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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

坂口征夫、大晦日花道に?間もなく引退か。一流選手以外にも、深い人間ドラマはある。

※ようやく最新号のはまぞうがでたので差し替えた

今回、ゴン格は井上雄彦が出たり(いきなり漫画界のトップが登場かよ!)大槻ケンヂのインタビューがあったり、石井父が出たりとすごい角度から話が出ているのだが、ひとつ何か印象に残っているのが、2Pと決して長くは無い、坂口征夫インタビューだった。
まず、引退云々に関しては、格通の、父親である坂口征二インタビューも関係しているので
NHBニュース( http://blog.livedoor.jp/nhbnews/ )とダブルポストで。

坂口征夫
格闘技通信坂口征二インタビューで長男に触れ「もうすぐ辞めると本人は言っているし、おれも引退を勧めている。大晦日の参戦が花道になるだろう(大意)」と発言。


本人もゴン格インタビューで明言は無いが「先もそんなに長くない」としています。
晦日はデビュー以来、毎年オファーがあったが、断ってきた。
今年は実力はなくても一生懸命やってきた、と自分で思えるようになったから・・・と話しています。

以下、ゴン格インタビュー

柔道と自分

「柔道は親父に無条件でやれと言われた。途中で弟と一緒に辞めたいと言ったが「弟はいいがおまえはダメ」だと(笑)。高校卒業まで続けた」

「柔道では父親が有名だったので、冷やかされたり、相当イジメられた。出稽古で明大にいったら、監督が昔父親にイジメられた人だった。結果も出ないし、柔道が嫌いになった」

引用者申す。
石井慧も、週刊現代で柔道界の暗いというか堅苦しいというか、そういう体質を話してますね。
嘉納先生の理想はどこへやら、競技人口確保も今後は難題の中、これを一掃はできんのだろうか。でも「こういうプレッシャーがあるから強い選手が出来る」という意見もあるだそうしな。松原隆一郎先生だったらどう考えるだろう。
ここからが泣かせる。

挫折の刺青、そして再び総合を目指し…

「20代後半まで挫折の連続だった。刺青を入れたのは、当時は刺青ありの人が格闘技が出来る環境じゃなかったから、『もう格闘技はしない』という決心のために入れたもの」
引用者申す。いまは環境のほうがかわった(笑)


その後、父親の名前なども伏せて就職した会社で、普通に空手道場に誘われ、小さな大会で優勝。
その後もう一度「プロになりたい」と思ったが、柔術大会決勝で相手に腕十字を極められ骨折。デビューがさらに遅れ、33歳での総合デビューとなった。

そして今、6戦3勝3敗。

父、弟(坂口憲二)、そして俺

そのまま引用しよう。

何をやるにも坂口坂口で、それが終わったら今度は弟が出てきて面倒くさかったり。でも親父は総合格闘技はやっていないんで、今は自分の中ですごい伸び伸びやれています。
あと、やっぱり刺青が入っているんで、弟のイメージが悪くなるから辞めろって一回圧をかけられたことがあって、弟に『ひょっとしたら評判悪くなるかもしれないからごめんね』って話したんですが、『兄貴は兄貴だし、俺は俺だからいいんだよ』って言ってもらって、それで吹っ切れた部分があります。


泣かす。ハンカチを二枚ご用意ください。ルーツ飲んでゴー(意味不明)。
にしても、そういう形でふっきれた坂口は、毎年オファーをもらいつつも断っていた大晦日にも、今年は逆に、積極的に自分から参戦をアピールした。
「大晦日は格闘技の祭典・お祭り的要素がある。そこでうちの親父の名前を出すって言うのは一番嫌いな部分だけど、それで格闘技界全体が盛り上がればいい」
という。そして、あとひとつある。

坂口憲二の兄ちゃんで親父の子供がのほほんと格闘技やって、名前で大晦日に上がってる−−確かに実力はまだ足りなくても、それでも俺は一生懸命やってきたんだよっていうのをそういう人たちに見せつけてギャフンと言わせたい。


