www.asahi.com
【日曜民俗学】これの内容、つまりコタツ記事(こたつ記事)の存在意義や功罪について…実は長年、そのへんについては自分なりに考察しているのでちょっとあとで詳しく述べる。
だが、その前に。もうひとつの趣味である、ネットジャーゴンを含めた言葉、新概念の造語の経緯について、確認しててみよう。
こういうのはまず「疑問を持つ」ことが第一。その疑問を提示した段階で、それ自体が功績なのだ。
そして、上記記事のブクマ…
b.hatena.ne.jp
に、こういうのがあった。彼らが功績者といえる。
やめられぬ「こたつ記事」 スポーツ紙が陥ったジレンマ:朝日新聞デジタルb.hatena.ne.jpこの「こたつ記事」ってのも古そうに見えて割と新しい言葉なんかな。軽くググった感じ2009年以前の用例が辿れない。
2020/12/19 18:21
やめられぬ「こたつ記事」 スポーツ紙が陥ったジレンマ:朝日新聞デジタルb.hatena.ne.jp「こたつ記事」はブログ全盛期に使われてた。たぶんはてなブログが生まれるよりも前。新聞がそのレベルに落ちてきた。
2020/12/20 21:11
※注釈 「はてなブログ」開始は2011年
2011年11月7日に招待制のベータ版としてサービスが開始し、同年12月27日にオープンベータに移行。2013年1月23日に正式版のサービスとして開始した。
はてなブログ - Wikipedia
やめられぬ「こたつ記事」 スポーツ紙が陥ったジレンマ:朝日新聞デジタルb.hatena.ne.jp「こたつ記事」って言葉はヨッピーがイケハヤ批判のときに使ったのが最初じゃなかったっけ。
2020/12/20 19:06
さて、初出の調査にはご存じ(じゃねえだろうけど)「壱ノ型」「弐ノ型」などがある。
再掲載
【参考・初出探しの基礎方法】
twitter内の初出探し法 https://togetter.com/li/1084358青空文庫内を検索する http://www.aozora.gr.jp/index.html
国会図書館デジタルコレクションを検索 http://dl.ndl.go.jp/
ヤフー知恵袋内検索 https://chiebukuro.yahoo.co.jp/
はてなブックマーク内検索 https://b.hatena.ne.jp/
海外のエンタメ・サブカルの「お約束」事典『TVtropes 』(英語) https://tvtropes.org/
「タネタン」 https://moto-neta.com/
青空文庫で満足してやめてしまうのがおまえの限界だな。玄人は国会議事録を検索する。
https://anond.hatelabo.jp/20200418204831
https://kokkai.ndl.go.jp/※まずはこれらで検索などして、それで目星がつくなり、あるいは皆目見当がつかないなりしたら、次の段階に進む。
togetter.com
ぶっちゃけ、これなら壱ノ型で見つかる気がする・・・・・・・・
一応、それっぽいのみつけた。
この方法で
togetter.com
<until:2011-01-01 コタツ記事>
の検索でな。
これが<until:2010-01-01 コタツ記事> だと、少なくともtwitterでは発見できない。
とにかくtwitter上では、2010年―2011年に現れたと。
ここに、こういうツイートがあり…
ええと、”コタツ記事”というのは、ブログや海外記事、掲示板、他人が書いた記事などを”総合評論”し、コタツの上だけで完結できる記事の事を個人的にそう呼んでます。自分たちでコタツ記事が優れていると宣言している方もいれば、言ってない方も。柔らかな言い方をすると「文献派」の方々
— 本田雅一 (@rokuzouhonda) 2010年12月9日
「個人的にそう呼んでます。」という一節があるので、これを素直に受け取ると、書いた本田雅一氏の造語、と受け取れる。
というか実際、2010年の「コタツ記事(こたつ記事)」の言葉はこれを受けてのものばかりだ。
ここに収録されている。
togetter.com
ということで、
本田雅一
ホンダマサカズ
本田雅一
PROFILE
名 前 本田雅一
生年月日 1967年9月3日
出 身 地 岡山県
身 長 179cm
ジャーナリスト、コラムニスト。
ネット社会、スマホなどテック製品のトレンドを分析、
コラムを執筆するネット/デジタルトレンド分析家。
ネットやテックデバイスの普及を背景にした、現代の
さまざまな社会問題やトレンドについて、
テクノロジ、ビジネス、コンシューマなど多様な視点から
森羅万象さまざまなジャンルを分析
- 作者:本田 雅一
- 発売日: 2017/03/06
- メディア: オンデマンド (ペーパーバック)
- 作者:本田 雅一
- 発売日: 2016/11/16
- メディア: Audible版
このかたが「こたつ記事」という概念…はあったんだろうけど(それについては今度書きます)、それをそういう言葉で表現した造語者…ではないか、ということをとりあえず提示しておきます。
その上で、ちょっと確認してみたい。
更に言うと、大手新聞の紙面でも、これらを説明せず、さらっと「~と言われている」で済ませられるところが、令和のネット造語の取り扱い、ともいえる。これ、ウィキペディアにでも載せてやろうかな…今回新聞記事になったことで、逆にこたつ記事という言葉に、権威が生まれた。
「これをウィキペディアに載せる根拠は?」「朝日新聞が見出しにも入れて記事にしています」とね。
ちなみに、この記事をこたつで書いた…とやると、きれいに落ちるのだが、ファクトに忠実に書くと、こたつどころかふとんの中から書いた(笑)。だってさむいんだもの。
