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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

「twitter、トランプ追放」「メルケルがそれを批判」~を予言していた大屋雄裕「自由か、さもなくば幸福か?」

jp.techcrunch.com

【1月12日 AFP】交流サイト(SNS)大手がドナルド・トランプDonald Trump米大統領のアカウントを永久停止したことについて、アンゲラ・メルケルAngela Merkel)独首相は問題だと苦言を呈した。首相の報道官が11日、明らかにした。言論の自由はこうしたSNSの経営陣によって決定されるべきではないとしている。

 シュテフェン・ザイベルト(Steffen Seibert)報道官は、「言論の自由は、根本的に重要な基本的人権だ。そしてこの基本的人権が制限され得るのは、法律を通じて、また立法者が定めた枠組みの中でであり、ソーシャルメディア各社の経営陣の決定によってではない」と…
www.afpbb.com


以下、この本から引用する

自由か、さもなくば幸福か? ─21世紀の〈あり得べき社会〉を問う 大屋雄裕

20世紀の苦闘と幻滅を経て、私たちの社会は、どこへ向かおうとしているのか?“あり得べき社会”を構想する。

…ここでは、国家が法によって認めた権利が、私企業が我々に締結することを迫る契約によって失われていることになるだろう。中間団体による規制が、国家のそれと食い違い、それ以上に我々をコントロールしようとしているのだ。
19世紀半ばに自由を脅かしていたのが規範で、20世紀頭にはそれが国家の力で、21世紀半ばのかなりの部分で自由を脅かしたのが市場だったなら、わたしの議論というのは、二〇世紀末から二一世紀にかけて別の規制手段――コード――こそが懸念となることを理解すべきだということだ。(レッシグ前掲、一五四一五頁)

国家の三要件

そして、このアーキテクチャに直面した我々が問わなくてはならないのは、古典的に「法」を通じて動作する国家権力はこれと比較してはるかに危険な存在なのかということだ。インターネットを支配する巨大企業や、グローバルなビジネスを展開する多国籍企業アーキテクチャを利用して我々の行動をコントロールしているとして、それとの比較において国家こそが我々の最大の敵であり警戒すべき存在だということになるのだろうか。おそらくそうではない。


第一に、国家は確かに全体からすれば非常に大きな実力を独占しているが、チェック・アンド・バランスが確保されている。立法・司法・行政の三権が互いを監視し、抑制しあうことで国家全体が暴走する危険を防いでいるのだが、これに対してたとえば企業では経営陣の意思が統一され、全体として行動できることが重視されるだろう。


第二に、国家のなし得る行為に対しては憲法という枠がはめられているし、実際の手続にも、たとえば行政手続法のように多くの規制が加えられ、国民に対する透明性や答責(アカウンタビリティ)の確保が求められている。これに対して、企業が責任を負っているのは主にその株主に対してであり、たとえその行動その行動の影響を強く受けるとしても、一般の消費者や頭客に対する情報提供は限定的なものにととまるし、手続面での規制も乏しい。


第三に、たとえば憲法一四条一項目が「すべて国民は、法の下に平等であつて人種、信条、人は社会的関係において、差別されない」と定めているように、国家にはその成員をすべて平等に・無差別に扱うことが求められる。
これに対して企業が「お得意さま」を優遇するのはごく一般的な慣習だろう。もちろん経営効率という観点からは、利用頻度の高くない・あまり金を持っていない顧客よりも「お得意さま」へのサービスに力を注いだほうが有益に違いないのだ。
「国家の正統性・必要性を根本的に疑い、「政治哲学の根本問題はそもそも国家がなければならないのかどうかにあり、この問題は国家がどのように組織されるべきかという問題に先行する」と喝破した哲学者ロバート・ノージック(Robert Nozick,1938-2002)は、正当化可能な最小限のものとして「最小国家」を認めるに至った(『アナーキー・国家・ユートピア 国家の正当性とその限界」木鐸社、一九九二、四頁〔訳を改めた])。


