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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

「1984年のUWF」文庫版から波及した「リングス論」それぞれの感想(当記事コメント欄から)

コメント欄のコピペだが、手を抜いているわけではない。(いや、そうかも)
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で、文庫本の、特に特典に関する感想。

1984年のUWF (文春文庫)

1984年のUWF (文春文庫)

  • 作者:健, 柳澤
  • 発売日: 2020/03/10
  • メディア: 文庫



セニョール

吉田豪もこのようなニュアンスで随分前に書いてましたが
基本ワークであることを前提にした上で
普通のワークとは違う面やシュートの試合などを
検証または再評価すれば宝の山と思うんですけど
ジャパン勢などのインタビューはありますが
誰も本格的に手をつけないというかつけられないwのは不幸だなあと

id:gryphon

このブログのどこかに書いてあるんですけど(多すぎてわからん)、吉田豪山口日昇が「結末は決まっていても、相手は意思疎通がまったくあやふやなロシアやグルジアの選手で、結末以外の何物も決めない。何が起きるか、何をしてくるか分からない緊張感の中で、身を守りながらフィニッシュまで持っていく。その中に時々シュートマッチが組まれる、これはすごいだろ!」という議論があり、確かに幻想みだけはあります(笑)

Poet

グリフォンさんが以前使っていた、「戦略的撤退をして死守すべき領土を狭くする」というのは至言ですね。
ただ、ロマンチックな幻想が広がりすぎてしまうのも、なんか違う気がしてます。
初期のリングスは、オランダ勢同士、ロシア勢同士の試合がほとんどで、緊張感もなく、
試合中に会話をしながら流れを決めていたから、学生プロレスよりも稚拙だった。
見ていて、「もっとうまくやれよ。下手だなぁ。」と感じてました。
高阪デビュー、金原、田村移籍後のリアルファイト抽出・再評価はされて然るべきだと思うけど、
リングスファンがリアルタイムでやっておけば良かったのに、もったいない。
柳澤健氏が「1996年のリングス」を書けば、きっと面白い作品になることでしょう。
もちろん、モーリス・スミスにはインタビューして、前田への取材は無しで。

id:gryphon

むかしゴン格が「リングスには、”地味だけど意外に知られていない”名勝負がある。それを『裏名勝負』として選ぶ」という名目で、その実「ガチ試合リスト」になるような一覧を作るって企画ありましたね。
このコメント欄、そのまま新記事にします

Poet

ちなみに、1996年というのは、高阪デビュー後、1995年頃からリアルファイトが増えてきて、
田村が移籍してジャパン勢とのリアルファイトでのし上がり、山本がヒカルド・モラエスに秒殺され、
モーリス・スミスが参戦したという、「格」を実力でくずせるようになった象徴的な年ですね。
翌1997年には、前田×モーリス・スミスで時計の針が戻されますが。

**id:fullkichi1964
どちらかと言えば、「1992年の正道会館」をこそやってほしいというか(笑)。
初期リングスを「外国人同士」とばかり切り捨てるやのは、角田対カーマン、佐竹対ゴルドー、佐竹対長井の面白さと謎を切り捨てることになりますのでねえ……あ、もちろん92年3.26の第1回格闘技オリンピックも含まれますから、かつてこちらで話題になった前田対木村浩一郎にも触れられまっせ(笑)(^_^)ゞ

id:fullkichi1964
「外国人同士ばかり」と切り捨てるのは、に訂正。スミマセン(^^;)。

Poet

実は、自分はアミューザー時代から、正道会館勢のリングスでの試合については、ほとんど言及してないんですよ。
理由は単純に、ヤオガチ判定が難しい試合が多かったので。答え合わせができると嬉しい気持ちもありますね。
角田✕カーマン、佐竹✕ゴルドーは見てないので分かりませんが、
角田の試合は全般的に、手を抜いたことが分かりにくいローキックが多くて、判断が難しかった記憶があります。

「1984年のUWF」文庫特典を読む…感想「ドールマンを『名誉除隊』させてあげてください」

この前書いた話の続き。

1984年のUWF (文春文庫)

1984年のUWF (文春文庫)

  • 作者:健, 柳澤
  • 発売日: 2020/03/10
  • メディア: 文庫
柳澤健、「プロレスから格闘技へ」3部作 第2弾!

単行本刊行時に話題沸騰!
プロレスから格闘技への過渡期に痛烈な一閃を浴びせ、
UWFブームの震源地」となった一冊を渾身の文庫化!

