中央公論の2021年5月号より(ちょっと古い雑誌をこの前読んだのです)
こちらの、この記事から。
対談
覇権拡大する習近平の論理
中国の海洋戦略、人権問題を読み解く
川島真×益尾知佐子
益尾 多くの日本人は、中国は悪い国というイメージを持っています。 でも中国人は、中国がどんどん良い国になっていると考えています。実際、習近平は人民の生活向上を目指す政策を取り、一時期に比べると環境汚染は格段に少なくなりました。 PM 2.5などの大気汚染対策や自然環境法政策がかなりのスピードで進んでいます。実際にそれを目にして日本人は中国のここ10年の改善に驚くと思います。
貧困対策にも本腰を入れており「庶民の問題に対応せよ」と地方の幹部たちを追い立てています。「5位一体発展」と言って、経済、文化、社会、生態文明建設の五つに力を入れています。習近平は精神的な技術や統治の様式を用いて、彼が考える善政を中国に打ち立てようとしている。そのやり方はまるでよき皇帝として歴史に名を残したいと思っているかのようですし、実際にとても仕事のできる皇帝なのです。(略)
ふむ。
ではそれに、どう対応していくのか?
益尾 中国では計画が一度立ち上がれば官僚が自らの判断で手を緩めたり、止めたりすることはありえません。 習近平、あるいは他の上層部の指示で「やめろ」と言われるまで遂行しなければならないのです。
日本にできることは習近平が 「これはもうやめたほうがいい」と判断せざるを得ない状況を作っていくことです。そのためには日本一国で対応するのではなくー 現場対応は一国で頑張らなければいけませんがー中国がこのままではよろしくないと判断する材料を世界中から集めてくるしかありません。
12月13日追記 ちょうど安田峰俊氏が、このテーマでツイート。
個人的には、中国共産党は”中国人”(体制の枠組みを受け入れるマジョリティの中国人)を幸福にしている存在で、”中国人”の要望もちゃんと吸い上げてるんだけど、そうじゃない人を幸せにしない存在でもあると思うのよね。
— 安田峰俊🐺战狼怪奇ファイル (@YSD0118) 2021年12月12日
内向きの仕組みがうまくいきすぎた&スターリニズム&中国らしい空気読めなさの複合で、自分らの本質的な無謬性をまったく疑ってないし
— 安田峰俊🐺战狼怪奇ファイル (@YSD0118) 2021年12月12日
「なぜ自分たちが嫌われるのか」を理解する回路がない。「俺たち強くなったから逆転された奴らが怒ってる」という表面的な理解しかない(まあ米日の反中感情にその側面がゼロとは言わないが)。自分たちの存在自体が、先進国から本質的に嫌悪される要素を内包していることを認知できていないので……
— 安田峰俊🐺战狼怪奇ファイル (@YSD0118) 2021年12月12日
みんな大好きセッちゃんがたまに呟くこの手のガチ投稿、ポジショントークじゃなくて当事者的に本気でそう思ってるのを言語化してるだけだと思うしな。 pic.twitter.com/sL5XuBt5sH
— 安田峰俊🐺战狼怪奇ファイル (@YSD0118) 2021年12月12日
なお、①カネ絡み、②人質や弱み取られてる、③家族親族が中国人、という3パターン以外でパンダハガーをやる外国人の馬鹿な点もまさにここで。自分たちがインナーメンバーになりようがない以上、どれだけ中共を礼賛しても報われにくい。信者じゃないのに新宗教コミューンを賛美するようなもんですから https://t.co/89gMgyfAgW
— 安田峰俊🐺战狼怪奇ファイル (@YSD0118) 2021年12月12日
努力する「よき人民」の困り事を汲み取って、田舎の人や貧しい人も「よき人民」であればちゃんとハッピーにしてくれる中国共産党、それはいいんだけど良くも悪くもそういうインナーメンバーへの優しさって秘密結社(相互扶助組織)的な性質の延長にあるような気がして、
— 安田峰俊🐺战狼怪奇ファイル (@YSD0118) 2021年12月13日
紐帯の原則を共有しない人間(中華民族の偉大なる復興とか言われても自分を中華民族だと思わない人には苦痛でしかない)への普遍性をまるで持たないのが欠点。中国人内部ではそれでもいいが、国が強くなったせいでインナーの理屈が外でも通用すると勘違いして生のまま外にぶつけるからヤバいんですよ
— 安田峰俊🐺战狼怪奇ファイル (@YSD0118) 2021年12月13日
あと、はてなAIが「似た記事が過去にあるよ」と教えてくれた。
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