【フランス軍事顧問団】
— NHK広報局 (@NHK_PR) February 4, 2020
幕末時代、サムライたちとともに戦った外国人たちの物語。
その団長を演じるのは、なんと、マーク・パンサーさんです。新たな時代へのDEPARTURESです(←上手いこと言ったとは思っていない)。
5(水)夜10:30[総合]https://t.co/1p17IiCiLd
www4.nhk.or.jp
午後10時30分~ 午後11時20分
歴史秘話ヒストリア「サムライとフランス軍人 幕末ラストミッション」激動の幕末。徳川のサムライたちとともに戦った外国人たちがいた。その名もフランス軍事顧問団。映画「ラストサムライ」のモデルになった軍人たちで、徳川軍を近代化させるという使命を背負い、来日した。しかし、戊辰戦争が勃発すると、徳川方として戦うか、帰国するか、運命の選択を迫られる。今回、顧問団団長をフランス生まれのマーク・パンサーさんが熱演。激動の日本を駆け抜けたフランス軍人たちのラストミッションに迫る。
タイトルはなんのこっちゃ、と思うだろうが、これは8年前に書いた当方の妄想。
再掲載します。
せっかくだから、ちょっとこの前考えていたシノプシス。
「るろうに剣心」の剣心と斉藤一が、フランスの退役軍人を訪問。
明治政府からの「来たるべき日露戦に備え、剣の実戦性を専門家の立場から再構築してほしい」という密命を受けてのものだった。そのため、幕末の剣術による戦闘も、ヨーロッパの近代戦の戦場もともに経験した日本びいきの軍人として、フランスの彼を訪ねたのだった。
退役軍人は実は、鳥羽伏見から五稜郭まで、土方歳三らと一緒に戦った旧幕府軍事顧問。剣については土方をはじめ、新撰組の鬼神の如き戦いぶりをしっている。
だが「私はジャポンでも、帰国したあとに参戦した普仏戦争でも敗れた敗将だ。もう語るべきことはない。いまとなっては…最後にヒジカタから贈られた、この日本刀だけが思い出だよ」と、剣心と斎藤を前にその刀を見せる旧幕府顧問の退役軍人。斎藤にとっては、懐かしい刀との再会だった。
二人は、彼に協力を依頼するのはあきらめ、そこを辞去しようとする。しかしその時、その質素な屋敷に届いた、一通の予告状。
「貴殿の所有する素晴らしい日本刀を頂きに近く参上します。うわべだけの日本美術愛好家とやらは、貴方の刀の価値に気付かないようだが、この私はちがいますよ/:アルセーヌ・ルパン」
義をみてせざるは勇なきなり。また斎藤にとっても新撰組の思い出を守ることになる。
かくして元攘夷浪士の剣心、元新撰組の斎藤、そしてそこにあの怪盗との再対決を求めて自ら出向いたホームズ(英国の対日・対仏外交と諜報活動を裏で指揮していた兄マイクロフトのさしがねかも知れぬ)、そして・・・、彼ら全員を敵に回して、怪盗紳士アルセーヌ・ルパンが真っ向から対決!!まあルパンとの対決を日露戦争直前に設定すると、剣心の年齢は、ちょっとチャンバラをやるにはお高めになってしまうのだが。
20世紀を遂に迎えた、1901年と設定すると、ホームズは40代後半。斎藤一は50代半ば。緋村剣心は…幕末の風雲時代に十代で身を投じたんだっけ?まあ50代になるかだね。で、肝心な部分をいわなきゃいかんな。
この退役軍人は、特定してもいいんだけどね…実在の五稜郭参戦フランス軍人であるブリュネ、あるいはシャノワールを想定している。というか、上に書いた小説以前の妄想は、新作ホームズ映画や「嫌な予感がするのう」な雰囲気が漂う、実写映画版「るろうに剣心」ではなく、この本から着想を得たのだ。
幕末戊辰戦争の最終戦・五稜郭の戦い前夜、箱館で写された一枚の写真。仏軍人と幕府士官、それぞれ4人が写っていた。8人によって醸しだされる何ともいえない信頼と親しみの雰囲気。いったい彼らは何を話したのだろうか。日本人武士とガイジンとの束の間の出会いに秘められた歴史の影にはナニがあったのか―。一枚の写真に写された男たちの会話を聴きとるために追跡が始まった。一枚の写真が明かしたもうひとつの幕末とは果して何か。この本はタイトル「追跡」どおり、以前書いた「過程紹介型ノンフィクション」でーーー。一枚のこの古い写真を皮切りに、ここにいるフランス軍人の子孫を探し当てる旅に出る。
実のところ、この幕末に幕府軍に協力したフランス軍人は本来「脱走兵」だったのだが、戊辰戦争が終わったときには「休暇をとっていた」ことになっていたらしい(笑)。みなもと太郎だったらずっこけのコマを入れるところだ。これは古き良き?時代、ナポレオン戦争からまだ半世紀、一級の軍人であることはそのまま一級の”冒険者(アバンチュリエ)”でもあった時代の空気なのだろう。
上に挙げたシャノワールはのちに陸軍大臣(ただし「ドレフェス事件」後処理という厄介な失点に直面した)。1915年に没。フランスはロシアと協力していたのに日露戦争中の日本びいきは大変なもので、没後に家は日本との内通を疑われ?家宅捜索が入ったという(笑)。
ブリュネは、函館を脱出し、フランス帰国後はナポレオン三世の軍人として普仏戦争を闘い、セダンの戦闘で皇帝と一緒に捕虜となった(上の「私は普仏戦争でも敗れ・・・」はそこがモデル)。その後オーストリー駐在武官も務め、のちに中将。日本からは、幕末に敵であった明治政府から勲二等を贈られ、1911年に没した。
いま、鈴木明氏の「追跡」、どこかでキンドルなどでも入手できるのかねえ。
追記 こんな本もあるそうだ コメント欄より
foolskitchen=ふるきち
「傭兵ピエール」佐藤賢一のこれも良かったです。オススメ。
ラ・ミッション 軍事顧問ブリュネ (文春文庫)
ルパン・ホームズを軸に当時の実在の人物を想像すると、いくらでも話は広がる。
「幕末に、日本で戦った元フランス軍人」は国籍的にはルパンとだが、年代的には、むしろホームズとの絡みがあり得る(ただしどっちにしても退役だな)
m-dojo.hatenadiary.com
m-dojo.hatenadiary.com
その他、こんな視点でこんな見方も
幕末から明治にかけて、フランスと日本をつなぐといえば
嘉納治五郎でもあり、中江兆民でもあり、秋山好古でもあり…
m-dojo.hatenadiary.com
西洋と東洋の軍事的対決の一環でもある。
m-dojo.hatenadiary.com
ほろびゆく幕府の側に立って、武人の意地を貫く物語でもある
m-dojo.hatenadiary.com
『日本という「異世界」に来て、進んだ軍事知識でチート無双してたら、仕えてた王国が滅びようとしたんで最後まで闘った件』
m-dojo.hatenadiary.com
m-dojo.hatenadiary.com
- 作者:中島 三千恒
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2019/08/09
- メディア: コミック
でもある。いや、フランス軍事顧問からみれば異世界ものだし、大航海時代や帝国主義初期の、欧米のこういう「リアル経験談」は、まちがいなく遺伝子を現在の異世界ものに残している。