なぜ国家が必要なのか。治安維持や裁判といった機能を、なぜ企業に委ねてはいけないのか。最低限の国家機能(最小国家)すら置かず、すべてを市場を通じた供給に委ねるというモデル(超最小国家)ではいけないのか。「なぜ無政府状態にしておかないのか(Why not have anarchy?)」(同)という問題関心を根幹に据えたノージックでさえ拒否した「超最小国家」と「最小国家」の差異は、統治の対象である我々を平等無差別に扱う義務があるかどうかという点であった。


つまり全体的に言えば、その暴走を警戒して国家にはさまざまな制約が加えられているのに対し、中間団体にはそのような制約が乏しく、だからこそサービスの提供は効率的であるかもしれない。だが、そうであるとして、我々の生活や人権が、我々を平等に扱わなくてもよい主体に自由に制約されることを、我々は望むのかどうか。それが規制主体としての国家と中間団体を比較する際に問われる問題なのだ。

企業活動の危険性

たとえばその兆候を「グーグル八分」と呼ばれる現象に見て取ることができるかもしれない。
よく知られているとおり、グーグルはインターネット上で・・・・・・・(後略)

「アニメーターが、高報酬の国で働くのは当然」/「資産家が、税の安い国に資産を移すのは当然」…両者は同じか、違うか

この記事、ドーン。

「日本のお家芸」とされてきたアニメ制作でプレーヤーに変化が起きている。騰訊控股(テンセント)など中国の動画プラットフォーマーが日本に進出し、アニメーターなど優れた人材の囲い込みに乗り出した。最近は実力を付けた中国企業が「このレベルでは使えない」と日本のアニメ制作会社に厳しい注文をつける事態も。担い手のグローバル化が急速に進むなか………
www.nikkei.com

はてぶ感想コメント、ドーン。
b.hatena.ne.jp
※ずっと言い続けるけど、はてブ(感想コメント)へのリンクと記事本体へのリンク、サムネイルの色とか形状とかに、何か一目でわかる違いをつけておくれよ。そうすればこうやって並べて、反響を論じるときにやりやすくなるんだよ。

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はてブ、アニメーターの海外流出への反応

んでまあ、俺のコメントね。

【問】「報酬が低い国からアニメ人材が流出しても仕方ない」/「税率が高い国から富裕層が流出しても仕方ない」は大体おんなじ論理か、異なるか。
(※似た話はhttps://m-dojo.hatenadiary.com/entry/20130209/p5 で書いた)

https://b.hatena.ne.jp/entry/4696914803702826050/comment/gryphon


そこに張ったリンクをあらためて張りなおすと

m-dojo.hatenadiary.com

ちょうどその時…2013年に

富裕層増税に反発する仏俳優がロシア国籍取得
 
【モスクワ】ロシアのプーチン大統領は3日、仏政府による富裕層への増税に反発して仏国籍の返上を宣言していた俳優ジェラール・ドパルデュー氏(64)へのロシア国籍付与を認めた。
(略)アカデミー賞ノミネートの経験があるドパルデュー氏は同月、仏社会党政権が緊縮予算の一環として富裕層の所得税率を75%に引き上げることを提案したのを受けて、同国のパスポートと社会保障制度加入を返上すると語っていた。
 ベルギーの小さな町ネシャンの町長は12月初め、「グリーン・カード」や「1492コロンブス」などの映画に出演したこの俳優がネシャン町に引っ越してくる、と述べた。ドパルデュー氏は昨年末、パリの自宅を売りに出した。
 この時、エロー仏首相は、こうした態度は「哀れな」ことだと……

手当減額前に駆け込み退職 埼玉の教員100人超

埼玉県が2月から職員の退職手当を引き下げるのを前に、3月末で定年退職を迎える教員100人以上が1月末での退職を申し出ていることが22日、県教育委員会への取材で分かった。

現行制度での退職手当を得るための駆け込み退職とみられる。上田清司知事は同日の記者会見で「2カ月残して辞めるのは無責任とのそしりを受けてもやむを得ない」と不快感をあらわにした。
(略)勤続35年以上の教員が3月末に退職した場合は、手当は現行より約150万円少なくなるという。
上田知事は「それぞれが得か損かの判断をしている。価値観までは強制できない」としつつも「責任ある立場の人は責任をしっかり受け止めてほしい」と…(後略)

