9月10日は『阿・吽』最終巻14巻発売日ですー。 pic.twitter.com/rpvDI5G8NC
— おかざき真里『阿・吽』最終巻9/10発売 (@cafemari) September 9, 2021
自分は「2014~2015年マンガ10傑」のときに、色々書いた。
野球、料理、政治がテーマなら「ライバル物語」をマンガで描きやすいだろう。しかし、ここで描くのは空海と最澄、日本史上最大の「思想のライバル物語」なのだよ!
無理ゲーだよ!編集者止めろよ!
しかし…やっちゃたのである。
こういう無謀な旅をするだけあって、作者は伝説の剣をそうびしている。つまり、悪魔的とさえ言える画力。
描く2人の人物は基本「聖人にして狂人」。それを二つながら描く。
そして、仏教が仏教である限りに持つ弱点と、僕が思うものがある。
それは
「仏教は、すばらしい教えかもだが、フツーの人はついてけないんとちゃう?」と。
思想史的には、空海も最澄もまさにこの問題と挌闘し、そして異なるアプローチをしていった。
ここには「弱い」帝王たる桓武天皇も絡むかもしれない。
そのテーマに至る伏線らしきものも感じている。
この読みが、その後どうなったかは実際に読んでもらうとして、上のツイートに添付された画像。
実にうつくしい絵。
この「犀の角のように ただ独り歩め」は、仏教哲学の神髄でもあるし、
さらに、孤独な歩みを続ける者たちに対する普遍的な励ましでもあり……そうでありつつ、シンプルに
「諺や比喩って、その国・地域のお国柄が反映されるよなー」
というのを実感して好き(笑)
仏教は、やはりインドから生まれたのだ、と。サイの角のように、と言ったってさ、サイが居なければ実感もできまいよね。
仏教の地獄に「ぞうさんにお酒を飲ませて暴れさせた罪」がある、というのは「鬼灯の冷徹」でもツッコまれた話
m-dojo.hatenadiary.com
から孫引き
http://comicbob.blog.fc2.com/blog-entry-15.html
地獄の定例会議ーー
鬼灯たちは、地獄がより地獄たるべくルール改正を推進しています。
例えば、対象者がたった1名の「象に酒を飲ませ暴れさせた罪」の地獄について。
『何をどうしたいんだ何を!?』
必要ない地獄をばっさり切り捨てる鬼灯。
アフリカのことわざ「この世はニワトリの尻」と、それを紹介した星野ルネ氏の本を思い出す。