パンクラスで闘っていたとき、同団体は坂口へのキャッチコピーとして「”まだ今は”息子で兄」というポスターを作ったことがある。今後、格闘家として自分の名前をあげ、それを消してしまえ…という激励を込めたものだろう。しかしよく考えれば、どんな一流選手になっても彼の息子であり、彼の兄であることは代わらない。
その呼び方がなくなるのではなく、それを受け入れ、そう呼ばれても反発しないだけのゆとりと、自らへの自信が生まれた…というのが、彼の二年足らずの格闘家キャリアの中で見つかったゴールであった。
そのゴールのテープが、大晦日に切られるのだろうか。


おまけ パンクラシスト坂口征夫について

彼は観客動員数にほんとーに貢献してくれた人でな。あんたがいなくなったら会場がまたさらに、大変見やすい状態になってしまうのが懸念される(笑)今は石井といえば石井慧だが、もう一人パンクラスによく出ていた石井ってのがいて、この人も応援団をぎょうさん入れていた。坂口と石井がいればディファ満員じゃね?ぐらいの動員力。
それとは別に、6戦すべて試合としてはすっきりと決着して面白かった。首相撲からの膝蹴りも鋭かったしね。
なんと言っても直近の、豆タンクのような迫力というかレオパルドンのような迫力(喩えが悪い)というか、そういうテイクダウンとパウンドの圧力で知られる五十里選手が「グオ ゴゴゴ」と迫ってきたところに打撃を浴びせKOしたあの試合、あれはどこへいっても恥じることの無いメモリーの試合だ。


もう一度、記録を見る。
33歳でデビューし、6戦し3勝3敗。2KOで1一本勝ち。


そのデビュー年齢や、父や弟への負い目の感情も含め、ファンに別の意味でも親しみというか、自分と重ねあわせる手がかりが多い人だったのではないか。


デビュー年齢はともかく、こういう戦績でプロのリングを経験し、去っていく格闘家は坂口以外にももっとたくさんいる。
稼いだ金が多く見ても数十万単位だろうし、再就職に有利であるかどうかも分からない。
さらにいえば、3勝も1KOも無しに引退していった格闘家も多いかもしれない。


それでも「リングに上がったものは、その時点でみんな勝者なんだ」というウゴ・デュアルチの言葉はやはり正しいのだろう。


「凡人、非天才の格闘技」を描く傑作

空手道ビジネスマンクラス練馬支部 (講談社文庫)

空手道ビジネスマンクラス練馬支部 (講談社文庫)

をものした夢枕獏さんなんかは、こういう選手をどう見ていたのかな。

井上雄彦が語る。(ゴング格闘技で魔裟斗と対談)

まず、「なんでゴング格闘技に?」と(笑)。いや失礼。
しかしだね。たしかにゴング格闘技には有名人気格闘漫画家がこれまで出てたし、バガボンドも剣術という武道を描くのだから筋違いではない。対談相手も世間におもいっきり届く飛び道具・魔裟斗だ。おかしくないといえばないが。


しかし…だな、なんつーかうちの雑誌、政治家に出演してもらいましょう!うん、じゃあオバマだな、とかそんな感じだよ。
だって井上雄彦、一億部売れた感謝に、自費で全国紙5紙だか6紙に全面広告出す人だよ。上野の森美術館で個展やったら大盛況で急きょ会期を延長した人だよ。
いきなり頂点、トップ行きすぎ。そして成功しすぎ。まあ、驚いたよ。


私は個人的にはスラムダンクを一回も連載中は読んだことなくて、ブームが起きていることすら実感しなかったし、個人的に大ファンというものではないのだが、あとから見ても客観的にすごいとしかii用の無い地位と人気だ。

世の中には、わが道場本舗とは比べようが無いほど、アクセス数を誇る漫画紹介ブログ・ニュースサイトがあって、そっちに紹介されれば同誌の売り上げ的にもUPするのだが、どこか紹介してくれんかね。ゴン格のために。
ということで少しだけプロモーション。井上氏を中心にね

