軍靴のバルツァー26話「戦争の姿」である。現在は「くらげバンチ」で無料配信。
kuragebunch.com
この作品は先に雑誌に掲載、単行本になったものの「リバイバルネット配信」であり、自分は基本的に単行本で読んでいるのだが、だからこそ「この回は(配信期間中に)読んだ方がいい!」と強く推奨しておきます。
状況は非常に複雑なので大幅に略すが、主人公のバルツァーは、要人である隣国の王子を連れ、少年兵たちとともに敵軍の追撃をかわし逃走中。だが段違いの機動力と攻撃力を誇る敵の「騎兵隊」に捕捉される。いよいよ進退窮まった時、宿泊の農場には、最新の「とある農業用具」が残っていた・・・・・・
その威力、まさに悪魔的。近代戦争の申し子であり、隠れた「助演俳優」である・・・・・・「有刺鉄線」。
いやちがった。
簡単に騎兵というが、お馬さんを戦場でもおびえず進軍するよう調教し、それを乗りこなす乗馬技術を持ち、優秀な馬を育てるのに、どれぐらいのカネと時間がかかるか。
それゆえ、貴族の子弟らが騎兵になりがちなのである。そこには勇気と名誉と闘争心あふれる「戦いのエリート」しか、参加資格がない。
だが、それを、乾いた機械音とともに銃弾を豆のようにばらまく奇妙な兵器の前に無意味になる。
そこを脱出しようと思っても、磨きぬいた腰のサーベルでも、馬の突撃でもまったく切れず破れない、ふにゃふにゃしてはいるが鋭いとげのついた針金ーーーーーーーーーーーーーー。
詩は、英雄の気概は、そこでは必要ない。
やった本人が、こうやって、ひく。
ブクマより。こんな本がある
戦場の華「騎兵」を終わらせた鉄条網と機関銃…「軍靴のバルツァー」無料配信回で語られています。 - INVISIBLE D. ーQUIET & COLORFUL PLACE-b.hatena.ne.jp参考書は「機関銃の社会史 (平凡社ライブラリー)」「鉄条網の世界史 (角川ソフィア文庫)」を
2021/09/15 15:05
ブクマより2 昨年、こんな増田があったとか
戦場の華「騎兵」を終わらせた鉄条網と機関銃…「軍靴のバルツァー」無料配信回で語られています。 - INVISIBLE D. ーQUIET & COLORFUL PLACE-b.hatena.ne.jp昨年の鉄条網増田 <a href="https://anond.hatelabo.jp/20201003080257" target="_blank" rel="noopener nofollow">https://anond.hatelabo.jp/20201003080257</a> を思い出した
2021/09/15 23:56
anond.hatelabo.jp
anond.hatelabo.jp
日本もこののち?203高地でさんざんに知った近代戦。その姿が、無料配信中の「軍靴のバルツァー」では描かれている。
過去の「バルツァー」関連記事。最初の記事が、全体像を紹介した記事だ(って、2012年までの連載部分だけだけれどもね)
m-dojo.hatenadiary.com
というか、一巻の時点で「銃の近代化が戦争そのものを変える」「騎兵が戦場で華々しく活躍する『英雄の時代』は終わりを迎えている」は全面的に打ち出されたテーマで、それが26話で全面回収された、というかたちである、結果的には。
m-dojo.hatenadiary.com
m-dojo.hatenadiary.com
そして今回の一種の”続編”が「坂の上の雲」旅順戦……。そう、つながっていく物語。
「旅順攻撃というのは、日本人にとってはきわめて不幸な事件であり、その不幸を象徴しているのが乃木希典である」