昨日紹介した「ホームズの新作映画が同性愛っぽい、と、ホームズの著作権者(※米国ではまだ存続)がクレーム」という話題を描いているときに触発されて。
本格的にブログで書こうかと思っていた話だが、自分は要は架空・実在のキャラクターが同時代、同じ世界にいると考え、「こういうシチュエーションを思いついた」と書ければいいので、概要で十分なのだ。
自分のtwitterより。補足もしている。
せっかくだから、ちょっとこの前考えていたシノプシス。
「るろうに剣心」の剣心と斉藤一が、フランスの退役軍人を訪問。
明治政府からの「来たるべき日露戦に備え、剣の実戦性を専門家の立場から再構築してほしい」という密命を受けてのものだった。そのため、幕末の剣術による戦闘も、ヨーロッパの近代戦の戦場もともに経験した日本びいきの軍人として、フランスの彼を訪ねたのだった。
退役軍人は実は、鳥羽伏見から五稜郭まで、土方歳三らと一緒に戦った旧幕府軍事顧問。剣については土方をはじめ、新撰組の鬼神の如き戦いぶりをしっている。
だが「私はジャポンでも、帰国したあとに参戦した普仏戦争でも敗れた敗将だ。もう語るべきことはない。いまとなっては…最後にヒジカタから贈られた、この日本刀だけが思い出だよ」と、剣心と斎藤を前にその刀を見せる旧幕府顧問の退役軍人。斎藤にとっては、懐かしい刀との再会だった。
二人は、彼に協力を依頼するのはあきらめ、そこを辞去しようとする。しかしその時、その質素な屋敷に届いた、一通の予告状。
「貴殿の所有する素晴らしい日本刀を頂きに近く参上します。うわべだけの日本美術愛好家とやらは、貴方の刀の価値に気付かないようだが、この私はちがいますよ/:アルセーヌ・ルパン」
義をみてせざるは勇なきなり。また斎藤にとっても新撰組の思い出を守ることになる。
かくして元攘夷浪士の剣心、元新撰組の斎藤、そしてそこにあの怪盗との再対決を求めて自ら出向いたホームズ(英国の対日・対仏外交と諜報活動を裏で指揮していた兄マイクロフトのさしがねかも知れぬ)、そして・・・、彼ら全員を敵に回して、怪盗紳士アルセーヌ・ルパンが真っ向から対決!!
まあルパンとの対決を日露戦争直前に設定すると、剣心の年齢は、ちょっとチャンバラをやるにはお高めになってしまうのだが。
20世紀を遂に迎えた、1901年と設定すると、ホームズは40代後半。斎藤一は50代半ば。緋村剣心は…幕末の風雲時代に十代で身を投じたんだっけ?まあ50代になるかだね。
で、肝心な部分をいわなきゃいかんな。
この退役軍人は、特定してもいいんだけどね…実在の五稜郭参戦フランス軍人であるブリュネ、あるいはシャノワールを想定している。というか、上に書いた小説以前の妄想は、新作ホームズ映画や「嫌な予感がするのう」な雰囲気が漂う、実写映画版「るろうに剣心」ではなく、この本から着想を得たのだ。
- 作者: 鈴木明
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 1988/09
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幕末戊辰戦争の最終戦・五稜郭の戦い前夜、箱館で写された一枚の写真。仏軍人と幕府士官、それぞれ4人が写っていた。8人によって醸しだされる何ともいえない信頼と親しみの雰囲気。いったい彼らは何を話したのだろうか。日本人武士とガイジンとの束の間の出会いに秘められた歴史の影にはナニがあったのか―。一枚の写真に写された男たちの会話を聴きとるために追跡が始まった。一枚の写真が明かしたもうひとつの幕末とは果して何か。
この本はタイトル「追跡」どおり、以前書いた「過程紹介型ノンフィクション」でーーー。一枚のこの古い写真を皮切りに、ここにいるフランス軍人の子孫を探し当てる旅に出る。
実のところ、この幕末に幕府軍に協力したフランス軍人は本来「脱走兵」だったのだが、戊辰戦争が終わったときには「休暇をとっていた」ことになっていたらしい(笑)。みなもと太郎だったらずっこけのコマを入れるところだ。
これは古き良き?時代、ナポレオン戦争からまだ半世紀、一級の軍人であることはそのまま一級の”冒険者(アバンチュリエ)”でもあった時代の空気なのだろう。
上に挙げたシャノワールはのちに陸軍大臣(ただし「ドレフェス事件」後処理という厄介な失点に直面した)。1915年に没。フランスはロシアと協力していたのに日露戦争中の日本びいきは大変なもので、没後に家は日本との内通を疑われ?家宅捜索が入ったという(笑)。
ブリュネは、函館を脱出し、フランス帰国後はナポレオン三世の軍人として普仏戦争を闘い、セダンの戦闘で皇帝と一緒に捕虜となった(上の「私は普仏戦争でも敗れ・・・」はそこがモデル)。その後オーストリー駐在武官も務め、のちに中将。日本からは、幕末に敵であった明治政府から勲二等を贈られ、1911年に没した。
「アバンチュリエ」の森田崇先生には、上の元となったツイートを光栄にも「リツイート」してくださった。4月に3巻が発売。
- 作者: 森田崇,モーリス・ルブラン
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ミステリーの世界でホームズと並ぶ永遠のヒーロー、アルセーヌ・ルパン。貴族や金持ちからしか盗まない怪盗であり女性には優しい義賊の顔も持つ。ベル・エポックの時代を駆け抜けた冒険家(アバンチュリエ)の活躍を『ジキルとハイドと裁判官』で漫画界に新風を吹き込んだの森田崇が愛を込めて劇画化!
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アルセーヌ・ルパンは自らの怪盗としての経験と優れた頭脳と行動力で探偵としても高い能力を示す。新訳アルセーヌ・ルパンは『王妃の首飾り』怪傑編、原作の人気エピソード『ハートの7』他収録。大河形式で描く誰も見たことのない新訳アルセーヌ・ルパン。第1巻同様、ミステリーファン以外もお見逃しなく!
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戊辰戦争を、旧幕府軍から描いているのが今かわぐちかいじが連載中の「兵馬の旗」。
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かわぐちかいじが熱き時代・幕末を描く!
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戊辰戦争の緒戦、「鳥羽伏見の戦い」は旧幕府軍の惨敗に終わった。
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新撰組の漫画は山ほど出ているから絞りにくいが、ある程度史実や一般的なイメージにに即し、独自解釈をあまり加えていないという点では(弱点でも長所でもあるが)
- 作者: 宮崎克,乾良彦
- 出版社/メーカー: 秋田書店
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