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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

電書「Dモーニング」は「3カ月で採算が取れるようになった」

上のエントリーに続いて、これも赤字黒字の話です。

■週刊漫画誌:電子化、表現広げる可能性−−Dモーニング・ジャンプLIVE
毎日新聞 2013年08月26日 東京朝刊
http://mainichi.jp/feature/news/20130826ddm004040028000c.html
DモーニングはiPad(アイパッド)、iPhone(アイフォーン)に対応する。無料の専用アプリで購読手続きをすれば毎週木曜、紙の雑誌とほぼ同じ内容の最新号が配信される。「クッキングパパ」「グラゼニ」「神の雫(しずく)」など人気連載を柱に、「沈黙の艦隊」の復刻やオリジナルコンテンツも含め毎号300ページ超。紙媒体にあって電子版にないのは「バガボンド」と「BILLY BAT」だけ。月約4回の配信で月額500円と、1冊330円の紙媒体に比べ割安だ。購読登録後は、バックナンバーのダウンロードも可能で“読み逃し”にも対応できる。

(略)


 1982年創刊のモーニングの発行部数は、約140万部をピークに現在は約30万部に減っている。一方、単行本コミックの販売数は、それほど落ちていないという。この現象をどう捉えるか。島田編集長は「ライトユーザー」と「ヘビーユーザー」という言葉を使う。「単行本を買うのがヘビーユーザーなら、コミック誌を読むのがライトユーザー。彼らがヘビーユーザーにならないと、いつの日か、現在の漫画市場を支えているヘビーユーザーの数がガクリと減ってしまう。市場を持続可能なものにしていくためには、ライトユーザーがたくさんいないといけない」
(略)
月500円の価格設定は安くないのか。島田編集長は「いくらだったら買ってもらえるかと考えた時、500円という数字が挙がってきた。(500円を安いというなら)紙の1冊330円という価格が破格。もともと雑誌は赤字なんです」と明かす。これまでのダウンロード数は企業秘密だが、「もう少し苦戦するかと思っていたが、想定とピッタリの形で伸びている。ふたを開けてみると、この価格で、3カ月できれいに採算が取れるところまできた」と順調そうだ。8月末にもアンドロイド用のアプリもリリースする

うしろの「ジャンプLIVE」の話はとくに興味をそそられない。読みたい人はリンク先へ。
しかし、3カ月で電書版が採算に載った、は、いいニュースだが、本誌の部数の減り方は…


そして、今後気になる「電書化と漫画のコマ割り」について。

◇コマ割りが変化

 漫画誌の電子化は、新たな漫画表現を広げる可能性を秘めている。京都精華大マンガ学科マンガプロデュースコースの浅井康特任講師は、一例としてコマ割りの変化に注目する。「紙の大きさの制限があったから漫画のコマ割りができたが、電子媒体ではその制限もなくなる」と話す。韓国発の漫画アプリ「WEBTOONS」で、すでに試されているように「1画面1コマで、画面をスクロールすることで読み進めていく新しい漫画が生まれる。昔の絵巻物がそのような読まれ方をしていて、漫画はそのルーツに戻るのでは」と…


コマ割りについて、以前こういう記事を書きました.
上の話に出てきた韓国の「ウェブトーン」の話を、最初の記事に書いてるね。

■「韓国に漫画を無料で読めるサイトがある。1コマづつのスライド、収入はすべて広告」
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20130425/p5

……1Pに漫画化がそれぞれコマを割っていた画像をばらして、順番に表示するだけでえんのかいな?と。
それは別物かもしれないと。
ただ、これはもともと「紙」である制約で”やむを得ず”そうなっただけかもしれない。画像を一枚ずつ表示できる仕組みがなかったからだけかもしれない(紙でやったら紙芝居になってしまい、とてもメディアにはできないだろう)。
漫画が戦後、手塚治虫などによって「映画に負けないものを紙の上で見せる」というふうに進化したのなら、ひとコマずつ画像を”スクリーン”に映すというのはむしろ映画的なわけで・・・
もし漫画をひとコマずつ、画像として見せるとどうなるか……

■「カメラの構図(コマ割り)」という20世紀の魔法 〜町山智浩鈴木先生」評をきっかけに
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20130220/p3
 
ほったゆみの壮大な実験「はじマン」が、コマ割り=カメラアングルの謎を解く、啓蒙する。
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20130524/p3
  
■「手塚治虫×石ノ森章太郎展」開催で、二人の関係を描いた作品などを振り返る。」
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20130630/p1

ウェブトーンに関するtogetterはこれ。
■「七月鏡一氏による韓国漫画市場の近況解説」
http://togetter.com/li/94888