文庫版特典 クリス・ドールマンとの一問一答


目次
序章 北海道の少年
第1章 リアルワン
第2章 佐山聡
第3章 タイガーマスク
第4章 ユニバーサル
第5章 無限大記念日
第6章 シューティング
第7章 訣別
第8章 新・格闘王
第9章 新生UWF
第10章 分裂
終章 ヴァーリ・トゥード

あとがきにかえて~VJT95以降の中井祐樹
文庫版のためのあとがき
クリスドールマンとの一問一答
[特別付録]1981年のダイガーマスク


この前の話の続き、というのはこれな。

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当初、この文庫の元本が出た時、某御大がお怒りでな。いろいろ「反論」したばってん。
(略)
そんなかで、「”彼”に聞いたら、取材者にそんなことは言ってない、と言ってた」とか「そもそも”彼”に取材したのか疑わしい」的なことをね・・・・・・
いや、あのへんて読めば、だいたい内容わかるじゃん、会ってないのに創作出来たらそっちのほうがすごい、的なことはさ
(略)
しかし、取材した側からすりゃあね。

「はい、わかりました。じゃあ、その時の一問一答の再現ね」
とかえってくるんですよ。

これって、現在、ひとつの完成形を見ている「週刊文春スタイル」でもあると思うが…著者はそれを80年代に構築していったメンバーの一人なんだから…


この見立ては、結論としてそのまんまずばりと当たっていた。

……2015年5月19日にアムステルダム郊外で私が行ったインタビューが、ドールマン自身によって否定されたことは悲しい。そうか、UWF大阪球場大会で前田と戦った試合もリアルファイトだったのか、知らなかった。
幸いにも音源が残っているから(2013年当時、私はまだカセットテープを使っていた)ドールマンとの一問一答を431ページに記しておこう…


ここで、ちょっと長めに、余談を語る。
こういう仕事をしている人の、「インタビュー音源」はどう保存されているか?である。多くは著名人、有名人であり、また多くは物理的に、語りの100%を活字にはできない。せいぜい10%か、いや20%か……

この件、以前書いているので、再度紹介したい。

(略)…インタビューというものを生業にする人は、
「このやりとりの音源は資料価値(商品価値)があるんじゃないか?残しておくべきでは?」
「このとてもはずんだ会話、撮影しておけばトークショー番組として成立したな…」
というところを、今後は考えておくべき必要があるんじゃないかなあ。

この問題意識は、ずーっと持ち続けている。まもなく1000本になろうという自分のtogetterまとめの初製作は、このテーマでした。やり方がわからないまま、試行錯誤したっけ。

ジャーナリストの貴重な取材資料を、どう保存し後世に残せるか(猪瀬直樹氏) - Togetterまとめ
togetter.com

猪瀬直樹木村政彦シャープ兄弟にインタビューしたときの音源や映像がとりあえず物理的には残っているらしい。探せばあるらしい。


「カセットテープ」などで録音するのもよしだが、今はMp3音源などになっているはず。ぜひとも「消去」はせず、バックアップを残していてください。
その肉声は、いつかお宝になる。斎藤文彦氏も、最近出した本でブルーザー・ブロディの音声をどこかのサーバーにおいて、本にはQRコードを付与して「ここから彼の音声(英語)が聴ける」というのをやっていたですよ。技術が進歩すれば、いろんなことがあとからできるようになるのだから。
これか

ブルーザー・ブロディ 30年目の帰還

ブルーザー・ブロディ 30年目の帰還

  • 作者:斎藤 文彦
  • 発売日: 2018/07/10
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


ともあれ、今回はその音源が残ったことは本当に貴重で…
1・Aさんにインタビューした、それをもとに記事を書いた。
2・そのあと、それは事実ではない!という主張をする人がいて
3・その人が「Aさんに自分も尋ねたら、そのインタビューを否定する手紙を送ってきた」と現物を見せた…

場合、もしインタビュー音源や、一問一答の再現ができなかったら、その手紙のほうが、信用度がある、という話にもなりかねないのであった。そこらへんに対して、反撃の弾を持っているのが、自分が言った「文春流」なのだが…