というふたつの話題があったのだわな。で、両方とも、個人の金銭的な損得という点では、こうなるだろうという道を選ぶと「哀れ」「無責任とのそしりを受けてもやむを得ない」となったというわけです。

このへん、
実のところアニメーターの海外流出論、資産家の資産流出論も含めて「新自由主義」の匂いを漂わせている。


とはいえ、自分も、やっぱりタイトルに挙げた2例には、両者は違う、ぶっちゃけていえば「前者は正しいが、後者は正しくない」んじゃないか…というかそうあってはほしい、と思う。
俺はシンガポールに持ってくような資産はないからね。(じゃあアニメーターのスキルがあるかっていえば、そっちのほうがさらに無いんだけどさ(笑))


だが、そう考えるロジックを構築するのがなかなかに難しいの。


そんなわけで、皆さんに ○ミ\(・_・ )トゥ ←丸投げ しておわる。

表題の件、「~というわけで両者は違う」な議論でも、「いや、両者は同じ(同じで何が悪いの)でもいいので、100字で足りる方はブクマで、そうでない方は別の手段でちょっと知恵をお借りしたく。


ま、こういう投稿募集的なものに限って
ブクマは集まらず、企画倒れになるパターンも多い。
応募票数制にして、「竈門炭治郎くんに5000兆票」もアリにしておくか…

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竈門炭治郎がなぜか「吸血鬼すぐ死ぬ」人気投票に

m-dojo.hatenadiary.com





SHIROBAKOアートワークス

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  • 作者:P.A.WORKS
  • 発売日: 2018/05/01
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1500話連載の「クッキングパパ」は、こち亀以上に時代の変化を反映。「クッキングパパ社会論」も可能?【日曜民俗学】

その1500以上の作品のうち、1-1000話が無料配信されている…
てな
もんや。


togetter.com







価値観が「アップデート」されているかはともかく、「変化」は間違いなくしている。
ちなみに、以前からの持論なのだけど、その変化のスピードは「美点」が「やや欠点」になる以上に「愛すべき欠陥」が「許容限度を超えた悪」になることが多い気がする。その結果「愛すべき三枚目」が、ラインを越えた「どクズ」扱いされてしまうという事例がちらほらと(笑)。
クッキングパパの田中も、まとめなどをみるとそういう感想を持たれつつあるようだすな。
ちょっと関連なあれこれ
togetter.com
togetter.com
togetter.com
togetter.com
togetter.com
togetter.com



価値観が変化すると言えばそもそも、クッキングパパでは「荒岩課長が料理が得意なことをひた隠しにする」という「取りつくろいもの」としての味付けも初期…といいつつ、相当経過するまで続いていました。
料理の腕を見込まれ、地元ローカルテレビに強引に頼まれて出演する時、無理なメーキャップというかコスプレで登場、というネタもあった。


※ちなみに「取りつくろいもの」というジャンルは当方の造語です。以下を参考にしてください
m-dojo.hatenadiary.com
m-dojo.hatenadiary.com


あのカミングアウトはいつだったんだろうな、と思い返して調べると・・・・・

……今でこそ、普段から料理をする男性や夫は珍しくないが、連載当初、荒岩のような男性は今よりずっと少なかっただろう。「“戦わない、かっこいいお父さん”が描きたかった。時代を先取りしていたことになるのかな? 荒岩は僕なりのかっこいい男だったんです」とうえやまさん。実際、連載当初の荒岩は料理が得意なことを職場などで隠していた。「当時は『なぜ奥さんが作らないの?』と、不思議に思われたと思う。時代が変わってきたと感じて、500話を過ぎた頃の51巻(平成10年)でカミングアウトしたんです」
www.sankei.com

