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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

漫画アプリや「ウェブトゥーン」の現状と未来~「週刊東洋経済」の特集と、過去記事まとめ

ウェブトゥーンについて、今年はいろいろ興味を持った年でした。

で、週刊東洋経済12月18日号の「産業リポート」で、ちょっとした特集が組まれています。

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週刊東洋経済の漫画アプリ特集

以下、「沸騰する漫画アプリ市場 出版社とIT 企業の思惑」という特集記事から…漫画アプリ及び、それが内包するウェブトーン の現状とこれからの展開について参考になると思うので以下要約する。


・コミックの販売額は1995年の5864年がピークで下降傾向だったが2020年に「鬼滅の刃」のヒットなどもあり2021年に6126億円、史上最高となった。


・この中で存在感が増しているのが漫画アプリである。現在の漫画の成長の大きな部分は電子コミックだが、その電子コミックの30から40%が漫画アプリのようだ。 つまり約1千億円の規模がある。


・ 問題なのはアプリの乱立だ。 例えば講談社はマガポケ、コミック Days、 パルシィの3アプリだ。あるアプリ運営会社は「作家の取り合いや編集部間の対立によって、ひとつの出版社でも雑誌ごとにアプリができているケースが多い」。


・だから it 企業を中心として書店のようにどこの出版社にも属さないで多くの人気タイトルを供給する漫画アプリが拡大している。


・その二大巨頭がピッコマと LINE マンガである。


・ピッコマを数字で見ると2021年10月にダウンロード件数3000万を突破。
LINE 漫画も累計3000万件突破。


・ピッコマの「俺だけレベルアップな件」は2020年に月刊販売金額2億円。
ピッコマ全体では2021年、半年で300円の販売前年同期比ほぼ倍増。


・LINE マンガではウェブトーン「女神降臨」「喧嘩独学」などが人気作となった。


・ピッコマは今年6月、香港ファンドから600億円を調達。これは、同時期に国内の未上場ベンチャーの調達資金全部を合わせても、その4倍になるという。


・日本でもウェブトーン参入が始まった。集英社などと共同で漫画アプリを運営する 「アンドファクトリー」が参入を表明したほか、KADOKAWAアカツキ、メディアドゥなどが興味を示していると言う。


集英社の「マンガMee」でも、ウェブトーン「サレタガワのブルー」を配信しドラマ化までされた。


・だが出版社系ではやはり「普通の漫画が横向きを前提で作られ、それを捨ててウェブトーンへ行くのは難しい」という問題がある。実際に社内でウェブトーン進出が立ち消えになった会社もあるという。


・ただ、先行の漫画アプリがこのまま絶好調で有利かと言えばそうではない。


・なぜなら基本形式はすぐに真似られてしまうからだ。


・ピッコマが躍進した理由の一つは、一つ一つのエピソードを少しの料金で売る「1話売り」や、一定時間経過したら無料で読める仕組みが同社独自のものだったからだが、もはやスタンダードである。


・だから今後の漫画アプリ市場はコンテンツが鍵を握るだろう。その際、出版社がアプリを運営していくのか、それともコンテンツ供給に特化するのか。ピッコマもLINEも「プラットホームと出版社は仲間である」「出版社とのパートナーシップが重要」と秋波を送る。

ピッコマ社長の金在龍氏インタビューより。

・紙のユーザーをデジタルで読ませるのではなく、新たな読者を呼び込みたい。 競争相手は YouTubeNetflixだ。

・ ピッコマは漫画が好きな人をターゲットにするのではなくそもそも漫画に興味がない人を連れてきて 、それをディープなユーザーにしている。ウェブトーン(ピッコマではスマトゥーンと言う独自の呼び方をしてるそうだな)の新規ユーザーは半年ぐらいで8割ほどが横読みの漫画を読むようになる。

・ピッコマのスタイルが真似され、固定化されたシステムになってきたのは認識しているが、それでも次々と改善して進化させていく。例えば広告を入れれば大きな利益になると思うが。、ユーザーにとっては広告は実に邪魔だから入れていない。

資金調達で得た600億円を、すごく売れる作品ではなく全く売れない作品をどう改善すれば売れていくのかと言う情報提供などに使いたい。

またグローバル化も視野に入れている。今年9月にピッコマヨーロッパを設立した。今フランスでは日本の漫画が翻訳され単行本が出るまで7か月かかっている。これは時代にそぐわない。まずフランスで漫画アプリ使用を開始予定だ。

感想と過去記事リンク

ピッコマの売上がとてつもなく大きいのは「単話売り」が成功したことにあるようだ。

で、これの本質とは…自分も過去記事でかいたんだが、
「もともと人気漫画の面白さのポテンシャルって『ああ面白かった、次の話が(すぐ)読みたい!!…1話50円?それぐらいならすぐ買う買う!!』となるぐらいの潜在的な商品価値があった。だが、これまでは『雑誌』という『人気作も不人気作もまとめて週1回か月1回、数百円でセット販売する。その後、約半年後に7,8話をコミックス形式で「まとめ売り」する』という流通形態しかなかったので、その潜在価値が測れようがなかった」ということだと思う。
実際、今の第一線にいる日本の超一流漫画家が「じゃあ俺も雑誌連載じゃなくて、アプリ専門で、しかも読みたい人は1話30円、って形で連載してみようか…」となった場合、どうなるのかな?というのが気になるところです
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ああ、そして、2018年で早くも「漫画アプリが多すぎる!!そしてバラバラ過ぎる!!なんで1つの出版社から複数出てるんだ?」って話、まとめ作って議論してましたな(笑)

今現在、漫画の公式アプリとか電子書籍アプリはどんなのがあるのか~漫画家・村岡恵先生がざっと紹介

togetter.com


その結果として「紙の雑誌が1軍、アプリは2軍」ではなくなってくる?
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最初の最初にウェブトゥーン隆盛を知ったのは2013年の話か
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togetterにもある時期から、関連まとめが増えた




自分の興味の範囲は、上の課金制による変化のほか
・肝心の作品のクオリティが…、自分の観測範囲ではハマるやつがまだない
・韓国が舞台の作品を、無理やり日本にする問題とかもある
・「コマ割り」はどうなっていくんだろう?
・世界に売れるテーマは?

などなど

togetter.com
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【追記】後日、こんなツイートがあった

※ここに載せていますが、「この雑誌ではないか」というのは掲載時期と内容からの、わたくしの推測で、それ以上の証拠も、元ツイの七月氏の証言も無いですよ