そもそも、前田はどんなことを言ったのか。
それは、この本でございます。

前田日明が語るUWF全史 上

前田日明が語るUWF全史 上

  • 作者:前田日明
  • 発売日: 2017/12/08
  • メディア: 単行本
前田日明が語るUWF全史 下

前田日明が語るUWF全史 下

  • 作者:前田日明
  • 発売日: 2017/12/08
  • メディア: 単行本

この本は、いくつか評判が、吉田豪氏の書評などを含め活字やネット上のテキストになっているけど、ほぼ満場一致で「読みにくいよ!!」と言われるという稀有な本だ。読みにくさの「リアルワン」、シュート野郎である。しかし、前田日明になにやら信頼されて、その肉声を聞けるというのは、それはそれで非常に貴重な立ち位置である。だから今回、前田が受け取ったというドールマンからの返信を、この本で公開したこと自体は重要なスクープだとは思う。
これな。

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ドールマンが自分の試合は真剣勝負だとメール(前田日明が語るUWF全史・下)

訳文
マエダさんからの要請でお答えするのですが、わたしがインタビューでUWFでの二試合とそ のほかのリングスでの試合が(勝ち負けを)前もって決めた試合だったということは絶対にあ りません。わたしは日本でフィックスされた戦いをしたことはありません。すべてリアルファイトです。そのインタビュアーはあてにならず、ウソつきです。彼は間違ったことを言い、わたしの言葉をねじ曲げたのです。マエダさんとわたしは本物のファイターであり、ペテン師ではありません。


今回の文庫では、まさにこれへのダイレクトなリアクションになっている。
重要部分だけ、厳選して抜粋しよう

―(※UWFに初参戦したときに)リアルファイトではない。マエダに勝ってはいけないという話は、いつ頃お聞きになったのでしょうか?


ドールマン Ah...., How did you know?(どうして知ってるんだ?)


―みんな知ってます(笑)。


ドールマン ヤン・プラスが電話で伝えてきた。私自身はもちろんリアルファイトでやりたかった。打撃と組み技をミックスするスタイルは好きだし、私はレスリングも柔道もやっていたから、リアルファイトで戦う準備は整っていた。UWFからは、マエダのボディは蹴っていいけれど、頭を蹴ってはいけないと言われた。


―アマチュアアスリートだったドールマンさんは、フィックスト・ファイト(=結末のきめられた試合を戦うこと)と戦うことに抵抗はなかったんですか?マエダが勝ち、自分が負けることが最初からわかっている試合を。


ドールマン I didn't like it. 好きではなかったよ(笑)。しかしマエダとの試合は、 私にとっていい経験になった。私は契約に合意した。ゲームだし、グッドマネーだし、納得してやったことだ。私はずっとアマチュアで、多くの競技で結果を残してきた。 勝つことも負けることもあったが、そこにお金は発生しなかった。キャリアの最後にマネーをもらうのは悪いことではないんじゃないかな。当時はもう44歳になっていたし。


大阪球場の前に、どこかの道場で前田とリハーサルを何回かやったんですか?


ドールマン 一度だけ。試合の数日前、大阪のどこかのスポーツホールだった。


―前田選手にキックやレスリングの能力はありましたか?


ドールマン 打撃も寝技もよかった。オールラウンドレスラーとしてのベーシックを持っていたと思う。

UWFとリングスのスタイル、違いはなかったですか?

ドールマン オールモストセイム。ほとんど変わらない。


―リングスで、結末の決められていない試合はあったのですか


ドールマン リングスでも多くの試合で結末は決められているた。ただし、打撃には本当に注意しておかないと、予定通りのフィニッシュにならないケースもあるんだ。例えばデニス・ラーフェン(リングスオランダ)は、自分が勝つはずだった試合で、うっかり相手の蹴りを食らってしまいKOされたことがある。(注.1996年6月20日のビターゼ・アミラン戦のこと)。だから、リングスの試合はものすごく難しいんだ。

よくある「そこまで言って委員会…と思ったら、そこまで言っちゃだめだったん会?」話(結婚式などでよく起きますね)

ま、並べたら過去記事の推測は99%正しいと思う

「これぐらいはもう、公然の事実みたいなもんだろう。ここまで言ってもセーフだろうな」

「え、このへんのことも、あいつにとっては言っちゃだめのNG扱い?あいつ怒ってるよ、まいったなー…そんなことは言ってないよ、ぐらいに取り繕っておくか」

みたいなことは、あってもおかしくないかもしれない(推測です)

ありますねー。とくにプロレス格闘技界の思い出話だと、相当にみんなですり合わせでもしてないと、おおらかな人が「これぐらい言ってもだいじょぶだろー」と、柳澤健とか吉田豪とか堀江ガンツとかにぶっちゃけるけど、それがこっちでは『まだケーフェイだよそれ!!」となることの、なんと多いことか(チコちゃんのナレーター風)。