と、51巻だと判明


この「カミングアウト」に至るまでひとつとっても、「社会学的」考察は可能だろう
cakes.mu

というのは、クッキングパパが今超えることを目指しているであろう目標たる「こち亀」も、そういう変化を見ることができるからだ。

『こち亀』社会論 超一級の文化史料を読み解く

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  • 作者:稲田 豊史
  • 発売日: 2020/09/12
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

よく言ってるけど、こち亀は昔は「腹減ったぞ」「今は深夜の1時です、どこもやってませんよ」→「〇〇まで飛ばせば一晩中やってる食い物屋があるぞ」→「そうだ、24時間ストアー(※当時の呼び名)があった!」とネタが変わっていて、それだけで日本コンビニ史なんだよね。

togetter.com

両さんの時代 『こち亀』で読むエンタメ史

両さんの時代 『こち亀』で読むエンタメ史

  • 作者:秋本 治
  • 発売日: 2009/05/01
  • メディア: 単行本



このような形で、実力ある人が「クッキングパパ」に描かれた社会の変遷を分析なさったら面白いかもしれません。
2月までの1000話無料公開は、そのきっかけになるのではないでしょうか。


【日曜民俗学】 ※準タグです。この言葉でブログ内を検索すると関連記事が読めます

【メモ】『創作で実在暴力団の名称を避けるには総務登録・政治団体リスト活用を。面白団体名も』(深町秋生氏)/失敗すると小池一夫コース…


どら
どら・・・
https://www.soumu.go.jp/main_content/000068055.pdf

80年代の「ミニ政党」乱立のような趣きがあるなー。


ちなみに、2ツイート目のはなしは



百八竜
クライングフリーマン』連載時(1986年 - 1988年)、小池は香港の青幇からの呼び出しを受けた。同作に登場するマフィア「百八竜」は小池が「百八の煩悩」から名付けた架空の組織だが、香港に同名の青幇が実在していたのである。高輪プリンスホテルのスイートルームで行われた対話は、脅迫的な内容ではなく、作品をなかなか面白いと評価され、高級時計をプレゼントされるなど友好的なものであった。その後もしばらく「百八竜」との関係が続いたという。ただし、このお陰で以後「百八竜」を悪の組織として描写できなくなってしまい、大いに構想が狂ってしまった[25]。
ja.wikipedia.org

[asin:B08QRL6QGF:detail]


戦後の右翼勢力

戦後の右翼勢力

  • 作者:幸雄, 堀
  • 発売日: 2017/05/01
  • メディア: 単行本
本当にあった極道のビデオ

本当にあった極道のビデオ

  • メディア: Prime Video

架空政党の実例(速水螺旋人

堀口恭司vs朝倉海、3戦目すべき?不必要?討論会的に&堀口自身の発言

「PAGE」インタビュー

…堀口はバックステージでもう一度、朝倉兄弟の控室を挨拶に訪れた。
 すると朝倉海から「堀口さん、もう一回やって下さい」と再戦を直接、直訴されたという。
――どう返答したのですか?
「機会があればと」
――3度目の対戦要求を受けますか?
「やる意味がない。違いますか?なんのメリットもない。もういいでしょう」
――大会総括で榊原信行CEOは「1勝1敗で3度目の対決に流れができた」とコメントしていました。プロモーターとしては、3度目の決着カードをマッチメイクしたいでしょう。
「やってもいいですが、ベラトールのベルトを取り返すことも含めて、先にやることがあるので、後々でいいんじゃないですか。それに3度目をやったら力の差がさらに出ると思いますよ。僕としてはもっと万全な状態を作れるわけですからね」
――逆に朝倉海に時間を与えれば対策を練り進化してくるのでは?
「それでも無理だと思います。海君には打撃のカウンターしかない。でも、再戦と言ってくるのが、ある意味凄い。(実力差が)わかっていないんだなあ、と思いました」
news.yahoo.co.jp

週プレの取材でも再戦に言及

――試合後には、榊原信行CEOから「再戦」という話も出ていました。

堀口 まあ、再戦って言われても、その前にやることがあるので、自分は。だからやってもいいんですけど、やることを終えてからかなっていう感じですよ。

――例えば、トーナメント戦でお互いが勝ち上がって決勝で、というパターンならともかく?