「(Q:最近、井上さんは空手を始めたそうですが)
僕は41歳なので、今から組み手をやったりとか、試合で買ったりとかのつもりはない。
自分の体をどう使えば効率的に一番力が出るのかスピードが出るのか、理にかなっているのか知りたかった。
バガボンドを描く上で、想像だけで描くのにもう限界が来ている。
斬ったときの重心、腰の感じ。「ああ斬ってる」と納得して描くには、それに近いものをやってみる必要があると思った」


「所詮、画だと言われればそうなんだけれども、やっぱりその画から『うわっ斬ってんな』と感じさせたい。漫画は情報、知識として読ませることも出来るだろうが、自分は「体験」させたい。感情も含めて。だから身体の説得力を上げたい」


「若い頃の『スラムダンク』でもそうだけど、肩をいからせてる姿は何かを隠すためにやっているんじゃないかという気がする。困難な時の振る舞いで人の強さが見えてくる。」


「自分が納得したら終えることができる。スラムダンクは納得したから終わった。バガボンドはまだ納得してないから終われない」

この男・・・・まさに一人のサムライ!!

ちなみに、対談相手の魔裟斗にはこう語りかけている。
「『ありがとう』って言いたいんだよね。あんな心の強さを見せてくれる人っていないですからね、この世の中に。
 今日、この言葉を言おうと思って来たんだ

小谷直之、永田克彦から一本勝ち。復活はあるか?、逆侵攻はどこに?

スポナビ

…五輪銀の鋭いタックルからテークダウンを何度も成功。逆に小谷のタックルは切って何もさせず、さらにガブリの体勢から反り投げを決めるなど、優位にコントロールしていた。
 

だが、グラウンドでの顔面打撃が認められていないZSTルールでは、永田は得意の顔面パウンドを打ち込めず、打撃はボディーへの単発のみ。関節技での一本も極められず、次第に攻め手を欠く展開になっていった。スタンドでも、しつこくタックルを仕掛けてくる小谷にクリーンヒットを打ち込めないまま、時間切れドローかと思われた最終2R4分過ぎ。一瞬の隙を突いた小谷が、電光石火のヒールホールドを極めて劇的勝利を収めた。


図ったように「ZSTルールじゃなきゃ結果は違っていたかも」と思わせるような試合展開で、これはこれで引っ張ったら面白いのだが、まあ逆に時間切れドローもありえるルールで、最後にヒールを決めた小谷勝利の価値はいささかも減らない。一般的な総合ルールで再戦をしても面白そうだが、しなくても非難されるいわれはないだろう。

まだ小谷は、一瞬の足関節技と言うナイフをさび付かせてはいなかったというのは嬉しいところ。
ZSTハンター」という永田のキャラ付けも失敗させたし(笑)そこからつながっていく「永田vs所英男」の流れも阻止できた。
スターの所英男さんから慰労のボーナスをもらっていいくらいだ。

「小谷ちゃん、今日は俺のためにゴクローさん。ほら小遣いあげっから、どっかで飲んでってよ。俺はこれから、ナオンとザギンでシースー食う約束あってさあ」と、一万円札を革の財布から取り出して床に落とすと、サングラスをして会場を出て行く所英男の姿が眼に浮かぶ(フィクション笑)、


それはともかく、もう一回小谷が、ゆくゆくはDREAMライト級のプレーヤーとして絡んでいくことはないのでしょうか。
よく分からんけど、武士道に参戦した流れで行くと佐伯繁人脈の一人なんでしょ?
DEEPで将来、昇侍なんかと戦うことになるかもね。
それはそれで楽しみだし、ZST内での外敵迎撃路線も面白いかも。ウマハノフ戦とかがあればちょっと見たい。