一般人の結婚式でも
「結婚おめでとうございます。私と新郎は中学時代からの悪友でして、一緒にさんざん悪いことを……」
「エリカ、おめでとう。わたしは、新婦とずっと仲良しで、特にコスプレという趣味が共通してまして……この日のために、特別編集のスライドを用意してきたんですけど……」

みたいに、もうその先は悪い予感しかせんのう、な展開が…。
ことほどさように、ケーフェイの範囲は、意外と個々人でズレがあり、やはりハイスパット(打ち合わせ)は必要なんです。そういうのなしに試合を組み立てるのがプロだ、なんてのはオールドスクールだぜ。
そのへんでうっかりしゃべってしまったら、プロレススーパースター列伝世界では太陽仮面ソラールのように腕を折られるところだが、現実には無理があろうがなかろうが、そんなことは言ってないよ、とか言いつくろう必要があるようなのです。

…静まりかえった結婚式場
JODAN JODAN JODAN
お二人のために 万歳しましょう
www.youtube.com

みたいな。

ドールマンは前田との友情を失っているわけではない。前田が「掟」から、この功労者を解放してあげるべき

インタビューは、別に一部の暴露系メディアのように、怒りや恨みを募らせて告発してるわけではない。
前田が好きだったこと、技術のベーシックを備えたファイターだったこと、UWFやリングスの扱いに満足していること、とてもタフで、大手術を受けたのに痛みに耐え何事も無いふりをして頑張っていたこと…

そういうことをきっちりと称賛した上で、でも、UWFの試合はリアルファイトじゃなかったし、リングスはそれと「almost same」だけどね!!と、言ってるだけじゃないすか…。あ、あと、「私もコーサカが一番強かったと思う」とかは言ってるけどさあ(笑)

90年代、アミューザ全盛のときなら、そりゃ大騒ぎだったでしょうけどねえ。そこから20年すよ…。
たしかにドールマンは、そういうのをのみ込み、表には出さないインナースクールに一度は入ったのだろう。それは昔は、「墓場まで持っていくたぐいの話」だったのだろう。

しかし、それは、さすがに今はどうか…
それは、時代の変化もそうだけど、リングス内、UWF内の論理としても、ドールマンは本当に献身的に前田を助けていたではないか。そしてそれは、構造として、アマチュアスポーツ時代に培ったドールマンの実績を、UWFやリングスのファイトによって、彼に勝ったファイターが吸収することで成り立っていた。
そのリングスも終わったいま、そのインナーサークルの掟からドールマンを「名誉除隊」させてあげてもいいのではないか。
あれらの試合が、そういうものであっても、リングスにはのちに世界を席巻する強豪が(結果的に)集まり、また、その経験を肥やしに全ガチ団体(という視点でも見られる)アウトサイダーを立ち上げ、そこから朝倉兄弟や金太郎、吉永啓之輔に佐野哲也…らが世界にはばたいた。
それだけで、おつりが十全にくるではないか。

あるいは、平直行のこの本での描写。
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U.W.F外伝

U.W.F外伝

  • 作者:平 直行
  • 発売日: 2017/11/15
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

…会場に入ると廊下で偶然、リングドクターの野呂田秀夫先生とばったり出くわした。
僕は今度 UWF や日本の総合格闘技に関する本を書くことになった、と伝えた。
「そうか。あのね、前田は私利私欲がないんだ。リンクスの頃、膝がすごく悪かった。でも団体のために試合を欠場することはできない状況だった」
(略)
前田さんの膝は日に日に悪くなりただ立つだけでも辛い状態だったそうだ。立っていても膝がまっすぐにならない。そこまで前田さんは頑張っていた。自分のためではなく、 みんなのために。野呂田先生は真剣な顔で僕に言った。
「これ書いてくれよ。あいつは誤解されている。いいやつなんだ、漢だよ。本当はあいつも”格闘技”をやりたかったと思うよ。みんなのために我慢したのかもしれないよ」

…結果として過渡期に怪しい試合やリアルファイトではない試合があったから今の総合格闘技は存在する。
現在の基準で過去を批判するのは簡単だ。だがことの当事者たちはもがき、苦しみながら目の前の現実と戦わなければならない。過去の礎により、今は創られている。あの時代の出来事のすべてが今の礎になっている。

