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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

ニュースサイトって、どの程度のコストで開設・運営可能なんだろう?…という話(追悼ハーバービジネス・オンライン)

ハーバービジネスオンライン編集部からのお知らせ

2021.05.07
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 約7年間にわたり、どんどん「近代社会」としての前提が瓦解していく日本を見ながら、メディアに携わる人間としてこのままではいけないと思い、ハーバービジネスオンラインを運営してきました。
 しかしながら、本日5月7日をもちまして、すべての記事の配信を停止し、一部連載は日刊スパ・女子スパ・bizSPAフレッシュの3媒体で継続するということになりました。

 なお、過去配信記事についてはそのままでご覧いただけます。
 

<ハーバービジネスオンライン編集部>

hbol.jp


武運つたなく、じゃなくて文運つたなくサイトは配信停止となりもうした。まことにお疲れさまでした。

それでも。


そもそも、ハーバービジネスオンライン、発足当時からの雰囲気を知っているが、まぁ扶桑社からぽっと、唐突に登場したもんだった。
それでもそこから7年も運営し、多くの人に高額の原稿料を払っていたであろう。少なくとも無料原稿ではないはずだ(推測です)。そういう運営ができていた以上、おそらくある時期までは採算がとれていたのではないだろうか(推測です)…。


なんだかんだと「ニュースサイト」は雑誌より簡単に作れる。…つまりジャーナリズム花盛りの全盛期??

何度も、ほかの話題の類推で引き合いに出しているが
総合格闘技団体DEEPの佐伯繁氏が、今は客が入らないから総合格闘技やプロレスの冬の時代ですね、と聞かれて「いや、団体数がどれだけ増えてると思う? プロレスだってそうで、新日と全日と国際しかなかった時代から、今はこんなに団体が増えている。それをまとめれば、規模は何倍にも拡大してる」と。

これはまさにニュースサイトでも同じことかと。
このブログが始まったのが2004年なんだが、発足当初は、自分の観測範囲では、ほんとに「J-CASTニュース」とか「GIGAZINE」とか、ニュースサイトって少なかったよね…数えられるぐらいじゃなかったか。
そして個人のニュースサイト…というかブログももちろんあった。それも自分達で取材して記事を書く、という意味ではなく「ネット上にはこんな面白いサイトがあるよー」とURLを貼っていく、そんなサイトもね。ただ、そっちは置いといて、一応広い範囲で取材してニュースを書いていったり、言論人といわれる範囲の人から寄稿してもらう系のニュースサイトに限っても、数としては増える一方だった。

言ってしまえばこれらはそれぞれ、ネットが無かったら「雑誌」として作るしかなかったようなものだろう。
そして「雑誌をひとつ誕生させるコスト」と比べると、あまりにそれは簡単に作れ過ぎる。いちいち計算するまでもない。

このブログではそういう状況を横目で見ながら「ネットニュースってなんだろう」「一般のニュースメディアとネットニュースメディア、どこが同じでどこが違う?」「個人ブログとニュースサイトの差は?」などを考察していた。
それが期せずして「ネットニュースサイト年代記」みたいになっている…と自画自賛しておこう(笑)

m-dojo.hatenadiary.com
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また、このへんの話は、当時そういう言葉が知られていなかった「こたつ記事」に関する議論にもなっている。自分は当初から基本的にネット上のテキスト紹介のみで記事を作る「こたつ記事」(当人たちは「1.5次記事」などと呼称していた)の存在を認めているんだよね。
それはこういう思想的状況があったのだ。



閑話休題ーーーーーーーー

ただ。それは果たしてどの程度のアクセス数があれば「持続可能」なのか。


こういうサイトは腐っても「サイト」だから、そこに広告が出稿・掲載されれば収入になるだろう。
またJ-CASTニュースもそうだったけど、本業・副業が別にあって、そういうニュースサイト運営が、その本業や副業のPRになればよし、というスタンスもある。
寄稿者は有名人、プロだが心意気に感じてもらい、ノーギャラで書いてもらって、それでコストが引き合うというパターンもある。ハフィントンポストの初期はそうだったと聞くし、「創」は紙の雑誌だけど、その手法で長く続けている(笑)
「経営」ではなく「運動」であり、赤字上等、覚悟の上よ、ってところもあるだろう。

あー、あと、「ここで記事を書いてもらい、あとでそれを単行本にします。それでもーかるから、収支が見合うでしょ?」って手法もあるね。

ハーバー・ビジネス・オンラインも「日本会議の研究」とかはベストセラーになったから
初期はそれで帳尻があっていたり、そうなるであろうという予測のもとに継続されていたのかな??


・・・・だが。
結局のところ、どの程度のアクセスがあれば成り立つんだろうかね??
その想定より稼げていれば続くだろうし、その想定より下だと・・・・・・やはり心意気だけで続けるのは限界がありそう。


むかし「朝まで生テレビ」とかに出てきて名を売った「高野孟」氏が主催していた「 THE JOURNAL」って覚えていますか?
あれもけっこうな著名人が書いていたのだが、文運つたなく敗れた。

オーマイニュースジャパン」。鳥越俊太郎編集長!!・・・・・・・・・続かなかった。




格闘技ニュースサイトのバウトレビューが続いているのなんて、逆に本当に偉業だと思いますよ。


そんなこんなで、ハーバービジネスオンラインだって、まだやる気があるなら
編集者も執筆陣も居ぬきのように別のところで始めることだってできるかと思う。始めること自体は簡単なんだ。FMWのように5万円から始めることだってできよう。


そんな未来があれ、と思いました。

(ひとまず了)