堀口 それなら話は別ですけど、まあ......、やらなくてもいいんじゃないかと思っちゃいますけどね。

だって1回目は向こうが勝ちましたけど、今回はこっちが勝って。もう1回やる意味あります?(笑) もういいんじゃないかって思っちゃいますけどね。
wpb.shueisha.co.jp

【徹底討論・堀口vs朝倉海ラバーマッチの是非】疑似シミュレーション

【賛成派・立論】
朝倉海堀口恭司との3試合目、ラバーマッチをする権利がある、こういう立場から立論させていただきます。
非常に単純な話で堀口恭司朝倉海は「一勝一敗」です。それもどちらも1ラウンドでの KO 勝利でした。ならば3度目の対決を行って、どっちが強いか決めやがれ。
…これ以上の説明は不要だと思います 。これを拒否するなら堀口選手は「朝倉海は誠実に、勝ち逃げしなかったのに、自分は一方的に勝ち逃げするのか、ずるい」という批判を免れることはできないと思います。


【反対派・立論】
自分は堀口恭司朝倉海の3戦目要求を受けなくていいという立場で主張を展開いたします。簡単に言えば、堀口と朝倉海の2戦めというのがセットされたのは、堀口・朝倉の最初の試合がノンタイトルで、次の試合がタイトルマッチという流れだったからですね。実際には堀口が怪我で長期欠場、タイトル返上し、朝倉海vsマネルケイブでケイブが勝利、しかしUFC行きで王座を返上。朝倉海扇久保博正との2回目の決定戦を行って王者になったわけです。この場合、相手に直接敗北して王座を転落したわけではない2代前の元王者にはタイトル挑戦権が認められて当然、少なくとも不自然ではないでしょう。 まして前王者は移籍して挑戦する状況にないわけですから。タイトルマッチで直接負けて王座を当事者に移動させた前王者が、再び挑戦するためには段階を踏むか、あるいは試合が大接戦の微差判定であるなら良いかと思います。
例を挙げるならまさにお兄さんの朝倉未来は王座決定戦を闘い、そういう微差判定だからダイレクトリマッチも可能かと思いますが、実際にはすでに1試合を挟んでいます。そういうものです。


【賛成派・反論】
しかし現実に考えて、いわゆるバンタム四天王と言われたうちの佐々木憂流迦扇久保博正朝倉海は勝利しているのですから、仮に今回堀口に負けたとは言え「四天王のさらに上」という見えないランキングは確実に存在していると思われます。実際堀口の相手が、ベラトールチャンピオンとの王座統一戦になるのかどうか分かりませんが―それならば優先されてもおかしくないでしょうー 実際に海外から選手を呼ぶというのは(隔離期間を含め)なかなか難しい状況であります 。まあ堀口選手も海外から日本に来るのは簡単ではないのですが。
そういう点で日本から堀口選手の相手を考えると「朝倉海とのダイレクトリマッチ」がかなり現実味もリアリティもあるのではないでしょうか。


【反対派・反論】
いやそれは一人完全に見落としています。3連勝した井上直樹は、まさにバンタム四天王の一角である元谷友貴2完全勝利しました。その前の試合も堂々たる圧勝劇です。堀口への挑戦権をかけて井上対朝倉海。現実としてこちらの方が、少なくともその試合を見るだけではほぼ一方的になってしまった試合をダイレクトでリマッチさせるよりいいのではないでしょうか。朝倉海選手自身も、そういう提案を受ければ応じる可能性も高いのではないかと思います。

f:id:gryphon:20210111174613j:plain
堀口恭司vs朝倉海、2試合の写真


www.youtube.com
www.youtube.com



自分は、結論的にはラバーマッチ肯定派だけど、やはりRIZINで実績あるバンタムのファイター(となると、今は井上直樹がやはり筆頭だが…)vs朝倉海で「挑戦者決定戦」をして、その間に堀口はベラトール王者との統一戦(もう勝ち前提でよろ)。
そして勝者同士での対戦、でいーと思っています。それが諸事情で実現しない時は、ダイレクトなラバーマッチもあっていい派。