この、前田にも認められているらしい平直行の本が、「1984年のUWF」のラストシーンと、ほぼ重なることは読んでお分かりになると思うのだが…そういう、穏やかな「名誉除隊者」として、功労者クリス・ドールマンを遇しても罰は当たるまい、というのが、前田日明反論書と、今回の文庫特典を読んでの感想でした。



(了)

UFC、WOWOWで始まった。中国人チャンプの初防衛戦

正午から開始

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www.wowow.co.jp

ラジオでの、吉田豪の格闘技本トークがTBSサイトで聴けるとのこと

コメント欄をそのまま写すらくらく設定。

Poet

昨日、運転中に、たまたまTBSラジオをつけたら、「吉田豪の格闘技本特集」という、誰が喜んで聴くんだ?という番組をやっていて、
「格闘技本には、柳澤さん、増田さんのように、いい仕事をされている方もいますが・・・」と内容はスルーされて、
いかに、塩澤幸登氏の本が、トンデモ本として楽しめるかという話に移っていました。
まだ、TBSのサイトからタイムフリーで聴けます。

1日前 Add Stardelete
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あ、「書評の星座」が本になったからか。あれも買わねばならず、なぜか発行ラッシュです。

レダ

www.tbsradio.jp
2020.3.4 水曜日23:59
放送ログ 音声あり

吉田豪の視点があれば、格闘技・プロレスの見え方が変わる【書評本がついに】

アフター6ジャンクション

様々な文化の研究・発信・そしてさらにその先を目指す「ビヨンド・ザ・カルチャー」。3月4日は…「吉田豪 presents 格闘技の魅力は本にあり!特集」



熱いファンが多い格闘技・プロレスの世界。しかしなんとなくハードルが高い、歴史を知らない…などの理由により、触れてこなかったという人もいるのではないでしょうか。ただ、そんなイメージがあっても本質的な魅力にコミットできる超優秀なチャンネルが「格闘技本」の世界! さらに この人の視点があれば間違いなく楽しめるジャンルになる……そう、長年ライフワークとして格闘技本の書評を続けてきたプロ書評家・プロインタビュアーの吉田豪さんの視点を理解する回です。



吉田豪さんが続けてきた書評本がついに出版されたこのタイミングにピッタリの企画!

まさかの増刷

この前書いた記事
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「俺は買うけど、他の誰が買うんだろう?」と思ってたけど…

しかし、そのついでに知ったが

書評の星座 吉田豪の格闘技本メッタ斬り 2005-2019

書評の星座 吉田豪の格闘技本メッタ斬り 2005-2019

  • 作者:吉田 豪
  • 発売日: 2020/02/26
  • メディア: 単行本


「上海武術学院の師父が1990年にロシアの特殊兵と対戦」(動画)

ツイートの文字すべてがパワーワードってのも。

もうひとつついでに。イワン・ゴメスの試合

www.youtube.com

「1984年のUWF」10日に文庫版発売。「ドールマン一問一答を増補したよ」…ってキツいわッ!(これが週刊文春流だ)

1984年のUWF (文春文庫)

1984年のUWF (文春文庫)

  • 作者:健, 柳澤
  • 発売日: 2020/03/10
  • メディア: 文庫

単行本刊行時に賞賛と非難の十字砲火を浴びた「UWF本の発火点」。「プロレスから格闘技へ」の過渡期を描く傑作ノンフィクション。

いまのアマゾン紹介文は最低限か。この後、徐々に詳しくなるのかな?

だが…なんか、すごい情報を某所で知ったのだった。
著者の「〜年の」ノンフィクションは、文庫になる時に何らかの増補、おまけがあるのが慣例なのだけど

今回のおまけは
クリス・ドールマンとの一問一答」
らしい、というのだ・・・・・・・・・・・・

知った時「!!!!?」のあと「ガハハハハハ!!!!最高です!!!」と往年のkamiproみたいな反応しちゃったよ!!!


