飲めるかとか、格闘技の試合に出場できるか、とか深夜に労働できるかでもそうだろう。
しかし、これを法律は「年齢」で判断するしかないし、1日過ぎればOK,1日足りなければNG。 
これがはたからは滑稽に見える、ということかと思う。
MASTERキートンでは、勇敢な行動をした子供を賞賛して(君は大人たる資格を得たから)「君も一杯いかがです?」「うん、飲む資格がある」と、いまなら放送・出版禁止レベルの(笑)、されど粋な場面があったっけ。

MASTERキートンー 少年は「男らしい」ことをしたから大人として酒を飲む資格がある

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そして、あえてそれでも、法を超えた道徳としてその「グルーミング」を認定するなら、政治活動や宗教活動にも関わってくる、ともいえる。




それはここで「宗教二世」に「信仰を強制しない」とはどういうことか?という話と関係する。

①私たちは、子どもたちの「信じる自由」と「信じない自由」を尊重します。本人の意志を無視して会員になるための信仰告白をさせること、勧誘などの伝道活動を強要しません。
②私たちは、いかなる理由でも、子どもたちへの暴力は許されないと、繰り返し、確認し続けます。「教育」や「しつけ」と称する虐待、ハラスメントを支持しません。
③私たちは、宗教的観念で子どもたちを脅しません。裁きや罰、地獄や終末への恐怖を用いて自由にものを言えなくし、疑問を拒絶して、大人の指示に従わせることを行いません。
④私たちは、子どもたちの医療へのアクセスを制限しません。子どもたちに必要な通院、入院、投薬を妨げません。
⑤私たちは、生活が破綻するような献金や、子どもを長時間放置するような奉仕を支持しません。子どもの健康、成長、進学に必要なお金と時間を奪いません。
⑥私たちは、子どもたちが、同じ組織の者以外と遊んだり、交流を持ったりすることを制限しません。子どもたちの友人関係や交際相手を規制しません。
⑦私たちは、信仰を持たない子どもたちと家族との関係を破壊しません。信仰から離れた家族との接触を禁じたり、コミュニケーションを制限したりすることを行いません。
⑧私たちは、子どもたちの教育を受ける権利を侵害しません。教会活動へ従事させるために、子どもたちの進学、就職を妨害しません。
uccj.org

この前「政治的グルーミング」という(俺が独自に考えた)概念についてもいろいろ考察したな。
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最後に、スポーツジムでも、インストラクターとジム生、所属選手の間に恋愛や結婚関係が生まれることが多いようですが、それを論じた毒舌でならすUFC選手のおことば。