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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

「煉獄」について考える。これって何か知ってる?そもそも誰が訳した?

■「日本人、ザビエルに突っ込む」話に関する参考資料など
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20130209/p3

から発達させて、もう一度周辺の話題で雑談させてもらおうと思います。てか、考えてみると不思議なもので・・・

そもそもの話から考える。話題の発端は

・ザビエルの書簡に「日本で布教したら、『デウス様、そしてキリスト様を信じないと地獄行きぞよというなら、貴方がこの地で初めて布教する前のわが父母、ご先祖は間違いなく地獄確定?』と聞かれたよ」と書いてある・・・
ということが発端だった。それが日本人の(特別な)優秀さ、という誤読があったらしいことでよくも悪くも話題になったのだが、
 
・実はザビエル書簡には「そのへんはよーく(オレの学識で)説明してやったので、日本人も納得して続々入信さ!」という「俺SUGEEE」な記述もあった。
 
・あと、これは小生の連想だけど「そもそも日本布教のはるか前、ゲルマンの”蛮族”たちがカソリックの司教に同じツッコミをしたよね」と。
 
・どうも、そのツッコミに困ってローマ法王庁がでっちあ・・・いや創・・・いや”発見”したのが「煉獄」だと。

つづく。
 

「煉獄」って何か知ってますか?

「地獄」「煉獄」。
どっちにしてもおどろおどろしいやね。漢字が感じを伝える力はおそろしいもので、なんとなくおっかない。
しかしそもそも「煉獄」ってなんでしょう。
さあみんなで考えよう・・・
じゃないけど、上のリンクをたどっていけばわかるように、てかウィキペディアにもあるように

煉獄

煉獄(れんごく、ラテン語: purgatorium)とは、キリスト教カトリック教会の教義のひとつ[1]。
カトリック教会においては、神の恵みと神との親しい交わりとを保っていながら完全に清められないままで死んだ人々は、天国の喜びにあずかるために必要な聖性を得るように浄化の苦しみを受けるとされており、この最終的浄化を煉獄という[1]。第2バチカン公会議以降もこの教えは変わらず、『カトリック教会のカテキズム』において煉獄について明文化されている。
煉獄は聖書に記されてはいない[2]。煉獄の教義は、教会の東西分裂以降のカトリック教会にて成立した。このような経緯もあり正教会では煉獄を認めない[3][4][5]。また、煉獄の住人のためにささげる祈りが教皇の免罪符発行に結びつき、マルチン・ルターの宗教改革に至った経過があるため、プロテスタントも煉獄の教義を否定している[5]。古くは「浄罪界」とも訳される。

てなわけで、
さっきの「地獄」「煉獄」コンビでいうと、実は地獄が厳しく、煉獄はちょっと甘い。地獄は終わりが無いが煉獄は終わりがある。
 
へー、てな話ですわな。
そしてそれ以上でも以下でもない。少なくとも非カソリック信者にとってはだ。大体キリスト教の中でも東方正教会プロテスタントが否定してるなら少数派じゃん!
「想像してごらん、煉獄なんてないってことを。そこには空が在るだけ」


ただし、日本人の少数はそれを知っている。その知っている人は・・・

「煉獄」という言葉をどこで知りましたか? (%)
ダンテ「神曲 6%
るろうに剣心」の船の名 63%
喧嘩商売」の技の名 31%
(俺調べ)  

http://blog.livedoor.jp/guusoku/archives/4862733.html


56 風吹けば名無し 2011/11/19(土) 00:15:21.37 ID:8QIjNK+a
志々雄の反乱って教科書に載るんだったら萩の乱神風連の乱位の扱いかな? 西南戦争レベルくらいにはなりそうにない
 
62 風吹けば名無し 2011/11/19(土) 00:21:02.23 id:DgxKmQ7F
【志々雄真(ししおまこと)の乱 】
1878年 明治11年に起きた不平氏族の乱
元長州派の暗殺者を自称する志々雄真を中心に集まった勢力が決起、京都への放火を試みるも、新政府に鎮圧された
こんな感じか
 
64 風吹けば名無し 2011/11/19(土) 00:22:29.69 ID:8QIjNK+a
センター試験にも出てこないようなレベルやな



しかし「地獄よりはまぁ、罪が軽いんだけど」というニュアンスまで伝わったのかどうか(笑)。そもそも彼らは、なんで地獄より軽い名前をつけたのかしらね??

じゃあそもそも誰が訳した言葉なのか?

まあ、「カソリック伝来時の日本か明、清」か、ダンテ「神曲」の翻訳時に必要に迫られた訳者だと思うんですよね。天下のウィキペディアにも誰がこの訳語を当てたのかの説明は無い。代表わりに「古くは『浄罪界』とも訳される。」という、それはそれで面白いトリビアが載っている。

さらに検索すると(いや、ほかの方法でもしらべろよ)
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1298551832

①概念・概要
…煉獄とは、そもそもどういう場所なのでしょうか?また、キリスト教の概念なのですか?