あとは四天王vs新興バンタムの「入れ替え戦」。
そしてRIZINと他団体での戦績の兼ね合いで難しいらしいのだが、ビクター・ヘンリーを「ワイルドカード」として位置付けてもいいでしょう。

一方向からのカメラ撮影だが、ヘンリーが PARUS FCなる団体で判定負けを喫した動画もここで見られる
gonkaku.jp



ちなみに、最初のインタビューの内容・発言を疑う情報もあるが

ファンミーティングで、最初のインタビューの内容を「盛っている」というような内容っぽいが

「盛ってる」ことは往々にしてあるとしても、それは強調する部分やらの違いであって、発言で丸ごとなかったことを、あったように付け加えることがあるか、といえばそこには限度もあるだろう。(音声録音もある時代だ)
どの部分がどうなのか、わからん限りは、骨子は現段階であまり否定しなくていい(その材料としてもこの伝聞はなはだ不十分だ)と思うものです。

──いやぁ、取材前にYahoo! に掲載されたインタビューを読ませてもらったのですが、あんなに詳しく試合を振り返られ、今後の話までされるともう私の出番もないな、と(笑)。困ってしまっていますよ。

「アハハハハ。うわぁっと思ったところもありましたけどね(笑)。原稿チェックって立場が逆だと嫌だろうし、そこは言わないようにしているんですけどね……アハハ」

gonkaku.jp

直前に、こんなインタビューも載っていた。
本郷氏、今までいろいろ物議を記事が醸していたのも事実なようだが、
堀口から個人的な信頼を得ているのもまた事実らしいぞ(その部分も盛っているかどうかは何とも言えんが)
news.yahoo.co.jp

大屋雄裕氏の「リベラル」他の用語に関する整理


大屋雄裕氏は、井上達夫門下生。
いま読みやすいように一応まとめたけど、
すでに連ツイにブックマークとコメントが一定数ついている

b.hatena.ne.jp

「報道のコモディティ化」「youtubeジャーナリズム」とは? コロナ危惧し引退の琴貫鐡『貴闘力youtube』で激白。


f:id:gryphon:20210111110620j:plain
貴闘力チャンネルでコロナ引退力士が激白

www.youtube.com
コメントもたくさんついた。



ちょっと感動している。
なにがか、というと。コロナ引退そのものじゃない。


何度も紹介している細野不二彦電波の城」の一節だけれども


であろうな、と。
今さっきのやりとりなんだけど


※これはtogetterのコメント欄の文章の一部なので、全文を載せます

Rogue Monk @Rogue_Monk
10分前

これ写真撮影という「専門技術」をメディアが独占できなくなった好例で、そうして陳腐化すると報道という職業はコモディティ化して昔のような指導的な地位は守れないのよね。
togetter.com


昨年、「youtube(動画配信)が物語内に登場した漫画作品リスト」を作成してみました。2021年は、完全に普通の風景となりましたので、もう追加の必要はないでしょう。だからこそ、「動画配信」が社会に登場する経緯が分かる、けっこうおもしろい資料になったと思う。

m-dojo.hatenadiary.com

…で、ほぼ元祖に近いと言っていいのが、2011年、ロシアの有名小説を現代日本に舞台変換し描いた「罪と罰」クライマックス。
その時に感想書いている

細野不二彦「電波の城」と落合尚之「罪と罰」をまとめて紹介。テーマは「報道の裏をかく」 - INVISIBLE D. ーQUIET & COLORFUL PLACE-

落合尚之罪と罰」が次号で最終回。その一つ前で「ネット生中継」が重要パーツに。「権力の妨害を避けて情報を広める」方法として。

アクションで異彩を放っていた、ドストエフスキーの古典を翻案した漫画「罪と罰」が次号で最終回を迎える。
この作品や、イブニングのアルセーヌ・ルパン漫画や股旅物漫画(小林まこと)を含めて「古典作品の翻案・漫画化」についてひとくさり論じたいところだが、それは後日に。
 