大阪人権博物館(リバティおおさか)の大阪府、大阪市の補助金は全額カットされていた(毎日新聞「発信箱」)

http://mainichi.jp/select/opinion/hasshinbako/news/20081123ddn002070015000c.html

発信箱:過去の闇を照らす=佐々木泰造

 部落差別などの人権問題を専門とする大阪人権博物館(リバティおおさか、大阪市浪速区)を訪れる外国人が増えている。ガイドブックや口コミで知った欧米やアジアの研究者、学生らで月に150人前後にのぼる。


 「部落」は英語でもBURAKU。肌の色や言葉、生活習慣の違いではなく、生まれた場所のわずかな違いによる日本に特有の差別だ。他にも民族差別、性差別など、均質社会と思われがちな日本に多種多様な差別がある。そのすべてを対象とする博物館は世界でも珍しい。

 今年度、大阪府、市からの事業費を全額カットされ、自主財源(入館料や図録販売などの収入)のみでの運営を余儀なくされている

へえ、というかそういう施設の存在を知らんかった。全額カットとは、また大胆な行政改革だな。
どこが運営しているんだろう。
しらべてみると「理財団法人大阪人権博物館」。調べた意味なし。
公式サイト
http://www.liberty.or.jp/

そういえば橋下徹知事がここを視察したとかの記事があったな。

今回の元厚生省幹部殺害事件で(住所の)「匿名社会化」は正しかったという結論、かな?

電話帳などからほとんどの人の住所が分かる社会は、15年ほど前には存在した。
個人情報保護法に前後して、さまざまな形で電話帳や名簿から住所、名前などの掲載を控えるような動きがあった。
異議あり 匿名社会」という、それは困るという申し立てもメディア側から出てきた。
特に、「高級官僚や公務員は、責任や権限の立場から匿名化は許されない」という主張には一定の理があるように見えた。

だが、今回の事件が起きた。
高級官僚でも何でも、危機管理のためには名前や住所(この二つは別、という発想もありえる)は伏せるのが当然だ、ということに結論が出た、ということではないか。少なくとも、私にはそれでも公開せよという論理は組み立てられない。
ただ、自宅が伏せられれば、現在の夜討ち・朝駆けや、例えば玉川徹の「納得できない」なんていう報道をやるパワー、というか武器の一つは確実になくなる。
猪瀬直樹「日本国の研究」でも、財団法人のOB会の名簿だったか、そういう名簿から公共事業に巣食う利権の巣を暴いていった経緯があったはずだ。ただでさえ情報なら何でも隠す体質のある「官」。結果的にはさらに隠すようになる。

今、小室哲哉の音楽を堂々と流す番組作ったら逆に受けないか?

そういえば、この前の「格闘秘宝館」で、
年末のテレビの中で、(小室哲哉が作曲した)桜庭和志の入場テーマ曲を流すことは出来るんでしょうか?という質問が出てきた。
その発想はなかったわ
んで、ササヤンのお言葉は「あの音楽じゃない桜庭なんて考えられない。そのまま使います!」と力強いお答え。
器だ!この男、果てしなく器がデカいのだ!!!!

「川に落っこちた人は、雨が降っても困らない」という言葉もちょっと思い出したが、それはナイショだ(笑)


ま、それはともかくだね。
結局自粛というのは、世論からどう言われるか、それが損か得かということを予想して、計算してやるものだ。
で、シロート考え的なんですが、今あえて逆張りをして
「小室容疑者だか被告だったかは、たしかに過ちを犯したんでしょう。しかし小室サウンドには何の罪もない!!これで勇気付けられ、青春の1ページを刻んだ人たちも確実にいる!!私たちはあえて、小室サウンドを世に問います!!」