②訳の疑問
…Purgatorioという単語を、そもそも日本にその概念が無いにも関わらず、いかなる意図で煉獄と訳したのでしょうか?
訳が煉獄となった経緯や理由を教えて下さい。

1については上の話と同じだから略すが
2については

浄化方法の描写がしばしばあぶられるみたいな火炙りのイメージになるので訳すときは火で練って固める意味の「煉」の字が当てられたのでしょう。

との由。いつ、だれがそう訳したかは結局わからないが。

「供養で助かる亡者がいる」ほど遺族は平安だし、宗教界は儲かるよね(笑)

上の「煉獄が免罪符を生み、それへの反発が宗教改革に」というのはよくわかるなあ。とも思った。
そして、「死んだ後に先祖や他人のために祈っても、財を教会に寄付しても救われませんよ。あくまで本人に信仰があったかですから」という話は、たしかによく考えると苛烈な話ではありますね。文字通り「救いがねー」わけだ。
おはかにぼたもちやお酒を供えると故人がよろこぶ、というのは安易かもしれないけど、とりかえしがつく、心の慰めにはなるという点で「やさしい」教えかもしれない。宗教がやさしさのあらわれであるなら、そうやって献金お布施を受け取り、それに応じてあの世での故人先祖の苦しみを(金次第で)取り除く・・・「と、みなす」というのは、実にウィン―ウィンなビジネスなのかもしれない。

だから地獄はどんどん複雑緻密になっていくし「現世の供養次第で、扱いがかわります。なお私のかばんには、まだ若干の余裕がございます」と各教団がなっていくのは、実に自然なことのような気がしますね。
そしてそれが回りに回ると

に結実する(笑)
おやおや、間もなく最新刊か。

しかしどこの宗教の地獄もさ

(テツ&トモ風に)

♪ 地獄って国家や時代を超えた普遍的な存在なのに
♪ 罪状や責め苦の内容が、その宗教発祥時の地域や時代に密着してるの
♪ なんでだろ〜。なんでだろ〜。

このネタは前述の「鬼灯の冷徹」でも突っ込まれていますな。

http://comicbob.blog.fc2.com/blog-entry-15.html
地獄の定例会議ーー
鬼灯たちは、地獄がより地獄たるべくルール改正を推進しています。
例えば、対象者がたった1名の「象に酒を飲ませ暴れさせた罪」の地獄について。
『何をどうしたいんだ何を!?』

必要ない地獄をばっさり切り捨てる鬼灯。

昭和の時代に書かれた、21世紀の近未来を描いたSFで(全体的に傑作でも)、登場人物が公衆電話を探してうろうろしたり、「西ドイツ製」の兵器について語られるときの、そっと目をそらすあの思いに似ているような似てないような。

でも本来、全知全能の創造主は戒めを流浪の民に与えるとき、当時の人間はわからなくても「汝コンピューターウイルス作るなかれ」とかあらかじめ記しておくべきだったと思いますね。


てな調子で「煉獄」のおはなしはおしまい・・・あ、ひとつ思い出したんで追加。

「ザビエルへの日本人の質問」と「キリスト処刑」を結びつけるある異伝説

こんな解釈が、一部のキリスト教異端?にあることを聞いた。

とある地獄の一日・・・

ある日、「やつ」は地獄へ落ちてきた。
処刑された一庶民、とか聞いていたから何の警戒もしてなかったが・・・

「お、おい、こいつ・・・」
「なっ、なんだア!?俺たちが罪人をいたぶる根拠となる『原罪』が、こいつにはねえッ!!!」
「そんな馬鹿なっ!!そんな人間なんて、地球上にはただの一人もいないはずだ!どんな善人だってこの地獄に来てるんだゼッ」
「そ、そんなやつがもしいるとしたら・・・『神の子』しかいねえっ」


「そう、ぼくは神の子。なぜ奇跡で抵抗もせず、おとなしく人間の手によって処刑されたのか・・・それはいったん地獄に下りて、ぼくの生まれる前に死んだ人々にチャンスと救いを与えるため!!!」


つぎつぎと地獄の鍵を開けるキリスト!!!
「や、やつをと、止めろ」
「アワワワッ、ダメですう、何しろ相手は無原罪・・・こっちの攻撃はすべて無効です!!」
「うぬぬぬ」


ルシフェル・・・ぼくが生まれるはるか前だが、君の働きには父も助けられたようだね。父からの伝言だ、堕ちても身体は大切に、とね。ぼくもふたたび地上に降り、千年の王国を築いたあと、ふたたび君と出会うことになるだろう・・・ハルマゲドンで!!」


そして、聖書とキリストの教えが説かれる前の死者はみな、地獄から解放されました。だから「キリスト来る前の死者はかわいそうじゃん!」と心配しなくてもいいのです・・・・(完)

まあ、この話自体はよくできていると思う。
「刑務所に秘密の目的でヒーローが、敢えてニセの罪状で入獄する」というオープニングで始まるドラマや漫画も結構あった気がするが、たぶんその元祖だ。


んだけど、この話をでっちあ・・・創・・・発見したときは、まだ地球を東に東に進むと黄金の島や絹の国があるとは気づいてなかっただろうから(笑)。「キリスト死んだの、西暦30何年だよ!!1549年にザビエル来るまで、また知らないまま死んだ人多すぎだろ!!」と突っ込まれたときにどう答えるかはしらん。

ソースはどこか、は学生時代の読書なので実に記憶あいまいだが・・

だったと思うなあ・・・いや出版年的にはダウト・・・「辞典」のほうじゃないよ。
とにかく、こういう悪魔に関する伝承や教義を網羅したような読み物で読んだ記憶です。

全体の参考

http://togetter.com/li/451988
http://kousyoublog.jp/?eid=2827
http://d.hatena.ne.jp/tonmanaangler/20130208/1360288298
http://d.hatena.ne.jp/tonmanaangler/20130209
(※いまはtogetterへの直接リンク記事を紹介したが、上ブログは他にも関連記事がある)