INVISIBLE Dojo. ーQUIET & COLORFUL PLACE-

John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

「フリーレン」を契機に話題の、ファンタジー論に関する箇条書き雑感

somethingorange.jp
およびそのブクマ

togetter.com
およびそのブクマ


を読んでいただいた、という前提で、箇条書きと引用で雑感をかく。
実のところ、以前書いたことの繰り返しが多いので、この形式がいいと思うのだ。

まず、放送開始日程のおさらい(本日)



「フリーレンは、膨大な過去作のお約束を前提にした、一見さんには難しいハイコンテキスト作品だよね」というはなし。まさに我が意を得たりで、そもそも自分の同作品への評価は「サンデーのジオング(各自調査)」云々を除けば(笑)、それがメインだった。2年前の記事

m-dojo.hatenadiary.com

感想
たしかに高い評価を受けてしかるべき良作と思うのですが、その背後にあるのはやはり
「エルフや人間たちが魔王を倒し世界を救うべくパーティを組む」という設定が、ひとつの世界観として浸透し定着している、ということではないでしょうか。

そこから派生して「エルフやドワーフは長寿であり、仲間たちの人間が次々老いて死んでいくのをひとり見守っていく…」というコンセプトも、なんか読んだことはいろいろある。
ネット上にある二次創作的な短編だったか、どうか…
(略)
でも、もちろんながら、そんなアイデアが断片的にあったからといって、誰もが「葬送のフリーレン」を描けるかって描けるわけがないので…

ただ、「ハイコンテキスト」というか、「作者は自分で一から設定を作るんじゃなくて、設定のお約束を共有しているよね(その分、ラクしてるよね)」というのは、本当にその潮流を「なろう」が後押しして完成させた奇跡の現象。

これについても過去に書いた。
というか、大変興味深いので継続的に追っている。
m-dojo.hatenadiary.com

m-dojo.hatenadiary.com
m-dojo.hatenadiary.com
m-dojo.hatenadiary.com


ただ、これも以前から言ってるのは「ゾンビという設定とかもそうだよね」、という話。逆にいえば、或る設定が「ジャンル」として共有されるということ自体がとんでもないこと(偉業)なわけで、じゃあ何があると、何によってそうなるのだろうか?…というのが個人的興味。

m-dojo.hatenadiary.com
m-dojo.hatenadiary.com


お約束を共有していることで、世界観の説明や描写が不必要となり、するすると物語が進む……という点では、以前から「時代劇」「西部劇」もそうだよね、という話が言われていた。

togetter.com
m-dojo.hatenadiary.com



m-dojo.hatenadiary.com
togetter.com



もし時代劇で「武士…支配階級であり、帯刀の権利を持ち…」「浪人…主君を持たない武士階級である」「奉行…」とかいちいち注釈をつけて、それが分かるような描写を入れてたら大変ではあるよね。外国に輸出する時とか、クロサワ映画とかどうなってるんだろう。とはいえ日本のサムライ・ドラマは非西欧圏では相当に知識を共有されていて、アドバンテージを持っている。韓流ドラマや中華ドラマも、こういう共有イメージを構築しつつあるんだろう。

それでも、せっかくファンタジーなら現実の常識をひっくり返すような世界観を一から作れよ。そうじゃないと面白くない…との意見も納得がいくのだけど、それは「断片的」に登場すれば、大衆向けの作品では、まあ、いいかな、と思う。

自分が個人的に覚えているのが、ロードス島戦記の暗黒神ファリスの教団の教義で「汝、自分の欲するところをなせ」というね。宗教の教義、戒律というのは、人間の欲望を抑えるのが当然で、邪神暗黒神だからこういう教義となる、というのは違和感と同時に、ちょっとセンス・オブ・ワンダーを感じました。

単位とか用語を巡るファンタジー議論は、季節の風物詩みたいなもんだし、結論も出ないので毎回のネタとして楽しむがいい。togetterだけでお腹いっぱいになるだろう。異世界に「南無三」か「サンドイッチ」か「じゃがいも」つければ出て来る出て来る

togetter.com

togetter.com
togetter.com
togetter.com

togetter.com

togetter.com
togetter.com



togetter.com
togetter.com

togetter.com
togetter.com
togetter.com


最後に、これは「時代劇・史劇で、現代語を使っていいか?」という話をゆうきまさみ三谷幸喜が論じたもの。この前のスピリッツに載ってたやつ。

ゆうきまさみ三谷幸喜、現代語を時代劇で使っていいか?を語る(スピリッツ対談)