とあれの歌い手を集めて、大特集した場合、本当にそれが顰蹙を買ったりするかなあ?たぶん拍手のほうが多いんじゃないかと思うんだが。だいいち、どうせいつかは解禁されるんだろ。計算された、実はタブーでもない「擬似タブー」破りのようなもんじゃないかと思うんですが。逆に、「小室サウンド」を集めて商売に出来るのは今しかないと思うんだが。
お堅いイメージのあるNHKにこそこれを薦めたい。
ただ、今小室サウンドを歌ってた人ってどこで何をしているのやら(笑)。
いや、たぶん俺が知らないだけで皆さん元気に活躍してると思うんですけどね。ハクサイを育てているとか、キャバレーの支配人とか。

親子(父子)の関係証明にDNA鑑定が義務付けられたら?−−科学が政治の上に立つ刻

■2008-11-22 国籍法改正問題:DNA鑑定を義務化すべきではないか
http://d.hatena.ne.jp/kibashiri/20081122


有名ブログ「木走日記」と張り合っても勝ち目はないのだけど、「うわーん、自分も関連のことを考えてたのに先を越された」と残念。
正確に言うと、このたび話題になっている国籍法改正案に関してとはまったく関係なく、ふつうの結婚制度の中で、国籍法が改正されてもしなくてもこれをやったほうがいい…じゃないな、正直やってもやらなくてもどっちでもいいんだけど、「そういう制度がもし実現したらどうなるかな?」という思考実験というのはたいへん面白い、と言いたいのです。


実は、この話を考えたのはもうかなり前、1990年代です。
この時期に「プレステージ」という討論番組がありました。例の警官が銃を持つのが言いか悪いかで福島瑞穂がどーのこーの、という都市伝説の元では無いか?と言われた番組ですね。

で、たしかに弁護士時代の福島瑞穂氏はレギュラーでして、その中の一つとして「男性は離婚後すぐに再婚できるのに、女性はXXカ月(今調べたら300日だね)経過まで再婚できない。これは差別ではないか?」という討論テーマに出演して、撤廃論から論じていました。
彼女の論法は「この規定は明治時代に作られたもの。昔はともかく、今はDNA鑑定で親子関係が確実に分かるのだから、この規定の必要は無い」という主張。


これは私はめずらしく、福島氏と意見が一致するところです。
法律制定時、DNA鑑定の技術はなかった。
今はある。
使えばいい。ザッツ・オール。

……単純にして簡単、すなわち最強なリクツです。300日規定は、以前は以前で合理性があった(差別じゃないわな)けれども、今DNAによって違う合理性ができたということだ。



と、その一方で。。
以前からこういう言葉があった。


「母親になるのは事実である。父親になるのは”世論の結果”である」


これが人間社会は2000年から3000年続いていたのですな。
だから認知だなんだというややこしい制度が出来てきた。
実の親か、そうでないか・・・という話をめぐるエピソードは、漫画や小説でもやまほどある。父親・母親双方が不明の時もあれば、父親のほうだけが分からない、疑念があるという話もある。


ブラックジャックの「短指症の牧場主」のエピソード、
井沢元彦の大傑作歴史ミステリー短編「暗鬼」

暗鬼 (新潮文庫)

暗鬼 (新潮文庫)

はては銀河英雄伝説で「帝国の双璧」の片割れの人格を決定付けた瞳の色のエピソードなどなど。


それらはフィクションとしても、事実として今までは、父親が父親である(もしくは「父親ではない」)ことが、究極的には証明できなかった。
これは幸か不幸か。やっぱり不幸なのでしょう。
というか、人間社会は本来、「XXの親は○○である」ということを父親・母親ともはっきりさせたかったはずだし、それが正義ということになっていたのだが、それを技術・科学の壁が拒んでいたというだけだ。
その技術の壁が突破された。
おめでとう。
おめでとう。
パチパチパチ。


さあ、実社会にこの技術を応用しようでは無いか・・・・と思ったら、木っ端役人と利権政治屋どもの怠惰っぷりは図抜けている。DNA鑑定は、いまだに制度としてぜーんぜん位置づけられていないのだ。