獏 「宮本武蔵は箸で飛ぶ蝿をつまみ取ったと講釈師は語る。講釈俗説のたぐいは針小棒大。が、しかしこの逸話に関してのみは逆である」って書いてあるね。「武蔵は虚空で飛ぶ蝿の羽をむしり、その体に触れずして落とした」と書いてある。すごいでしょう。
宮本武蔵を”大外道”に描く梶原一騎「斬殺者」。夢枕獏が感激したこのシーン - 見えない道場本舗 http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20120926/p4
m-dojo.hatenadiary.com
追記 しかし、造語者と思しき人に「取材」してしまい、こたつ記事でなくなってしまったッツ……(※これが取材といえるのか、というメタな問題も)
しかし、知りたがりの虫は抑えられず、ついリプ形式で聞いてしまったわけよ。
突然失礼します。2020年12月19日の朝日新聞に以下の記事が載ったのを契機に「コタツ記事」の語源を探したのですが、twitter上では2010年の本田様のこのツイートより前に該当例は無いようです。「コタツ記事」はそちらの造語でしょうか?これ以前に何か例があったりしますか?https://t.co/QdzU7k4fWN
— INVISIBLE DOJO (@mdojo1) December 21, 2020
そして…
2010年12月の「 #コタツ記事 」という造語の話が10年ぶりに掘り返されていてびっくり。確かに最初に使ったのは自分だという意識はあったのだけど声を大にして言うのもアレなので深くは追求してこなかった。サンキューです @mdojo1 さん。自分でも経緯を忘れていた(whttps://t.co/HZGxIdPvFX
— 本田雅一 (@rokuzouhonda) 2020年12月21日
コタツ記事に相当する言葉にアームチェアコンサルタントというものもあるって話があるけど、記事に関しては多分最初じゃないかな。で、この言葉を使った経緯を簡単に書いておきます。特定個人を傷つける可能性があることは、省略しておきます。
— 本田雅一 (@rokuzouhonda) 2020年12月21日
当時、ブログなのかニュース媒体なのかわからないメディアが登場し始めていて、ある新興ネット媒体が”国内外のネット上の記事や著名人、企業などのブログなどを主な情報源とするニュース媒体”が出始めていて、これってどうなんよ?的な議論があった。この議論はFake Newsの話にも発展する
— 本田雅一 (@rokuzouhonda) 2020年12月21日
何しろ時間的にも経費的にも人材的にもコストをかけずに、それらしい記事を生み出せるのだから効率的。倫理、事実関係などをチェックする部門もない。でもネット情報だけで生きてる人は区別せずに受け入れていて、んなことでいいのかよ、やってらんねという空気はあった(リンク先紹介のまとめ)
— 本田雅一 (@rokuzouhonda) 2020年12月21日
で、そのサイトの運営者は「ネットから幅広く、より多くの情報を集め多様な意見や記事を集約して記事にする方が質も高くコストが安いのだから良い」的なことを時折発言していて、それを念頭に「コタツの中だけで完結する」と表現したのが最初。12月だったしね。うちにはコタツないけど
— 本田雅一 (@rokuzouhonda) 2020年12月21日
で同時にそのサイトとは無関係の著名ジャーナリストから、僕は誤爆の怒りを向けられていて、その著名ジャーナリスト様は取材現場に現れない(ネット)文献派の分析系だったので、コタツ記事発言がその人をdisってると思った人が、そっち方面でも広げて認知の広がりが加速しました
— 本田雅一 (@rokuzouhonda) 2020年12月21日
全ては偶然だけど、今から思うと面白いなぁ。
— 本田雅一 (@rokuzouhonda) 2020年12月21日
こういう話の時にいつも思い出す一節がある。
関川夏央原作・故谷口ジロー画「坊ちゃんの時代」第一巻で、夏目漱石の有名な逸話「無い手無い知恵事件」というのがある。
逸話としては有名なのだが、そこに出てくる漱石とやり取りした人物がどこのだれか、は多少曖昧だった。
関川氏がある資料に基いて、ひとりの個人名を挙げたところ、その逸話で必須となる属性を、その人物は持っていなかったとの親族からの指摘があり……そして面白いことに、逆にその話が話題になった結果、さまざまな情報が持ち込まれ、最終的に正しい個人名が特定された。
その経緯を関川氏は末尾に記し「文学史上の小さな謎が、ひとつここに解明された。」と記したのでありました。
どんな小さな記録でも事件でも、こうやって調べて残していくことが、人類の知的財産に、砂粒ほどでも貢献するかもしれないーーーと思う。本田雅一氏の協力を得て、そうなし得たことは幸いだった。
だが、まぁ、なんですねえ……、いわゆるアポを取ってコメントを求めたり、インタビューに赴くのではなく、
非常に気軽に、というかぶっちゃけ厚かましく(笑)、たったひとつの@リプを送るだけでなにがしかの新情報を得ることができたわけだ。
だけど、われながらこれがいわゆる「取材」に値するかというと、そう自称するには躊躇がある(笑)。
実はこのへんも含めて、ネットの情報をネットで紹介する「コタツ記事」というものの存在、あるいは価値が、完全否定するわけにはいかない微妙なものであるのか……とも思うけど、それはあらためて論じたい。
あらためて回答いただいた本田氏にお礼申し上げます。
ご本人も、その後記事を書かれた。
www.itmedia.co.jp
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