INVISIBLE D. ーQUIET & COLORFUL PLACE-

John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

藤原喜明とキラー・カーンがセメント試合になった、という話、前から気になってる。



概要はこの通りで過不足ないのだけど、雑感。

・そもそも藤原喜明が、誰から観てもわかる様な不穏試合をした例ってほかにあるだろうか。そういうことをしないから、そもそも前座で「職人」と言われた訳で……
 
・ただ、だからこそ試合の「途中」では要所要所で極めたりしたのかもしれない。そもそも外国人に対してそうやって「抑止力」を見せるのも仕事のうちだから。
 
・漫画「アグネス仮面」で「道場破り担当課長」に確かアグネス仮面は就任する。実際のところ、それに近い人はどの団体にもいたみたいで、新日は藤原課長以下前田・高田などが課に就任してた、というのも間違いないだろう。全日は桜田渕正信
  
・で、こういう人を「どう遇するか」はプロレス団体の中でも永遠の課題で…。
 
・あのバディ・ロジャースをボコったカール・ゴッチですら「表のチャンプは客を呼べる奴でいい。だが本当に強いやつはそのチャンプと同等か二番目に高いギャラを受け取るべきだ!それが”ポリスマン”だ!」と「妥協」の姿勢を見せていた。
 
・しかし!以前書いたが当の藤原喜明が、「テレビ朝日から新日に出向してきた社長」に年棒を削減され「君は勝てないんだから仕方ないでしょう」と、ふつーのスポーツ選手の年棒査定感覚で言われてしまった、という泣き笑いな一幕があったとか「じゃあ私が藤波辰爾さんに勝ったら年棒上げてくれますか」「出来るわけないでしょう(リング上だけ見て)」‥
 
・それが不満やイライラを募らせ、悪戯をしかける向きもでてくる。藤原がこういうことやったのは、たぶんウィリアム・ルスカの影響だ(笑)。ルスカの「悪戯」は洒落にならないものも多かったが、誰もが苦笑いですませた(それしかなかった)という……
 
・それでも客を呼べる看板レスラーと、ポリスマンが険悪になり、リング内のシュートの場面場面で隠しきれずに、表面に出てくるセメントになったら…アメリカでは「解雇」されるわけです。
 
・新日で藤原がそうならなかったのは、やはりコーチや「道場破り担当」、猪木のボディガードなど、結局その存在価値を惜しまれるだけの技量を身につけていたからだし「そういう試合もたまにはあるもんだ、おもしれえじゃねぇか」というイデオロギーアントニオ猪木山本小鉄が許容してたからにほかならない。
 
・なろう小説なら、こういう人間をパーティから追放して、その組織が機能不全になってざまぁ…って、これがUWFの経緯にちょっと被るかもしれない。じゃあなろう小説の源流はUWFかも(新説)!!
 
・…だが「追放された俺も新しいパーティを結成し、こっちで大成功したが、そこも新たな人間関係の軋轢ができて崩壊する(むしろ古巣はぎりぎり崩壊を免れる)」という展開はたぶん、なろう小説にも無い(笑)
 
・そうはしなかった最盛期の新日本プロレスを「管理のずさんなサファリパーク」と呼んだのは誰だったか。それは、なるほど作り物ではないスリルと魅力がある。リングスはこれに「通訳の限界(ロシア語とオランダ語と英語と、だぜ!)」「マッチメーカーの滑舌の悪さ」まで加わり、たいへんなことに(笑)
 
・この前「ブルージャイアント」を例にジャズ演奏のアドリブとプロレスの類似性を語ったが「若い力を泳がせてやる度量ぐらい俺にだってあるさ…」という話である。猪木に至っては直接受けて立つ気すらあったようだ。
m-dojo.hatenadiary.com

ブルージャイアントはプロレス説(なんだそれ)

 
・それを認める認めないで、認めないの方にギリギリと寄せていったのが、厳格管理の長州力と忠実な部下・馳浩だったのだろう。彼らもアマレス仕込みで腕に覚えはあるはずだが、それで相手に「仕掛ける」発想は…なかったと思うねえ。ヒロ斎藤を負傷させた橋本真也をボコボコに制裁、Uインター選手に大けがさせた永田裕志を「故意だったら今ここで首にした」と言ったんだっけ(味のプロレスで漫画化されてた…あった)


 
・結局、カネを稼げる看板レスラーも、縁の下の力持ち、実力ナンバーワンの「ポリスマン」も相互にリスペクトが必要だ、ということでしょうか。これは他のビジネスの現場でも言える事。
 
・そして、それでもぶつかりあった結果として、どっちも一線を退いたら笑って話せるようになる…なら理想だけど、その辺の遺恨がまだ残っている界隈も、自分は十分に知っているのでした(了)