市役所に出生を届け、名前を届ける時に、父親・母親のDNA関係とその子のDNAの証明書を一緒に出す。
これですべては円満に解決するし、何より科学的に合理的だ。
もちろん、俺の子じゃないとかいやあなたの子よというようなトラブルがあるときは、当事者から罰則付きで強制的にDNAを採取し、公平・客観的に分析できる合法的暴力のパワー、権限を官に与えてもやむなし。


これでコンガイシ(婚外子って変換できないのかよ!アホIMEめ)に関する問題は、物理的に親候補がどこにいるのかわからないよ、という以外を除いて9割がた、すべて丸く収まるでしょう。
だから国籍云々より先に、外国・自国を合わせてすべての出産、子供が生まれることに対してーーーDNAという親子関係(とくに父親と子の関係)を客観的に確認できる証拠があるのが望ましいのです。
この主張に、反論しようがあるまい。・・・・”オモテの論理”としてはね。


だが。
それこそ3000年以上、人間は「親子(とくに父親と子)が本当に親子なのかわからない」という状況を受け入れ、その前提に立って制度をつくり、そしていろいろとまあ、表面を糊塗していったというか(笑)。
まあいろいろとね、うまいこと社会を運営したってことがある。


ここで今更、「本当に父親が父親かどうか、科学的に確認・証明できる技術が出来ましたぞよ」といわれても、社会的にはノイズなのかもしれないんだよな(笑)。
そういう”ウラの論理”として、上に上げた、親子(父子)証明のための一律のDNA鑑定、なんて制度は排除されていくのだろうなと。
たぶん、オモテの論理で言えばNOを導く論理はないよ。やっぱり。
でも、ウラの論理のほうが当分優勢だろう。


それがユカイだな、というお話でした。
だから今回の国籍法改正も、DNA鑑定とかは結局盛り込まれることはなくなるわけでしょうから。



なんどかここで取り上げた「医学的合理性(科学的合理性)」が伝統・民主主義・人権などとあるときは深刻に対立し、場合によってはその上に立つ・・・という話の別バージョンですね。
※以前書いた、医学的合理性が他の”正義”と対立する(と私が思った)例に「自殺報道」があります

■「医学的合理性」は正義不正義の上に立つのだ。自殺報道も含め

http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20080429#p6

■[時事][犯罪][科学]自殺の連鎖について

http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20061113#p2

朝まで生テレビより 子供の「自殺問題」と「いじめ問題」は別なりと。

http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20061125#p3

ちなみに星新一的SF思考実験として

何しろ十年以上考えてた話だから、
議論にもバリエーションがある。これをSF的に思考し、

「『ぺろりとなめるだけ、あるいは手でギュッと握る…だけで「実の親子(父子)」であるかどうかが99.999999%の精度で分かる』…というような機械や薬が、一個500円ぐらいの超安値で一般販売決定!!なんてことになったとき、社会はどうなるんだろう」…というふうに考えたことがある。


ストーリーを考えていたら、どうしても藤子・F・不二雄


「テレパ椎(しい)」
http://www.ffgallery.com/fujimoto/sftanpen/esp/index.html

という短編のようになってしまってやめました(笑)。
知らないことによる幸せ、ということをSF寓話によって語る大傑作だった。いつかはドラマ化にしてほしいものだ。

「南米の番長」チャベス支持低迷、地方選不利、身内びいき…原油安もある。ボリバル革命正念場&イスラエル総選挙はリクード勝利?

読売新聞の11.24日付に、タイトルと大体同じような記事が載っていた
(ネットにはまだ未掲載の様子)。
とにかく原油が安くなったが、それに耐えることはできるのだろうか。他国がもっとひどくなれば、相対的に生活を守っている、という形のPRも取れるしな。
にしろ、「身内びいき」など倫理性を問うような問題が出るのも困ったものだ。

それでも支持層は根強いはず。どういうふうになっていくのか。

イスラエル、支持率ではリクード優勢

http://www.tkfd.or.jp/blog/sasaki/2008/11/no_425.html
おなじみ中東TODAYより。
選挙は来年2月らしいが、はたしてどうなるか。