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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

「BLUE GIANT」米国編の「バンド演奏とソロ」話が、そのまんまプロレス論な件。

武藤敬司引退試合というビッグイベントを経て、いろいろ「プロレス」を再び考えることが多くなってる昨今。
このタイミングで…昨年秋ごろに思ったことを、ここに記しておくのもいいだろう。

それに、絶好のタイミングである。だっていま、公開が始まったばかりだもの。


bluegiant-movie.jp


スラムダンク FIRST」100億円の大ヒットちうことで慶賀の至りだが(正直、大コケも覚悟してましたで)、こちら「BLUE GIANT」もなんとかヒットしてほしい。スラムダンクは「最後の山場」を最初に作っちゃった(TVアニメからの流れでいえば補足であることもわかるが)から、ここで終わっても何の問題もない(逆に、なんとか続編を!となるだろう、映画会社の総力を挙げて)。だがBLUE GIANTはなんとかヒットしてもらって、このあとの欧州編「シュプリーム」米国編「エクスプローラー」につながってほしいわけだから……


で、今回語るのはその米国編「エクスプローラー」での、昨年秋ごろ掲載の話。


アメリカでも、ソロ活動からついにメキシカンのピアノ奏者と、アフリカ系のドラマーと組んで「ダイ・ミヤモト モメンタム」を結成した主人公・宮本大。
そして徐々に徐々に知名度と評価を上げ、誰もが驚くような一流ジャズバンドから、ゲストとして出演を要請される。
勇んで乗り込んだダイだが、まず有名バンドとの打ち合わせで、勝手にアドリブ演奏をし過ぎないように、全体の調和を考えて!と大物の大先輩から、極太のクギを刺される。

ここから先、全部適当に、プロレスに脳内変換して画像をご覧ください。(プロレスファンなら、楽勝の筈です!)

ブルージャイアントはプロレス説(なんだそれ)

全体の調和。一人だけわがままをやってそれを壊すな。まったくごもっとも、王道16文。

ブルージャイアントはプロレス説(なんだそれ)
ブルージャイアントはプロレス説(なんだそれ)

リーダーはこの持論を語るのが大好きらしく、他のメンバーは耳タコのようで「今日は何の喩えだ?」「あー、アレか」的な反応なのがおかしい(笑)

ブルージャイアントはプロレス説(なんだそれ)
ブルージャイアントはプロレス説(なんだそれ)

とにかく格が違う!知名度が違う!実力も違う! ゲストのダイは、この場に立つことだけで大抜擢なんだ、顔じゃねえんだっ!!


ブルージャイアントはプロレス説(なんだそれ)


とはいえ、ダイも抜擢されるだけのことはある技術の持ち主。ちゃんと求められるジョブをやります、そしてちゃんと評価されます。そして役を終わります…それで誰も困らない、WIN-WINである。
なのに、だ……


ブルージャイアントはプロレス説(なんだそれ)
ブルージャイアントはプロレス説(なんだそれ)

やりおったー!!(言わでもの説明だが「やりやがった!」というのは事前の打ち合わせや全体の流れを無視して、自分の演奏を聴かせるソロを長時間行うことを意味します)


ブルージャイアントはプロレス説(なんだそれ)
ブルージャイアントはプロレス説(なんだそれ)

さあ、業界は賛否両論。
だが、ドレッシングルームでは……


ブルージャイアントはプロレス説(なんだそれ)

「ジャズ道にもとる」というやつね(一部マニア笑)。掟破りの単独長ソロ。

ブルージャイアントはプロレス説(なんだそれ)

なにがやりたいんだコラ、タココラ。カタチ変えるぞコラ。サンタマリアになるぞ。


ブルージャイアントはプロレス説(なんだそれ)

しかし、それでも若い衆は「出過ぎたマネ」をする。それを腹立たしく見てる”現場監督”は、じゃあ若いころはルールを守って品行方正にやってましたか、と言われると、どうかすると維新軍を作ったり何なりしてるわけだよ(笑)。どうかするとオーナー社長も、老害グレート・アントニオを一方的に秒殺したりしてるんだよ(笑)。
そんな自分の若いころの風景が一瞬頭をよぎると、
目の前にいる若いヤツの”わがまま”を、ぷりぷり怒りながらも受け入れる、そんな心の綾がある。


ブルージャイアントはプロレス説(なんだそれ)

選ばれしものの恍惚と不安、ふたつながら吾に在り……


もともと、プロレスを「ジャズセッション」と連想付けて語るのは、プロレストークの真祖・村松友視からの伝統であります。「スイングするプロレス」なんて言葉もあったね。
しかしスイングするとは馴れ合いや予定調和(※微妙に元の用語からは誤用だが)…ではない。

どっちかがどっちかを、いやどっちもどっちも「隙あらば食ってやる」と舌なめずりしながら相手を観察、値踏みしあい、「チッ…隙が無かったか」と、元の縄張りの場所に双方が返っていく、そんな場なのだ。


そういうのが感じられないプロレスを『なかよしを超えた「やおいプロレス」』と……言う人がいたんですよ、ぼくじゃないですよ。
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こういうことを「プロレスは主導権を奪い合うゲーム」と言ったのが前田日明でした。

これはまた、映画や舞台での「芝居/演技」の世界でもあることだ、といえますね。プロレスを演劇論とイコールにするべきでもないが、ニアイコールであることを否定するのもよくない。

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松田優作物語より 「龍馬暗殺」で原田芳雄と演技合戦
松田優作物語より 「龍馬暗殺」で原田芳雄と演技合戦

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というような感じで、純度100%のジャズ漫画「BLUE GIANT」を無理やり(…いや自分の主観では1ミリも無理なく自然に、だけどね!)プロレスに繋げてみました。

元の作品ファンも含め
いろんな方面からお怒りを買うような気もするが、いまなら「映画に行きます、宣伝しますので許してください」でなんとかなりそうな気もします。

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(了)