この作品では、翻案した際のアイデアとして「組織的な少女売買春(援助交際)」が登場し、それに権力者も関わっていたため、とある冤罪被害者が発生、主人公は罪を免れてきた…という設定。
だもので、真実を公表したくてもできないというシチュエーションだ。
しかし最終回一つ前のお話で、これを打ち破るツールとして「ネット生放送番組」が登場する。

・真相を暴くに足る証拠はある。証言者もいる。
・だが、最初に「あの殺人事件の真相」などと告知すると権力や暴力が潰しにかかる。
・そこで「何かが起こる!」といったあいまいな表現で告知する。
・最初にそれで興味を持って視聴する人は少数だが、見ていくうちに重要性が伝わる。
・「みなさん、どんどん広めてください!」と番組中で煽る。加速度的に視聴者は増える。
・翌日はまがりなりにも公のメディアでも記事になる。さらに広まる。

実際の「sengoku38」の海保映像流出の経緯を見ても、相当にリアリティは感じた。こういう形でこれから暴露や告発がなされることも、実際に遠くない将来にはあると思う。

そう、その1年前には、本格的に内部告発で、既存メディアをスルーし、告発者が直接ネット、ソーシャルメディアを使うという大事件「尖閣事件映像流出事件」が発生していたのだ。
最初期の話なので、そのことに対する衝撃も大きく「なぜメディアに持ち込んでくれないんだ」「ぜひ、内部告発はメディアに!」というぼやきやPRも活発に。

m-dojo.hatenadiary.com

そのニューヨーク・タイムズは3カ月をかけ公開の是非を検討し、記事を掲載した。こう振り返れば隔世の感がある。米国で、日本で、国防や外交、治安関係のデータが匿名の何者かのマウス操作一つでネットに暴露される今日だ。情報漏えいもお手軽になったものだ▲尖閣映像を流出させたと海上保安官が名乗り出た。政府の情報管理の甘さが批判される一方、情報漏えい者を英雄視する声まで出た事件である。政治的な情報謀略も、愉快犯的情報犯罪も、公益にもとづく内部通報も、みな似通った顔つきで登場するネットの世界だ▲(毎日新聞「余禄」より)

大石泰彦(メディア倫理) 「戦前を思い起こさせる」
(略)…民主主義社会ではジャーナリズムが政府を監視する役割があり、情報の取り扱いのプロであるジャーナリストを通じて社会に訴えるべきだった。
ただ映像だけが流れるネットでは、受け取る側は感情に流れやすい。ジャーナリストによる見極めや十分な解説が加えられた情報の方が正しく判断ができる。取材への協力は正当な行為であり、ジャーナリズムも取材源として守るという形が望ましい。

togetter.com

もちろん、新聞テレビより野性味のある「週刊誌」も、自分達を通じて「告発」をするよう、そのニュース価値を持つ人には常に働きかけている。
それが成果を、最近でも挙げている。

2016年の週刊文春

2016年の週刊文春



しかしそれでも、「コロナが怖いので角界を引退する。場所の開催を強行し、出場拒否を認めない協会の姿勢には不満がある」という、ニュース価値がいま現在、天井知らずの高さであろう人物が選んだのは、プロのメディアの場ではなく、なにかとかつて話題を呼んだ貴闘力の、youtubeチャンネルであったと。(もちろん、それと並行して、あるいはこの動画をきっかけに大手メディアへの今後の出演もあり得る)


これは「角界」にタブーがあるから、という面もあるのだろうか。


ま、去年もダイヤモンドプリンセス号のコロナ検疫体制に対して内部告発した岩田健太郎氏も、たぶん「敢えて」youtubeを選んだのでありましょう。
m-dojo.hatenadiary.com

その延長線上にある話だが、

とりあえず、これがつまり「報道のコモディティ化」なんだろうな、と。この言葉「報道のコモディティ化」も、ひとつのパワーワードとして記録しておきたい。
さらにいま即興で「youtubeジャーナリズム」という言葉も考えました。これも記録。