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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

「WEB公開漫画が本になる時、作者の報酬は」の議論で「メディアとコンテンツ、どっちがカネを払うか」が再び気になった、テレビの放送料を含め。

ちょっと話題のtogetter。

【WEB漫画が無償でコミックス化される現状】に対する漫画家たちの声 - Togetterまとめ http://togetter.com/li/722723 @togetter_jpさんから

皆が指摘しているけど、実は複数の論点が重なって焦点が分かりにくくなっている面がある。「原稿料」という言い方もちょっと議論の方向性を限定してしまって惜しい。
 
ただ、なんとなく、自分が興味を持っていたことと重なる部分というのはある。
それは「メディア」と「コンテンツ」の関係ということ。
過去の文章を紹介するね。

コンテンツと媒体、お金を「貰う」か「払う」かに別に原則は無い。今のTVは、無名の天才が仕組みをつくった(井沢元彦) - http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20140330/p3
 
「怪盗ルパン伝アバンチュリエ」移籍連載の「月刊ヒーローズ」がわずか200円で笑った/漫画は「スポンサー時代」かも。- http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20130307/p4
 
テレビと、地上波と、CSと、スポンサーと、あれこれと・・・-http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20130322/p4

もうひとつ、togetterのリンクを紹介しよう。

■なぜ地方ではアニメが放送されないのか-http://blog.toppy.net/?eid=1073150


上のリンク先を読んで頂くとわかるけど、要はメディアとコンテンツの関係で…

メディア側がコンテンツ側に
「そのコンテンツ、うちのメディアで『流してあげて』もいいですよ。その代わりおかねくださいね」
というのか、コンテンツ側がメディア側に
「そのメディアに、うちのコンテンツを『流させてあげて』もいいですよ。その代わりおかねくださいね」
 
というか。これは本当に力関係というか偶然というか、伝統というか、力関係というか・・・たぶん正解はないし、そうなると「個々の魅力次第」ということになるんだろうなあ。そして今の現状も、たぶん「必然的にそうなる」というものではないからこそ、今までの伝統が壊れることに恐怖や警戒感がある、と。



最近発売されたムック「俺のプロレス」にこういう一文がる。

当時(1980年代)のアメリカのTVマッチは、プロモーターが時間帯をテレビ局から買った宣伝用番組で、主役となるレスラーがかませ犬のレスラーを一方的にやっつけて次の興行を煽るのを目的としていた

要はCM番組、テレビショッピングのようなもので何の不思議も無い。
テレビもそうだが、書籍の「自費出版」の歴史はもっと古いのだから、ある意味で「流通させるメディアと、そこに載せるコンテンツ。どっちがどっちにお金を払うか」は、500年戦争…やはり「正解のない」ものなんだろうなあ、と。


コンテンツもメディアも、自己実現や表現欲という、市場原理とは別のものが働くわけだし。

そういう点で、WEBで公開していた漫画を、出版社が「本にして、流通させたい」(この部分で、出版社を「メディア側」と扱います)と申し出るとき、印税は別にして、その本にする際の報酬がゼロであっても、有料であっても、あるいは逆に金を作者側からとっても、それは自由であり、交渉次第でしょうね、としか言いようが無い面はある。

ただ、その交渉の際に大きな基準となるであろう「慣習」「常識」…それがネットの発展とも絡んで、結局どう落ち着いていくのか、これは何とも興味深いところだと思いました。