いや、分かる人は、このキッツイやり方が分かると思うんだわ…(笑)


いやね、固有名詞は避けて、ぼかして語るけど、当初、この文庫の元本が出た時、某御大がお怒りでな。いろいろ「反論」したばってん。
で、そりゃ当事者だから、いろいろ見解の相違もあるだろし、ディテールで言えばいくつかは、当事者の記憶や記録などのほうが正確なものもあっただろう。


だけど、そんなかで、「”彼”に聞いたら、取材者にそんなことは言ってない、と言ってた」とか「そもそも”彼”に取材したのか疑わしい」的なことをね・・・・・・
いや、あのへんて読めば、だいたい内容わかるじゃん、会ってないのに創作出来たらそっちのほうがすごい、的なことはさ


御大は、いいとか悪いとか、主張に賛成か反対かは別として、喋ってるとその屋台骨を支えるべき事実関係、情報の信頼度がふっとんでしまうという特徴があるの。
ごく最近の某所での、とあるトークの報告ルポで…

 司会…「なに、いきなり報道にも出てないようなコロナ情報、出してんですかっ!!」

(コロナが広まった諸説を続けざまに…語るが、噂が多分に含まれるため記事としては割愛

ルポ者、よく分かってらっしゃる(笑)


あと、まあ確かに被取材者も、
「これぐらいはもう、公然の事実みたいなもんだろう。ここまで言ってもセーフだろうな」
「え、このへんのことも、あいつにとっては言っちゃだめのNG扱い?あいつ怒ってるよ、まいったなー…そんなことは言ってないよ、ぐらいに取り繕っておくか」
みたいなことは、あってもおかしくないかもしれない(推測です)




しかし、取材した側からすりゃあね。

「はい、わかりました。じゃあ、その時の一問一答の再現ね」
とかえってくるんですよ。

これって、現在、ひとつの完成形を見ている「週刊文春スタイル」でもあると思うが…著者はそれを80年代に構築していったメンバーの一人なんだから、さらっと涼しい顔して、これぐらいやるわな(笑)




ま、そういうことで、
「文庫本にはクリス・ドールマンとの一問一答が増補されます」という簡単な一行情報に忍ばされている「ナイフ」というかその意味を受け取って、ちょっと面白すぎた次第です。

ということで

2000年の桜庭和志

2000年の桜庭和志

  • 作者:健, 柳澤
  • 発売日: 2020/02/27
  • メディア: 単行本

と合わせて愉しみ。

柳澤健「2000年の桜庭和志」が単行本に

2000年の桜庭和志

2000年の桜庭和志

  • 作者:健, 柳澤
  • 発売日: 2020/02/27
  • メディア: 単行本
1984年のUWF』の続編にして、『1976年のアントニオ猪木』の最終章!

タイガーマスクに憧れプロレスを志した少年―-。アマレスを学び、プロレスラーになった桜庭和志は、サブミッションレスリングに夢中になり、総合格闘技の世界へ。そしでPRIDEの主役となり、UFCのレジェンドであるホイス・グレイシーと107分の死闘の末、伝説となった。桜庭が、“リアルファイトのタイガーマスク”になったのである。桜庭の生き様を追いながら、グレイシー柔術とは何か、MMAとは何か、格闘技とは何か、UWFとは何か、プロレスとは何かに迫る。
取材は、桜庭への幾度にも及ぶインタビューだけでなく、石井和義ホイラー・グレイシーホイス・グレイシーにも行った。著者は、自ら柔術教室にも通い、そのなんたるかを学んだ。まさに体当たりのこの作品は、著者の真骨頂でありひとつのシリーズの大きな締めくくりでもある。

内容(「BOOK」データベースより)
UWFからPRIDEへと駆け抜けUFCの殿堂入りも果たした総合格闘技界のレジェンド桜庭和志IQレスラー&グレイシーハンターの全貌がついに明らかになる。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
柳澤/健
1960年、東京都生まれ。慶應義塾大学法学部卒業後、メーカー勤務を経て、文藝春秋に入社。編集者として「スポーツ・グラフィックナンバー」などに在籍し、2003年にフリーライターとなる。07年に処女作『1976年のアントニオ猪木』(文藝春秋)を発表(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)


雑誌連載中の内容紹介を、ちょっとネタバレ(当たり前だ)だけど再掲載する

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記念イベントを開催(コロナ収束の具合次第だろうかね…)


3月28日

www.1101.com
2000年の桜庭和志

『Number』のOBであり、
現在はフリーライターとして活躍中の柳澤健さん。
昨年『Number』 で連載をしていた
『2000年の桜庭和志』が
単行本となり発売されたばかり。
2000年、ホイス・グレイシーを倒し、
時代の寵児となった桜庭和志
桜庭選手の活躍を振り返りつつ、
その時代を描いた柳澤さんと、
この本の取材に協力し、
桜庭選手を高く評価する柔術家の
中井祐樹さんによる桜庭選手論です。