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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

【リンク追加】2022年『SFだ』と思った、SF的想像力が刺激された事件ベスト10

久々にこの企画を復活します。数年前に何度か行ったけれど、毎年毎年、 SF だなーと思うような事件がランキングにできるほど起きるわけではないので。不定期で復活しました。

過去の選定です。3回しかやってなかったか。
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それでは発表

まがりなりにも超大国が、堂々と隣接する別の主権国家に全面的な侵略戦争を仕掛ける。責められた小国は、国家滅亡も当初は予測されながら反撃し、領土の一部を奪回する。

こんなの本当に SF (シミュレーション・フィクション)での話であって欲しかったよ。


ロシアのウクライナ侵攻……責めるのではないかという予測が 報道の形で電波や活字にのったのは数ヶ月前…と言ったらちょっと甘すぎ…か、1,2ヶ月前じゃなかったかな?アメリカ情報機関の予測も「ロシアのウクライナ侵攻不可避」と判断するのは、だいぶ時間がかかった。
その後のウクライナの国民の、自由と主権を守るための戦いには敬意と賞賛を禁じ得ないが、とにかく早くロシアが引く形で終わってもらえればいいのにと祈らずにいられない。

そしてロシアが、劣勢のすえに「発電所などのインフラを壊せば、国民が寒さや飢えに苦しむだろう」という戦術をとっている今、なんとも汚いがそれが効果的な戦法ではないか、とも思う。
今一度、寄付という形でも再度支援を行わねば、と書きながら思った。

AI が画像をお絵かきできる!など、人工知能が今年も進化。社会の方が対応追いつけず。

昔、地震を描いたパニック映画のキャッチコピーが
「いつかは来るとは知っていたが  今日とは知らなかった」
だったが、 AI で言葉で注文すればある程度の図が描かれるということは、予想の範囲ではあった。ただぶっちゃけ、白はげ漫画から始まって、ゆっくりゆっくり進んでいくと思ったら、とんでもない数ヶ月単位で、様々な条件がクリアされていったのだ。
最初の時に、自分は「外国でこの AI が生まれた以上「日本風アニメ、漫画の絵柄」 をAI が制作するのはちょっと難しいだろう。日本が音頭をとって、地道にデータを蓄積しないとそういうことは可能にならないのでは」という趣旨の記事を書いた。
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もちろん結果を見れば大外れもいいところだったけど(笑)、ぶっちゃけAI がその領域をあっという間に突破してしまった今、この予測間違いはもう誰もできない ……すごく貴重な記事になったと思う。

日本の総理大臣経験者、遊説中に暗殺される。暗殺者は手作りの銃を使用。理由はカルト教団によって家庭が壊されたので、関係が深い政治家を殺したいと思ったから。

これももちろん、深刻な暗殺事件であり、人命が奪われた痛ましい事件なのだが、もう一方でこう記述するとストーリーの骨子が、伝奇バイオレンス的なフィクションのような気がするほどの奇想天外な話だ。何しろまだ70にならず、最大派閥を率いていたはずの安倍晋三氏が、このあと日本の政界でどのように行動し、その結果日本はどうなるか……政治畑の人間は様々に予想していたであろう。その予想は、どんな精密で深い分析をしたジャーナリストや研究者であろうと、その予想は一気に全くの反故、すべてが覆っているのだ。

人々の予想を超えた奇想天外な設定がSF性なら、「2022年に安倍晋三元首相が突然肉体的に消滅し、影響力を少なくとも直接的には及ぼせなくなる」は、相当に”奇想天外”な社会なのです。そんな世界線に、我々は生きている。
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サッカー・ワールドカップという、人間の肉体が競い合う究極の場で、勝ち負けに繋がる微妙な判定が「ボールの中の位置測定装置」という科学によって最終的な審判をくだされる。

SF的な話ー人間が競う究極の場、機械が運命を握る

本当に逆説的な話で、思わず笑った。
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サッカーとか相撲とか…以前は写真判定も嫌がったようなスポーツがあって、その時の言い分が「人間の誤審も含めてそれがスポーツなんだ」という主張をしていたはずなんだ。しかし実際のところ、 判定というのはどうしたって正確さを求められるものだから、そんな言い分にみんなは納得しない。
そしてみんなが納得するには、結局のところ人間の意志の介入しないような、冷徹な「機械」のやること、それに判断を委ねる方がよくなるんだ。 車の自動運転について、楽観者は「あと数十年もすれば、その時代の若者は「昔は人間が自動車を運転してたんですか、怖い時代だなぁ」と言うようになるよ」 …サッカー判定もそうなるだろうね
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中国、一人の人物に権力が集中し、専制体制に。テクノロジーの近代化は自由ではなく統制に使われる

中国は鄧小平以降、政府・体制が民主主義的な思考・行動を指向するとはついぞ思わないが、「様々な勢力が牽制しあって、その結果として誰か一人が絶対的権力を握る”毛沢東の復活”はないだろう」ということで約30年それに慣れてきた。
そこにそのくびきを突き破って、異例の形で権力を握る男が出てきた。
社会はとりあえず、宇宙開発や国内企業のスマホ 、EV、SNSのプラットフォーム などが世界を驚かせる パワーを持った状態。その状態の上に独裁者が乗るという…

そういえば、政権内部の 暗闘による独裁者出現の防止に期待していたように、「中国は豊かになることで、自然と社会が”反独裁”を指向するだろう」という予測も、例えば胡錦濤時代には自分はしていた。

