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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

「イカゲーム」エミー賞は、国や媒体を超えた『デスゲーム』ジャンル全体の成果として祝杯【創作系譜論】

ぱちぱちぱち。
もちろん韓流映画・ドラマの隆盛がそれをささえたのは当然だし、ネットフリックスという大きな”文化運動”がなければ、かくも大きな反響を得られなかったのも疑いない。
だが「創作系譜論」を重んじる自分的には、何よりも、世界をあれこれ往復、還流しながら大きく育っていった「デスゲームもの」というジャンルが、ついにここまで巨大になった、という、そういう視点で一番捉えている。


自分はそんなにデスゲームものが好きでもよく知ってるわけでもなくて、むしろあとから「へえこういうのはデスゲームものというジャンルで、いろんな作品があるんだね」と知ったクチ。
だから興味をもって【創作系譜論】として、あとから「何が元祖なの?」「エポックメイキングは?」とか尋ねて回ったりした、というべきか。

そのささやかな成果がこれ。
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※これはむしろブクマに情報集まる
[B! 創作] あのジャンルを「デスゲームもの」と命名したのって、どこの誰よ?【創作系譜論】 - INVISIBLE D. ーQUIET & COLORFUL PLACE-


こんなもの、厳密に起源を追うのは難しいに決まってるが、ふわっとした感じで「元祖らしきもの」を追うとスティーブン・キングの「死のロングウォーク」あたりが元祖っぽいらしい。


そこから漫画や小説で「バトル・ロワイアル」や「リアル鬼ごっこ」や「カイジ」や「ライアーゲーム」や「クリムゾンの迷宮」やら…そんなものが日本で流行った。大いに流行った。

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バトル・ロワイアル」は映画化され、海外でも驚きをもって受け止められ、影響下に「ハンガー・ゲーム」が…いや、無関係だと作者は言うてるな。

…『ハンガー・ゲーム』は高見広春による1999年の小説『バトル・ロワイアル』との類似性に関して指摘されている。キングは前出の書評で『ハンガー・ゲーム』と、同書ならびに自身の小説『バトルランナー』および『死のロングウォーク』の類似性に触れ、「(それらを) 読んだ者なら、以前にもこういうテレビの悪地に足を踏み入れたことがあるとすぐに気がつくだろう」と書いた[12]。グリーンも「ほとんど同じ設定が『バトル・ロワイアル』に見られる」と指摘している[13]。コリンズは「その本や著者については、自分の本を提出したときまで聞いたこともなかった。話を聞いた時点で担当編集者に読むべきか訊いたら『いいや、君の頭にあの世界は要らない。今やっていることを続けてくれ』と言われた」と述べている。『ニューヨーク・タイムズ』でスーザン・ドミナスは「コリンズの作品がブロゴスフィア厚顔無恥な盗作と叩かれるのも納得できるほど、類似は著しい」としながらも、「このプロットラインの元となりうるものは十二分に存在しており、2人の著者が別々に同じ基本設定を思いついた可能性は存分にある」と伝えている[16]。『Cinema Blend』のエリック・アイゼンバーグは、両者のストーリーやテーマにおける相違点を挙げた上で「(『ハンガー・ゲーム』は) 盗作ではなく、似たようなアイディアの違う使い方であるだけだ」と述べている
ハンガー・ゲーム - Wikipedia


いや、このへんのことをひたすら追っても芸が無い。要はこの場合、そのクリエイターや出したメディア会社がどの国出身か、どのジャンルのメディアか、ということよりも、そうやって一緒にこの「デスゲーム」を育てて、そして韓国で作られた、この系譜とバトンを受け継いだ「イカゲーム」が、エミー賞という形で、その系譜にはっきりした証を残した、という、そこが感動的な物語だったと思う。

ついでにいえば、この「デスゲーム」というジャンルは、それほど高尚なもの、文学的なものであるとはみなされなかった。むしろ扇情的で低俗な三文オペラ的扱いを受けていた、ともいえる。それが、このようになり…おそらくこのジャンルはこれから数十年、作られ続けていくだろう。


その一方で、長州力がプロレスブームの時の自分の人気を振り返って語ったように「人気の波は全員で、ものすごく大勢の人間が集まってつくるんだ。だが、その頂点の波に乗っかるのは一人だけ」でもある。ただ、イカゲームがその頂点にふさわしいクオリティかとかは今はどうでもいい。多くのジャンルがそもそも、そんな高い波を作ることに成功せずに終わるのだから。


そして、この前紹介したばかりの「ブルージャイアント」で、ジャズの本場ニューオリンズでの黒人音楽家が、ジャズをアジア人が演奏することについて述べた感想コマがそのまま使える。

デスゲームものが各国で作られるのは、ジャズの拡散と同様(ブルージャイアント)
文化が発祥の地を離れ拡散、拡大するのは「最高にクレイジーで素敵なこと」(ブルージャイアント)


もちろん、ジャンル確立の結果としてパロディ、お笑いのネタになるのも最高にクレイジーで素敵なことだ。


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