歴史上の人物で秀吉とか年食うと途端に若い頃の理知さとか忘れたかのように
— 平野耕太 (@hiranokohta) February 23, 2022
無茶苦茶やりだす指導者とかいるじゃないすか
小説とかドラマ化したとき、ラスト間際なのに主人公が
素ッ頓狂になって脚本家が苦労するアレ
今、それ見させられてんのかなあっていう
……か、どうかは少々わかりかねる。さすがに弓矢の国盗りがまかり通る時代と近代戦争ではいくつかの重要条件が異なるからだ。
歴史は韻を踏むが、繰り返さない(※ふつうはこの逆で表現されるのだが)。
ただ、そうは言いつつ、そんな例を出されると確かに気になるのも事実だ。
何度も、ことあるごとに触れてきた「センゴク」シリーズ、ついにあす28日発売号をもって、大団円となる(当然、歴史はその後もつづくが)。
で、後半「センゴク権兵衛」で、最も興味深い必読部分がこの…、北条を征服して名実ともに日本国の「天下一統」を成し遂げた秀吉の、いまだに謎の多い「唐入り」を描くシーズンだと申し上げてきました。
秀吉の朝鮮出兵描く「センゴク権兵衛」が必読な6つの理由
m-dojo.hatenadiary.com
いま、連載終了に合わせての順次の無料公開で、最終2月27日はまさにこの部分が無料なのですよ。



そしてもうひとつ。
門井慶喜「なぜ秀吉は」
舞台は大坂、京、名護屋...秀吉に巻き込まれる人、人、人。
秀吉暗殺を企てる若き朝鮮人陶工・カラク。神出鬼没の謎の女性・草千代。
博多復興に身を捧げた豪商・神屋宗湛。出兵の先駆けを務めるキリシタン大名・小西行長。
秀吉なき世を構想する・徳川家康。いま明かされる天下人、晩年の胸のうち。歴史的快挙か天下の愚策か--朝鮮出兵をめぐる圧倒的人間ドラマ。
新聞に載ったインタビューから抜粋。
(略)…朝鮮出兵の謎に挑んだ新作「なぜ秀吉は」……隣国では負の歴史として記憶される難しい題材。それを踏まえた上で「読者に対する挑戦だと思っている。反応が待ち遠しい」と自負…(略)
「歴史を学ぶ中で、なぜという素朴な疑問があった」と言う。秀吉の朝鮮出兵の理由については諸説あり、狂気と結びつけて論評の対象としない立場もあるが、違和感があった。「これだけのことをしておいて、ただの狂気では済まされない。人間の心理の研究として、知りたかった」
物語は、まさにその謎を巡って展開する。味方の恩賞となる領土を得るためか、外国と有利な貿易関係を築くためか、諸大名の結束を固め秩序を強化するためか…・・(略)幾多の人間が未曽有の侵略行為の理由に思いを巡らす。果たして秀吉の胸の内にあったものとは-。
既存の説を家康らに代弁させた上で、独創的な“真実”を秀吉に語らせた。「何を書いて何を書かないか、まとめておかないと話が国家の善悪に流れてしまう危惧があったので、事前にかなり勉強した」。執筆の末にたどり着いた答えには納得している。「人間の正気と狂気は案外離れていないのかもしれない」
多様な視点が取り入れられているのも特徴…(後略)
繰り返すが、さすがに切り取り勝手次第がまかり通る16世紀の話と、21世紀の話はそのまま一緒くたにはなるまい。
しかし、まったく徒手空拳で対峙するよりは、何事かを測る”補助線”にはなるかもしれない・・・・・・・・・・・・・・・・・・