これは大外れだったなー…と思いきや、コロナ対策への反発から「白紙デモ」が生まれたりしている。この後は果たしてどうなるのだろうか 
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超大富豪が社会インフラ的な存在を買収し、自分の気まぐれであれこれやることで大騒動になる一方、その存在の本質的な意義が改めて議論されることに。

北杜夫の半分童話じみた風刺小説で「父っちゃんは大変人」という作品があるのご存知でしょうか 。自分もいまや内容詳しく覚えてないんだけど、何かのきっかけですごい大金持ちになった「父ちゃん」が、様々な奇行を行なった結果、最後は自宅を独立国として日本国とドンパチをやった…んだっけかな。
それに至るまでの経緯で、突然超大富豪になった父ちゃんが、そのお金で様々なことをするんだわな。「変人の超大金持ちが〇〇をやったら」というのはもしもボックスみたいなもので、何かの状況設定としては非常にやりやすい。
自分はこのブログの中で一種の法哲学的なシミュレーションを小説仕立てで書くことがなんとかあった。まだ登場してないけど今後、この超大金持ちを主人公にしてそういうシミュレーション小説をかければと思っていた……そしたらイーロン・マスクがまさにそれに近いようなことをやってのけた。
就任後わずか数カ月で、キュレーション、シャドウバン、自分を批判する人間の SNS 凍結、同業他社の情報流通への制限、トランプのような批判も人気もすさまじいアカウントへの対応、何でもネット投票で決めること…そんな是非を、全て超早送りで見せてくれた。
非常に残念なのは、 これがシミュレーション小説とかではなく現実だということなんだけど(笑)
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「ドローン」戦場で大きな戦果次次に。結果、製造元としてトルコやイランの存在感も賛否両論でクローズアップ。

ドローンが戦場を圧倒的に変えるゲームチェンジャーだ、ということもまだないようだけれども、逆に戦場で無視できるような存在ではない。そんな時代がもはや来てしまった。
そして、国際情勢の中ではXX国製の兵器はそこでは使えないとか様々な制約があるものだけど、まず現実としてロシアーウクライナ戦争で「トルコ製ドローン」「イラン製ドローン」が世界の注目を浴びていることは間違いない。それは値段なのか性能なのかわからないが、とにかくこうやって戦場で経験値を積んだ兵器はさらに発展することが多い。結果としてトルコやイランはそれをプラスにするのだろうかマイナスにするだろうか。
どちらもそもそも地域大国としてのポテンシャルは非常に大きく、地政学的にも重要視される国だ。と同時に内部に大きな問題を抱えている。トルコは大統領選も近い。イランは大きなデモが発生していることはご承知の通り。 SF 的想像力ということに立ち戻るなら、例えば50年後のトルコやイランのあり方を今の SF 作家は…そして本職の国際政治学者などは空想できるだろうか。。

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幸か不幸か、日本製のドローンというものが世界中の戦場で使われて、大きな信頼感を得るみたいな話はない。

コロナ感染者、第8波も多いけれど、社会が扱い方を「それはそれで」としたら、話題にならなくなった

これはまさに自分も含めての話ですよ。
これまでだったら「いつ頃この流行はピークが来ていつぐらいに低下するんだ?」「行動制限の是非と個人監視の方哲学」みたいな記事を複数アップしてたでしょう。
オミクロンの症状が多少軽いのは事実なんだろうけど、それにしても結局社会の方がコロナに「慣れて」、まあそういうもんだと納得したら、同じ感染数でも社会の回り方は違ってくる・・・・・・うー--ん、それでいいんだろうか。 しかし病院の逼迫だけは変わらない …

ママ友支配(5歳児餓死)事件で有罪判決、マインドコントロールの法規制も一度は政治課題に

ママ友支配事件は2020年だが判決が今年出た。
一度宗教被害者家族救済法の議論の中で、野党からそういう案が出たものの、やはり法的な定義が難しいということで見送られたのがマインドコントロールである。
自分も法的な定義というのは難しいと思っている。どうしたって近代社会の重要な基礎である1人1人が自由意志を持っていると言う大前提…それがフィクションか否かは問わぬ問わぬ 。
ただ、結果としてそういう形になっている コミュニティがあるのも事実で、そして自分は一番賢明なカルトは、党勢拡大を目指さず、ある程度の規模になったらぴったりと閉じて、世間の目につかないようにしてその中で搾取と支配を貫徹する『ミニカルト』だろうと思っている 。これは宗教以外でも充分あり得て、その典型例としてママ友支配があるのではないかと思っている。
最近の事例で言うと「カリスマ的な主宰者が君臨する”劇団”」に、カルト的な萌芽があるのではなかろうか…とも思う。
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マッチングアプリが地味に結婚のきっかけの第1位に

どこのランキングだったかな? そういう結果が出たはず。
確か漫画「焼いてるふたり」が「マッチングアプリで結婚を決めたなんて何か体裁が悪いから、普通に出会ったように偽装したい」 みたいなエピソードがあったそうで…これ以前、「ディスコで出会ったのがきっかけというのは体裁が悪い…」みたいなネタが OL 進化論であったはずなんだわ。

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こういう変化は普通に暮らしてると見逃す。気づいたら「あっ雰囲気が変わってる!」になるのだ。そして人間の知恵や経験である仲人やらおせっかいおばさんより、冷徹なアルゴリズムに基づく AI?の方がいろいろ優れてたとしたら、これまた SF 的ではありませんか。

ただマッチングアプリではその後の夫婦喧嘩を仲裁しつつ、逆に「そんだったら別れちまいな!!」と煽って逆に女房に旦那をかばわせる……なんていう「厩火事」機能はついてないはずで…いや今後はありえるかな?

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